訂正有価証券報告書-第50期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2019/02/18 16:14
【資料】
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【項目】
83項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社は、経営理念として「有用動植物保護と防疫を目的に、研究開発を行い、安全で有用な製商品を提供し、地球環境保護と豊かな社会作りへの貢献を通じて、企業価値を高め、全てのステークホルダーの期待と信頼に応えられるよう事業活動を進めます。」と掲げております。
具体的には、食の安全、安定供給に貢献するべく、殺菌剤、除草剤、殺虫剤等の有効化合物を開発し、安全かつ高い効力を発揮する農薬を市場に提供し続けることで事業を拡大してまいります。
② 目標とする経営指標
会社の経営の基本方針の下、「研究開発力の強化」を通じて、新規有効成分の創製・導入を目指すとともに、主力の殺菌剤ダコニール関連剤(原体及び製剤)や水稲除草剤4原体を中心とした「国内外事業の収益拡大」を図り、これを原資として「財務体質を強化」し、それを「さらなる研究開発力の強化」に結びつける、この成長サイクルを継続していくことを目指しております。
研究開発費は投じつつ一定の収益を維持・拡大するため、重要な経営上の利益を研究開発費負担後の利益である「営業利益」とし、売上高営業利益率「10%超」を継続的に達成することを定量的な目標としております。
また、財務健全性に関する重要な指標を「D/Eレシオ」とし、継続的な目標として「1.0倍以下」を達成・維持することを目指す一方で、機会を捉え剤の買収等の投資も積極的に検討してまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
「研究開発力の強化」としては、殺菌剤、水稲除草剤、緑化関連剤に焦点をあて、人員の強化と資源の集中を図ってまいります。
「国内事業」環境については、先進国の中でも突出して低い食料自給率が問題視される中、世界的な農作物需要拡大の動きや食の安全・安心問題などを背景とした農作物の増産への取り組みが進みつつあり、今後の耕作面積は、中期的に、ほぼ現状を維持するものと予想されます。その中で、水稲除草剤4原体について、製剤メーカーとこれら原体を含む新規混合剤(複数の原体を含む農薬)を継続的に開発し、拡販することで、4原体の販売量の最大化を目指します。主力殺菌剤ダコニール関連剤(原体及び製剤)については主に新規混合剤製品の上市により拡販を進めてまいります。
「海外事業」環境については、人口増加と生活レベル向上を背景にして、食料の安定確保がますます重要となる中、バイオ燃料としても農作物の増産が強く求められる状況にあります。当社の主力市場であるアジア地域においても、国連などが主導する生産性向上への取り組みと相俟って、中国・インドを始めとする多くの発展途上国において、今後、安全性が高く、農作物の保護効果や省力化に優れた先進国型農薬の市場拡大が進むものと見込まれております。その中で、ダコニール関連剤(原体及び製剤)については、農作物への安全性がより強く求められつつある中国市場での拡販、フィリピンのバナナ市場では、大農場向けの高いシェアを維持しつつ、代理店を起用してのきめ細かいサービスの提供による中小農場への展開などによりさらなる拡販を図ってまいります。また、ダコニール関連剤(原体及び製剤)以外の品目として水稲除草剤のベンゾビシクロン剤を、韓国の高シェアの維持に続き、米国、コロンビア、中国等普及する地域を拡大してまいります。生物農薬分野では、バチルス系殺菌剤の開発及び世界市場への展開に向けて、出光興産株式会社との共同体制で取り組んでおります。
これらに加え、各製造委託先との良好な関係を維持しつつ、継続的な安定調達とさらなる原価低減を目指します。ダコニール関連剤(原体及び製剤)については、横浜工場の安全操業体制の構築・維持に注力するとともに関連会社からの安定的な原体調達体制強化に取り組みながら、拡販を進めてまいります。
(2)当社の現状認識について
世界の農薬市場の状況につきましては、中長期的には人口増加やバイオ燃料開発に伴う農作物増産の必要性は高まっていくとともに、発展途上国では、農業の効率化、省力化が進み、より安全な農薬へシフトしていくものと考えております。国内の農薬市場においても、食料自給率の低さへの懸念や輸入農産物への食の安全・安心への意識向上等を背景として、中長期的には重要性が増していくものと考えております。
このような状況下、世界的に需要が伸びている主力殺菌剤であるダコニール関連剤の販売の拡大を進めてまいりましたが、当社主力製品ダコニール原体を生産する横浜工場において、本年2月12日に協力会社の方1名が亡くなる火災事故が発生し、稼動が停止しております。当社は、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、第三者による事故調査委員会を立ち上げ、このたび事故発生に至る要因及び再発防止対策の提言が最終報告として取りまとめられました。本報告書に盛り込まれた提言を真摯に受け止め、再発防止対策の確実な実行と会社全体の安全管理体制の改善を進め、社会からの信頼回復と一刻も早い操業再開に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。
また、買収後当初計画に届かず、前期に債務超過に陥っていたインド連結子会社SDS Ramcides CropScience Private Limitedについて、本年3月27日付けにて当社保有のSDS Ramcides CropScience Private Limitedの全株式を創業家に譲渡いたしました。当社は、海外展開の柱をインドとしていましたが、今後は、ベンゾビシクロン関連剤の伸長が期待できる米国、コロンビア、中国での普及拡大を中心に、事業拡大を目指します。
なお、今後も継続して、安全かつ高い効果を発揮する農薬を市場に提供し続けるため、研究開発費を投下してまいります。そして、全てのステークホルダー(株主・取引先・従業員等)との良好な関係を維持するとともに、ライフサイエンス分野での技術力をベースに、安全で有用な製品を創出し、企業価値の拡大を図ってまいります。
(3)当面の対処すべき課題の内容と取り組み方針
① 横浜工場火災事故原因の究明と安全生産体制の早期確立
・本年2月12日に発生いたしました横浜工場火災事故により、協力会社の方1名の貴重な命を失うこととなりました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申しあげ、ご遺族に対し心よりお悔やみ申しあげます。
・さらに株主の皆様、近隣の皆様、関係当局の皆様、お客様を始めとする多くの方々に多大なるご迷惑とご心配おかけいたしましたことを、深くお詫び申しあげます。今後二度とこのような事故を起こさぬように、再発防止対策の確実な実行と会社全体の安全管理体制の改善に全力を注ぎます。
② 研究開発力の強化
・中長期的視野に立った研究開発部門への人員強化と資源集中により、当社の開発目的に沿った原体の早期製品化を目指します。
・開発中の新規剤の早期事業化と保有知的財産の有効活用、また機会を捉えて他社からの剤の買収等に取り組み、原体パイプラインを強化します。また現在保有原体製品の適用場面の拡大等により収益力拡大を図ります。
・出光興産株式会社とは、生物農薬の開発体制一本化実施を通じて、生物農薬等における大型新規剤の早期製品化を図ります。
③ 国内事業の信頼維持と収益改善
・横浜工場の火災事故によるダコニール製品の供給不足を回避すべく、国内市場に優先的に供給し、市場の混乱を防ぐことで信頼の維持を図ります。
・水稲除草剤の保有4原体を総合的に活用した混合剤戦略の徹底追求を図ります。
・農薬周辺ビジネスの開拓に取り組み、新たな収益源の獲得を図ります。
④ 海外事業の収益拡大
・ダコニール剤の供給不足状況に対しての顧客への状況説明、並びに今後の対応についての濃やかな情報交換の実施で、顧客との信頼の維持と供給力安定後の早期リカバリーを目指します。
・主力水稲除草剤の輸出について、現状の韓国の他、欧米、中国等世界市場を視野に拡大を目指します。
・為替、原材料価格による収益性変動リスクの軽減を販売条件の工夫により図ります。
⑤ 原材料調達、生産委託体制の整備
・グローバルな取引体制の探求及び有機合成技術の活用により、新規委託先の開拓を推進して複数購買化を実現し、安定供給体制の確立及びコスト競争力向上を図ります。
・仕入先との技術交流や品質監査を通して、安全操業及び品質管理の強化に取り組みます。
⑥ 財務体質の強化
・営業キャッシュ・フローによる有利子負債の返済を推進します。
・各金融機関との良好な関係を維持し、また、出光興産株式会社とも連携し、財務内容の安定化を図ります。
・事業投資・研究開発投資・設備投資を支えるための資金調達方法の多様化を図ります。
⑦ コーポレートガバナンス体制の整備
・コーポレートガバナンスコードの精神に則り、その改正にも着実に対応し、成果を上げるよう引き続き取り組んでまいります。

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