四半期報告書-第7期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/09 15:34
【資料】
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【項目】
27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第3四半期のOTC医薬品市場は、目薬や整腸薬などのカテゴリーが好調に推移した一方で、ドリンク剤や総合感冒薬などのカテゴリーが不振だったため、総体的にはやや前年を割り込む結果となりました。
医薬事業につきましては、新薬の創出が困難になりつつあるなかで、医療費適正化諸施策の浸透により、依然として厳しい事業環境が続いております。
こうした事業環境の中で、当社グループのセルフメディケーション事業部門は、「健康で美しく老いたい」という生活者のニーズに対応すべく、製品開発面では生活者の健康意識の高まりに対応した新しい領域を開拓し、また生活者のニーズを満たす製品開発をより一層進め、新たな需要の創造に努めております。また、販売面では生活者から支持される強いブランドを作るために、生活者との接点の拡大と共感の獲得を目指した活動を実践するとともに、通信販売等の新しいチャネルの拡充による生活者との直接のコミュニケーションにも注力しています。海外市場におきましては、アジアを中心にOTC医薬品の事業開発を積極的に行っております。
医薬事業部門でも、きめ細かい情報提供活動による新薬の売上最大化を図っております。また、開発化合物の早期承認取得を目指すとともに、導入によるパイプラインの強化を進めています。さらに、外部研究機関との連携を強化し、継続的なオリジナル開発化合物の創出に努めております。
当第3四半期連結累計期間のグループ全体売上高は、2,157億9千8百万円(前年同四半期比△6億3千3百万円、0.3%減-以下括弧内文言「前年同四半期比」省略)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セルフメディケーション事業1,409億円(+ 27億円 1.9%増)
内訳
国内1,153億円(△ 5億円 0.4%減)
海外235 〃(+ 31 〃 15.4%増)
その他21 〃(+ 0 〃 0.4%増)

医薬事業749億円(△ 33億円 4.2%減)
内訳
医療用医薬品707億円(△ 47億円 6.3%減)
その他42 〃(+ 14 〃 49.6%増)

主要製品の売り上げ状況は次のとおりであります。
<セルフメディケーション事業>当第3四半期連結累計期間売上高は、1,409億円(+27億円、1.9%増)となりました。
主力ブランドでは、ドリンク剤の「リポビタンシリーズ」は、主力の「リポビタンD」が前年を下回り(5.8%減)、シリーズ全体では441億円(6.9%減)となりました。「パブロンシリーズ」は、新製品の発売が売上に寄与し前年比プラスとなり、シリーズ全体では209億円(10.9%増)となりました。毛髪用剤「リアップシリーズ」は、シリーズ全体で123億円(0.3%増)となりました。
一方、アジアを中心に展開中の海外OTC医薬品事業は、138億円(9.6%増)となりました。
<医薬事業>当第3四半期連結累計期間売上高は、749億円(△33億円、4.2%減)となりました。
主な増収品目は、骨粗鬆症治療剤「エディロール」は192億円(9.3%増)、2型糖尿病治療剤「ルセフィ」は36億円(68.3%増)、経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」は24億円(123.2%増)でした。一方、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン」は79億円(37.7%減)、マクロライド系抗生物質製剤「クラリス」は58億円(19.7%減)、末梢循環改善剤「パルクス」は38億円(9.1%減)と、後発医薬品の影響等もあり前年比マイナスとなりました。
利益面につきましては、売上原価の減少により売上総利益が増加し、営業利益は285億5千5百万円(7.5%増)、経常利益は333億7千9百万円(6.4%増)となりました。また、投資有価証券売却益等によって親会社株主に帰属する四半期純利益は264億6千3百万円(11.8%増)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、155億3千9百万円(セルフメディケーション事業44億4千3百万円、医薬事業110億9千5百万円)、対売上高比率は7.2%であります。
なお、当第3四半期連結累計期間における、当社グループの研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
<医薬事業>不眠症を予定適応症とする「TS-142」、うつ病を予定適応症とする「TS-121」が臨床試験第2相に移行しました。