有価証券報告書-第20期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

【提出】
2020/07/31 10:15
【資料】
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【項目】
171項目

有報資料

事業の状況において使用する名称の正式名称及びその説明は、下記のとおりであります。
使用名称正式名称説 明
Health TechHealth Technology“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくもの
不動産TechReal Estate Technology“不動産×IT”により不動産業界に新しいサービスの潮流を起こし、ITを用いて不動産関連サービスを進化させていくもの
サブスクリプション型ネットサービス契約期間中は定額で利用し放題のサービス課金方式
AMPUAverage Margin Per User1ユーザー又は1回線あたりの平均粗利
MVNOMobile Virtual Network Operator仮想移動体通信事業者
MVNEMobile Virtual Network EnablerMVNOの支援事業者
クラウドCloud Computingソフトウェア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンターやサーバー群の総称
ICTInformation and Communication Technology情報通信技術
エドテック/EdTechEducation Technology“教育×IT”により、語学教育領域に変革を起こし、ICTを活用して 語学教育ソリューションを進化させていくもの
アダプティブ・ラーニングAdaptive Learningエドテックの1つで、学習者一人ひとりの学習進捗度(学習進度)に最適化した学習方法と教材を選択し、提供する仕組みを持つシステム
AIアシスタントVirtual AssistantやIntelligent
Personal Assistantとも称される
ユーザーとの対話により、ユーザーの求める課題や仕事を実行するサービス
CASEConnected/Autonomous/Share/Electric車産業が今後進むべき方向性を示唆する社会/技術的変化の動きや将来の自動車像を意味する造語
MaaSMobility as a ServiceICTを活用することで、自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして、シームレスにつなぐ新しい移動の概念
PWINSPlug-in Wi-Fi Network Systemギガプライズが提供する集合住宅向けISPサービスの1つ
SPESSingle-Pair Ethernet Serviceギガプライズが提供する集合住宅向けISPサービスの1つ
ブロックチェーンBlockchainブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖(チェーン)のように連結していくことでデータを保管するデータベースの1種で、「分散型台帳技術」または「分散型ネットワーク」とも呼ばれる
5G5th Generation五世代移動通信システムの略称で、次世代通信規格の1つ

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供することとしています。
(2)経営戦略等
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』のもと、2020年4月期に連結売上高500億円、連結営業利益50億円の達成を目標に掲げ事業を推進しました。そして、その達成に向け、「成長領域に注力した新分野への進出と継続的発展」を戦略として位置付け、モバイル事業・アドテクノロジー事業の継続成長を図るとともに、生活領域(“Health Tech”、“IoT”、“不動産Tech”)に注力することで、中長期での事業拡大に努めました。
(3)経営環境
(インフラテック市場)
光アクセス回線を主とする固定網による通信サービス市場は、高速ブロードバンド環境の普及が一巡したことに加え、モバイル網による通信サービスの高速化が進んだことで、成長は緩やかなものとなりました。そして、ネット動画やゲーム等のリッチコンテンツの利用増、クラウドサービスの利用拡大等による通信トラフィックの増加及びSNSやサブスクリプション型ネットサービスのようなアクセス頻度の高い製品の普及によりネットワーク原価は上昇しているため、インターネット接続サービスのAMPUは低下傾向にあります。
MVNO・MVNE市場においては、大手モバイル通信キャリアによるサブブランドの展開が独自型MVNOサービス事業者の成長に影響を与える傾向が続いています。しかし、市場の成長基調は継続していることに加え、IoT向けの需要がこれから急激に増加していくことが想定されるなど、市場規模は2023年には11兆円超に達すると予測され、引き続き拡大していく見込みです。
クラウド市場においては、様々なコンテンツ配信や電子商取引等に加え、IoT関連サービスのプラットフォームとしてもクラウドが不可欠な基盤となっており、それらの規模も引き続き伸張することが想定されます。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるテレワークの増加に伴い、光アクセス回線やモバイル通信サービス、DaaS(デスクトップ仮想化システム)やVPN(バーチャルプライベートネットワーク)といったクラウドサービス等の需要が急速に高まっており、今後もその需要は拡大していくものと想定されます。
(不動産テック市場)
光アクセス回線を主とする固定網による通信サービス市場自体は普及が一巡しているものの、当社グループがサービスを提供している賃貸の集合住宅向けインターネット接続サービス市場分野においては、新築物件は、金融機関における融資審査の厳格化の影響等により、新設着工戸数の減少傾向が続いております。一方、既存物件は、わが国の住宅政策の指針の一つである既存物件の流通や空き家の利活用促進の観点から、今後、新築中心の市場から既存活用型市場への転換が進むと考えられ、高速ブロードバンド環境導入による資産価値や入居率の向上を目的に、その導入がより一層進み、市場規模は拡大することが予想されます。
また、不動産業界全体においては、AIやIoT、VR等のテクノロジーを活用した不動産Techへの関心度が高く、各種IoT機器を活用することで、多様化する生活スタイルに合わせたスマートホームの実現等、新たなサービスの需要は更に拡大する見込みです。
(インターネット広告市場)
広告市場において、インターネット広告市場は6年連続2桁成長を続け、2019年はテレビメディア広告費を超え、2兆円を超える市場に成長しました。その中でも従来型の予約型広告からリスティング広告やアドテクノロジー活用広告といった運用型広告(膨大なデータを処理するプラットフォームの活用による最適な広告を自動・即時に表示する方式の広告)への移行がより一層進むとともに、動画広告やソーシャルメディア広告が牽引する形で市場が拡大し、特にモバイル向け広告の成長が顕著となりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすい市場でありますので、今後の動向を注視する必要あるものと捉えております。
(ヘルステック市場)
日本では、2010年に65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占める超高齢化社会に突入した後も高齢者人口は一貫して増加傾向にあり、2018年の推計では高齢者人口は3,557万人、高齢化率は28.1%と過去最高に達し、65歳以上人口は2042年まで増加傾向が続く見通しです。高齢化人口の増加と高齢化率の上昇、平均寿命の延伸やIT技術の発展により、ヘルスケア市場は2030年には国内市場が37兆円となり、就業者数において日本最大の産業に成長すると言われています。そして、高齢化率の急速な上昇による労働力減少で引き起こされる経済活動の停滞改善や医療関連サービスの品質維持費用抑制のためにICTの活用が必須であると位置付けられており、“Health Tech”は“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくものとして期待されています。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、市場緩和等に伴うIT化が進むことも想定されています。当社グループは、薬局向けソリューションサービスの提供を足掛かりとして、この市場における存在意義を高めていくことを目指しています。
(エドテック市場)
日本の教育市場は大きな変革の時代を迎えており、文部科学省の「教育の情報化ビジョン」では、子どもたちの情報活用能力を育成する情報教育や教科指導における情報通信技術の活用等による教育の質の向上を目指し、全ての学校で児童生徒1人1台の情報端末による教育が推進されています。新型コロナウイルス感染症拡大による休校により、安全かつ公平な教育の提供のために、教育のICT化の必要性がより高まったこともあり、今後学校における情報端末の整備に伴って、教育コンテンツ市場も伸長することが想定されます。
当社グループは、2023年には3,000億円に達すると見込まれるEdTech市場において、教育コンテンツのICT化とアダプティブ・ラーニングをはじめとした教育ICTプラットフォームの整備の両面から取り組むことで、この市場における優位性を確立し、シェアの拡大を目指します。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の世界各国での拡大により、経済活動や国民生活に大きな影響が及んでおり、今後も多方面にわたって先行きが不透明な状況となることが懸念されています。一方で、インターネットはあらゆる産業において「新常態」時代に必須の重要なインフラとしての役割が期待されています。また、近時ではモバイル通信網の普及が進み、新たな移動通信キャリアの参入や第5世代移動通信システム(5G)のサービス開始など大きな構造の変化も進んでおり、MVNE・MVNOサービスについても個人・法人向けの一般的なデータ通信サービスに限らず多様な利用方法が増えてきました。これらの事業環境は通信事業者の収益獲得のための活動をさらに活発にさせると同時に通信事業者の競争の激化を促進しています。
こうした状況下において、当連結会計年度はモバイル事業の継続成長を図るとともに、ヘルステック事業や不動産Tech事業等の生活領域の事業及びMaas、AI関連、Blockchainといった今後の成長が見込まれる新規事業に注力してまいりました。また、これら事業を実施するにあたり、当社グループの複数のサービスをレイヤーにとらわれない統合的なサービスとして提供するため、グループ内の技術や人的リソースの連携、ネットワーク資産の効率化などを進めてまいります。
(インフラテック事業における市場環境への対応)
インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしている中、ブロードバンドの固定回線のIPv6(IPoE)への移行が進み、同時にモバイル通信においては各社のサービスの多様化による競争の激化が進んでおります。また、5Gサービスが開始され、MVNE・MVNO事業者においてもインフラの提供のみならず、そのインフラ上で提供できる顧客体験が求められるようになっており、各事業者の次世代通信網への対応も進みつつあります。
当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発することにより差別化を図るとともに、AIやBlockchainを活用した様々なサービスを提供することにより得た顧客の意見をサービスに反映することで、サービス向上及び差別化の優れた環境を目指してまいります。
(アドテク事業におけるテクノロジーによる差別化)
インターネット広告市場は、景気の変動に比例して広告支出量が変化するため、市場の変化や景気の影響を受けやすい特徴があります。今後も景気の見通しが不透明な中、アドテクノロジー事業を行うフルスピードは、この影響を受けにくい事業構造へ転換し、市場における国内外の経済動向や景気変動に大きく影響を受ける広告代理店事業中心の事業から、安定的に顧客に対してテクノロジーによる差別化を図った商品を提供するように努めてまいりました。今後も、アドテクノロジー分野においては、様々な新しい技術やGoogleやYahooといった大手プラットフォーム会社の方針、各国の広告に対する規制が大きな影響を与えることから、これらの環境の変化に即応するためのリサーチ体制を充実させ、研究開発に努めることで、特徴あるサービスの提供を目指してまいります。
(IoT/AI市場への対応)
インターネットの普及により、通信分野では、これまでの人対人を中心としたものに加え、機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しています。また、近年AI技術が急速に発達しており、通信とAIの技術が連携することにより、日々新たなビジネス手法が生まれています。これらの技術は“アフターコロナ”に社会が対応するための中心的役割を担う可能性もあると期待されています。
当社グループでは、これらの新たな市場において重要な役割を担うべく、グループ内で保有する技術やデータを有機的に管理するように推進し、アルプスアルパイン株式会社との業務提携によるMaaSサービスの展開を始めとして、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携を充実させるように努めております。今後、積極的に当社グループの技術・サービスを多くの顧客に提供すべく、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等を推進してまいります。
(関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)
当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。
そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促してまいります。
(新型コロナウイルス感染症の影響について)
当社グループにおける新型コロナウイルスの感染拡大による事業への影響について、短期的にはインフラテック事業におけるインターネットインフラ及びヘルステック事業における薬局向ソリューションに対する需要の増加による売上の拡大が見込まれる一方、エドテック事業においては講師派遣事業や留学関連事業についてはサービス停止による大幅な減益が見込まれておりますが、総合的には当社グループへの影響は限定的であると判断しております。中長期的にはアドテク事業が国内の景気の影響により広告市場自体の縮減が予想されるなどの影響は予想されますが、当社グループの主要なサービスであるインターネットインフラは、「新常態」時代において新たな需要が見込まれ、事業機会の拡大の可能性があると想定しております。
当社グループでは、顧客、取引先及び従業員の健康と安全を第一に考え、また更なる感染拡大を防ぐために、国及び地方自治体の指針に従った感染防止策を徹底しております。また、インターネットのインフラを担う企業であるという自負のもと、取引先に対してもオンラインを活用した対策を提言することで、社会経済活動の支えとなるようなサービスの提供を目指しております。

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