訂正有価証券報告書-第11期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)雪印メグミルクグループ 企業理念
雪印メグミルクグループの企業理念は、私たちの使命と、コーポレートスローガンで構成します。
私たちの使命
私たち雪印メグミルクグループは、3つの使命(「消費者重視経営の実践」「酪農生産への貢献」「乳(ミルク)にこだわる」)を果たし、ミルクの新しい価値を創造することにより、社会に貢献する企業であり続けます。
消費者重視経営の実践
雪印メグミルクグループは、消費者基本法に定められた「消費者の権利」と「事業者の責務」をしっかりと認識し、
● 安全で安心していただける商品・サービスを提供すること
● 可能な限りの情報提供、情報開示を行うこと
● 消費者の声を傾聴し、経営に反映していくこと
● 危機管理の体制を整え、不測の事態に迅速かつ適切に対応していくこと
を基本姿勢として、消費者重視経営を実践していきます。
酪農生産への貢献
私たち雪印メグミルクグループは、日本の酪農を基盤として成り立っています。
私たちは、酪農生産者の良きパートナーとして信頼関係を深め、乳の価値をしっかりと伝えていくことで、生産者の想いに応えていきます。
そして、牛乳・乳製品の需要拡大を実現することで、国内酪農生産の基盤の強化と持続的発展に貢献していきます。
乳(ミルク)にこだわる
私たち雪印メグミルクグループは、ミルクの持つ無限の可能性を信じ、ミルクに向き合い、ミルクにこだわり続けることで、ミルクの持つ可能性を「深め」、ミルクの価値を「高め」、世界に「拡げていく」ことを実現していきます。
コーポレートスローガン
「未来は、ミルクの中にある。」
(2)グループ長期ビジョン 2026
当社は2017年5月に、2026年に目指す姿として「グループ長期ビジョン 2026」を策定いたしました。
①目指す姿
雪印メグミルクグループが2026年に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。
ア.消費者
「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」
雪印メグミルクグループの強みを作り、活かし、価値を創造・提供します。更に、乳(ミルク)の持つ無限の可能性を引き出し、ものづくりを通じて、世界の人々に食の喜びを提供し続けます。
イ.酪農生産者
「酪農生産者の未来に貢献します。」
酪農生産者とともにミルクの価値を高めることで、持続的な成長を実現します。更に、良きパートナーとして、酪農・乳業の持続可能な成長へ貢献を続けます。
ウ.私たち
「私たち社員の未来を拓きます。」
人が企業を育て、企業も人を育てることを踏まえ、多様な人材が希望と誇りを持って、それぞれの個性と能力を最大限に発揮しながら、成長し続ける企業グループを目指します。
〈3つの未来〉

②コンセプト
Transformation & Renewal「変革」、そして更なる「進化」へ
ア.事業ポートフォリオの変革 = Transformation
イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal
ウ.グループ経営の推進 = Group Management
これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に編成し、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。
③ステージ毎の位置づけと役割
グループ長期ビジョン 2026の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進します。
④目標とする経営指標
最終年度の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。
⑤キャッシュ・フロー配分方針
長期のキャッシュ・フロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを重視し、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。なお、「グループ長期ビジョン 2026」における10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しておりましたが、これまでの投資実績、現在の経営環境等を踏まえ2,800億円に見直しております。
(3)雪印メグミルクバリュー
「グループ長期ビジョン 2026」を達成するため、雪印メグミルクグループの役職員一人ひとりが大切に考える
共通の姿勢・価値観として、次のとおり定めました。

(4)グループ中期経営計画 2022
①「グループ中期経営計画 2019」の振り返り
長期ビジョンにおける第1ステージ「グループ中期経営計画 2019」では、目標として掲げていた、連結売上高 6,300億円、連結EBITDA 400億円、連結営業利益 220億円を達成することはできませんでした。
これは主に、コストアップ対応の不足、マーケティング投資効率の悪化、および市乳事業の業績停滞によるものと認識しております。
コストアップ対応においては、2017年度からの3年間で、乳価を含めた原材料費で約44億円、物流費で約36億円、エネルギー費用で約14億円のコストアップがありましたが、十分な対応を取ることができませんでした。今後も継続的なコストアップが想定される中で、生産・物流体制の最適化などの取り組みによるコストアップへの対応がこれまで以上に重要です。
マーケティング投資効率の悪化については、人口減少や高齢化の進展、世帯構成やライフスタイルが変化する中で、多様化した広告手法への対応が遅れたことが一因です。今後は、利用者が急拡大するSNSの活用など、新たなマーケティング手法を積極的に活用し、効果を検証することでマーケティング投資効率を高めていきます。
市乳事業の業績停滞については、2014年度には市乳事業分野全体の営業利益は赤字でしたが、事業構造改革を進め、2019年度には52億円の営業黒字となりました。しかしながら、市乳事業分野の中核である牛乳類事業の赤字からは脱却できておりません。今後の更なる事業利益創出に向けて、牛乳類事業の事業構造改革が不可欠です。
②環境認識
国内の生乳生産量は、これまでの減少あるいは横ばいの推移から、2019年度は増加に転じており、今後も増産となることを見込んでおります。また、家計消費支出の推移においては、乳製品の支出は、健康志向の高まりなどから堅調に推移しています。この中でチーズは成長を続け、ヨーグルト需要は高止まりが続いています。
世界の乳製品消費量を見ますと、乳製品は伸長トレンドにあり、特に当社グループが事業展開をしているアジア・オセアニアにおいては、その傾向が顕著となっております。
これらにより「乳製品」は国内外共に、今後も成長が見込まれるポテンシャルの高い市場と認識しております。
また、TPP11、日欧EPA、日米貿易協定の相次ぐ発効などにより、乳の国際化が進展しております。今後は、乳原料などの輸入、国内乳製品の海外輸出や、海外起点の事業展開などにより、乳製品取引の更なる国際化の進展が想定されます。これは当社グループが積極的な事業展開を進めて行くうえで、大きなチャンスととらえております。
③位置づけ
「グループ中期経営計画 2022」は、「グループ長期ビジョン 2026」の取組み期間(2017年度~2026年度)における第2ステージの実行計画にあたります。変革(Transformation)を加速し、収益基盤を確立し、生産体制進化(Renewal)を始動していくステージとしております。
④取組みの柱
「4つの事業分野における収益基盤の確立」に向けて、「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」を進め、「Transformation(変革)の加速」を実現するために「生産体制進化の本格始動」を戦略の柱とします。
⑤事業分野別の戦略
※2026年度末までに牛乳類事業の営業利益黒字化を達成します。
⑥基盤となる機能戦略
ア.事業戦略に基づくTransformation(変革)とRenewal「生産体制の進化」の実現
イ.「ものづくり」の強化と新たな価値創造
ウ.グループ経営の推進によるグループ総合力の強化
エ.グループの持続的発展に向けた取組み
(5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
①中期目標経営指標
最終年度の連結売上高は6,400億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは410億円を目指します。
②財務指標の目処
最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向20%~30%、連結有利子負債残高780億円を目処といたします。また、3年間の投資総額は860億円を予定しております。

(6)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、各国中央銀行や政府が打ち出す金融政策や経済対策による景気への一定の下支え効果は期待されるものの、新型コロナウイルス感染症の影響や収束の時期などを見通すことは非常に難しく、わが国経済は、厳しい状況が続くことが見込まれます。また金融政策や経済対策の効果が限定的なものにとどまる、或いは感染症の更なる拡大、影響の長期化等が生じた場合には、内外経済はさらなる下振れに直面するリスクも想定されます。
食品業界においては、飲食店の来店客数の減少や営業時間の短縮による売上の落ち込みなどに伴い業務用食材の需要が低迷するリスクがある一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、或いは総菜などを持ち帰る中食機会の増加に伴う需要の高まりも予想されます。
個人消費は、外出自粛などの影響により落ち込む中でも、価値観や嗜好の多様化に対応し、機能を明確に訴求する商品や生活シーンを提案する商品を求める動きが強まっております。
当社グループを取り巻く環境は、感染症の拡大により消費低迷が長期化するリスク、原材料コストや人手不足を背景とした労務費、物流等の様々なコスト増加といった厳しい状況にあります。一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、総菜などを持ち帰る中食機会の増加など、需要の高まりに対し、食シーンの提案などの情報発信や新たな商品の提供などの適切な対応が求められます。
このような状況において、当社は新たに策定した「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「生産性改革の推進」、「事業構造改革の断行」、および「Transformation(変革)の加速」を実現するための「生産体制進化の本格始動」の3つを戦略の柱と位置づけ、最終年度の2022年度に「4つの事業分野における収益基盤の確立」を実現するべく取り組んでまいります。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。
①生産性改革の推進
ア.事業の戦略的拡大と「ものづくり」の強化
・チーズ事業の戦略的拡大
・機能性ヨーグルトを軸とした発酵乳事業の戦略的拡大
・機能性食品事業の拡大
・種苗事業の戦略的拡大
・「ものづくり」の強化と新たな価値創造
イ.乳資源の効率的な調達、および効果的な活用
ウ.グループ全体における生産性改革の取組み強化
②事業構造改革の断行
・牛乳類事業の2026年度までの黒字化に向けた市乳事業構造改革
・業務製品事業のプロダクトミックスの改善
・海外現地法人の構造改革
③生産体制進化の本格始動
事業ポートフォリオの変革(Transformation)と生産体制進化(Renewal)の実現
・乳製品、市乳工場の生産体制整備
・グループ会社への展開
④グループ経営の展開強化とグループの持続的発展に向けた取組み
ア.グループガバナンス体制およびグループコーポレート機能の強化
イ.グループ・バリューチェーンの強化および協業によるシナジー発揮
ウ.CSR重要課題(マテリアリティ)のKPI達成とSDGsへの貢献
また、事業分野ごとの主な取り組み次のとおりです。
〈乳製品事業分野〉
・さけるチーズの更なる市場拡大や、伸長が期待される家飲み需要に対応したおつまみ向け新商品の発売などによるチーズ事業の戦略的拡大
・新しい食べ方の提案などのプロモーション活動を通じた店頭展開の強化、および市場の活性化
・付加価値商品の開発に向けたマーケティングおよび研究開発力の強化
〈市乳事業分野〉
・「恵 megumi」シリーズのリニューアルやマーケティング投資の継続による機能訴求の強化、乳酸菌ヘルベヨーグルトのラインナップ追加などによる、機能性ヨーグルトの戦略的拡大
・おいしさの実現とともに、口栓付き容器の商品発売等の新たな価値の提供による牛乳類事業の収益性向上
〈ニュートリション事業分野〉
・毎日骨ケアMBP®を中心とした通販事業の効率化と事業規模の拡大
・新市場、新領域への商品投入による展開拡大
〈飼料・種苗事業分野〉
・飼料事業の効率化・高品質化による収益力の強化
・種苗事業の戦略的拡大と収益基盤の整備
(1)雪印メグミルクグループ 企業理念
雪印メグミルクグループの企業理念は、私たちの使命と、コーポレートスローガンで構成します。
私たちの使命
私たち雪印メグミルクグループは、3つの使命(「消費者重視経営の実践」「酪農生産への貢献」「乳(ミルク)にこだわる」)を果たし、ミルクの新しい価値を創造することにより、社会に貢献する企業であり続けます。
消費者重視経営の実践
雪印メグミルクグループは、消費者基本法に定められた「消費者の権利」と「事業者の責務」をしっかりと認識し、
● 安全で安心していただける商品・サービスを提供すること
● 可能な限りの情報提供、情報開示を行うこと
● 消費者の声を傾聴し、経営に反映していくこと
● 危機管理の体制を整え、不測の事態に迅速かつ適切に対応していくこと
を基本姿勢として、消費者重視経営を実践していきます。
酪農生産への貢献
私たち雪印メグミルクグループは、日本の酪農を基盤として成り立っています。
私たちは、酪農生産者の良きパートナーとして信頼関係を深め、乳の価値をしっかりと伝えていくことで、生産者の想いに応えていきます。
そして、牛乳・乳製品の需要拡大を実現することで、国内酪農生産の基盤の強化と持続的発展に貢献していきます。
乳(ミルク)にこだわる
私たち雪印メグミルクグループは、ミルクの持つ無限の可能性を信じ、ミルクに向き合い、ミルクにこだわり続けることで、ミルクの持つ可能性を「深め」、ミルクの価値を「高め」、世界に「拡げていく」ことを実現していきます。
コーポレートスローガン
「未来は、ミルクの中にある。」
(2)グループ長期ビジョン 2026
当社は2017年5月に、2026年に目指す姿として「グループ長期ビジョン 2026」を策定いたしました。
①目指す姿
雪印メグミルクグループが2026年に目指す姿を「ミルク未来創造企業」と名づけ、「グループ企業理念」の実現に向けた具体的な姿として、次の3つの未来を描きました。
ア.消費者
「乳(ミルク)で食の未来を創造します。」
雪印メグミルクグループの強みを作り、活かし、価値を創造・提供します。更に、乳(ミルク)の持つ無限の可能性を引き出し、ものづくりを通じて、世界の人々に食の喜びを提供し続けます。
イ.酪農生産者
「酪農生産者の未来に貢献します。」
酪農生産者とともにミルクの価値を高めることで、持続的な成長を実現します。更に、良きパートナーとして、酪農・乳業の持続可能な成長へ貢献を続けます。
ウ.私たち
「私たち社員の未来を拓きます。」
人が企業を育て、企業も人を育てることを踏まえ、多様な人材が希望と誇りを持って、それぞれの個性と能力を最大限に発揮しながら、成長し続ける企業グループを目指します。
〈3つの未来〉

②コンセプト
Transformation & Renewal「変革」、そして更なる「進化」へ
ア.事業ポートフォリオの変革 = Transformation
イ.事業成長を支える生産体制の進化 = Renewal
ウ.グループ経営の推進 = Group Management
これらのコンセプトを実行していくために、グループの事業領域を、「乳製品」「市乳」「ニュートリション」「飼料・種苗」の4つの事業分野に編成し、グループ企業との連携により、グループ・バリューチェーンを強化します。
③ステージ毎の位置づけと役割
グループ長期ビジョン 2026の取組み期間である2017年度から2026年度を3つのステージに分けて推進します。
| 第1ステージ (2017年度~2019年度) | 第2ステージ (2020年度~2022年度) | 第3ステージ (2023年度~2026年度) | |
| 位 置 づ け | Transformation (変革)の始動 | Transformation (変革)の加速 | Renewal(進化)へ |
| グループ経営の 始動・推進 | グループ経営の 展開強化 | グループ経営の 加速・進化 | |
| 役 割 | ・収益基盤の複数化および キャッシュ・フロー最大化 ・生産体制進化への着手 | ・グループ収益基盤の確立 ・生産体制進化の本格始動 | ・4つの事業分野における 収益の安定的創出 ・生産体制進化の加速 |
④目標とする経営指標
最終年度の連結売上高は7,000億円~8,000億円、連結営業利益は300億円~400億円を目指します。
⑤キャッシュ・フロー配分方針
長期のキャッシュ・フロー配分方針は、「財務の健全性」、「資本効率」、および「株主還元」の3つを重視し、最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向30%以上を目処といたします。なお、「グループ長期ビジョン 2026」における10年間の投資総額は3,000億円~4,000億円を予定しておりましたが、これまでの投資実績、現在の経営環境等を踏まえ2,800億円に見直しております。
(3)雪印メグミルクバリュー
「グループ長期ビジョン 2026」を達成するため、雪印メグミルクグループの役職員一人ひとりが大切に考える
共通の姿勢・価値観として、次のとおり定めました。
| 主体性 | 自分から動き出そう。 私が実現したい未来のために。 |
| チャレンジ | チャレンジを楽しもう。 なりたい私の未来のために。 |
| チームワーク | チカラを重ねよう。 私たちみんなの未来のために。 |

(4)グループ中期経営計画 2022
①「グループ中期経営計画 2019」の振り返り
長期ビジョンにおける第1ステージ「グループ中期経営計画 2019」では、目標として掲げていた、連結売上高 6,300億円、連結EBITDA 400億円、連結営業利益 220億円を達成することはできませんでした。
これは主に、コストアップ対応の不足、マーケティング投資効率の悪化、および市乳事業の業績停滞によるものと認識しております。
コストアップ対応においては、2017年度からの3年間で、乳価を含めた原材料費で約44億円、物流費で約36億円、エネルギー費用で約14億円のコストアップがありましたが、十分な対応を取ることができませんでした。今後も継続的なコストアップが想定される中で、生産・物流体制の最適化などの取り組みによるコストアップへの対応がこれまで以上に重要です。
マーケティング投資効率の悪化については、人口減少や高齢化の進展、世帯構成やライフスタイルが変化する中で、多様化した広告手法への対応が遅れたことが一因です。今後は、利用者が急拡大するSNSの活用など、新たなマーケティング手法を積極的に活用し、効果を検証することでマーケティング投資効率を高めていきます。
市乳事業の業績停滞については、2014年度には市乳事業分野全体の営業利益は赤字でしたが、事業構造改革を進め、2019年度には52億円の営業黒字となりました。しかしながら、市乳事業分野の中核である牛乳類事業の赤字からは脱却できておりません。今後の更なる事業利益創出に向けて、牛乳類事業の事業構造改革が不可欠です。
②環境認識
国内の生乳生産量は、これまでの減少あるいは横ばいの推移から、2019年度は増加に転じており、今後も増産となることを見込んでおります。また、家計消費支出の推移においては、乳製品の支出は、健康志向の高まりなどから堅調に推移しています。この中でチーズは成長を続け、ヨーグルト需要は高止まりが続いています。
世界の乳製品消費量を見ますと、乳製品は伸長トレンドにあり、特に当社グループが事業展開をしているアジア・オセアニアにおいては、その傾向が顕著となっております。
これらにより「乳製品」は国内外共に、今後も成長が見込まれるポテンシャルの高い市場と認識しております。
また、TPP11、日欧EPA、日米貿易協定の相次ぐ発効などにより、乳の国際化が進展しております。今後は、乳原料などの輸入、国内乳製品の海外輸出や、海外起点の事業展開などにより、乳製品取引の更なる国際化の進展が想定されます。これは当社グループが積極的な事業展開を進めて行くうえで、大きなチャンスととらえております。
③位置づけ
「グループ中期経営計画 2022」は、「グループ長期ビジョン 2026」の取組み期間(2017年度~2026年度)における第2ステージの実行計画にあたります。変革(Transformation)を加速し、収益基盤を確立し、生産体制進化(Renewal)を始動していくステージとしております。
④取組みの柱
「4つの事業分野における収益基盤の確立」に向けて、「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」を進め、「Transformation(変革)の加速」を実現するために「生産体制進化の本格始動」を戦略の柱とします。
⑤事業分野別の戦略
| 乳製品事業分野 | ア.家庭用バターの生産・販売拡大 イ.チーズ事業の戦略的拡大 |
| 市乳事業分野 | ア.ヨーグルト・デザート事業の戦略的拡大 イ.牛乳類事業の構造改革※ |
| ニュートリション事業分野 | ア.粉乳事業(国内・海外)の競争力強化 イ.機能性食品事業の利益創出 |
| 飼料・種苗事業分野 | ア.飼料事業の効率化・高品質化 イ.種苗事業の戦略的拡大 |
※2026年度末までに牛乳類事業の営業利益黒字化を達成します。
⑥基盤となる機能戦略
ア.事業戦略に基づくTransformation(変革)とRenewal「生産体制の進化」の実現
イ.「ものづくり」の強化と新たな価値創造
ウ.グループ経営の推進によるグループ総合力の強化
エ.グループの持続的発展に向けた取組み
(5)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
①中期目標経営指標
最終年度の連結売上高は6,400億円、連結営業利益は220億円、連結EBITDAは410億円を目指します。
②財務指標の目処
最終年度の連結ROE8%以上、連結自己資本比率50%以上、連結配当性向20%~30%、連結有利子負債残高780億円を目処といたします。また、3年間の投資総額は860億円を予定しております。

(6)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、各国中央銀行や政府が打ち出す金融政策や経済対策による景気への一定の下支え効果は期待されるものの、新型コロナウイルス感染症の影響や収束の時期などを見通すことは非常に難しく、わが国経済は、厳しい状況が続くことが見込まれます。また金融政策や経済対策の効果が限定的なものにとどまる、或いは感染症の更なる拡大、影響の長期化等が生じた場合には、内外経済はさらなる下振れに直面するリスクも想定されます。
食品業界においては、飲食店の来店客数の減少や営業時間の短縮による売上の落ち込みなどに伴い業務用食材の需要が低迷するリスクがある一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、或いは総菜などを持ち帰る中食機会の増加に伴う需要の高まりも予想されます。
個人消費は、外出自粛などの影響により落ち込む中でも、価値観や嗜好の多様化に対応し、機能を明確に訴求する商品や生活シーンを提案する商品を求める動きが強まっております。
当社グループを取り巻く環境は、感染症の拡大により消費低迷が長期化するリスク、原材料コストや人手不足を背景とした労務費、物流等の様々なコスト増加といった厳しい状況にあります。一方で、家庭での調理、喫食機会の増加、総菜などを持ち帰る中食機会の増加など、需要の高まりに対し、食シーンの提案などの情報発信や新たな商品の提供などの適切な対応が求められます。
このような状況において、当社は新たに策定した「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「生産性改革の推進」、「事業構造改革の断行」、および「Transformation(変革)の加速」を実現するための「生産体制進化の本格始動」の3つを戦略の柱と位置づけ、最終年度の2022年度に「4つの事業分野における収益基盤の確立」を実現するべく取り組んでまいります。
当社は「グループ中期経営計画 2022」に基づき、以下の重要な施策に対し積極的な取り組みを進めてまいります。
①生産性改革の推進
ア.事業の戦略的拡大と「ものづくり」の強化
・チーズ事業の戦略的拡大
・機能性ヨーグルトを軸とした発酵乳事業の戦略的拡大
・機能性食品事業の拡大
・種苗事業の戦略的拡大
・「ものづくり」の強化と新たな価値創造
イ.乳資源の効率的な調達、および効果的な活用
ウ.グループ全体における生産性改革の取組み強化
②事業構造改革の断行
・牛乳類事業の2026年度までの黒字化に向けた市乳事業構造改革
・業務製品事業のプロダクトミックスの改善
・海外現地法人の構造改革
③生産体制進化の本格始動
事業ポートフォリオの変革(Transformation)と生産体制進化(Renewal)の実現
・乳製品、市乳工場の生産体制整備
・グループ会社への展開
④グループ経営の展開強化とグループの持続的発展に向けた取組み
ア.グループガバナンス体制およびグループコーポレート機能の強化
イ.グループ・バリューチェーンの強化および協業によるシナジー発揮
ウ.CSR重要課題(マテリアリティ)のKPI達成とSDGsへの貢献
また、事業分野ごとの主な取り組み次のとおりです。
〈乳製品事業分野〉
・さけるチーズの更なる市場拡大や、伸長が期待される家飲み需要に対応したおつまみ向け新商品の発売などによるチーズ事業の戦略的拡大
・新しい食べ方の提案などのプロモーション活動を通じた店頭展開の強化、および市場の活性化
・付加価値商品の開発に向けたマーケティングおよび研究開発力の強化
〈市乳事業分野〉
・「恵 megumi」シリーズのリニューアルやマーケティング投資の継続による機能訴求の強化、乳酸菌ヘルベヨーグルトのラインナップ追加などによる、機能性ヨーグルトの戦略的拡大
・おいしさの実現とともに、口栓付き容器の商品発売等の新たな価値の提供による牛乳類事業の収益性向上
〈ニュートリション事業分野〉
・毎日骨ケアMBP®を中心とした通販事業の効率化と事業規模の拡大
・新市場、新領域への商品投入による展開拡大
〈飼料・種苗事業分野〉
・飼料事業の効率化・高品質化による収益力の強化
・種苗事業の戦略的拡大と収益基盤の整備