有価証券報告書-第19期(2025/06/01-2026/05/31)
有報資料
(1)当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスクごとに担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、監査室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。
(2)リスクの抽出・評価プロセス
当社グループの事業運営上のリスクの抽出と評価プロセスは以下のとおりです。
・リスクの抽出
当社グループを取り巻く環境変化を踏まえ抽出したリスクを、危機管理マニュアルのリスク類型に基づき分類
・リスクの評価
リスク管理部門・各部門・グループ会社において、各リスクを発生可能性、事業活動への影響度、信用・評判への影響、法的な影響度、ステークホルダーへの影響、業務継続への影響度から評価
・リスクの検証
各部門・グループ会社において評価した各リスクを、リスクマネジメント委員会において検証
・リスクの見直し(更新プロセス)
各部門・グループ会社において、定期的にリスクの抽出・評価内容を更新し、リスク管理の実効性を継続的に向上
(3)当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のある主要なリスク
リスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しております。
リスクの抽出・評価プロセスで得られた各リスクの重要性評価に加え、実際に顕在化したリスクの状況も踏まえたうえで、当社グループの経営戦略や中長期的な経営目標への影響度を鑑み、重要性が高いと判断されるリスクを「重点対策リスク」として選定しております。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。
<リスク項目一覧>※「影響度:大、発生可能性:中」以上の項目を「重点対策リスク」と特定

<重点対策リスク>
●リスク
当社グループは各事業の運営に際し、派遣スタッフ、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。
また、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、関係当局の処分等に加え、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
●対応策
当社グループでは、GDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定し、個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。
また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。
●リスク
当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。これらのコンピュータシステムや通信ネットワークが、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等によって利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、係る状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下や、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、システムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。
当社は創業から50年の節目を迎え、次の50年に向けて「NATUREVERSEの実現」を長期VISIONに掲げております。 また、2026年5月期から始まる5ヵ年を中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」と位置付け、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略により、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指しております。こうした成長戦略に伴う各種の事業投資を行う中で以下のようなリスクが生じます。
a.減損会計について
●リスク
当社グループは、地方創生・観光ソリューション事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産や、のれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損損失が発生する可能性があります。固定資産減損の認識判定における将来キャッシュ・フローは、資金生成単位ごとの事業計画を基礎として行っておりますが、これらの将来予測には不確実性が伴うため、事業が想定通り進捗しない場合、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、投資段階における収益性評価に加え、投資後においても資産ごとの収益性及びキャッシュ・フローの状況を継続的にモニタリングしております。資金生成単位ごとの事業計画の進捗状況について定期的に確認を行い、計画との乖離が生じた場合には、原因分析を行ったうえで収益改善策の検討及び実行を迅速に行うことで、資産価値の維持・向上に努めております。
また、新規投資や企業買収の実行に際しては、投資検討の段階から投資後の事業運営及びシナジー創出を見据えた計画策定を行うとともに、関係部門が連携して早期の収益化及び事業改善を推進しております。
b.企業買収について
●リスク
当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益への貢献や、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、企業買収に伴うリスクの低減を図るため、投資検討段階において、対象企業の事業内容、財務状況、法務・契約関係等について外部専門家も活用した詳細なデューデリジェンスを実施しております。また、投資判断にあたっては、当社の成長戦略との整合性や収益性、資本効率等を総合的に勘案するとともに、社内の承認プロセスにおける審議を通じて意思決定の適正性を確保しております。
買収後においては、PMI(Post Merger Integration)を重視し、対象会社の経営体制や業務プロセスの統合、当社グループとの連携強化を計画的に推進することで、シナジーの早期実現に努めております。さらに、買収後の業績及び事業進捗について継続的なモニタリングを実施し、当初計画との乖離が生じた場合には、速やかに改善施策を講じる体制を構築しております。
c.子会社・関連会社への投融資
●リスク
当社グループは、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また次の50年を見据えた成長戦略の実現に向けて、社会の問題点の解決につながる新規事業投資を行っていく考えであります。新規事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組みますが、こうした取り組みにも関わらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
こうした事業投資を、子会社・関連会社への投融資を通じて行う場合がありますが、当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境及び業績動向によっては実質価額の著しい下落による評価損の計上により、当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。また、実質価額がマイナスになった場合には、当該会社への貸付を含めた債権及び債務保証に係る損失やこれらを超えて当該会社で発生する損失の負担に備えるため、損失見込額に対する引当金の計上が必要になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、子会社・関連会社への投融資に伴うリスクを適切に管理するため、投融資実行前において事業性及び収益性の十分な検証を行うとともに、投融資実行後は各社の経営状況及び財務状況を定期的に把握するモニタリング体制を整備しております。具体的には、各社の事業計画の進捗管理及び収益状況の確認を継続的に実施し、計画との乖離が認められる場合には、早期に課題を抽出し、必要な改善支援や経営指導を行っております。
また、当社グループの既存事業インフラや営業基盤との連携を通じて、事業の早期立上げ及び収益化を支援しております。なお、子会社・関連会社の財務状況や市場環境の変化等については継続的に注視し、必要に応じて適切な会計処理やリスク対応を行うことで、財務への影響の最小化に努めております。
●リスク
当社グループの地方創生・観光ソリューション事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが存在します。
・商業施設の新規開設については、施設規模に応じて多額の設備投資ならびに運転資金の負担が生じます。開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間においては、人件費等の費用負担が先行する傾向があるため、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。
・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求が不十分であった場合や、利用者の満足度を得られなかった場合は、収益が計画に届かず、事業計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。
・当該事業では、施設運営やサービス提供を担う人材の確保及び育成が重要となります。人材確保が計画どおり進まない場合や、人材の定着が十分に図られない場合には、サービス品質の低下や人件費の増加等により、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
・当該事業は、地方自治体や事業者等との連携を前提として推進していることから、地方自治体の政策変更や財政状況の変化、地域関係者との協力体制が想定どおり構築できない場合、また連携する事業者との関係に変化が生じた場合には、事業計画の見直しや追加的な対応が必要となる可能性があります。
・当該事業は、その事業特性上、施設で提供するサービスに応じて、旅館業法、食品衛生法、建築基準法等の各種法令や規制の適用を受けており、関連法令の改正や新たな規制の導入が行われた場合には、追加的な設備投資や運営コストが発生し、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。
・施設におけるアトラクション等の安全管理をはじめ、宿泊施設におけるサービスの質や安全性、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生し、または営業休止を余儀なくされる可能性があります。
・これらの結果として、当該事業から見込まれる将来キャッシュ・フローが低下した場合には、固定資産の減損損失を計上する必要が生じる可能性があり、さらに事業の縮小または撤退を判断した場合には、一時的な費用負担が発生する可能性があります。
●対応策
・新規施設の開設や事業投資にあたっては、需要動向や収益性、投資回収可能性を慎重に検証するとともに、開業後も定期的に利用状況や収支のモニタリングを行い、必要に応じて運営方法やコスト構造の見直しを行っております。
・地域特性を踏まえた施設コンテンツの企画やイベントの実施、デジタル施策の活用等により、新規来訪者の拡大やリピーターの創出に努めるとともに、外部環境の変化に応じた柔軟な集客施策を講じております。
・人材面においては、教育・研修体制の整備を通じて、安定した施設運営とサービス品質の維持・向上を図っております。
・自治体や地域事業者等との継続的な対話と協力関係の構築を通じて、地域一体となった事業運営を推進するとともに、政策や環境変化への対応力の強化に努めております。
・関係法令の遵守を徹底するとともに、法令改正等の動向を注視し、必要な体制整備や投資を適時に行うことで、事業への影響を最小限に抑えるよう努めております。
・安全管理、品質管理及び危機管理体制の整備を進めるとともに、自然災害や感染症等の発生に備えた事業継続計画(BCP)を整備しており、適宜見直しを行うことで事業継続性の確保に取り組んでおります。また、激甚化する自然災害への備えとして、保険の活用によるリスク低減にも努めております。
<その他のリスク>⑤官公庁等との事業認可、契約関係の対応及び関係諸法令への対応 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループのBPOソリューションの委託・請負事業は、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託元の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、当社グループまたは再委託先において、関連法規違反、重大な過誤その他不適正な運営が生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託元の規程により入札指名停止などの措置を受けることで財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、実施規模及び期間の上限が予め設定されている事業もあることから、年度ごとに業績が大きく変動する可能性があります。
エキスパートソリューションの人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。
キャリアソリューションの人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業は人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。
同じくキャリアソリューションの再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。
さらに、関係諸法令は、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて改正されることから、当社グループにおいては改正に応じてその都度、適宜対応し、適切な事業運営ができる諸施策を講じていますが、今後の更なる改正によっては、当社グループの事業運営ならびに業績に影響が生じる可能性があります。
⑥資金調達について <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループ資金については、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っております。また、金融機関とは、主に短期的な運転資金需要に対応するためにコミットメントラインを設定しているほか、長期借入や社債等により長期運転資金や設備投資資金等を調達しております。今後の経営状況や信用収縮、金利上昇等の金融情勢の変化などのほか、コミットメントラインや一部の長期借入金等に付されている財務制限条項に抵触することなどにより、必要な資金調達ができない場合や直ちに債務の弁済が必要となる場合、調達コストが増加する場合等、当社グループの事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦景気動向等のマクロ環境の影響 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、企業・組織向けの人材活用や生産性向上に関する各種ソリューションサービスの提供に加え、個人に対して多様な働き方を支援する就労インフラを展開しています。これらのサービスは、国内外の景気動向、技術革新等のビジネス環境の変化や、労働関連法令の規制等の影響を受けます。
当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)、地方創生・観光ソリューション等を展開し、特定分野に依存しない事業ポートフォリオの構築を進めています。しかしながら、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合には、各事業の業績や収益構造に影響を及ぼす可能性があります。また、長期的には国内の人口動態の変化により、人手不足の進行や市場縮小が生じる可能性があります。
当社グループは、社会環境の変化を踏まえつつ、新規事業・サービスの開発・拡充を通じて、リスク分散と持続的成長を図っています。
⑧技術革新によるリスク <影響度:大、発生可能性:低>生成AIを含むAI技術及びデジタル技術の急速な進展により、企業の業務プロセス、人材活用及び意思決定は変化しており、当社グループを取り巻く事業環境は構造的な転換局面にあります。
デジタル技術やAI技術の普及により、業務の自動化や意思決定の高度化が進み、顧客企業における効率化、内製化及び省人化が進展した場合、人材サービス及びBPOサービスの需要構造が変化し、当社グループの既存サービスに対する需要の減少、価格水準の低下、受託範囲の縮小、競争環境の変化等が生じる可能性があります。当社グループでは、技術動向の継続的な把握、デジタル分野への投資、人材育成及び外部パートナーとの連携、AI活用によるサービス高度化等を通じて、技術革新への対応に取り組んでおりますが、技術革新に伴う顧客企業の人材活用及び人材需要の変化に対応したサービス提供や、データ・AIを活用した事業モデルの変革を適時適切に進めることができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、AIの利用にあたっては、情報漏洩、知的財産権侵害、不正確な情報利用及びバイアス等のリスクがあり、これらが顕在化した場合には信用毀損や損害賠償等につながる可能性があります。当社グループではAI基本方針の下、ガイドライン整備や教育、ガバナンス強化等により対応していますが、技術進展や法規制の動向により十分に機能しない場合があります。
⑨自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象(以下「自然災害等」という。)が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に実施しました。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩投資有価証券の保有について <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは、中長期的な視点で企業価値を高めるために、お客様及び取引先との信頼関係の強化や維持、取引の拡大、協業や事業シナジーの創出等を目的に、上場及び非上場の株式等の投資有価証券を保有しております。市場価格等の時価を把握できる有価証券については株式市況及び債券市況等の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先の財政状態や業績動向等により、実質価額の著しい下落による評価損を計上するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫人材の確保について <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、創業以来「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られることを目指して、様々な社会インフラを構築してきました。事業環境の変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、未来を創造する人材を確保・育成し続ける必要があります。
そのため、当社グループが必要な人材を適時十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応方針・施策等、人的資本経営に関する詳細は、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ②人的資本への取り組み」に記載のとおりです。
⑬気候変動リスク <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、環境経営戦略会議において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。
気候変動に伴う事業等のリスクへの対応については、12ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ①持続可能な地球環境への取り組み」に記載のとおりです。
⑭子育て支援・ライフサポート事業におけるリスク <影響度:小、発生可能性:中>当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と家事代行などのライフサポート事業、居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスクごとに担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、監査室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。
(2)リスクの抽出・評価プロセス
当社グループの事業運営上のリスクの抽出と評価プロセスは以下のとおりです。
・リスクの抽出
当社グループを取り巻く環境変化を踏まえ抽出したリスクを、危機管理マニュアルのリスク類型に基づき分類
・リスクの評価
リスク管理部門・各部門・グループ会社において、各リスクを発生可能性、事業活動への影響度、信用・評判への影響、法的な影響度、ステークホルダーへの影響、業務継続への影響度から評価
・リスクの検証
各部門・グループ会社において評価した各リスクを、リスクマネジメント委員会において検証
・リスクの見直し(更新プロセス)
各部門・グループ会社において、定期的にリスクの抽出・評価内容を更新し、リスク管理の実効性を継続的に向上
(3)当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のある主要なリスク
リスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しております。
リスクの抽出・評価プロセスで得られた各リスクの重要性評価に加え、実際に顕在化したリスクの状況も踏まえたうえで、当社グループの経営戦略や中長期的な経営目標への影響度を鑑み、重要性が高いと判断されるリスクを「重点対策リスク」として選定しております。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。
<リスク項目一覧>※「影響度:大、発生可能性:中」以上の項目を「重点対策リスク」と特定

<重点対策リスク>
| ① 個人情報及び機密情報の管理について <影響度:大、発生可能性:中> |
●リスク
当社グループは各事業の運営に際し、派遣スタッフ、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。
また、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、関係当局の処分等に加え、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
●対応策
当社グループでは、GDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定し、個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。
また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。
| ② システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク <影響度:大、発生可能性:中> |
●リスク
当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。これらのコンピュータシステムや通信ネットワークが、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等によって利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、係る状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下や、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、システムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。
| ③事業投資について <影響度:大、発生可能性:中> |
当社は創業から50年の節目を迎え、次の50年に向けて「NATUREVERSEの実現」を長期VISIONに掲げております。 また、2026年5月期から始まる5ヵ年を中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」と位置付け、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略により、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指しております。こうした成長戦略に伴う各種の事業投資を行う中で以下のようなリスクが生じます。
a.減損会計について
●リスク
当社グループは、地方創生・観光ソリューション事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産や、のれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損損失が発生する可能性があります。固定資産減損の認識判定における将来キャッシュ・フローは、資金生成単位ごとの事業計画を基礎として行っておりますが、これらの将来予測には不確実性が伴うため、事業が想定通り進捗しない場合、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、投資段階における収益性評価に加え、投資後においても資産ごとの収益性及びキャッシュ・フローの状況を継続的にモニタリングしております。資金生成単位ごとの事業計画の進捗状況について定期的に確認を行い、計画との乖離が生じた場合には、原因分析を行ったうえで収益改善策の検討及び実行を迅速に行うことで、資産価値の維持・向上に努めております。
また、新規投資や企業買収の実行に際しては、投資検討の段階から投資後の事業運営及びシナジー創出を見据えた計画策定を行うとともに、関係部門が連携して早期の収益化及び事業改善を推進しております。
b.企業買収について
●リスク
当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益への貢献や、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、企業買収に伴うリスクの低減を図るため、投資検討段階において、対象企業の事業内容、財務状況、法務・契約関係等について外部専門家も活用した詳細なデューデリジェンスを実施しております。また、投資判断にあたっては、当社の成長戦略との整合性や収益性、資本効率等を総合的に勘案するとともに、社内の承認プロセスにおける審議を通じて意思決定の適正性を確保しております。
買収後においては、PMI(Post Merger Integration)を重視し、対象会社の経営体制や業務プロセスの統合、当社グループとの連携強化を計画的に推進することで、シナジーの早期実現に努めております。さらに、買収後の業績及び事業進捗について継続的なモニタリングを実施し、当初計画との乖離が生じた場合には、速やかに改善施策を講じる体制を構築しております。
c.子会社・関連会社への投融資
●リスク
当社グループは、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また次の50年を見据えた成長戦略の実現に向けて、社会の問題点の解決につながる新規事業投資を行っていく考えであります。新規事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組みますが、こうした取り組みにも関わらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
こうした事業投資を、子会社・関連会社への投融資を通じて行う場合がありますが、当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境及び業績動向によっては実質価額の著しい下落による評価損の計上により、当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。また、実質価額がマイナスになった場合には、当該会社への貸付を含めた債権及び債務保証に係る損失やこれらを超えて当該会社で発生する損失の負担に備えるため、損失見込額に対する引当金の計上が必要になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
●対応策
当社グループでは、子会社・関連会社への投融資に伴うリスクを適切に管理するため、投融資実行前において事業性及び収益性の十分な検証を行うとともに、投融資実行後は各社の経営状況及び財務状況を定期的に把握するモニタリング体制を整備しております。具体的には、各社の事業計画の進捗管理及び収益状況の確認を継続的に実施し、計画との乖離が認められる場合には、早期に課題を抽出し、必要な改善支援や経営指導を行っております。
また、当社グループの既存事業インフラや営業基盤との連携を通じて、事業の早期立上げ及び収益化を支援しております。なお、子会社・関連会社の財務状況や市場環境の変化等については継続的に注視し、必要に応じて適切な会計処理やリスク対応を行うことで、財務への影響の最小化に努めております。
| ④地方創生・観光ソリューション事業におけるリスク <影響度:大、発生可能性:中> |
●リスク
当社グループの地方創生・観光ソリューション事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが存在します。
・商業施設の新規開設については、施設規模に応じて多額の設備投資ならびに運転資金の負担が生じます。開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間においては、人件費等の費用負担が先行する傾向があるため、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。
・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求が不十分であった場合や、利用者の満足度を得られなかった場合は、収益が計画に届かず、事業計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。
・当該事業では、施設運営やサービス提供を担う人材の確保及び育成が重要となります。人材確保が計画どおり進まない場合や、人材の定着が十分に図られない場合には、サービス品質の低下や人件費の増加等により、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
・当該事業は、地方自治体や事業者等との連携を前提として推進していることから、地方自治体の政策変更や財政状況の変化、地域関係者との協力体制が想定どおり構築できない場合、また連携する事業者との関係に変化が生じた場合には、事業計画の見直しや追加的な対応が必要となる可能性があります。
・当該事業は、その事業特性上、施設で提供するサービスに応じて、旅館業法、食品衛生法、建築基準法等の各種法令や規制の適用を受けており、関連法令の改正や新たな規制の導入が行われた場合には、追加的な設備投資や運営コストが発生し、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。
・施設におけるアトラクション等の安全管理をはじめ、宿泊施設におけるサービスの質や安全性、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生し、または営業休止を余儀なくされる可能性があります。
・これらの結果として、当該事業から見込まれる将来キャッシュ・フローが低下した場合には、固定資産の減損損失を計上する必要が生じる可能性があり、さらに事業の縮小または撤退を判断した場合には、一時的な費用負担が発生する可能性があります。
●対応策
・新規施設の開設や事業投資にあたっては、需要動向や収益性、投資回収可能性を慎重に検証するとともに、開業後も定期的に利用状況や収支のモニタリングを行い、必要に応じて運営方法やコスト構造の見直しを行っております。
・地域特性を踏まえた施設コンテンツの企画やイベントの実施、デジタル施策の活用等により、新規来訪者の拡大やリピーターの創出に努めるとともに、外部環境の変化に応じた柔軟な集客施策を講じております。
・人材面においては、教育・研修体制の整備を通じて、安定した施設運営とサービス品質の維持・向上を図っております。
・自治体や地域事業者等との継続的な対話と協力関係の構築を通じて、地域一体となった事業運営を推進するとともに、政策や環境変化への対応力の強化に努めております。
・関係法令の遵守を徹底するとともに、法令改正等の動向を注視し、必要な体制整備や投資を適時に行うことで、事業への影響を最小限に抑えるよう努めております。
・安全管理、品質管理及び危機管理体制の整備を進めるとともに、自然災害や感染症等の発生に備えた事業継続計画(BCP)を整備しており、適宜見直しを行うことで事業継続性の確保に取り組んでおります。また、激甚化する自然災害への備えとして、保険の活用によるリスク低減にも努めております。
<その他のリスク>⑤官公庁等との事業認可、契約関係の対応及び関係諸法令への対応 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループのBPOソリューションの委託・請負事業は、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託元の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、当社グループまたは再委託先において、関連法規違反、重大な過誤その他不適正な運営が生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託元の規程により入札指名停止などの措置を受けることで財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、実施規模及び期間の上限が予め設定されている事業もあることから、年度ごとに業績が大きく変動する可能性があります。
エキスパートソリューションの人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。
キャリアソリューションの人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業は人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。
同じくキャリアソリューションの再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。
さらに、関係諸法令は、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて改正されることから、当社グループにおいては改正に応じてその都度、適宜対応し、適切な事業運営ができる諸施策を講じていますが、今後の更なる改正によっては、当社グループの事業運営ならびに業績に影響が生じる可能性があります。
⑥資金調達について <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループ資金については、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っております。また、金融機関とは、主に短期的な運転資金需要に対応するためにコミットメントラインを設定しているほか、長期借入や社債等により長期運転資金や設備投資資金等を調達しております。今後の経営状況や信用収縮、金利上昇等の金融情勢の変化などのほか、コミットメントラインや一部の長期借入金等に付されている財務制限条項に抵触することなどにより、必要な資金調達ができない場合や直ちに債務の弁済が必要となる場合、調達コストが増加する場合等、当社グループの事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦景気動向等のマクロ環境の影響 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、企業・組織向けの人材活用や生産性向上に関する各種ソリューションサービスの提供に加え、個人に対して多様な働き方を支援する就労インフラを展開しています。これらのサービスは、国内外の景気動向、技術革新等のビジネス環境の変化や、労働関連法令の規制等の影響を受けます。
当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)、地方創生・観光ソリューション等を展開し、特定分野に依存しない事業ポートフォリオの構築を進めています。しかしながら、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合には、各事業の業績や収益構造に影響を及ぼす可能性があります。また、長期的には国内の人口動態の変化により、人手不足の進行や市場縮小が生じる可能性があります。
当社グループは、社会環境の変化を踏まえつつ、新規事業・サービスの開発・拡充を通じて、リスク分散と持続的成長を図っています。
⑧技術革新によるリスク <影響度:大、発生可能性:低>生成AIを含むAI技術及びデジタル技術の急速な進展により、企業の業務プロセス、人材活用及び意思決定は変化しており、当社グループを取り巻く事業環境は構造的な転換局面にあります。
デジタル技術やAI技術の普及により、業務の自動化や意思決定の高度化が進み、顧客企業における効率化、内製化及び省人化が進展した場合、人材サービス及びBPOサービスの需要構造が変化し、当社グループの既存サービスに対する需要の減少、価格水準の低下、受託範囲の縮小、競争環境の変化等が生じる可能性があります。当社グループでは、技術動向の継続的な把握、デジタル分野への投資、人材育成及び外部パートナーとの連携、AI活用によるサービス高度化等を通じて、技術革新への対応に取り組んでおりますが、技術革新に伴う顧客企業の人材活用及び人材需要の変化に対応したサービス提供や、データ・AIを活用した事業モデルの変革を適時適切に進めることができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、AIの利用にあたっては、情報漏洩、知的財産権侵害、不正確な情報利用及びバイアス等のリスクがあり、これらが顕在化した場合には信用毀損や損害賠償等につながる可能性があります。当社グループではAI基本方針の下、ガイドライン整備や教育、ガバナンス強化等により対応していますが、技術進展や法規制の動向により十分に機能しない場合があります。
⑨自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象(以下「自然災害等」という。)が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に実施しました。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩投資有価証券の保有について <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは、中長期的な視点で企業価値を高めるために、お客様及び取引先との信頼関係の強化や維持、取引の拡大、協業や事業シナジーの創出等を目的に、上場及び非上場の株式等の投資有価証券を保有しております。市場価格等の時価を把握できる有価証券については株式市況及び債券市況等の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先の財政状態や業績動向等により、実質価額の著しい下落による評価損を計上するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫人材の確保について <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、創業以来「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られることを目指して、様々な社会インフラを構築してきました。事業環境の変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、未来を創造する人材を確保・育成し続ける必要があります。
そのため、当社グループが必要な人材を適時十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応方針・施策等、人的資本経営に関する詳細は、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ②人的資本への取り組み」に記載のとおりです。
⑬気候変動リスク <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、環境経営戦略会議において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。
気候変動に伴う事業等のリスクへの対応については、12ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ①持続可能な地球環境への取り組み」に記載のとおりです。
⑭子育て支援・ライフサポート事業におけるリスク <影響度:小、発生可能性:中>当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と家事代行などのライフサポート事業、居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。