有価証券報告書-第17期(平成28年5月1日-平成29年4月30日)

【提出】
2017/07/28 10:29
【資料】
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【項目】
123項目

有報資料

記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供することとしています。
(2)経営戦略等
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』のもと、2020年(平成32年)4月期に連結売上高500億円、連結営業利益50億円の達成を目標に掲げています。そして、その達成に向け、「成長領域に注力した新分野への進出と継続的発展」を戦略として位置付け、モバイル事業・アドテクノロジー事業の継続成長を図るとともに、生活領域(“Health Tech”、“IoT”、“不動産Tech”)に注力することで、中長期での事業拡大に努めています。
(3)経営環境
(ブロードバンド市場)
光アクセス回線をはじめとした固定網による通信サービス市場は、高速ブロードバンド環境の普及が一巡したことに加え、モバイル網による通信サービスの高速化が引き続き進んだことで、成長は緩やかなものとなりました。しかし、ネット動画やゲームなどのリッチコンテンツの利用増及びSNSのようなアクセス頻度の高いサービスの普及、クラウドサービスの利用拡大等により通信トラフィックが増加し、ネットワーク原価は上昇傾向にあります。一方で、2015年(平成27年)2月よりNTT東西が、光アクセス回線の卸売りとなる「光コラボ」の提供を開始したことにより、従来の光アクセス回線サービスである「フレッツ光」からの切り替えが進展し、光コラボの普及が進みました。
固定網による通信サービス市場のうち全戸一括型マンションISP市場においては、2020年(平成32年)開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたマンション建設数の増加やそれに伴うストック戸数(建築済み建物戸数)の増加により、高速ブロードバンド環境導入による資産価値や入居率の向上を目的に、その導入がより一層進み、引き続き、市場規模は拡大することが予想されています。
(モバイル市場)
当社グループがサービスを提供しているMVNO・MVNEの認知度向上が続いていますが、その普及自体が進んでいる欧州諸国と比べ、まだ日本での普及率は低い状況にあります。しかし、MVNO・MVNEの成長は顕著になっているため、今後、欧州諸国と同水準まで成長する余地があると見込まれています。
また、ICT端末であるスマートフォンの利用状況においても、日本での利用率が6割程度であることに比べ、他国ではその利用率が8割から9割以上となっています。日本では未だフィーチャーフォン利用率が4割程度となっているものの、フィーチャーフォンの利用者のうち約半数はスマートフォンの利用を視野に入れており、MVNO・MVNEの更なる認知度向上に伴って、今後、フィーチャーフォンと同等の安価での利用ができるMVNOの通信サービスに対するニーズが、より一層高まっていくことが期待されています。
(クラウド市場)
パブリッククラウド、プライベートクラウドともに市場が拡大しており、その両方を連携させ長所を組み合わせることでセキュリティ管理、コスト管理を向上させることができるハイブリッドクラウドの利用が広がり、クラウドサービスに対するセキュリティ不安も低下傾向を見せています。
市場規模は1兆円を超え、2020年(平成32年)には3兆円を超える規模になることが予想されています。しかし、パブリッククラウドにおいてはグローバルベンダーによるサービスが上位を占めており、今後もその状況が続くことが想定されます。プライベートクラウドにおいては突出したベンダーが存在しないため、当社を含む各ベンダーは、自社の強みを活かした差別化要因によって、市場におけるポジションを確立していくことが重要となっています。
(ヘルステック市場)
日本には、2025年(平成37年)に高齢者人口が3,500万人に達すると推計される「2025年問題」があり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になると見込まれており、就業者数も、2030年(平成42年)頃には医療・福祉関連産業が国内で最も大きくなると言われています。また、高齢化の傾向は日本だけに止まらず、世界規模で進展するものと想定され“Health Tech”は“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくものとして期待されています。そして、医療関連の品質維持やその費用抑制のためにICTの活用が必須であると位置付けられています。
当社グループは、薬局向けソリューションサービスの提供を足掛かりとして、この市場における存在意義を高めていくことを目指しています。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
インターネットを取り巻く昨今の事業環境下においては、ブロードバンド固定回線の普及がひととおり進み、それまで急速な伸びをみせていた光回線の契約数の増加も緩やかになってきております。これに対し、モバイル端末を中心とした次世代通信網の普及は急激に進んでおり、インターネットの利用方法も多様化しております。これにより、インターネット業界全体においては、収益機会は増加傾向にあるものの、更なる競争激化や業界再編等が進みつつあります。
こうした状況下において、当連結会計年度はMVNO及びMVNEに注力し、新規事業を推し進めてまいりました。また、これら新規事業を実施するにあたり、当社の複数のサービスをレイヤーに捉われない統合的なサービスとして提供するため、グループ内の技術や人的リソースの連携、ネットワーク資産の効率化などを進めてまいります。
以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような課題/対処方針があると認識しております。
(インターネット接続サービス市場環境の変化について)
スマートフォンやタブレットなどの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境の著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしています。ブロードバンドの固定回線は一定の普及により増加率は鈍化している一方で、モバイル通信の提供事業者間の競争は激化しています。また、第5世代移動通信システムの整備が全国的に進む中、各事業者の次世代通信網への対応が喫緊の課題となっています。
当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、モバイル市場においてユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発しいち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進しておりますが、今後もインターネット接続サービス市場環境の変化には影響を受ける可能性があるため、これらの環境に即応するとともに、これまでの実績や経験に裏付けされた利便性の高い安定した新しいサービスの開発が重要であると認識しております。
(モバイル端末を中心としたモバイル通信網への対応について)
MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者から借り受けてサービスを提供することになるため、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が困難であると言われております。
当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ新しい仕組みを提供することにより差別化を図り、より安価で高品質な無線通信サービスを提供できるよう、継続的な技術開発に努めることが必要であると認識しております。
(MVNE・MVNO事業のユーザー層の拡大への対応について)
MVNE・MVNOが着実に普及をしている中、これらのサービスを利用するユーザー層が、これまでのインターネット通信サービスに関してある程度の知識を有している顧客から、これまでインターネット通信サービスに深く係わってこなかった、3大キャリア(MNO)のフィーチャーフォンを利用してきた顧客へとその層が広がっています。そのため、MNOとのサービス構成やサービス内容の違い、サポート体制の差異について契約時に認識をしていない顧客が増えており、また、同時に事業者間の競争が激化する中で広告宣伝方法も多様化しているため、一部の事業者では顧客が思っていたサービスを受けられずトラブルとなっている事象も見受けられます。当社グループでも、一般消費者に対してMVNOサービスを提供している連結子会社もあることから、顧客のインターネット通信サービスへの理解度に応じてサポートを充実させたサービス展開に努めていますが、今後も顧客層の変化に対応した、わかりやすいサービス提供に努めることが必要であると認識しています。
(クラウドコンピューティング事業の展開について)
仮想化技術を利用したクラウドコンピューティングの市場の広がりに伴い、当社グループにおいても巨大な仮想データセンターから個人利用目的のパーソナルサーバまで、様々なサービスを提供しております。このようなお客様のデータを預かるサービスでは、安定的な運用を行うことにより、顧客との良好な関係維持に努めることが重要です。
一方で、仮想化技術は高度な監視体制と効率的なシステムの冗長化/分散化、新しい技術の継続的な導入が必要な分野であり、人的体制も含めて、継続的な運用/開発体制の強化・改善が必要であると認識しております。
(IoT市場への対応について)
インターネットの普及により、通信分野では、これまでのヒト対ヒトを中心としたものに加え、機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しております。このようなIoTの通信においては、大量のIP(インターネットプロトコル)を必要とするため、次世代プロトコルであるIPv6の利用が不可欠であり、IPv6関連の技術開発を長年行ってきた当社グループにとっては大きなビジネスチャンスであると捉えております。
当社グループでは、IoT市場における中心的な役割を担うべく、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携や、これまでインターネットに接続することのなかった家電を取り扱うメーカー、新規の通信サービスを提供しようとするサービサー等に対して、積極的に当社グループの技術・サービスを提供するように働きかけることが必要です。そのため、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等が肝要であると認識しております。
(関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)
当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っております。人員の交流も積極的に行っておりますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しております。
そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知向上等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めております。また、当社グループには上場会社が3社あるため、特にインサイダー取引防止のための教育・研修の強化に努め、適切な内部者情報管理が行われるようにしております。これらの教育・研修も含め、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促します。
また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備・構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携、改善等を継続的に行っていく必要があると認識しております。
そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また、継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでおります。

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