有価証券報告書-第56期(2024/10/01-2025/09/30)

【提出】
2025/12/10 11:38
【資料】
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【項目】
165項目
②戦略
カーボンニュートラル社会の実現を含む気候変動問題への対応は当社グループの脱炭素化だけでなく、リサーチ・コンサルティングの知見を活かし社会価値向上に貢献できる重要な分野と認識しています。当社グループでは、気候関連リスク・機会の特定や当社グループへの財務的影響についてシナリオ分析を実施しています。具体的には、厳格な対策(炭素税、環境規制等)が導入され、社会全体が積極的に気候変動対策に取り組みシナリオ(1.5℃シナリオ)と、厳格な対策は導入されず、自然災害が激甚化・頻発化するシナリオ(4℃シナリオ)を前提に、2030年時点の財務的影響を分析しています。なお、参考としたシナリオは、1.5℃シナリオについては当社のカーボンニュートラル提言に加え、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)1.5℃特別報告書(SR15)、国際エネルギー機関(IEA)WEO NZE2050、4℃シナリオについては政府間パネル(IPCC)RCP8.5等をそれぞれ参照しています。
また、シナリオ分析に当たっては当社グループが、その事業領域に再エネ、脱炭素、電池技術などの気候変動に対する緩和プロジェクト並びに、防災・レジリエンス、インフラ強化などの気候変動に適応するための適応プロジェクトといった気候変動関連領域を含むことを勘案し、現状の当社グループの事業を気候変動関連領域/その他戦略領域に分類し、2030年時点のそれぞれの事業規模を想定した上で、新たに創出される新領域の事業拡大、炭素税等の対応コスト等を考慮して財務影響を算出しました。
2つの気候変動シナリオに加え、気候変動関連領域の事業戦略を2とおり(成長/標準)設定することにより、計4とおりのシナリオをもとに財務影響を分析しております。
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シナリオ分析に基づいた2030年の当社グループの気候関連リスク・機会の財務影響は以下のとおりです。
0102010_006.pngいずれのシナリオにおいてもリスクの財務的影響度は限定的と評価しています。
(1)当社グループのGHG(温室効果ガス)排出量、電気使用量が小規模であること(1.5℃シナリオ)。
(2)当社グループ施設の立地、建物の堅牢さ、リモートワーク環境の整備状況などから激甚災害に対する対応に大きな支障はないと想定されること(4℃シナリオ)。
一方で、カーボンニュートラルに向けた社会全体の意識の高まりと激甚災害に対する対応の必要性から、脱炭素に資する研究・コンサルティング・システム実装やレジリエンスを高める防災やリスクマネジメントへのニーズは拡大しています。以上からリスクに比して機会の取り込みの財務的影響度が相対的に大きいと評価しています。
(気候変動にかかるリスクと機会への対応策)
当社グループにとっての気候関連の主な機会はカーボンニュートラルに向けた事業環境の転換であり、主なリスクは炭素税導入によるコストの増加、激甚災害頻発による経済停滞の影響等であることが明らかとなりました。リスクと機会への主な対応策は以下のとおりです。
(機会を伸ばす対応策)
カーボンニュートラルに向けた事業環境の転換への対応策は、2021年9月に当社がカーボンニュートラル提言において示した3つのキーポイント(①電力部門の早期ゼロエミッション化、②戦略的なイノベーションの誘発、及び③需要側の行動変容)について、関連分野での政策検討支援や民間企業へのコンサルティング業務を拡大していくことであると考えます。
具体的には、気候変動への対応ニーズが官民に高まる中で、政府の進める省エネルギー戦略、脱炭素戦略、再生エネルギー普及の政策立案など、国内におけるカーボンニュートラル政策の具体的推進にかかる政策立案のサポート、実証実験等のサービスを提供してまいります。
企業に対しては、再生可能エネルギーの主力電源化を推進するニーズに対して、蓄電池・EVの有効活用、分散型リソース(DER)の最適運用計画の立案のほか、安定的な非化石電源としての原子力の安全利用、イノベーションによる新しい技術開発などを提供してまいります。また、2023年度においては、電力卸売価格予測・配信サービスを電力会社、ガス会社などエネルギーカンパニーに提供する事業を分社化(株式会社MPX(*))し、欧州のクオンツハウスと業務資本提携を結ぶなど、サービスラインナップを充実させました。この他にも、再エネの導入を促進するため、当社自身が全国4つのメガソーラー事業へ出資するとともに、他の再エネ発電事業者も含めてアセットマネジメントサービスを提供しています。
現在、進行中の中期経営計画においては、こうした取り組みを加速するため、カーボンニュートラルに資するGX(グリーン・トランスフォーメーション)分野の売上拡大をKPIとして当該分野に重点的な人的資源に配分と開発投資を進めています。あわせて、社会全体で厳格な気候変動対策が導入されず、大型台風、集中豪雨、高潮などの激甚災害の発生頻度が高まる4℃シナリオに対しては、災害リスクマネジメント支援や防災・レジリエンスのDX戦略、サービス開発支援などのコンサルティング、システム実装のサービスを充実させてまいります。
(*)MPX:連結子会社。電力市場の分析プラットフォーム「MPX」を通じた卸電力市場に関する情報配信、電力事業の市場リスク計算等を行う。
(リスクを低減させる対応策)
主たる気候関連リスクは炭素税導入によるコストの増加、激甚災害頻発による経済停滞の影響です。
当社グループのスコープ1、2によるGHG排出量は5,917tCO2(2024年9月期)と少なく、かつデータセンターやオフィスでの電力使用に起因するスコープ2が大半を占めます。炭素税等のカーボンプライシングの検討が進む中で、GHG排出量の削減を通じて財務影響を最小化する取り組みは不可欠です。このため、当社グループとして再生可能エネルギーの導入を積極的に推進、特にデータセンターの再生可能エネルギー比率向上等を進めるほか、業務効率化や生産性向上、ワークスタイル改革、省エネルギー型の設備への更新投資、オフィスのLED化等を進め、電力由来のGHG排出量削減を図ります。あわせて、激甚災害の頻発による経済の停滞リスクに対しては、従業員のリモートワーク環境の整備、人手に依存しないサービス提供型ビジネスの拡大に取り組むことで収益低下インパクトの緩和を図ります。

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