有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)人材への投資や多様性の取組み
JR貨物グループでは2021年に「JR貨物グループ 長期ビジョン2030」を策定し、鉄道を基軸とした総合物流企業グループとして最適なソリューションを提供し社会価値向上に貢献していくことを目標として取組みを進めています。社会に提供する価値として「物流生産性の向上」、「安全・安心な物流サービス」、「グリーン社会の実現」、「地域の活性化」の4つを掲げています。
これら4つの価値を社会に提供する取組みを進めるには、「社員の働きがいの実現」が原動力となります。会社発展のためには「社員一人ひとりの成長」が必要不可欠であり、その成長を支援し個々の社員が持つ「能力」と「意欲」を最大限発揮できる環境を整えることが企業の持続的な発展につながるという認識のもと、JR貨物グループでは人材への投資を進めています。これらの取組みを通じて社員一人ひとりが自身の業務に対する誇りや責任を感じ、働きがいを感じることでエンゲージメントを向上させていきます。

① 人材育成(社員教育・研修)の取組み
「JR貨物グループ中期経営計画2026 」の基本方針となる「経営基盤の強化」の実現に向けて、人的投資を推進し、仕事で得られる心の満足度や価値を高めるために「働きがい創出を目的とした社員教育の充実」を教育計画の基本方針とし、さらに、教育規程に掲げる「目指すべき社員像」を目標として、継続的な教育機会を提供することにより、社員一人ひとりのモチベーションを向上させ、経営課題解決の推進に必要となる人材を戦略的に育成しています。また、教育の個別最適化と、更なる社員の能力開発を目指していますが、能力開発に対する意欲の高まりは、会社が援助する通信教育の受講者数にも現れており、社員の約1割が受講しています。
JR発足から30年以上が経過し、世代交代が進んだことにより、実務の中枢をJR採用の世代が担うようになりました。また、国鉄採用者大量退職を睨んだ採用活動の結果、年齢分布上若手社員の比率が高まっています。これらを受け各階層にいる社員が自らの役割を認識し、次の世代へ確実に技術を継承していくことが喫緊の課題となっています。このような現状を踏まえ、教育計画の重点実施項目である「確実な技術継承」の推進のため2025年度も中央研修センターが中心となって実施する「職能別教育」において、知識・技能の確実な継承に継続して取り組んでいます。あわせて、現場力強化に資する人材育成のための階層別研修やグループ力強化を目指した参加型研修も進めていきます。
② ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取組み
a ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進ロードマップの策定
社員一人ひとりが働きやすく、働きがいを感じられる環境を整えるべく、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)推進を目的とした種々の取組みを実施することで、社員の自律的成長の促進、組織のパフォーマンスの最大化を実現し、それをJR貨物グループの持続的成長及び企業価値の向上、ひいては社会の持続的成長へと繋げていくことを目指します。この取組みを体系的に推進するため、2025年11月にDE&I推進ロードマップを策定しました。このDE&I推進ロードマップでは2025年度から2029年度までの5事業年度を3期に分け、「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包摂性)」それぞれについて、期ごとにKPIを設定しました。(下図参照)
第1期(2025年度~2026年度)は「風土醸成・女性活躍推進/障がい者雇用促進」を目標に掲げ、研修やEラーニングコンテンツ配信等の教育や女性、障がい者といった当社におけるマイノリティが安心して意見交換できる仕組みの整備などを実施してまいります。具体的には、DE&I推進を牽引する経営層や管理職を対象とした研修の実施や全社員を対象に、差別・偏見、ジェンダー、病気・障がい、LGBTQ+といったテーマ別のオリジナル動画コンテンツを制作・配信します。また、女性、障がい者それぞれの属性のみで構成する女性活躍推進キャラバン、障がい者就労環境改善キャラバンを開催し、女性社員、障がいを持つ社員のキャリア形成に関する悩みや各種制度に関する課題・要望をテーマとした意見交換を実施します。これらの意見交換で出された意見を踏まえ、改善策を検討・実施していくことで、女性社員、障がいを持つ社員の働きやすさを向上させ、能力を最大限発揮できる就労環境の構築を図ります。さらには、育児・介護や管理職としての役割と、プライベートの両立といった等級やライフステージごとに抱える悩みの解消を図るべく女性社員を対象に社外メンター制度の導入やキャリアデザイン研修を実施します。
第2期(2027年度~2028年度)は、「多様な人材の活躍推進・コミュニティ構築」を目標とし、女性・障がい者以外のマイノリティの働きやすさ向上に向け、各種の施策を実施していきます。具体的には、LGBTQ+や雇用形態、持病のある社員毎の従業員リソースグループを構築しそれぞれの属性の持つ悩みを共有し合うことができるようにするとともに、育児介護と仕事の両立支援制度を拡充することで、くるみん、えるぼし(2段階目)、プライド指標といった外部指標の認定を目指します。
最後となる第3期(2029年度)では第2期まで実施してきた施策を継続するとともに、DE&I推進ロードマップに掲げた目標やKPIの達成状況の把握、振り返りを行い、さらなる「組織全体のパフォーマンス向上」に向け2030年度以降実施するDE&I推進施策を策定します。


b 多様な人材の採用
障がい者の積極的な採用を引き続き推進するとともに、鉄道事業の現場を含む幅広い職域において活躍できる環境の整備に取り組んでいます。現業・非現業問わず業務の洗い出しおよび見直しを進めることで、障がい者が安心して働ける職域の拡大を図り、各支社においても支援機関等と連携し採用を強化しました。また、採用後は定着支援面談等を実施し、きめ細かいケアを行うことで離職防止に努めています。今後も、すべての社員が安心して、自身の持つ能力を最大限に発揮できるよう、設備面および制度面の両面から環境整備の充実を図ってまいります。
さらに、自社内にはない視点や社外の知識や技能を取り込むことを目的として、高度なスキルや経験を有する「高度人材」の採用を進めています。加えて、2024年度より鉄道分野における特定技能外国人の受け入れが可能になったことを受け、外国籍社員の採用にも取り組んでいます。
③ 働き方の多様化に向けた取組み
当社は、社員が仕事と家庭の両立を図り、安心して働けるよう新しい勤務制度の導入や制度改正を検討しています。2024年7月から非現業社員を対象にフレックスタイム制度を導入しましたが、2026年4月からは、適用対象を現業機関で事務を担当する社員に拡大します。また、2025年4月及び10月施行の育児介護休業法改正では、法律で求められる措置に対応するとともに、育児短時間勤務適用の対象となる子どもの年齢を法定の小学校3年生までを、小学校6年生修了までに引き上げるなど法改正以上の措置を実施しております。育児や介護を行っている社員は、フレックスタイム制度と在宅勤務や短時間勤務と組み合わせて活用することで、その負担軽減を図ることができます。
④ 社員の健康維持・向上に向けた取組み
JRグループ健康保険組合と連携しながら、社員や家族の特定健診受診率の向上に向けた取組や、毎年2回(春と秋)、健康保険組合が主催するウォーキングイベントに合わせて、社内イベント「みんなで歩活 Freightカップ」を開催するなど、業務運営の基盤となる社員とその家族の健康維持に関するサポートを行っています。また、「うつ」等のメンタルヘルス不調を未然に防ぐため、毎年1回の「ストレスチェック」では集団分析説明会を実施し、社員のストレスを定量的に分析し、解説することで職場環境の改善に活用しているほか、社員のメンタル不調の相談窓口として、外部相談窓口を用意し定期的なカウンセリングを実施しています。
さらに、これまでの健康増進の取り組みをさらに深度化、促進するため、2025年3月に「JR貨物グループ健康経営宣言」を行い、健康経営スローガンを「社員と家族の健康=鉄道×物流のミライ」として、社員や家族の健康推進への取り組みを強化しました。この取り組みが評価され、健康経営優良法人(大規模法人部門)2026の認定企業となりました。また、JR貨物グループでのレクリエーション支援の基金、制度等を整備することでスポーツや文化活動を通じた交流の機会を提供しています。
コンプライアンスの観点から、メンタルヘルス不調の原因ともなり得るハラスメント等の問題をいち早く把握し、これに対処するため、顧問弁護士事務所を含む内部通報窓口を設置しているほか、コンプライアンス委員会を中心とした対応体制も整備しています。
JR貨物グループでは2021年に「JR貨物グループ 長期ビジョン2030」を策定し、鉄道を基軸とした総合物流企業グループとして最適なソリューションを提供し社会価値向上に貢献していくことを目標として取組みを進めています。社会に提供する価値として「物流生産性の向上」、「安全・安心な物流サービス」、「グリーン社会の実現」、「地域の活性化」の4つを掲げています。
これら4つの価値を社会に提供する取組みを進めるには、「社員の働きがいの実現」が原動力となります。会社発展のためには「社員一人ひとりの成長」が必要不可欠であり、その成長を支援し個々の社員が持つ「能力」と「意欲」を最大限発揮できる環境を整えることが企業の持続的な発展につながるという認識のもと、JR貨物グループでは人材への投資を進めています。これらの取組みを通じて社員一人ひとりが自身の業務に対する誇りや責任を感じ、働きがいを感じることでエンゲージメントを向上させていきます。

① 人材育成(社員教育・研修)の取組み
「JR貨物グループ中期経営計画2026 」の基本方針となる「経営基盤の強化」の実現に向けて、人的投資を推進し、仕事で得られる心の満足度や価値を高めるために「働きがい創出を目的とした社員教育の充実」を教育計画の基本方針とし、さらに、教育規程に掲げる「目指すべき社員像」を目標として、継続的な教育機会を提供することにより、社員一人ひとりのモチベーションを向上させ、経営課題解決の推進に必要となる人材を戦略的に育成しています。また、教育の個別最適化と、更なる社員の能力開発を目指していますが、能力開発に対する意欲の高まりは、会社が援助する通信教育の受講者数にも現れており、社員の約1割が受講しています。
JR発足から30年以上が経過し、世代交代が進んだことにより、実務の中枢をJR採用の世代が担うようになりました。また、国鉄採用者大量退職を睨んだ採用活動の結果、年齢分布上若手社員の比率が高まっています。これらを受け各階層にいる社員が自らの役割を認識し、次の世代へ確実に技術を継承していくことが喫緊の課題となっています。このような現状を踏まえ、教育計画の重点実施項目である「確実な技術継承」の推進のため2025年度も中央研修センターが中心となって実施する「職能別教育」において、知識・技能の確実な継承に継続して取り組んでいます。あわせて、現場力強化に資する人材育成のための階層別研修やグループ力強化を目指した参加型研修も進めていきます。
② ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取組み
a ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進ロードマップの策定
社員一人ひとりが働きやすく、働きがいを感じられる環境を整えるべく、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)推進を目的とした種々の取組みを実施することで、社員の自律的成長の促進、組織のパフォーマンスの最大化を実現し、それをJR貨物グループの持続的成長及び企業価値の向上、ひいては社会の持続的成長へと繋げていくことを目指します。この取組みを体系的に推進するため、2025年11月にDE&I推進ロードマップを策定しました。このDE&I推進ロードマップでは2025年度から2029年度までの5事業年度を3期に分け、「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包摂性)」それぞれについて、期ごとにKPIを設定しました。(下図参照)
第1期(2025年度~2026年度)は「風土醸成・女性活躍推進/障がい者雇用促進」を目標に掲げ、研修やEラーニングコンテンツ配信等の教育や女性、障がい者といった当社におけるマイノリティが安心して意見交換できる仕組みの整備などを実施してまいります。具体的には、DE&I推進を牽引する経営層や管理職を対象とした研修の実施や全社員を対象に、差別・偏見、ジェンダー、病気・障がい、LGBTQ+といったテーマ別のオリジナル動画コンテンツを制作・配信します。また、女性、障がい者それぞれの属性のみで構成する女性活躍推進キャラバン、障がい者就労環境改善キャラバンを開催し、女性社員、障がいを持つ社員のキャリア形成に関する悩みや各種制度に関する課題・要望をテーマとした意見交換を実施します。これらの意見交換で出された意見を踏まえ、改善策を検討・実施していくことで、女性社員、障がいを持つ社員の働きやすさを向上させ、能力を最大限発揮できる就労環境の構築を図ります。さらには、育児・介護や管理職としての役割と、プライベートの両立といった等級やライフステージごとに抱える悩みの解消を図るべく女性社員を対象に社外メンター制度の導入やキャリアデザイン研修を実施します。
第2期(2027年度~2028年度)は、「多様な人材の活躍推進・コミュニティ構築」を目標とし、女性・障がい者以外のマイノリティの働きやすさ向上に向け、各種の施策を実施していきます。具体的には、LGBTQ+や雇用形態、持病のある社員毎の従業員リソースグループを構築しそれぞれの属性の持つ悩みを共有し合うことができるようにするとともに、育児介護と仕事の両立支援制度を拡充することで、くるみん、えるぼし(2段階目)、プライド指標といった外部指標の認定を目指します。
最後となる第3期(2029年度)では第2期まで実施してきた施策を継続するとともに、DE&I推進ロードマップに掲げた目標やKPIの達成状況の把握、振り返りを行い、さらなる「組織全体のパフォーマンス向上」に向け2030年度以降実施するDE&I推進施策を策定します。


b 多様な人材の採用
障がい者の積極的な採用を引き続き推進するとともに、鉄道事業の現場を含む幅広い職域において活躍できる環境の整備に取り組んでいます。現業・非現業問わず業務の洗い出しおよび見直しを進めることで、障がい者が安心して働ける職域の拡大を図り、各支社においても支援機関等と連携し採用を強化しました。また、採用後は定着支援面談等を実施し、きめ細かいケアを行うことで離職防止に努めています。今後も、すべての社員が安心して、自身の持つ能力を最大限に発揮できるよう、設備面および制度面の両面から環境整備の充実を図ってまいります。
さらに、自社内にはない視点や社外の知識や技能を取り込むことを目的として、高度なスキルや経験を有する「高度人材」の採用を進めています。加えて、2024年度より鉄道分野における特定技能外国人の受け入れが可能になったことを受け、外国籍社員の採用にも取り組んでいます。
③ 働き方の多様化に向けた取組み
当社は、社員が仕事と家庭の両立を図り、安心して働けるよう新しい勤務制度の導入や制度改正を検討しています。2024年7月から非現業社員を対象にフレックスタイム制度を導入しましたが、2026年4月からは、適用対象を現業機関で事務を担当する社員に拡大します。また、2025年4月及び10月施行の育児介護休業法改正では、法律で求められる措置に対応するとともに、育児短時間勤務適用の対象となる子どもの年齢を法定の小学校3年生までを、小学校6年生修了までに引き上げるなど法改正以上の措置を実施しております。育児や介護を行っている社員は、フレックスタイム制度と在宅勤務や短時間勤務と組み合わせて活用することで、その負担軽減を図ることができます。
④ 社員の健康維持・向上に向けた取組み
JRグループ健康保険組合と連携しながら、社員や家族の特定健診受診率の向上に向けた取組や、毎年2回(春と秋)、健康保険組合が主催するウォーキングイベントに合わせて、社内イベント「みんなで歩活 Freightカップ」を開催するなど、業務運営の基盤となる社員とその家族の健康維持に関するサポートを行っています。また、「うつ」等のメンタルヘルス不調を未然に防ぐため、毎年1回の「ストレスチェック」では集団分析説明会を実施し、社員のストレスを定量的に分析し、解説することで職場環境の改善に活用しているほか、社員のメンタル不調の相談窓口として、外部相談窓口を用意し定期的なカウンセリングを実施しています。
さらに、これまでの健康増進の取り組みをさらに深度化、促進するため、2025年3月に「JR貨物グループ健康経営宣言」を行い、健康経営スローガンを「社員と家族の健康=鉄道×物流のミライ」として、社員や家族の健康推進への取り組みを強化しました。この取り組みが評価され、健康経営優良法人(大規模法人部門)2026の認定企業となりました。また、JR貨物グループでのレクリエーション支援の基金、制度等を整備することでスポーツや文化活動を通じた交流の機会を提供しています。
コンプライアンスの観点から、メンタルヘルス不調の原因ともなり得るハラスメント等の問題をいち早く把握し、これに対処するため、顧問弁護士事務所を含む内部通報窓口を設置しているほか、コンプライアンス委員会を中心とした対応体制も整備しています。