有価証券報告書-第49期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「有用動植物保護と防疫を目的に、研究開発を行い、安全で有用な製商品を提供し、地球環境保護と豊かな社会作りへの貢献を通じて、企業価値を高め、全てのステークホルダーの期待と信頼に応えられるよう事業活動を進めます。」と掲げております。
具体的には、食の安全、安定供給に貢献するべく、殺菌剤、除草剤、殺虫剤等の有効化合物を開発し、安全かつ高い効力を発揮する農薬を市場に提供し続けることで事業を拡大してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、短期的には、売上高営業利益率10%超を重要な目標指標としております。中長期的には、売上高営業利益率に加えて自己資本当期純利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)、有利子負債比率(D/E比率)などの目標値を設定して重要な指標と位置づける予定であります。その中で、有利子負債比率については、早期に1倍未満となるよう財務体質の改善に努めてまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
会社の経営のグループ基本方針の下、「研究開発力の強化」を通して、「国内外事業の収益拡大」を図り、これを原資として「財務体質を強化」し、それを「更なる研究開発力の強化」に結びつける、この成長サイクルを継続していくことを目指しております。
「研究開発力の強化」として、原体(農薬の有効成分)及び新規製剤(農薬)のラインアップの強化、増強に取り組むとともに、既存製剤についても適用する対象作物の拡大等により付加価値を高めてまいります。
「国内事業」環境については、先進国の中でも突出して低い食料自給率が問題視される中、世界的な農作物需要拡大の動きや食の安全・安心問題などを背景とした農作物の増産への取り組みが進みつつあり、今後の耕作面積は、中期的に、ほぼ現状を維持するものと予想されます。その中で、水稲除草剤4原体について、製剤メーカーとの共同開発などを通じて、これら原体を含む混合剤(複数の原体を含む農薬)を拡販するとともに、新たな混合剤の開発に注力し、4原体の販売量の最大化を目指します。また、主力殺菌剤ダコニール関連剤(原体及び製剤)については主に新規混合剤製品の上市により拡販を進めてまいります。
「海外事業」環境については、人口増加と生活レベル向上を背景にして、食料の安定確保がますます重要となる中、バイオ燃料としても農作物の増産が強く求められる状況にあります。当社の主力市場であるアジア地域においても、国連などが主導する生産性向上への取り組みと相俟って、中国・インドを始めとする多くの農業発展途上国において、今後、安全性が高く、農作物の保護効果や省力化に優れた先進国型農薬の市場拡大が進むものと見込まれております。その中で、ダコニール関連剤(原体及び製剤)については、農作物への安全性がより強く求められつつある中国市場での拡販、フィリピンのバナナ市場では、大農場向けの高いシェアを維持しつつ、代理店を起用してのきめ細かいサービスの提供による中小農場への展開などによりさらなる拡販を図ってまいります。また、ダコニール関連剤(原体及び製剤)以外の品目として水稲用除草剤のベンゾビシクロン剤を、韓国の高シェアの維持に続き、中国、米国、コロンビア等普及する地域を拡大してまいります。
また、親会社である出光興産株式会社とともに、当社が有する化学農薬の強みと同社が有する生物農薬の強みのシナジーにより、既存農薬メーカーとは異なる業容のグローバル展開を図ってまいります。具体的には、天然系農薬等大型新規剤の共同開発、アジア地域を中心とした世界市場への共同展開、大型剤買収の検討、欧米を中心とした世界市場における生物農薬事業拡大等に向けて両社間において諸作業を開始しております。
連結子会社であるRamcides社につきましては、ここ数年の旱魃等による天候不順の影響を受け、直ぐに業績悪化する弱い経営体質を、今後早期に改善し、当社グループのアジア地域の中核会社として伸長させるように、グループ力を結集し、販売面・技術面・財務面の全般においてこれまで以上に強く支援してまいります。
(2)当社グループの現状認識について
世界の農薬市場の状況につきましては、中長期的には人口増加やバイオ燃料開発に伴う農作物増産の必要性は高まっていくとともに、開発途上国では、農業の効率化、省力化が進み、より安全な農薬へシフトしていくものと考えております。国内の農薬市場においても、食料自給率の低さへの懸念や輸入農産物への食の安全・安心への意識向上等を背景として、中長期的には重要性が増していくものと考えております。
このような状況下、世界的に需要が伸びている主力殺菌剤であるダコニール原体について、その安定供給を目的にそれぞれ15.0%の資本参加した中華人民共和国の江蘇新河農用化工有限公司及び江蘇新沂泰禾化工有限公司からのダコニール原体輸入も増加傾向にあります。また、前連結会計年度において、今後農薬需要の伸長が期待できる中国に100%の子会社である史迪士(上海)化学制品有限公司を設立し、活動を開始しました。中国での活動拠点の確立で、アジア地域の製造販売拠点であるRamcides社と合わせて、アジア地域での海外展開力の強化が進みました。また、短期的には新規製品による大きな利益貢献が難しい時期を迎えるものの、その後の新規製品の上市を目指して開発費を投下してまいります。そして、全てのステークホルダー(株主・取引先・従業員等)との良好な関係を維持するとともに、ライフサイエンス分野での技術力をベースに、安全で有用な製品を創出し、企業価値の拡大を図っていきたいと考えております。
(3)当面の対処すべき課題の内容と取り組み方針
① Ramcides社の早期回復
・天候不順の影響と、極端な拡大戦略により、業績を大幅に悪化させ、債務超過に陥った現状に対して、当社日本人社員をトップとする経営体制に改め、キャッシュ・フロー黒字化を最重要指標として早期回復を目指します。
② 研究開発力の強化
・中長期的視野に立った研究開発部門への人員強化と資源集中により、原体ラインアップの強化を目指します。
・開発中の新規剤の早期事業化と保有知的財産の有効活用、また機会を捉えて他社からの剤の買収等に取り組み、保有原体の収益力拡大を図ります。
・出光興産株式会社との共同開発を通じて天然系農薬等大型新規剤の創製を図ります。
③ 国内事業の収益拡大
・ダコニール関連剤(原体及び製剤)のウェブサイト利用も含めたPR活動により、更なるブランド力向上を図ります。
・水稲除草剤の保有4原体を総合的に活用した混合剤戦略の徹底追求を図ります。
・引き続き、自社工場及び委託先におけるコストダウンに取り組みます。
・農薬周辺ビジネスの開拓に取り組み、新たな収益源の獲得を図ります。
④ 海外事業の収益拡大
・生産技術向上によるコスト削減及び供給能力向上とともに販売品目の拡大を図ります。
・特に需要が旺盛な東南アジア市場に対して、遅滞なく製品を供給する体制を強化します。
・為替、原材料価格による収益性変動リスクの軽減を販売条件の工夫により図ります。
・主力水稲除草剤の輸出について、現状の韓国の他、中国、欧米等世界市場を視野に拡大を目指します。
⑤ 財務体質の強化
・営業キャッシュ・フローによる有利子負債の返済を推進します。
・各金融機関との良好な関係を維持し、また、出光興産株式会社とも連携し、財務内容の安定化を図ります。
・事業投資・研究開発投資・設備投資を支えるための資金調達方法の多様化を図ります。
⑥ コーポレートガバナンス体制の整備
・当社の取締役会の監督機能の強化によるコーポレートガバナンスの充実を図るために、平成28年6月29日より会社機関設計を監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。現在コーポレートガバナンスコードの精神に則り、この機関設計変更による成果を着実に上げるよう取り組んでおります。
(1)経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「有用動植物保護と防疫を目的に、研究開発を行い、安全で有用な製商品を提供し、地球環境保護と豊かな社会作りへの貢献を通じて、企業価値を高め、全てのステークホルダーの期待と信頼に応えられるよう事業活動を進めます。」と掲げております。
具体的には、食の安全、安定供給に貢献するべく、殺菌剤、除草剤、殺虫剤等の有効化合物を開発し、安全かつ高い効力を発揮する農薬を市場に提供し続けることで事業を拡大してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、短期的には、売上高営業利益率10%超を重要な目標指標としております。中長期的には、売上高営業利益率に加えて自己資本当期純利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)、有利子負債比率(D/E比率)などの目標値を設定して重要な指標と位置づける予定であります。その中で、有利子負債比率については、早期に1倍未満となるよう財務体質の改善に努めてまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
会社の経営のグループ基本方針の下、「研究開発力の強化」を通して、「国内外事業の収益拡大」を図り、これを原資として「財務体質を強化」し、それを「更なる研究開発力の強化」に結びつける、この成長サイクルを継続していくことを目指しております。
「研究開発力の強化」として、原体(農薬の有効成分)及び新規製剤(農薬)のラインアップの強化、増強に取り組むとともに、既存製剤についても適用する対象作物の拡大等により付加価値を高めてまいります。
「国内事業」環境については、先進国の中でも突出して低い食料自給率が問題視される中、世界的な農作物需要拡大の動きや食の安全・安心問題などを背景とした農作物の増産への取り組みが進みつつあり、今後の耕作面積は、中期的に、ほぼ現状を維持するものと予想されます。その中で、水稲除草剤4原体について、製剤メーカーとの共同開発などを通じて、これら原体を含む混合剤(複数の原体を含む農薬)を拡販するとともに、新たな混合剤の開発に注力し、4原体の販売量の最大化を目指します。また、主力殺菌剤ダコニール関連剤(原体及び製剤)については主に新規混合剤製品の上市により拡販を進めてまいります。
「海外事業」環境については、人口増加と生活レベル向上を背景にして、食料の安定確保がますます重要となる中、バイオ燃料としても農作物の増産が強く求められる状況にあります。当社の主力市場であるアジア地域においても、国連などが主導する生産性向上への取り組みと相俟って、中国・インドを始めとする多くの農業発展途上国において、今後、安全性が高く、農作物の保護効果や省力化に優れた先進国型農薬の市場拡大が進むものと見込まれております。その中で、ダコニール関連剤(原体及び製剤)については、農作物への安全性がより強く求められつつある中国市場での拡販、フィリピンのバナナ市場では、大農場向けの高いシェアを維持しつつ、代理店を起用してのきめ細かいサービスの提供による中小農場への展開などによりさらなる拡販を図ってまいります。また、ダコニール関連剤(原体及び製剤)以外の品目として水稲用除草剤のベンゾビシクロン剤を、韓国の高シェアの維持に続き、中国、米国、コロンビア等普及する地域を拡大してまいります。
また、親会社である出光興産株式会社とともに、当社が有する化学農薬の強みと同社が有する生物農薬の強みのシナジーにより、既存農薬メーカーとは異なる業容のグローバル展開を図ってまいります。具体的には、天然系農薬等大型新規剤の共同開発、アジア地域を中心とした世界市場への共同展開、大型剤買収の検討、欧米を中心とした世界市場における生物農薬事業拡大等に向けて両社間において諸作業を開始しております。
連結子会社であるRamcides社につきましては、ここ数年の旱魃等による天候不順の影響を受け、直ぐに業績悪化する弱い経営体質を、今後早期に改善し、当社グループのアジア地域の中核会社として伸長させるように、グループ力を結集し、販売面・技術面・財務面の全般においてこれまで以上に強く支援してまいります。
(2)当社グループの現状認識について
世界の農薬市場の状況につきましては、中長期的には人口増加やバイオ燃料開発に伴う農作物増産の必要性は高まっていくとともに、開発途上国では、農業の効率化、省力化が進み、より安全な農薬へシフトしていくものと考えております。国内の農薬市場においても、食料自給率の低さへの懸念や輸入農産物への食の安全・安心への意識向上等を背景として、中長期的には重要性が増していくものと考えております。
このような状況下、世界的に需要が伸びている主力殺菌剤であるダコニール原体について、その安定供給を目的にそれぞれ15.0%の資本参加した中華人民共和国の江蘇新河農用化工有限公司及び江蘇新沂泰禾化工有限公司からのダコニール原体輸入も増加傾向にあります。また、前連結会計年度において、今後農薬需要の伸長が期待できる中国に100%の子会社である史迪士(上海)化学制品有限公司を設立し、活動を開始しました。中国での活動拠点の確立で、アジア地域の製造販売拠点であるRamcides社と合わせて、アジア地域での海外展開力の強化が進みました。また、短期的には新規製品による大きな利益貢献が難しい時期を迎えるものの、その後の新規製品の上市を目指して開発費を投下してまいります。そして、全てのステークホルダー(株主・取引先・従業員等)との良好な関係を維持するとともに、ライフサイエンス分野での技術力をベースに、安全で有用な製品を創出し、企業価値の拡大を図っていきたいと考えております。
(3)当面の対処すべき課題の内容と取り組み方針
① Ramcides社の早期回復
・天候不順の影響と、極端な拡大戦略により、業績を大幅に悪化させ、債務超過に陥った現状に対して、当社日本人社員をトップとする経営体制に改め、キャッシュ・フロー黒字化を最重要指標として早期回復を目指します。
② 研究開発力の強化
・中長期的視野に立った研究開発部門への人員強化と資源集中により、原体ラインアップの強化を目指します。
・開発中の新規剤の早期事業化と保有知的財産の有効活用、また機会を捉えて他社からの剤の買収等に取り組み、保有原体の収益力拡大を図ります。
・出光興産株式会社との共同開発を通じて天然系農薬等大型新規剤の創製を図ります。
③ 国内事業の収益拡大
・ダコニール関連剤(原体及び製剤)のウェブサイト利用も含めたPR活動により、更なるブランド力向上を図ります。
・水稲除草剤の保有4原体を総合的に活用した混合剤戦略の徹底追求を図ります。
・引き続き、自社工場及び委託先におけるコストダウンに取り組みます。
・農薬周辺ビジネスの開拓に取り組み、新たな収益源の獲得を図ります。
④ 海外事業の収益拡大
・生産技術向上によるコスト削減及び供給能力向上とともに販売品目の拡大を図ります。
・特に需要が旺盛な東南アジア市場に対して、遅滞なく製品を供給する体制を強化します。
・為替、原材料価格による収益性変動リスクの軽減を販売条件の工夫により図ります。
・主力水稲除草剤の輸出について、現状の韓国の他、中国、欧米等世界市場を視野に拡大を目指します。
⑤ 財務体質の強化
・営業キャッシュ・フローによる有利子負債の返済を推進します。
・各金融機関との良好な関係を維持し、また、出光興産株式会社とも連携し、財務内容の安定化を図ります。
・事業投資・研究開発投資・設備投資を支えるための資金調達方法の多様化を図ります。
⑥ コーポレートガバナンス体制の整備
・当社の取締役会の監督機能の強化によるコーポレートガバナンスの充実を図るために、平成28年6月29日より会社機関設計を監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。現在コーポレートガバナンスコードの精神に則り、この機関設計変更による成果を着実に上げるよう取り組んでおります。