有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:00
【資料】
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【項目】
112項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「我々は現在の医療を見つめ明日の医療の創造を通して社会に貢献します。」という企業理念の下に、新しい医療の世界を切り開くべく未知なる技術と価値ある製品開発に全知全能を傾けております。
一.私たちは医療現場と協力し常に新しい医療機器の開発と需要の創造に努めます。
二.私たちは一人ひとりが不可能を可能にできるよう挑戦的に仕事にあたります。
三.私たちは社会人として又企業人として全人格的な成長を通して企業の発展のため励みます。
以上の基本方針3項目を掲げて当社事業運営の目的としており、全役職員が徹底実行し、医療を進化させ社会貢献できるよう日々取り組んでおります。また、当社製品ブランド名であるクーデック(COOPDECH)はクーデターバイテクノロジーという意味を持つ造語であり、独創の技術でドラスティックな医療革命を目指すという想いを表現しております。安易に時流に乗らず、常に新しい可能性に挑戦し続け、人が誰もやらない、しかも人類の生命に関する極めて価値の高い仕事を、当社の研究開発製品を通して形にしていきたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社の研究開発の特徴は、麻酔・手術室関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場の潜在ニーズをできるだけ同じ目線で開発担当者が捉えるように努め、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。また、当社は研究・開発から製造・販売に至るまで、基本的に全て一貫して行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(ISO13485:20032016)に基づき管理運営しております。今後とも現場第一主義を貫き、革新性・安全性を担保した新製品を確実に上市できる体制を維持強化してまいります。
以上のことを今後も継続させていきつつ、既存のトップラインの製品については更なるシェア向上を目指し、また、商品力・価格競争が激しい海外市場でも拡販でき、かつ新たな領域への進出を可能にする新製品の研究開発を進め、飛躍的な業績及び企業価値の拡大をできるだけ早い時期に実現させていく所存であります。
(3)目標とする経営指標
当社は、医療機器製造と医療機器販売が事業のほとんどであるため、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に計るための有用な指標であると考えております。
新製品開発においては、ターゲットとする売上高総利益率を一律に定め、増加する研究開発費等の将来の成長に向けた投資を抑えることなく、会社全体として売上高経常利益率20%を念頭においた経営戦略の検討、活動を基本としております。
今後とも株主の出資金を有効に活用することを大前提とし、収益改善に努め、企業経営に取り組んでまいります。
(4)経営環境・会社の対処すべき課題
今後の当社を取り巻く環境は、医療費抑制策の基調が継続し、医療機関の経営環境の悪化や国内外のメーカーとの価格競争などにより、引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によるグローバルな経済社会活動の停滞及び医療現場の逼迫による一時的な手術件数の減少が見込まれるなど、当社の経営環境への影響も限定的ではあるものの表面化しつつあります。このような状況のもと、当社の営業・技術・製造が一体となって市場競争力を高めるとともに、さらなる業績の向上、企業価値の増大に向けて邁進すると同時に、顧客にとって不可欠なパートナーであり続けることを目指して取り組んでおります。また当社が対処すべき課題として以下のことに取り組んでまいります。
① 既存製品の拡充・新製品の開発
当社は、国内市場のマーケットリーダーとして「サクションの大研(吸引器…フィットフィックス、キューインポット)」、「ポンプの大研(注入器…シリンジェクター、バルーンジェクター)」のイメージをより一層定着させるとともに、独創的な製品の研究開発活動をさらに強化し、最先端医療を支える当社のイメージを確立するよう取り組みます。
特に、当社が中長期的な成長戦略として注力している「マイクロポンプ関連製品」の早期開発、早期上市、市場への浸透を実現することで、ポンプの大研として注入器分野での更なる医療現場のイノベーションを創出することを期待しております。
② 海外販売の拡充
当社の売上高はそのほとんどを国内販売に依存しており、海外売上高の割合は、2019年3月期3.9%、2020年3月期4.1%です。今般の新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動は限定的となりますが、グローバル展開を見直す好機と捉え、海外向け製品ラインアップ及び販売網の拡充を主眼に、人材強化、パートナー選定等販売戦略強化に努め、海外での競争力をより一層高めていけるよう取り組みます。
③ 優秀な人材の確保、教育の強化
当社の企業価値は個々の従業員から創出されるものです。当社の競争力を高めるため、積極的に採用活動を行い、優秀な人材の確保・教育の強化に取り組みます。