有価証券報告書-第5期(平成26年9月1日-平成27年8月31日)

【提出】
2015/12/18 16:14
【資料】
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【項目】
103項目

対処すべき課題

当社グループは、環境関連事業、ビジネスアライアンス事業及びコンセプトマーケティングショップ事業として、収益の拡大のために事業展開の幅を広げてまいりますが、同事業においては、新規参入も増加し、将来的には他社との競合が激化していく可能性もあります。
このような環境の中、当社では対処すべき課題として以下のことに取り組んでおります。
(1)積極的な投資の実施
当社グループは、安定した収益の確保ならびに今後の成長発展を図るべく、M&A、子会社設立、資本業務提携等を積極的に行う必要があると考えております。
そのためには、当社グループが保有するサービスノウハウをグループ内及び他社と相互に補完しあうことにより、ビジネスの可能性が広がるような投資施策を検討してまいります。
(2)人的資産の強化
ガバナンスを強化し、コンプライアンスを遵守した当社グループ独自のポジショニングを継続して保ち続ける為には、企画担当者、営業担当者及び拡大する組織に対応するための管理ならびに内部統制担当者を中心とする人的資産の強化が必要であると考えております。
そのためには、常に魅力ある情報発信に携われるような環境を用意することにより、優秀な人材を惹きつけられる存在であり続けることが重要であると考えております。
(3)内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実による再発防止策の実施
当社は、平成27年9月24日付「第三者委員会設置に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、当社100%子会社である株式会社エコ・ボンズの平成27年8月期における営業取引につき、当該取引の適正・妥当な会計処理を行うために調査分析することが必要であると判断し、当社と利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される第三者委員会を設置し、平成27年10月26日付「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、調査の結果判明した事実関係及び問題点の指摘と再発防止のための提言を目的とする調査報告書(以下「本報告書」といいます。)を受領いたしました。
このたびの調査報告書において指摘された問題点を厳粛に受け止め、当社100%子会社である株式会社エコ・ボンズの平成27年8月期において行われていた不明瞭な取引の再発防止、及び当社のコーポレートガバナンスの回復について、経営改革委員会の設置、並びに再発防止のための提言を踏まえた再発防止策の概要の策定を決議いたしました。
第三者委員会の調査報告書において指摘された問題点を厳粛に受け止め、今後の不明瞭な取引の再発防止、及び当社のコーポレートガバナンスの回復のために、平成27年11月2日付で経営改革委員会を設置し、再発防止策の策定、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の検討及び実施、決算処理における会計監査人及び関係当局対応を含めた経営全般を管理・監督いただき、経営改革に臨んでまいります。
当社は、第三者委員会の調査報告書において指摘された問題点を厳粛に受け止め、提言内容を踏まえた必要な改善措置の概要を以下のとおり策定しております。
1.コーポレートガバナンスの回復
① 役員選任手続きの見直し
大株主や取引先の意向に左右されていた現体制を一新し、「少数株主の利益保護」も図ることで市場の信頼を回復するため、平成27年8月期定時株主総会後の当社の役員構成については、経営改革委員会が指名する候補者を定時株主総会に諮り決定いたします。
② 役員構成の見直し
当社の役員構成は、3分の1以上の独立社外取締役を選任する方針とし、これを経営改革委員会における役員の選任のルールとして明確にいたします。また独立社外取締役の選任にあたっては取締役会の出席が困難でないことを条件とする一方、執務場所の確保や交通費等のコスト負担への配慮もいたします。
③ 経営の監督と業務の執行の分離
役員の兼務は解消し、当社の取締役会においては、執行とは距離を置く取締役がリードする体制といたします。
④ 取締役会の審議の活性化
会議運営に関して
a.取締役会の資料は会日に先立ち配布する
b.取締役会の資料以外にも必要に応じ十分な情報を提供する
c.年間の取締役会スケジュールや予想される審議事項について決定しておく
d.審議項目数や開催頻度を適切に設定する
e.審議時間を十分に確保する
などの取り扱いを確保して、審議の活性化を図ります。
また書面決議を多用せず、取締役会を現実に開催することを大原則とし、取締役会の意見交換と協議による意思決定を行います。
⑤ 監査役会の活性化
現状の監査役構成を見直し、独立した客観的な立場において判断でき、かつ、取締役会に容易に出席できる人員を監査役として選任したうえで、改めて会計監査人や内部監査室と連携して、監視監督機能を発揮して監査の実効性を図る施策を講じます。
さらに子会社の業務執行においては、親会社である当社の役員等からする独善的な介入を監督牽制する見地から、子会社監査役による監視監督機能のみならず、当社自身の監査役を通じたガバナンスや監視監督機能についても強化いたします。
⑥ 役員のトレーニング
知識だけでなく、倫理等を醸成し、形式的にルールを守るという発想から、市場・投資家・株主・取引先等のステークホルダーの要請に応えるという、真の上場会社役員としての意識・心構えを育成するトレーニングを行います。
2.内部統制システムの再構築
① 諸規程及びルールの実施
現実のルールを規程に明記するのはもちろんのこと、日頃から諸規程及びルールの存在や内容について役員・従業員への周知を徹底し、併せて規程の遵守という当たり前のコンプライアンス意識を高めるとともに、諸規程及びルールの運用についても継続的にモニタリングいたします。
② 関連当事者か否かのチェックの徹底
利益相反取引やその疑念の払拭というガバナンス上の問題を是正していくことはもちろんのこと、同時に関連当事者か否かのチェックについても厳格な運用を徹底し、内部統制の面からも問題の再発を防ぎます。
③ 契約締結プロセスの適正化
契約締結段階においては、契約締結にかかる審査体制を強化するとともに、コンプライアンス意識を持って検討等を進めます。
このため現状の法律事務所によるリーガルチェックを十分に機能させることはもちろんのこと、法務担当者等によるリーガル面における検討及びチェックプロセス、及び経理部による経理処理の確認手続きを追加し、稟議による契約締結の業務プロセスに、その全段階における厚みをもたせることを検討します。
また契約段階の管理で終わることなく、履行段階においてもチェックする体制を構築し、取締役会等における決裁条件に抵触した場合や大幅に事情変更が生じた場合の報告経路の整備など、現場の職務を整理し、情報が適切に共有できる仕組みを構築いたします。
④ 内部監査及び法務部門の強化
当社およびエコ・ボンズの規程に定められたとおりの内部監査体制を改めて構築するとともに、脆弱な法務部門の組織・人員を強化し、これらの運用についても継続的にモニタリングしてまいります。
⑤ 内部通報制度の充実
通報先をどこにするのが有効であるか、また周知徹底の方法も含めて検討し、当社だけでなくグループ全体をカバーする内部通報制度の充実を図ります。
⑥ IT管理の徹底
専門業者の助言を得るなどして、IT管理の徹底を図ります。
3.エコ・ボンズにおけるビジネスの再検討
① ビジネスモデルに関する検討の余地
今後に向けて、当初企図していたビジネスモデルが実現できるのか、太陽光発電事業そのものに関する見通しも踏まえて、現状に則した無理のないビジネスモデルに変更いたします。
また会計的な観点を踏まえた改善として、再発防止策の実施状況が評価され、市場の信頼を回復するまでの市場の信頼を回復するまでの間は、現時点で効力が発生している取引を除いては第三者委員会からの調査報告書にある実質的利益相反及び関連当事者取引等関連性が疑問視される会社等との新規取引は一切行わず、また保守的な会計処理を前提としたビジネスモデルを構築、運用してまいります。
② ビジネス拠点の見直し
本社を拠点として業務管理ができる体制を整え、運用いたします。
4.当面の体制と取り組みについて
平成27年8月期定時株主総会において、経営改革委員会が指名する新たな取締役陣が選任されるまでの間は、経営改革委員会の管理・監督のもと、具体的な再発防止策の策定、コーポレートガバナンス・コードの検討及び実施、決算処理における会計監査人及び関係当局対応を任務とした暫定的な経営体制といたします。
5.その他
取締役に対する責任追及
今後、本件により会社に損害が生じたことが発見された場合には、経営改革委員会において、取締役への責任追及の可否及び是非について検討いたします。