有価証券報告書-第19期(2025/06/01-2026/05/31)
(2)戦略
当連結グループは、第6次中期経営計画「E・J-Plan 2027」において、技術者正社員数1,600人、技術士数850人という目標を掲げています。この高付加価値集団の形成を軸とした成長戦略を、気候変動および人的資本の両面から推進しています。
また、当連結グループは、責任ある持続可能な調達活動を推進するため、サプライチェーン全体における人権尊重、法令遵守、環境保全等の取組強化を進めており、その一環として、パートナー各社に対し「パートナー行動規範」への理解と賛同を求め、同意書の取得を推進しています。加えて、2027年度以降は人権デューデリジェンスに合わせて気候変動アンケートを毎年実施し、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた取組を継続していくことを予定しています。
①気候変動に対する取り組み
<全般的取り組み>2022年5月期より、パリ協定(※1)が示す「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという目標」達成に向けた取り組みに着手し、TCFD(※2)の枠組みに沿った環境情報を当社のホームページ(URL https://www.ej-hds.co.jp/sustainability/s_environment/tcfd.html)で継続的に開示しております。
前連結会計年度(2025年5月期)において、SBTイニシアティブ(※3)より、当社のCO₂排出量削減目標が、世界の気温上昇を1.5℃以下に抑えることを目指した科学的根拠に基づくものであるとの認定(SBT認定)を取得するとともに、2022年5月期より開始した環境評価の情報開示に国際的に取り組む非政府組織(NGO)であるCDP(※4)が主催する気候変動情報開示に対する活動を評価する「気候変動プログラム」において、3年連続で「B」スコアを取得いたしました。
※1 パリ協定:
2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で成立した2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みで、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2.0℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的とする国際協定を指しております。
※2 TCFD:
気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」を指し、気候変動に関する情報開示の項目及び内容について提言しております。
※3 SBTイニシアティブ:
複数の気候関連イニシアティブによる共同イニシアティブであり、企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ、1.5℃に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進しております。
※4 CDP:
機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトを指します。2000年の発足当初は「Carbon Disclosure Project」が正式名称でありましたが、現在はCarbon以外も対象とすることから、略称のCDPが正式名称となっております。このプロジェクトは発足以降、主要国の時価総額の上位企業に対して、毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まってきております。日本国内でも2005年より活動を始めており、2021年度までは日本企業のトップ500社を対象としておりましたが、2022年度からその対象を東京証券取引所プライム市場上場会社に拡大し、2024年度にはプライム上場企業の70%以上を含む、2,100社以上が回答しております。
当連結グループは、2022年5月期に、グループ会社全体を対象として、気候変動によるリスク・機会の特定・評価、気候関連問題が事業に与える中長期的な影響を把握するため、TCFDフレームワークに準拠したシナリオ分析を実施しております。
<シナリオ分析>シナリオ分析の概要は以下のとおりであります。
・分析の時間軸は、当社の長期ビジョンの最終年度である2030年からカーボンニュートラルの目標年度である2050年までの中長期を対象といたしました。
・分析においては、以下に示すシナリオを採用し、政策や市場動向の移行リスク・機会と、地球温暖化による水面上昇や自然災害などによる物理的変化に起因する物理的リスク・機会の特定と財務的影響を定性評価いたしました。採用した主なシナリオは以下のとおりであります。
(移行シナリオ)
国際エネルギー機関(IEA)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇を1.5℃以下に抑えるシナリオ(SDS及びNZE)
(物理的シナリオ)
国際気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇が4.0℃を超えるシナリオ
・各シナリオの前提条件は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測や、日本政府による各種データにもとづき設定いたしました。
<事業インパクト評価>・シナリオ分析に基づく事業インパクト(リスクと機会)評価結果は下記の通りです。
・財務的影響につきましては、2030年の営業利益目標に対する影響程度を大、中、小の3段階で評価いたしました。
■1.5℃シナリオに対する移行リスク
■4.0℃シナリオに対する物理リスク
<気候関連のリスクと機会に対する対応策>・事業インパクト評価により特定されたリスクと機会のうち、インパクトが大きいと判断された機会に対して、現時点で考えられる対策例を以下に示しております。
・当連結グループでは、長期ビジョンのもと、このような対応を推し進めるとともに、これらの機会を確実にとらえて、SDGs目標の達成につながるサステナブルな世界の進展に貢献してまいります。
②人的資本・多様性に関する取り組み
当連結グループの人材戦略に関する基本方針は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりです。
当該方針に基づき、人的資本を中期経営計画の実現を支える重要な経営基盤と位置づけ、技術者・有資格者の確保・育成、次世代リーダーおよびDX人材の育成、DE&Iの推進、エンゲージメント向上等に取り組んでおります。
具体的には、以下の取組みを通じて、人材基盤の強化を図っております。
<人材の育成に関する方針>社会に開かれた人材育成を目指し、以下の3つの育成領域を相互に連携させ、実務経験や学習機会を通じた体系的なキャリアパス構築を支援しています。
・倫理・あり方(人間としての育成):企業理念の浸透と、社会人・組織人として必要な高い倫理観を醸成します。
・リーダーシップ・マネジメント(キャリア形成):組織を牽引する次世代リーダーの育成を推進し、リーダーシップスキルの習得を支援します。
・技術・ノウハウ(専門性の修得):拡張する事業領域や最新テクノロジーに対応する教育を実施するとともに、株式会社エイト日本技術開発内に設置した企業内学校「EJアカデミー」をグループ全社員が活用できるプラットフォームとして展開し、グループ全体の技術力向上と人的資源の拡充を目指しております。
<人材の多様性の確保>マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)として「ダイバーシティ経営の実践」を掲げ、多様な視点・価値観を尊重し、個人と組織がともに持続的成長を成し遂げる組織文化の醸成に努めています。
・女性活躍の推進:株式会社エイト日本技術開発・株式会社近代設計・株式会社東京ソイルリサーチの3社が「くるみん」を取得しているほか、株式会社エイト日本技術開発・株式会社共立エンジニヤ・株式会社ダイミック・株式会社東京ソイルリサーチの4社が女性活躍推進の行動計画を策定し「えるぼし」の認定を受けており、今後は他のグループ子会社を含めて採用・配置・昇進の機会均等化をさらに推進してまいります。
・採用施策による推進:2030年度の女性管理職比率10.0%以上の達成に向け、新卒採用社員女性比率30.0%以上を継続的な目標とし、将来の管理職候補となる母集団の形成に注力します。
・男女間賃金格差の是正:当連結グループにおける男女間賃金格差の主因は、管理職比率等の役職構成の差異にあると分析しており、昇進・配置・育成機会の均等化を具体策として差異の縮小を図ってまいります(EJEC(Thailand) Co.,Ltd.を除く)。
<人事評価および給与決定方針>当連結グループの持続的な成長には、高度な専門性を持つ技術者の確保と定着が不可欠であり、市場価値に見合った競争力のある処遇体系の構築を目指しております。主要子会社においては、以下の取り組みを通じて適正な評価と処遇の実現を図っております。
・処遇制度の簡素化および評価制度の高度化:株式会社エイト日本技術開発では、多様な人材の活躍促進とキャリア形成支援を目的として、役割や成果に応じた評価・処遇を行う人事制度改革を進めており、2027年度の運用開始を目指しております。本改革では、業績への貢献度のみならず、若手技術者への円滑な技術継承、業務品質の向上、エラー防止など、持続的な組織能力の向上に資する貢献についても適正に評価し、報酬へ反映する仕組みを明確化してまいります。
・生活コストに配慮した福利厚生の拡充:全国に配属される技術者が安心して業務に専念できるよう、転勤等に伴い生活コストが上昇する地域への配慮として、光熱費等の費用を補助する福利厚生制度を設計するなど、従業員のエンゲージメント向上と定着に直結する処遇改善を継続的に実施しております。
<社内環境整備>多様な人材が能力を最大限に発揮し、高いエンゲージメントを持って働き続けられる職場環境を整備します。
・働き方改革の深化:業務のデジタルシフトによる「しくみを変え、しごとを変える」取り組みとして、グループ各社においてウィークリースタンスの徹底やノー残業デーを実施しているほか、株式会社エイト日本技術開発では「次世代育成行動計画」の見直しを通じてアニバーサリー休暇を正式に制度化するなど、多様なライフステージに対応した環境整備を進めております。
・柔軟な働き方の推進:株式会社エイト日本技術開発では、多様な人材がそれぞれの状況に応じて最大限に力を発揮できる包摂的(インクルーシブ)な職場づくりを目指し、在宅勤務と出社勤務の選択肢を持たせるハイブリッドワークを2024年度より運用しております。
・育児・介護支援:グループ全体で男性の育休取得率100%を目標に掲げ(2026年5月期実績71.4%)、取得を推奨する環境整備を優先的に推進しております。
・健康・安全を意識した経営:グループ各社において定期健康診断の受診徹底と年1回のストレスチェックを実施しており、一部グループ会社では「健康経営優良法人」の認定を取得しているほか、未取得のグループ会社においても取得を推進してまいります。また、株式会社エイト日本技術開発では2025年度のストレスチェック回答率が97.1%となっており、結果を踏まえた適切な社内体制の構築と改善策を継続的に進めております。
・エンゲージメントの向上:2025年度よりグループ全体で独自のエンゲージメント調査を導入し、課題の早期把握から対策立案・施策実行までのサイクルを構築することで、心理的安全性の確保を含む職場環境の改善と従業員エンゲージメントの向上を図っております。
・離職率の抑制:人材の流動化が高まる建設コンサルタント業界において、当連結グループは離職率の抑制を重要課題の一つと認識しております。EJグループフォーラムをはじめとするグループ横断の交流機会を通じて、グループの将来像や経営方針への理解を深めるとともに、組織間・世代間のコミュニケーション促進に取り組んでおります。こうしたエンゲージメント向上施策を継続した結果、当期のグループ全体の離職率は3.3%(EJEC(Thailand) Co.,Ltd.を除く)という低い水準を維持しております。
当連結グループは、第6次中期経営計画「E・J-Plan 2027」において、技術者正社員数1,600人、技術士数850人という目標を掲げています。この高付加価値集団の形成を軸とした成長戦略を、気候変動および人的資本の両面から推進しています。
また、当連結グループは、責任ある持続可能な調達活動を推進するため、サプライチェーン全体における人権尊重、法令遵守、環境保全等の取組強化を進めており、その一環として、パートナー各社に対し「パートナー行動規範」への理解と賛同を求め、同意書の取得を推進しています。加えて、2027年度以降は人権デューデリジェンスに合わせて気候変動アンケートを毎年実施し、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた取組を継続していくことを予定しています。
①気候変動に対する取り組み
<全般的取り組み>2022年5月期より、パリ協定(※1)が示す「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという目標」達成に向けた取り組みに着手し、TCFD(※2)の枠組みに沿った環境情報を当社のホームページ(URL https://www.ej-hds.co.jp/sustainability/s_environment/tcfd.html)で継続的に開示しております。
前連結会計年度(2025年5月期)において、SBTイニシアティブ(※3)より、当社のCO₂排出量削減目標が、世界の気温上昇を1.5℃以下に抑えることを目指した科学的根拠に基づくものであるとの認定(SBT認定)を取得するとともに、2022年5月期より開始した環境評価の情報開示に国際的に取り組む非政府組織(NGO)であるCDP(※4)が主催する気候変動情報開示に対する活動を評価する「気候変動プログラム」において、3年連続で「B」スコアを取得いたしました。
※1 パリ協定:
2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で成立した2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みで、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2.0℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的とする国際協定を指しております。
※2 TCFD:
気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」を指し、気候変動に関する情報開示の項目及び内容について提言しております。
※3 SBTイニシアティブ:
複数の気候関連イニシアティブによる共同イニシアティブであり、企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ、1.5℃に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進しております。
※4 CDP:
機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトを指します。2000年の発足当初は「Carbon Disclosure Project」が正式名称でありましたが、現在はCarbon以外も対象とすることから、略称のCDPが正式名称となっております。このプロジェクトは発足以降、主要国の時価総額の上位企業に対して、毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まってきております。日本国内でも2005年より活動を始めており、2021年度までは日本企業のトップ500社を対象としておりましたが、2022年度からその対象を東京証券取引所プライム市場上場会社に拡大し、2024年度にはプライム上場企業の70%以上を含む、2,100社以上が回答しております。
<シナリオ分析>シナリオ分析の概要は以下のとおりであります。
・分析の時間軸は、当社の長期ビジョンの最終年度である2030年からカーボンニュートラルの目標年度である2050年までの中長期を対象といたしました。
・分析においては、以下に示すシナリオを採用し、政策や市場動向の移行リスク・機会と、地球温暖化による水面上昇や自然災害などによる物理的変化に起因する物理的リスク・機会の特定と財務的影響を定性評価いたしました。採用した主なシナリオは以下のとおりであります。
(移行シナリオ)
国際エネルギー機関(IEA)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇を1.5℃以下に抑えるシナリオ(SDS及びNZE)
(物理的シナリオ)
国際気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇が4.0℃を超えるシナリオ
・各シナリオの前提条件は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測や、日本政府による各種データにもとづき設定いたしました。
<事業インパクト評価>・シナリオ分析に基づく事業インパクト(リスクと機会)評価結果は下記の通りです。
・財務的影響につきましては、2030年の営業利益目標に対する影響程度を大、中、小の3段階で評価いたしました。
■1.5℃シナリオに対する移行リスク
| 分類 | 要因 | 2030年度における 事業インパクト | リスク | 機会 | 影響の時間軸 | 2030年度における財務的影響 | 対応策 |
| 政策・規制 | 脱炭素社会に向けた規制強化(炭素税の導入等) | ・炭素税(140ドル/ton×3700tco2)の負担額増加(2030年度のスコープ1,2のCO₂排出総量に対する課税を想定) ・CO₂削減のための対策費用の増 | ● | ~ 2030 | 中 | CO₂排出量の削減(省エネ施設への更新、再エネへの転換、ハイブリッド車及び電気自動車への更新 等) | |
| 市場 | 脱炭素社会向け商品・事業のニーズ増加・拡大 | ・CO₂削減・環境負荷軽減事業への参画の可能性 ・再エネ管理事業への参入の可能性 ・新技術、新素材の開発の可能性 | ● | ~ 2030 | 中 | 脱炭素関連の新規事業への参入、研究開発の強化 | |
| 市場 | ESG投資の拡大 | ・脱炭素への取り組み姿勢の評価による投資の拡大 | ● | ~ 2030 | 小~中 | 環境関連施策の確実な実践 |
■4.0℃シナリオに対する物理リスク
| 分類 | 要因 | 2030年度における 事業インパクト | リスク | 機会 | 影響の時間軸 | 2030年度における財務的影響 | 対応策 |
| 慢性 | 平均気温上昇 | ・野外での労働条件の悪化に対するコスト増 | ● | ~2050 | 小 | 野外労働環境の改善、現場作業の省人化の推進、劣悪環境に対する手当の考慮 | |
| 急性 | 集中豪雨に起因する気象災害の激甚化 | ・災害対応業務のニーズ拡大 ・国土強靭化への対応に関するニーズ拡大 | ● | ~ 2050 | 大 | 災害対応、国土強靭化対応の強化、人員のシフト、関連技術の研究開発・アライアンスの強化 | |
| 急性 | 降水量の減少 | ・水環境関連業務のニーズ拡大 | ● | ~ 2050 | 大 | 水環境関連対応の強化、人員のシフト、関連技術の研究開発・アライアンスの強化 | |
| 急性 | 海面上昇、気象災害の激甚化 | ・事業所の土砂・洪水災害リスクへの対応 | ● | ~ 2050 | 小 | 事業所の洪水リスクは限定的 |
<気候関連のリスクと機会に対する対応策>・事業インパクト評価により特定されたリスクと機会のうち、インパクトが大きいと判断された機会に対して、現時点で考えられる対策例を以下に示しております。
・当連結グループでは、長期ビジョンのもと、このような対応を推し進めるとともに、これらの機会を確実にとらえて、SDGs目標の達成につながるサステナブルな世界の進展に貢献してまいります。
| 分類 | 要因 | 対応例 |
| 移行/市場 | 脱炭素社会向け商品・事業のニーズ増加・拡大 | ・再エネ(バイオマス)関連計画の拡大 ・脱炭素を目指した廃棄物処理システムの再構築 |
| 急性 | 異常気象の激甚化による災害発生への対応 | ・グリーンインフラ形成 ・再エネ利用スマートシティ ・流域治水計画、立地適正化 ・河川、砂防施設の更新 ・避難計画、被害想定、BCP、防災訓練・防災計画の更新 ・減災計画の見直し ・土砂災害対策施設の更新・新設 ・各種監視、避難誘導、情報伝達システムの新設更新 ・雨水管理計画の見直し、処理場・ポンプ場施設の更新 |
| 物理的/急性 | 降水量の減少 | ・灌漑事業の拡大 ・地下水利用計画 |
②人的資本・多様性に関する取り組み
当連結グループの人材戦略に関する基本方針は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりです。
当該方針に基づき、人的資本を中期経営計画の実現を支える重要な経営基盤と位置づけ、技術者・有資格者の確保・育成、次世代リーダーおよびDX人材の育成、DE&Iの推進、エンゲージメント向上等に取り組んでおります。
具体的には、以下の取組みを通じて、人材基盤の強化を図っております。
<人材の育成に関する方針>社会に開かれた人材育成を目指し、以下の3つの育成領域を相互に連携させ、実務経験や学習機会を通じた体系的なキャリアパス構築を支援しています。
・倫理・あり方(人間としての育成):企業理念の浸透と、社会人・組織人として必要な高い倫理観を醸成します。
・リーダーシップ・マネジメント(キャリア形成):組織を牽引する次世代リーダーの育成を推進し、リーダーシップスキルの習得を支援します。
・技術・ノウハウ(専門性の修得):拡張する事業領域や最新テクノロジーに対応する教育を実施するとともに、株式会社エイト日本技術開発内に設置した企業内学校「EJアカデミー」をグループ全社員が活用できるプラットフォームとして展開し、グループ全体の技術力向上と人的資源の拡充を目指しております。
<人材の多様性の確保>マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)として「ダイバーシティ経営の実践」を掲げ、多様な視点・価値観を尊重し、個人と組織がともに持続的成長を成し遂げる組織文化の醸成に努めています。
・女性活躍の推進:株式会社エイト日本技術開発・株式会社近代設計・株式会社東京ソイルリサーチの3社が「くるみん」を取得しているほか、株式会社エイト日本技術開発・株式会社共立エンジニヤ・株式会社ダイミック・株式会社東京ソイルリサーチの4社が女性活躍推進の行動計画を策定し「えるぼし」の認定を受けており、今後は他のグループ子会社を含めて採用・配置・昇進の機会均等化をさらに推進してまいります。
・採用施策による推進:2030年度の女性管理職比率10.0%以上の達成に向け、新卒採用社員女性比率30.0%以上を継続的な目標とし、将来の管理職候補となる母集団の形成に注力します。
・男女間賃金格差の是正:当連結グループにおける男女間賃金格差の主因は、管理職比率等の役職構成の差異にあると分析しており、昇進・配置・育成機会の均等化を具体策として差異の縮小を図ってまいります(EJEC(Thailand) Co.,Ltd.を除く)。
<人事評価および給与決定方針>当連結グループの持続的な成長には、高度な専門性を持つ技術者の確保と定着が不可欠であり、市場価値に見合った競争力のある処遇体系の構築を目指しております。主要子会社においては、以下の取り組みを通じて適正な評価と処遇の実現を図っております。
・処遇制度の簡素化および評価制度の高度化:株式会社エイト日本技術開発では、多様な人材の活躍促進とキャリア形成支援を目的として、役割や成果に応じた評価・処遇を行う人事制度改革を進めており、2027年度の運用開始を目指しております。本改革では、業績への貢献度のみならず、若手技術者への円滑な技術継承、業務品質の向上、エラー防止など、持続的な組織能力の向上に資する貢献についても適正に評価し、報酬へ反映する仕組みを明確化してまいります。
・生活コストに配慮した福利厚生の拡充:全国に配属される技術者が安心して業務に専念できるよう、転勤等に伴い生活コストが上昇する地域への配慮として、光熱費等の費用を補助する福利厚生制度を設計するなど、従業員のエンゲージメント向上と定着に直結する処遇改善を継続的に実施しております。
<社内環境整備>多様な人材が能力を最大限に発揮し、高いエンゲージメントを持って働き続けられる職場環境を整備します。
・働き方改革の深化:業務のデジタルシフトによる「しくみを変え、しごとを変える」取り組みとして、グループ各社においてウィークリースタンスの徹底やノー残業デーを実施しているほか、株式会社エイト日本技術開発では「次世代育成行動計画」の見直しを通じてアニバーサリー休暇を正式に制度化するなど、多様なライフステージに対応した環境整備を進めております。
・柔軟な働き方の推進:株式会社エイト日本技術開発では、多様な人材がそれぞれの状況に応じて最大限に力を発揮できる包摂的(インクルーシブ)な職場づくりを目指し、在宅勤務と出社勤務の選択肢を持たせるハイブリッドワークを2024年度より運用しております。
・育児・介護支援:グループ全体で男性の育休取得率100%を目標に掲げ(2026年5月期実績71.4%)、取得を推奨する環境整備を優先的に推進しております。
・健康・安全を意識した経営:グループ各社において定期健康診断の受診徹底と年1回のストレスチェックを実施しており、一部グループ会社では「健康経営優良法人」の認定を取得しているほか、未取得のグループ会社においても取得を推進してまいります。また、株式会社エイト日本技術開発では2025年度のストレスチェック回答率が97.1%となっており、結果を踏まえた適切な社内体制の構築と改善策を継続的に進めております。
・エンゲージメントの向上:2025年度よりグループ全体で独自のエンゲージメント調査を導入し、課題の早期把握から対策立案・施策実行までのサイクルを構築することで、心理的安全性の確保を含む職場環境の改善と従業員エンゲージメントの向上を図っております。
・離職率の抑制:人材の流動化が高まる建設コンサルタント業界において、当連結グループは離職率の抑制を重要課題の一つと認識しております。EJグループフォーラムをはじめとするグループ横断の交流機会を通じて、グループの将来像や経営方針への理解を深めるとともに、組織間・世代間のコミュニケーション促進に取り組んでおります。こうしたエンゲージメント向上施策を継続した結果、当期のグループ全体の離職率は3.3%(EJEC(Thailand) Co.,Ltd.を除く)という低い水準を維持しております。