有価証券報告書-第23期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 15:30
【資料】
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【項目】
137項目
② 人的資本
当社グループでは、事業活動を通じて社会に貢献し続けるため、多様な人材の採用・育成・適正配置を行い、会社と従業員が相互に発展していくことが非常に重要であると考えています。従業員個人の成長が会社の成長につながり、会社の成長が従業員個人のさらなる成長機会につながることで、社会への貢献の総量を増やしながら会社として持続的に成長することが可能になります。
また、当社グループの人材理念は、「情熱」「誠実」をもって「プロフェッショナル」であることを追求することです。この理念を体現し、変化の激しい事業環境に自律的に対応し成長できる人材の確保及び育成が当社グループの持続的成長にとって不可欠であると認識しています。
こうした考え方に基づき、以下のとおり、人的資本に関する戦略及び方針を定めています。
(a)戦略
当社グループにとって、経営戦略を遂行し、各分野で社会課題を解決するサービスを持続的に生み出し続けるための最大の経営資源は「人材」です。この認識のもと、当社グループは、経営戦略と連動した方針を軸に、人的資本への積極的な投資を推進しています。人材への投資が着実に実を結び、従業員一人ひとりが自律的に成長することは、当社グループの経営戦略の遂行、ひいてはミッションの実現にとって不可欠であり、企業価値の向上に直結するものと考えています。
人材戦略を推進するにあたっては、リスクが存在することも認識しています。少子高齢化による労働人口の減少、AIやデジタル領域における採用競争の激化、及び事業拡大に伴う必要スキルの高度化により、多様で有能な人材を必要数確保及び育成することができない可能性があります。こうしたリスクが顕在化した場合、当社グループのミッションの実現及び経営戦略の実行に悪影響を与えると認識しています。
一方、人的資本への投資は、当社グループに新たな機会をもたらすものと捉えています。例えば、多様な人材が組織に集まることで、高齢社会領域における新たな課題発見とサービス開発の可能性が広がると考えています。また、デジタル人材の確保及び育成への投資は、労働集約型モデルから資本集約型モデルへの進化を加速させる機会になると捉えています。
以上のリスク及び機会を踏まえ、ミッションの実現及び経営戦略の遂行のため、以下の方針に基づき人的資本への投資及び取組を推進しています。各方針に記載の取組は当社が人的資本投資として位置づけるものであり、提出会社における主な事例です。
ミッション実現のため自律的に成長し価値を創出する人材の確保と育成
前述のとおり、当社グループの成長は社会課題の解決を通して社会貢献へとつながります。長期の時間軸で組織が成長し続けるには、当社グループの成長に必要な能力を有した従業員を確保し続けることが不可欠です。なかでも昨今の事業環境を踏まえ、AIやデータを徹底活用した資本集約型モデルへの進化及び新規領域への事業拡張を推進するため、高い技術力や経営視点を持つデジタル人材及び新規事業を開拓する次世代人材の確保及び育成に注力しています。加えて、組織の発展のためには、従業員一人ひとりが成長していくこと、また、従業員のやりがいと組織の理念・ミッションが結びついていくことが、非常に重要です。当社グループは、経営理念である「永続する企業グループとして成長し続け、社会に貢献し続ける」を実現するため、経営原則として「組織と個人の相互発展」「経営プロセスの縦横リンク」を掲げています。経営理念の実現には中長期での持続的な人材育成が不可欠であり、経営原則は人材育成の根幹となるものです。この「組織と個人の相互発展」「経営プロセスの縦横リンク」という考え方により、従業員の成長と理念の浸透を促進することで、各個人の力が組織の力に正しく変換され、組織の発展につながっていきます。
「組織と個人の相互発展」
当社グループは、創業以来増収を続け、継続的な成長とそれを通じた社会への貢献を実現し続けています。長期的に組織が成長し続けるには、その構成員である従業員一人ひとりの成長が不可欠です。
当社グループでは、組織の成長によって生まれる新たな機会を個人に提供することで、個人の成長を促進しています。個人の成長によって個人が創出する価値は高まり、グループミッションを各組織から個人目標へとつなぐことで、個人が創出した価値を組織の成長と社会貢献へとつなげています。
機会を通じた従業員の成長が会社の成長につながり、それがまた新たな成長機会の創出につながる、こうした成長と貢献のサイクルを回し続けることで、中長期にわたって組織と個人の相互発展を実現し続けていきたいと考えています。
「経営プロセスの縦横リンク」
経営プロセスとは戦略、人材、オペレーションという経営及び事業運営に求められる3つの側面を統合的に思考し、実行することです。複雑性が高く、長期の時間軸で変化し続ける環境下では、全ての従業員が自立的に経営プロセスを回すことが必要不可欠だと考えています。そのため、当社グループでは、経営者や事業責任者だけではなく、全ての役割の従業員が主体者として経営プロセスを回すことで、より高い価値を創出することを求めています。
また、全社、SU(Strategic Unit:戦略的事業領域)、BU(Business Unit:事業)、個人の各階層で経営プロセスを回すだけではなく、経営プロセスを全社から個人まで縦につなぐことで、グループミッション実現に向けて各階層間の創出する価値を整合させながら、各階層で創出した貢献を全社の貢献へとつないでいます(経営プロセスの縦リンク)。
さらに、隣接する組織間や個人間で経営プロセスを横につなぐことで、シナジーを生み、単独では成し得ないより大きな貢献を生み出します(経営プロセスの横リンク)。
このように経営プロセスを縦と横につなぐことにより、組織と個人の相互発展を実現し、組織一丸となってグループミッション実現を目指していきます。また、継続的な成長を通じて蓄積されたナレッジ及びケイパビリティを組織や従業員間で共有することにより、ひとりでは成し得ないより大きな成長につなげ、社会貢献の総量を増やし続けたいと考えています。
<主な取組>- 1on1ミーティング
上長と部下が定期的に1対1で、経営プロセスを前提とした目標設定のすり合わせを行い、また、当社で実現したいキャリアやそれを実現するための課題・具体的な取組等を議論することで、理念の浸透と着実な人材育成を図っています。
- キャリアアンケートの実施
「組織と従業員の相互発展」を目指し、半年に1回「キャリアアンケート」を実施しています。 本アンケートは、各従業員のキャリアに対する考えや想いの把握に加え、職場環境や仕事への満足度を確認する「従業員満足度調査」も兼ねています。一人ひとりの意向に沿ったキャリア実現の支援はもちろん、より働きやすく働きがいのある環境づくりや制度の改善に役立てています。
- 新卒入社者向けの体系的・長期的な育成プログラム
新卒入社者が自律的にキャリアを形成できるよう、数ヵ月間にわたる構造化された育成プログラムを実施しています。入社直後の集合研修で企業理念や基礎スキルを習得後、部門別研修にて業界専門知識や実務スキルを座学と実践を通じて段階的に開発します。また、日々の内省や専任トレーナーとの定期的な1on1による継続的なフィードバック体制、同期同士のナレッジ共有の仕組みを構築し、相互学習と成長を支援しています。
- 次世代リーダー・マネジメント層の育成
将来の経営や組織を牽引するリーダー候補の育成に向け、各事業の特性や組織状況に合わせた実践的なマネジメントプログラムを実施しています。例えば、ある事業部においては、新任マネジャー(候補含む)を対象に、経営戦略とメンバー個人の価値観を接続する対話手法や、成長を促す職務アサインの技術習得など、現場での実践と内省を繰り返しながら継続的に育成しています。
- 資格取得支援制度
業務に関わる資格を取得した従業員に対し、受験料や教材費を支給しています。
- スキルアップ研修
業務スキルや語学力、マネジメントスキルの向上を目的とした各種研修を実施しています。デジタルスキルの向上にも注力しており、生成AIの活用に関する勉強会や、社内サポートサイトを通じた情報共有・活用方法の紹介などの取組を進めています。
- 書籍購入制度
従業員の自律的な能力向上や業務遂行に必要となる書籍の購入費用を会社で負担しています。
- スキルアップ手当
従業員の自己研鑽やキャリアアップを支援する目的で、年1回15万円の手当を支給しています。
- 社内公募制度
各事業の成長に伴い各組織で様々な役割が日々生まれ拡張していく中で、従業員が培ってきたスキルや経験を活かすことで組織間のシナジーを創出し、また、社内に存在する多くの機会に対して、意欲を持ってチャレンジするキャリア開発の機会提供を目的として、年に数回程度、社内公募を実施しています。
個人の能力を最大限に引き出す労働環境の整備とウェルビーイングの推進
多様な従業員を採用・育成しながら組織規模を拡大し、生産性高く価値を創出し続けるには、バックグラウンドの違いや、育児・介護等のライフステージの変化等、多様な状況下にある従業員が働きやすく、かつ、働きがいのある環境を整備していくことが非常に重要です。各個人が心身ともに健やかに働けるよう従業員の健康維持・増進に取り組むとともに、個人の成長とワークライフバランスを実現するための支援を行う等、主体的なキャリア形成を可能にするための取組を行っています。
なお、福利厚生制度の具体的な内容は国や地域の法規制・慣習、雇用形態によって異なりますが、海外拠点や非正規雇用者を含めた当社グループの全従業員が、安心して働くことができるよう、それぞれの環境に応じた制度(社会保険、休暇制度、健康支援等)を利用できる体制を整備しています。
<主な取組>- 完全退館時刻の設定
時間内で生産性高く働くと同時に、退社後の自己研鑽を促すため、原則19時30分を完全退館時刻に定めています。
※定時終了後最大2時間の範囲内で、部門や職種によって一部異なる場合があります。
- アニバーサリー休暇
各従業員が年1回、任意の日に設定できるアニバーサリー休暇(有給)を付与しています。
- ウェルビーイングの推進
代表取締役社長直轄の健康推進室を設置し、従業員の心身の健康促進と生産性向上に向けた様々な取組を推進しています。健康面では、生活習慣病の早期発見を重要な課題と位置づけ、再検査受診率の向上に注力するほか、常駐保健師による社内相談窓口を設置し、産業医や健康保険組合と連携したメンタルヘルスサポートやヘルスリテラシーの向上を図っています。また、子育て世代が多い当社の特性を踏まえ、ライフイベントと仕事の両立支援も強化しています。時間単位の有給休暇制度をはじめ、男性の育休取得者向け手引きの配布、育休中のコミュニケーションツールの導入、不妊治療のための通院休暇制度などを整備し、従業員が長期にわたり安心して能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
- 育児・介護支援制度
育児・介護休業制度のほか、子どもが中学1年になるまで利用できる時短制度や、保育園・学童・ベビーシッター等の利用をサポートする手当の支給等の制度面での支援に加えて、育児と介護に関する情報を記載した社内ポータルサイトの構築や、当社のシニアライフ事業における介護の相談窓口サービスの社内利用等を通じて、育児や介護と仕事の両立を支援しています。また、厚生労働省が運営する仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト「両立支援のひろば」に、当社の仕事と介護の両立支援に関する取組を登録しています。
多様な個性やバックグラウンドを持つ人材が活躍できる組織作り
当社グループでは、社会課題を解決するための多様な事業を展開しており、その運営に関わる従業員も多様であることが求められます。多様性を実現するための前提として、バックグラウンドや個性・雇用形態・ライフスタイル等に関わらず、各個人が差別されることなく互いを尊重しあい承認され、ともに成長していく企業風土の醸成に取り組んでいます。また、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を新卒・中途問わず数多く採用し、従業員のさらなる成長のための支援と、各個人が能力を活かしながら生産性高くやりがいをもって働ける環境の整備を行うことで、多様性を伴った組織規模の拡大が可能だと考えています。
<主な取組>- DEI&B(Diversity, Equity, Inclusion, and Belonging)推進プロジェクト
多様な従業員がより働きやすく主体的なキャリアを形成していける環境づくりを目指し、2025年3月期より「DEI&B推進プロジェクト」を開始し、人材紹介事業の一部組織で女性活躍推進に向けた取組等を実施しています。
- 障害のある方の採用と個性・能力に応じた配置
従業員数の継続的な増加に合わせ、障害のある従業員の雇用数も年々増加しています。障害の特性への配慮を前提としながらも、各人の個性・能力・意向に応じた職務への配置を通じ、障害の有無に関わらず従業員が協働することにより、誰もがやりがいをもって生き生きと活躍できる環境を整備しています。
- 差別・ハラスメントの禁止と内部通報窓口の設置
「エス・エム・エス 人権方針」に基づき、人種、性別、国籍、民族、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、性的指向、性自認、健康状態、障害の有無などによる、あらゆる差別を禁止するとともに、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントその他、精神的か肉体的かを問わず、あらゆる形態のハラスメントを禁止しています。これらの確実な遵守のため、職場における法令や社内規程等への違反、ハラスメント等について、24時間365日通報、報告、相談ができる窓口を設定しています。
従業員の給与等の決定に関する方針
当社グループは、「組織と個人の相互発展」という経営原則に基づき、従業員の中長期的な成長を促し、それぞれの能力発揮を通じたミッション達成への貢献を後押しすることを、報酬制度における基本的な考え方としています。具体的には、年齢や勤続年数によらず、各職種において担う役割に応じた能力を処遇に反映する「能力等級制度」を導入しています。職種別に定めた役割・能力要件に基づき、求められる能力の到達度を評価してグレードを決定することで、公正かつ透明性の高い評価・報酬体系を構築しています。
給与水準については、ミッション実現に向けた人材の確保のため、同程度の事業規模・事業フェーズにある上場企業をベンチマークとし、市場競争力を確保できる水準に設定しています。
報酬構成については、短期的な成果のみによってではなく、中長期的な成果につながる従業員の能力成長を評価する考えのもと、基本給を中心とした給与体系を採用しています。一部の職種では賞与を支給することで、個人の業績成果にも報いる仕組みとしています。また、従業員の自己研鑽やキャリアアップを支援する目的で「スキルアップ手当」を支給しています。
<中長期的なインセンティブとしての取組>- 社員持株会制度
福利厚生の充実と事業成長に対する意欲の向上を目的として、役職を問わず入会可能な社員持株会制度を設け、10%の奨励金を付与しています。対象は株式会社エス・エム・エス及び株式会社エス・エム・エスサポートサービスの正社員・契約社員です。
- ストック・オプションの付与
会社の成長に対する貢献意欲や士気を高めるため、一定のグレード以上の従業員に対してのストック・オプションを付与しています。

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