リーガルテック事業につきましては、eディスカバリ(アジア企業案件)市場は今後も年平均成長率15%程度の拡大が続くと予想されております(Mordor Intelligence “Global e-DiscoveryMarket 2017-2023”)。これは、eディスカバリの対象となる“企業が保有する電子情報のデータ量”が継続的に増大していることが主因であります。一方、データ容量あたりの解析サービス料の引き下げ圧力は年々高まっている状況です。今後は、eディスカバリツールを自社で保有し、テクノロジーによる作業効率化が可能となるベンダーが圧倒的に優位となる構造へと大きく変化することが考えられます。当社グループは、独自開発のeディスカバリ支援システム「Lit i View(リットアイビュー。以下LiVと表記します。)」によるアジア言語の解析力、人工知能(AI)技術の活用による効率性や全工程をワンストップでサポートする対応力を武器に、アジア企業の案件獲得に向けてクロスボーダー営業の体制構築を重点的に取り組みました。受注案件の大型化に対応するため、グローバルリーガル事業統括本部を設置し、拠点毎ではなくグローバル全体で管理・運営・評価を実施しております。これにより米国大手法律事務所とのネットワーク深耕が徐々に進んでおり、潜在案件へリーチする機会が増加するなど一定の成果が発現しております。しかしながら、当連結会計年度下期の大口パイプラインとして追っていた案件でロストや期ズレが発生しており、業績貢献には想定以上の時間を要している状況です。今後については、顧客の米国現地法人へのアプローチ強化も同時に進めていくことで、受注確度向上、売上高増加に繋げてまいります。さらに、当連結会計年度の技術分野における重点施策として、中長期的な成長に向けてeディスカバリの作業を飛躍的に効率化することを目的に、自社ツールであるLiV第二世代の開発をスタートしており、来年度中のリリースに向けて順調に進捗しております。
AIソリューション事業につきましては、国内においてビジネスインテリジェンス、ヘルスケアの各分野が好調に推移した結果、ストックビジネスであるAIソリューション事業においてKIBIT製品の導入社数を144社と積み上げ、セグメント全体の売上高は前年同期比25.0%増と堅調に推移いたしました。国内AI市場は、労働人口の減少が予測されるなか、生産性向上や労働の自動化を目指す「働き方改革」に向けた取り組みが追い風となり、企業のAIに対する投資機運が高まっております。当社は、AI言語解析市場において他社に先駆け事業を展開し、実務型AIとして様々な業務課題に対しソリューションを提供し、実績を着実に積み上げてまいりました。この結果、国内AI言語解析市場において2016年度から3年連続でシェアNo.1を獲得(ITR Market View:AI 市場2018、2018年度は予測値)、AIソリューション企業としてのプレゼンスも向上しております。今後も顧客ニーズに「より早く、より深く」対応していくため、当連結会計年度の重要施策として、金融や知財といった既存領域でのさらなる浸透に加え、新領域の開拓と事業拡大を加速させるためのマーケティングパートナーの育成を進めております。
また、ヘルスケア分野に向けては、「客観性」「透明性」「再現性」を兼ね備えた新規の人工知能(AI)エンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー。以下CEと表記します。)」を活用し、製薬企業に対する「新規医薬品候補探索技術」の提供を開始いたしました。CEのベクトル化技術を応用することで、疾患関連遺伝子・創薬標的分子・候補化合物などに関連する論文・特許等の文献情報と、公開データベースや自社研究から得られる遺伝子発現解析等の数値データとをCEに学習させ、創薬研究の作業仮説に対する関連性を統合的に解析することが可能となり、創薬標的分子探索や候補化合物選定のプロセスの速度と情報網羅性を飛躍的に向上させることが期待され、新規医薬品のターゲット候補にいち早く具体的にたどり着くことが容易となります。今後も、統計学的手法により解析過程が検証可能である(非ブラックボックス性)というCEの強みを活かし、ヘルスケアセクターのビッグデータの利活用ならびにソリューション提供の促進を実現してまいります。
2019/02/14 16:00