有価証券報告書-第10期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 10:00
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成29年1月1日から平成29年12月31日まで)における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策等を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く等、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、海外の政治情勢や金融政策、東アジアの地政学的リスクの高まりによる影響等には留意する必要があり、景気動向は依然として先行き不透明な状況となっております。
このような状況のなか、当社グループは、「あしたの流通を創造する」をブランドステートメントと掲げ、①利便性拡大のためのサービス徹底強化、②流通スピードの高速化(物流・決済)、③競争力のあるサービス利用料の追求等の改革を推進し、社会的価値、経済的価値の更なる向上に努めてまいりました。
この結果、四輪事業、その他情報流通事業は、前年同期を上回る水準で堅調に推移しましたが、デジタルプロダクツ事業は、様々な外部環境等の影響により、当初想定していた流通量、取扱手数料を確保するに至らず、当連結会計年度の当社グループの売上高は19,409,333千円(前年同期比2.9%減)、営業利益は3,245,387千円(前年同期比19.7%減)、経常利益は3,321,609千円(前年同期比19.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,767,535千円(前年同期比19.0%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
(イ)四輪事業
当事業は、中古車TVオークション(※1)、共有在庫市場(※2)、ライブ中継オークション(※3)、落札代行サービス(※4)及び車両検査サービス(※5)等で構成されています。
当事業と関連の深い自動車業界において、当連結会計年度の新車登録台数(※6)は、前年同期比5.3%増の523万台、中古車の登録台数(※7)は、同2.7%増の693万台、中古車オークション市場の出品台数(※8)は、同4.3%増の752万台、成約台数(※8)は、同5.2%増の474万台、とそれぞれ前年を上回る結果となりました。このような市場動向の好転に加え、中古車TVオークションは、ディーラー系、レンタル・リース系、大手買取店等をターゲットとした出品誘致が奏功したことにより成約率が上昇、ライブ中継オークション及び落札代行サービスは、輸出事業会員の参加促進に伴い落札台数が増加しました。
この結果、当事業の売上高は(セグメント間の内部売上高を含む。)11,429,032千円(前年同期比5.2%増)、営業利益は3,412,350千円(前年同期比7.2%増)となりました。
(※1)中古車TVオークションとは、当社が主催するオンラインで行う会員制のリアルタイムオークションのこと
です。
(※2)共有在庫市場とは、当社の会員ネットワークを活用し、会員が所有する中古車店頭在庫の情報を会員間で
共有し取引する市場のことです。
(※3)ライブ中継オークションとは、当社が業者間取引の市場である現車オークション会場と提携し、現車オー
クション会場が主催するオークションを中継するサービスのことです。
(※4)落札代行サービスとは、株式会社アイオークが業者間取引の市場である現車オークション会場等に出品さ
れる中古車の落札・出品・決済・輸送の代行を行うサービスのことです。
(※5)車両検査サービスとは、株式会社AISが出品車両の検査及び車両検査技能に関する研修を行うサービスのこ
とです。
(※6)一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計資料より
(※7)一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計資料及び一般社団法人全国軽自動車協会連合会の統計資料よ

(※8)ユーストカー総合版より
(ロ)デジタルプロダクツ事業
当事業は、中古スマートフォン・中古PC等の中古デジタル機器のオークション及び流通に付随するサービスで構成されています。
海外バイヤーの新規獲得を推進しオークション流通拡大のためのバイイングパワーは底上げされたものの、第4四半期に、①新型スマートフォンへの買替需要が当初の想定を下回ったこと、②中古スマートフォン市場に米国から大量に端末が供給された影響により市場相場が下落したこと、により取扱手数料が当初の想定を大幅に下回りました。
この結果、当事業の売上高は4,125,376千円(前年同期比24.8%減)、営業利益は2,036,384千円(前年同期比32.6%減)となりました。
(ハ)その他情報流通事業
当事業は、中古バイク、花き(切花・鉢物)、ブランド品のオークション及び流通に付随するサービスで構成されています。
中古バイクは、大手会員や地方都市を中心とした会員を対象に囲い込み策を実施し、出品誘致の強化に取り組みました。花き(切花・鉢物)は、会員顧客のニーズに合わせた物流サービスの強化、新会員体系導入による会員獲得の強化に取り組みました。ブランド品は、FC加盟店をターゲットとした参加促進策や取扱商材数拡大の推進に加え、海外会員の獲得にも注力し、取扱高が増加しました。
この結果、当事業の売上高は2,606,757千円(前年同期比2.0%増)、営業利益は781,077千円(前年同期比24.9%増)となりました。
(ニ)その他事業
当事業は、カー用品のネット販売、システム開発及び提供、通信及び運営保守サービスの提供、中古医療機器オークション、海外事業等で構成されています。
当事業の売上高は(セグメント間の内部売上高を含む。)1,951,364千円(前年同期比1.0%増)、営業損失は170,650千円(前年同期は営業損失19,597千円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,464,873千円増加し、14,925,711千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は2,087,664千円(前連結会計年度比63.8%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,339,012千円、減価償却費495,154千円、のれん償却額961,553千円、貸倒引当金の増減額109,489千円、仕入債務の増減額203,470千円、退職給付に係る負債の増減額120,537千円であり、支出の主な内訳は、オークション貸勘定の増減額238,674千円、オークション借勘定の増減額592,804千円、ポイント引当金の増減額107,279千円、法人税等の支払額1,793,960千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により支出した資金は△791,481千円(前連結会計年度比46.4%減)となりました。収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入683,030千円、投資有価証券の売却による収入115,580千円であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出670,000千円、有形固定資産の取得による支出111,856千円、無形固定資産の取得による支出605,699千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は1,174,356千円(前連結会計年度は△1,546,151千円)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入1,612,249千円、自己株式の売却による収入1,534,500千円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の純減少額1,400,000千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出221,637千円、配当金の支払額350,792千円であります。