有価証券報告書-第22期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/31 15:11
【資料】
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【項目】
125項目
24.金融商品
(1)資本管理
当社グループは、持続的成長を続け、企業価値を最大化するために財務体質の健全性と調達構造の安全性を維持することを資本管理において重視しております。特に、パイプラインの拡充や開発資金の確保のため、現金及び現金同等物、有利子負債及び資本のポジションに注意しております。当社グループは2022年12月31日現在、外部から資本規制を受けておりません。
当社グループは、自己資本比率を管理対象としており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における自己資本比率は以下のとおりです。
前連結会計年度
(2021年12月31日)
当連結会計年度
(2022年12月31日)
自己資本比率62.3%61.8%

(注) 自己資本比率は「親会社の所有者に帰属する持分」を「資本及び負債の合計」で除して計算しております。
(2)信用リスク
① リスクの内容
当社グループの営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクについては、当社の社内規程に則り、取引先毎の債権期日管理及び残高管理等を行っております。
連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
② 信用リスクの管理
当社グループは、営業債権について、過去の信用損失を基礎として、現在入手可能な将来予測情報も加味して、全期間の予想信用損失を認識しております。具体的には、月次毎の期日経過情報などから営業債権を適切にグルーピングし、個別の回収状況を検討した上で、貸倒引当金を計上しております。なお、回収期日を経過した営業債権に重要なものはありません。
期中における営業債権の増減は以下のとおりです。
(単位:千円)

前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
期首残高1,293,7371,670,250
期中増減額376,5131,363,091
期末残高1,670,2503,033,341

上記に対応する貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
(単位:千円)

前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
期首残高1,4751,470
期中増減額△516,396
期末残高1,47017,866

なお、当社グループは、その他の償却原価で測定する金融資産について、期日経過情報や債務者の弁済能力などを踏まえて、当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを検討しております。報告期間の末日時点において、回収期日を経過している債権はなく、貸倒引当金を計上しておりません。
③ リスクの集中
当社グループの営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒されております。さらには、当社グループは比較的少数の卸売企業を通じて製品を販売しており、これらの卸売企業に関して信用リスクの集中に晒されています。これらの卸売企業が財務的困難に直面する場合、当社グループの財務成績に重大かつ不利な影響がもたらされる可能性があります。
(3)流動性リスク
当社グループは、必要な資金を主に銀行借入により調達しています。金融負債である借入金は、流動性リスクに晒されておりますが、当社では、適時に資金繰り計画等を作成・更新すること、及び経済情勢や金融情勢を注視し、金利動向及び為替動向に応じた資金調達を実施することでリスク管理を行っております。
金融負債の期日別残高は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2021年12月31日)
(単位:千円)
帳簿残高契約上のキャッシュ・フロー1年内1年超3年内3年超
非デリバティブ金融負債
営業債務及びその他の債務371,138371,138371,138--
短期借入金700,000700,000700,000--
預り保証金6,9186,9186,918--
リース負債426,386478,593163,204313,6571,731
その他の金融負債(優先株式)(注1)7,523,9909,314,604-9,314,604-
その他の金融負債(新株予約権)(注2)15,82315,823--15,823
合計9,044,25810,887,0791,241,2619,628,26217,555

当連結会計年度(2022年12月31日)
(単位:千円)
帳簿残高契約上のキャッシュ・フロー1年内1年超3年内3年超
非デリバティブ金融負債
営業債務及びその他の債務949,612949,612949,612--
短期借入金200,000200,000200,000--
預り保証金7,2257,2257,225--
リース負債337,356360,747194,123165,0931,529
その他の金融負債(優先株式)(注1)9,694,37410,905,467-10,905,467-
その他の金融負債(新株予約権)(注2)12,58312,583--12,583
合計11,201,15212,435,6361,350,96111,070,56014,113

(注1)その他の金融負債(優先株式)の期日別残高は、契約により合意された期間、利率及び金額に関する経営者の合理的な見積りに基づき算定しております。
(注2)その他の金融負債(新株予約権)の期日別残高は、契約により合意された行使時期及び新株予約権者からの払込金額に基づき記載しております。
満期分析に含まれているキャッシュ・フローが著しく早期に発生すること、又は著しく異なる金額で発生することは見込まれておりません。
(4)市場リスク
① 為替リスク
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、機能通貨以外の通貨建ての取引について為替リスクに晒されています。外貨建ての取引は、主に当社が所有している外貨建預金などになります。当社グループは、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、その変動幅を管理しています。
為替変動リスクの感応度分析
当社グループが、連結会計年度末において保有する金融商品について、日本円に対し中国元及び米ドルが1%円高になった場合の連結損益計算書の税引前損益に与える影響額は以下のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
(単位:千円)
前連結会計年度
(2021年12月31日)
当連結会計年度
(2022年12月31日)
中国元△289△305
米国ドル△290△220

② 金利リスク
当社グループの金利リスクは、現金同等物及び有利子負債等から生じます。借入金のうち、変動金利によるものは、市場金利の変動による将来キャッシュ・フローの変動を受ける可能性があります。
金利感応度分析
当社グループが、連結会計年度末において保有する変動金利金融商品において、連結会計年度末における金利が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前損益に与える影響額は以下のとおりであります。この分析は、連結会計年度末における変動金利借入金の額面金額に1%を乗じて影響額を算定しております。
(単位:千円)

前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
税引前損益△7,000△2,000

(5)公正価値
① 金融商品の公正価値
金融資産・負債の公正価値及び連結財政状態計算書における帳簿価額は以下のとおりです。
(単位:千円)
前連結会計年度
(2021年12月31日)
当連結会計年度
(2022年12月31日)
帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値
金融資産
定期預金(3か月超)--191,799191,799
敷金保証金59,07657,77563,42760,701
貸付金9,4869,5464,7434,743
長期性預金--977,311977,311
出資金887,694887,6941,229,4231,229,423
金融負債
借入金700,000700,000200,000200,000
預り保証金6,9186,9187,2257,225
その他の金融負債(優先株式)7,523,9907,523,9909,694,3749,694,374
その他の金融負債(新株予約権)15,82315,82312,58312,583

② 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり算定しております。
(定期預金3ケ月超)
定期預金(3ケ月超)は満期日が1年以内と短期であり、公正価値は帳簿価額に近似しております。
(敷金保証金)
敷金保証金は契約ごとに分類し、その契約期間に応じて国債の利回り等適切な指標に信用リスクを加味した利率で割り引く方法により、公正価値を見積っております。
(貸付金)
貸付金は、短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額に近似しております。
(長期性預金)
長期性預金については、当初認識公正価値と実効金利法による償却原価および取引価格に差異がなく、帳簿価額は公正価値と近似しております。
(出資金)
出資金は、主に非上場会社の持分であり、類似企業比較法とオプション評価モデルを組み合わせて公正価値を評価しております。この評価モデルにおいて、企業価値等の観測可能でないインプットも用いております。公正価値の測定には、類似企業に応じて-12.7%~-52.7%の企業価値換算を使用しております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額に近似しております。
(預り保証金)
預り保証金は、その将来キャッシュ・フローを期日までの期間に応じて国債の利回り等適切な指標に信用リスクを加味した利率で割り引く方法により、公正価値を見積っております。なお、当連結会計年度の預り保証金は、短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額に近似しております。
(その他の金融負債(優先株式))
その他の金融負債(優先株式)は、投資額面を契約に基づく利率で割り引いて算定する方法により、公正価値を見積っております。この評価方法においては、割引率等の観察可能でないインプットを用いております。公正価値の測定には、10%の割引率を使用しております。
(その他の金融負債(新株予約権))
その他の金融負債(新株予約権)は、モンテカルロ・シミュレーションにより、公正価値を見積っております。この評価方法において、割引率等の観察可能でないインプットを用いております。公正価値の測定には、0.1%の割引率を使用しております。
(上記以外の金融商品)
上記以外の金融商品は主に短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額に近似しております。
③ 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値は、公正価値の測定に利用するインプットをもとに、それぞれのレベルを以下のように分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定された公正価値
レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定された公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しております。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
公正価値で測定される金融商品及び償却原価で測定される金融資産、金融負債の公正価値ヒエラルキー及び、金融商品の分類別開示は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2021年12月31日)
(単位:千円)
レベル1レベル2レベル3合計
金融資産
償却原価で測定される金融資産
敷金保証金-57,775-57,775
貸付金-9,546-9,546
純損益を通じて公正価値を測定する金融資産
出資金--887,694887,694
合計-67,321887,694955,016
金融負債
償却原価で測定される金融負債
借入金-700,000-700,000
預り保証金-6,918-6,918
その他の金融負債(優先株式)--7,523,9907,523,990
その他の金融負債(新株予約権)--15,82315,823
合計-706,9187,539,8148,246,732

当連結会計年度(2022年12月31日)
(単位:千円)
レベル1レベル2レベル3合計
金融資産
償却原価で測定される金融資産
定期預金(3か月超)-191,799-191,799
敷金保証金-60,701-60,701
貸付金-4,743-4,743
長期性預金-977,311-977,311
純損益を通じて公正価値を測定する金融資産
出資金--1,229,4231,229,423
合計-1,234,5551,229,4232,463,979
金融負債
償却原価で測定される金融負債
借入金-200,000-200,000
預り保証金-7,225-7,225
その他の金融負債(優先株式)--9,694,3749,694,374
その他の金融負債(新株予約権)--12,58312,583
合計-207,2259,706,9589,914,183

(注)1.レベル3に分類した金融商品については、適切な権限者に承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は適切な権限者によりレビューされ承認されております。
2.レベル3に分類した出資金については、企業価値の上昇(下落)により公正価値は増加(減少)します。レベル3に分類したその他の金融負債(優先株式)については、割引率の下落(上昇)により公正価値は増加(減少)します。なお、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
④ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整額
レベル3に分類された金融資産
(単位:千円)
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
期首残高674,266887,694
利得及び損失合計366,775△349,276
純損益(注)366,775△349,276
購入228,032589,252
売却△457,089-
為替変動の影響75,709101,753
期末残高887,6941,229,423

(注) 純損益に認識された利得及び損失は、連結損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれております。
レベル3に分類された金融負債
(単位:千円)
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
期首残高7,145,7327,539,814
為替変動の影響476,6491,156,530
その他の金融負債(優先株式)3,799,9471,013,853
その他の金融負債(新株予約権)15,823△3,240
その他(注)△3,898,338-
期末残高7,539,8149,706,958

(注) 非支配株主へ付与されたプット・オプションの公正価値を事後測定した変動差額であり、当該変動差額は資本剰余金として処理しております。