有価証券報告書-第13期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/29 15:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
115項目

事業等のリスク

以下において、当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及び財政状態に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。なお、記載された将来に関する事項は、提出日現在入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。
(1) 事業内容に関するリスク
① 国内の景気動向の影響について
当社グループが提供する各種サービスは、景気動向の影響を受けやすい広告宣伝支出とは異なり、ダイレクトマーケティング事業を実施する企業の商品販売において、販売に直接関連するため必須の支出である場合が多く、相対的に景気動向の影響を受けづらい傾向にあります。
しかしながら、国内における景気動向の変化に伴い、いわゆる買い控え等消費動向に急激な変化が生じ、当社グループ顧客企業の業績が急速に悪化する可能性は否定できず、かかる場合において当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ダイレクトマーケティング市場の成長性について
当社グループの顧客企業が属するダイレクトマーケティング市場は、メディア環境の急速な発達及び多様化も相まって、成長を続けております。
しかしながら、国内における景気動向、消費動向等の経済情勢の変化等により、その成長が止まる可能性は否定できず、かかる場合において当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ メディア環境の変化について
当社グループは、ダイレクトマーケティングにて使用されるメディア枠として、テレビ番組放送枠あるいはテレビCMが、今後も重用されることを想定し、引き続きテレビを使用したソリューションの提供を実施してまいります。
しかしながら、メディア環境や消費動向が変化し、テレビ以外のメディアを使用したダイレクトマーケティングが当社グループの想定以上に成長する等の事由により、顧客企業のテレビ番組放送枠やテレビCM等に対する需要が低下する可能性は否定できず、かかる場合において当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ メディア枠の安定確保について
当社グループの主要な収益要素であるメディア枠の販売において、テレビ番組放送枠の販売が大きなウエイトを占めておりますが、当社グループでは、テレビ番組放送枠の確保・販売に加え、テレビCM、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、折込チラシ、ダイレクトメール、店頭等、多様なメディアの確保・販売を積極的に展開しております。
しかしながら、今後、大手新規参入企業や大手広告代理店等が巨大な資本力を活かしてテレビ番組放送枠等の高値による買占めを行った場合、テレビ局がダイレクトマーケティング事業者に供給するテレビ番組放送枠等の供給量を減枠した場合、地震や台風等の自然災害等の不測の緊急事態が発生し、メディアの放送規制が発生した場合など、当社グループの計画通りにテレビ番組放送枠等を確保・販売できなくなる可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ テレビ番組放送枠の一括先行仕入について
当社グループの主要な収益要素であるメディア枠提供のうち、最も大きなウエイトを占めるテレビ番組放送枠の仕入において、当社グループでは、当社グループ顧客企業からのオーダーに応じて購入する受注発注型仕入に加え、当社グループの判断にて先行的にオーダーし購入する先行仕入を実践しております。また、当社グループでは、先行仕入を行う際、複数の番組枠を一括して購入する一括仕入や事前に定めた期間にて継続的に購入する期間継続仕入を実践しており、安価かつ大量のテレビ番組放送枠仕入を実現するとともに、仕入先である媒体社や広告代理店との信頼関係の構築と取引関係の安定化を実現しております。
当社グループでは、予め顧客企業のニーズを集約した販売計画を立案したうえで仕入計画を立案し、一括仕入や期間継続仕入を実践しているため、仕入れた全ての番組枠を顧客企業に対し販売しておりますが、顧客企業の急激な販売不振や視聴者のテレビ視聴動向の急激な変化等、当社グループが想定していない事態が発生し、予め立案した販売計画の大幅な変更を余儀なくされた場合において当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、テレビ番組放送枠の仕入量の減少あるいは販売価格の下落により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 主要顧客企業への依存について
当社グループの全売上高に占める割合が10.0%以上となる主要顧客企業の数及び売上高の割合の合計は、2018年2月期において1社にて10.3%、2019年2月期において1社にて10.5%となっております。当社グループは、当該顧客企業との取引額に関しても継続的に拡大を目指しつつ、新規顧客企業等、当該顧客企業以外との取引額の拡大を推進し、特定顧客企業への依存の低減に努めておりますが、当該顧客企業の業績不振やメディア出稿の停止等何らかの急激な変化等の事情により、当該顧客企業との取引額が大幅に減少した場合、もしくは当該顧客企業との取引の継続が困難な事態に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ダイレクトマーケティング支援事業における特定仕入先への依存について
当社グループは、株式会社大広より、テレビ番組放送枠、テレビCMを始めとするメディア枠等を仕入れております。当社グループの全仕入高に占める株式会社大広からの仕入高の割合は、2018年2月期において29.9%、2019年2月期において27.1%と、その依存度はなお高いものとなっております。
株式会社大広は当社グループの代表取締役1名、取締役2名が以前に従事していた会社であり、当社グループ設立以来良好な取引関係を継続しており、安定度の高い仕入先として認識しておりますが、株式会社大広の何らかの急激な変化等の事情により、同社との取引契約期間の満了後、適切な条件で再合意に至らなかった場合、解除条項に抵触し契約が終了した場合、その他同社との取引の継続が困難な事態に陥った場合において当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ DM事業における特定仕入先への依存について
当社グループは、DM事業において、その大半を日本郵便株式会社及びヤマト運輸株式会社を介してお客様にダイレクトメールを発送しております。
当社グループとしては、リスク分散の観点からも同2社との良好な取引関係の維持に努めるとともに、代替的な配送業者との関係構築を常に模索するように努めておりますが、今後、同2社からの大幅な配送料の値上げ要請や取引関係の縮小などがあった場合、同2社の何らかの急激な変化等の事情により同2社との取引契約期間の満了後に適切な条件で再合意に至らなかった場合、解除条項に抵触し契約が終了した場合、その他同2社との取引の継続が困難な事態に陥った場合において、当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 外注先の確保について
当社グループは、テレビ番組・CM制作をはじめとする各種表現物の企画制作及びコンタクトセンター業務の提供等において、企画立案は自社内にて行うものの、実作業の多くは各分野における専門会社及び専門スタッフに外注しております。これまで当社グループは、十分なスキルとノウハウを有し、かつ当社グループ又は顧客企業のニーズに応える品質を維持できる外注先を安定確保できており、また、当該外注先と良好なパートナーシップを構築しております。
しかしながら、外注先の何らかの事情により、当社グループとの取引が継続できなくなった場合、もしくは当社グループ又は顧客企業が要求する品質の維持ができなくなった場合において、当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 商品在庫について
当社グループは、商品在庫を有しております。適切な在庫管理と販売予測により過剰在庫の防止を行っておりますが、何らかの事情により、商品仕入を予定通りにできなかった場合や販売予測を誤った場合には、在庫不足又は過剰在庫となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 競合企業の参入について
当社グループの顧客企業が属するダイレクトマーケティング市場は拡大を続けているため、当社グループのビジネスモデルと同様のビジネスモデルを掲げる競合企業が増加する可能性があります。
当社グループは、事業特長である「トータルソリューションサービス」を展開し、かつ、培った経験とノウハウに加えデータ基盤や最新のテクノロジーを用いて顧客企業へ新たな価値を提供することにより、他社との差別化を図り、継続的な事業成長に努めておりますが、かかる競合企業の参入により、当社グループの優位性が失われ、計画通りの仕入が実施できない可能性、あるいはかかる競合企業と当社グループの主要顧客企業との間で取引が開始され、当社グループと当該顧客企業との取引が縮小される可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 新規事業について
当社グループは、今後も持続的な成長を実現するために、他社との提携やM&A等も含めてダイレクトマーケティングに関する新たな事業に、積極的に取り組んでいく方針であります。
新規事業を推進する過程においては、詳細な事業計画立案や事前審査を行うことにより、極力リスクの低減に努めておりますが、事業環境の急激な変化や、提携先企業との不調和、M&Aにおける事前審査により発見できなかった偶発債務や未認識債務等、予測困難なリスクが発生する可能性は否定できず、かかる場合において当初の事業計画を達成できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 事業投資上のリスクについて
当社グループは、M&A等による事業拡大を推進しております。投資対象の検討は慎重に行っておりますが、投資後、投資先の事業が計画通りに進まない場合には、子会社株式評価損、のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、事業投資の一環として市場性のある株式を保有しており、株式相場が著しく下落した場合、評価損等の計上により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ カントリーリスクについて
当社グループは、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とする海外において取引及び事業活動を実施しており、これらの国・地域の政治、経済及び社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等によるカントリーリスクを有しております。このようなリスクが顕在化した場合には、債権回収や事業遂行の遅延又は不能等が起こる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 取引先の信用リスクについて
当社グループの取引先に対する営業債権については、与信管理規程に従い取引先の財務情報等を入手・分析を行い、取引先ごとに与信限度額を設定し、継続的な与信管理を徹底しております。しかしながら取引先の急激な財務状況の悪化等により営業債権の回収が困難になる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 資金調達について
当社グループは、必要資金の一部を金融機関からの借入によって調達しております。また、将来の資金需要に応じて資本市場からの調達や金融機関からの借入等により新たな資金調達を行う可能性があります。当社グループの業績や財務状況の悪化、信用力の低下や風説・風評の流布等が発生した場合、あるいは資金調達市場そのものが縮小した場合には、資金調達コストの増加や資金繰りが困難になる等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑰ 為替リスクについて
当社は、輸出入取引を主要取引とする海外子会社を保有しており、外貨建取引において為替変動の影響を受ける可能性があります。為替リスクを回避するため為替予約等のヘッジ取引により為替リスクの軽減に努めますが、急激な為替変動の影響により損失が生じることがあります。
また、海外連結子会社の現地通貨建の資産、負債、収益、費用等の項目は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、急激な為替変動が生じた場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制に関するリスク
当社グループが取り扱うメディア枠は、各種メディアにおける規制・基準・方針等の影響を受けます。例えば、テレビ番組放送枠やテレビCMについては、「放送法」等の関係法令の法的規制、総務省等の監督官庁又は一般社団法人日本民間放送連盟等の業界団体が定める規制・基準・方針等の影響を受けます。さらに、メディアにおける表現方法等については、各種メディアにおける放送・掲載方法や規制・基準・方針等の影響を受けます。また、当社グループの外注等の商行為は、「下請代金支払遅延等防止法」等の法的規制の影響を受けます。これらの法規制等の導入・強化・改正等に対して当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの顧客企業の商行為は、「不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる景品表示法)」、「薬機法」、「健康増進法」等、主にダイレクトマーケティング事業に関わる法的規制、また、各種メディアにおける放送・掲載方法や規制・基準・方針等の影響を受けます。これらの法規制等の導入・強化・改正等に対して当社グループの顧客企業が適切に対応し得ず、かつ当社グループが当該顧客企業に対し適切な対応を怠った場合には、顧客企業の業績が悪化する可能性があり、かかる事態となった場合には、間接的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 会社組織に関するリスク
人材の確保と定着について
当社グループは、業務の拡大に伴って、恒常的な人材募集広告や人材紹介サービスの活用により、必要な人材の確保に努めております。また、より優秀な人材を確保し、かつ必要な人材の流出を最小限に抑えるため、従業員の能力向上のための人材教育プログラムの導入による人材育成の強化に努めるとともに、ストック・オプション制度等のインセンティブ制度を導入しております。また、人員の増強に併せ、より一層の内部管理体制の充実を図る方針であります。
しかしながら、必要とする人材を当社グループの計画通りに確保できなかった場合、必要な人材の流出が発生した場合、また、適時適切に人員規模に応じた内部管理体制を運用できなかった場合、事業拡大に制約を受ける可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他
① 個人情報等の漏洩の可能性について
当社グループでは、顧客企業の個人情報を取り扱うことがあり、当該個人情報の管理として、ダイレクトマーケティング支援事業については、当該個人情報を取り扱う当社グループの外注先であるコンタクトセンター等に対する監視・指導の徹底、DM事業については、顧客のデータベースに基づいてデータ処理を実施した後、封入封緘作業等を依頼する外注先に対する監視及び指導の徹底により、個人情報等の漏洩リスクを最小限に抑え、2005年4月1日に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」の遵守に努めております。
その結果、当社においては、2008年2月20日付にて一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの付与認定を受けており、2018年2月20日付にて更新しております。また同様に、メールカスタマーセンター株式会社においては2005年4月27日付にて付与認定を受け、2019年4月27日付にて更新しております。
しかしながら、全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について
当社グループは提出日現在において、提供する商品・サービス及び制作する表現物等に対して、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。
しかしながら、当社グループが提供する商品・サービス及び制作する表現物等に対して、特許侵害その他により第三者から知的財産権に関する侵害訴訟等を提訴される可能性を完全に排除することは困難であり、かかる訴訟等を受ける可能性があります。また一方、当社グループが所有する知的財産権について、第三者によって侵害され、訴訟等となる可能性もあります。かかる事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟等について
当社グループは提出日現在において、業績に重大な影響を与える訴訟・紛争には関与しておりませんが、当社は、Hazuki Systems株式会社(現 神田通信システム株式会社)及びHazuki Company株式会社より、放送媒体枠等
の売買の成否等に端を発する損害賠償請求訴訟の提起を受け、現在係属中であります。当社は、本請求は根拠がないものとして、当社の正当性を主張しております。また、当社は、神田通信システム株式会社に対して、放送媒体枠等の売買代金の支払いを求める訴訟を提起しております。