有価証券報告書-第14期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)

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2017/09/28 15:35
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政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」の推進において、ビッグデータやAI(人工知能)、IoT(注1)の活用が重点施策として謳われるように、データ活用関連ビジネスを取り巻く市場は成長が期待されております。
このような中、当社グループは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来を創る」という企業理念のもと、中長期的に目指す姿を「Analytics Innovation Company(アナリティクスとエンジニアリングを駆使した革新的かつ実践的なソリューションで最高の価値を提供する)」とし、現在、平成31年6月期を最終年度とする中期経営計画(平成28年6月期~平成31年6月期、最終年度に連結売上高60億円、連結経常利益10億円を目標)を推進してまいりました。
当連結会計年度末にて当該計画の前半2年間を終了いたしましたが、成長のベースとなる社員の増員ペースおよび売上高(特にストック型売上高、注2)の増加ペースに7~9ヶ月の遅れが生じているため、最終年度における数値見通しを、連結売上高50億円、連結経常利益7億円としております。
中期経営計画の進捗に遅れはあるものの、その主因は増員ペースの遅れなどの内部要因であり、事業環境そのものは追い風が吹いている状況に変わりはないため、今後もこれまで同様に、「顧客企業のビジネスをデータを活用して革新するような長期案件・大型案件を拡大・獲得すること」を主軸として推進してまいります。
(注1)IoT(アイオーティ)とは、「Internet of Things」の略。日本語では「モノのインターネット」と訳され、あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのこと。
(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的かつ継続的に安定収益を得られるビジネスのこと。
上記の方針に基づくセグメント別の対処すべき課題は、次のとおりです。
(アナリティクス事業)
近年、業種や企業規模を問わずデータ活用により経営課題を解決したいと考える企業が増大し、当事業を取り巻く市場は拡大を続けております。加えて、昨今のAIブームがその傾向に拍車をかけており、AIというキーワードを用いたサービスを立ち上げる企業も多数見られるようになってきています。
このような中、当事業は、創業来の強みであるマーケティングアナリティクス領域の成長はもちろんのこと、これに加えてAI活用領域およびデータ活用人材の育成領域の拡大に取り組んでまいります。
当事業におけるAI活用は、国内外のプラットフォーマー(注3)のように新たなAI技術そのものを開発するのではなく、既に利用可能なレベルのAI技術をビジネスに実装していこうという取り組みであり、AI技術と各企業のビジネスを繋ぐ着想と、その実装が可能な点が他社にはない強みです。既に当連結会計年度において、機械学習や深層学習のビジネス活用に成功した実事例を複数発表(注4)しており、次期以降は、業界のAI関連プレイヤーの中での当事業の強み・立ち位置を明確にしながら、これらの先行事例を活かした横展開やサービスパッケージの開発により、事業を拡大していくことが課題となります。
また、企業内でデータ活用を推進する際のキーパーソンとなるデータサイエンティスト(注5)の数が国内に不足していることを背景に、業界随一のデータサイエンティスト組織を有する当事業へのデータ活用・分析案件の引き合いが増加すると同時に、企業内の人材をデータサイエンティストに育成したいという要望も多く寄せられるようになっています。当事業は、この人材育成需要に応えるべく、2013年に開発・提供を開始した「ブレインパッド教育講座」の一層の拡販を推進する組織体制を整え、事業拡大に注力してまいります。
(注3)Google、Microsoft、Amazonなど。
(注4)ドローンによる空撮された画像の解析(2016年9月2日発表、エアロセンス株式会社への導入事例)、食品製造ラインにおける画像解析を用いた不良品検知(2016年10月25日発表、キユーピー株式会社への導入事例)、河川の護岸コンクリート画像の解析による劣化検知(2017年6月6日、八千代エンジニヤリング株式会社への導入事例)など。
(注5)データサイエンティストとは、ビッグデータを分析・活用することで、データからビジネス価値を引き出す専門人材のこと。
(ソリューション事業)
国内のITソフトウェア市場は、クラウド上で提供されるSaaS型、PaaS型(注6)サービスをはじめとして多種多様な製品が誕生し、市場規模の拡大が続いております。加えて、昨今では「RPA(ロボットによる業務自動化、注7)」への注目も非常に高まっております。
このような中、当事業は、ソフトウェアのライセンス仕入・販売ビジネスと、RPAの組み込みを含むデータ活用プラットフォームの構築(SI、注8)ビジネスの両軸を伸ばしていくために、当連結会計年度に従業員数が約1.4倍となる大きな人材投資を行いました。次期以降は、この人員増を売上・収益の拡大に繋げていくことが最重要課題となります。
ソフトウェアのライセンス仕入・販売ビジネスにおいては、よりレバレッジの利いた利益拡大が課題となります。まず、これまで当事業の成長を牽引してきた「SAP® Predictive Analytics※」を中心に、SAPジャパン株式会社とのパートナー関係をさらに強化し、その製品提供範囲を「SAP HANA®※」「SAP® IQ※」まで拡大することで、案件の大型化を実現してまいります。また、激戦区であるMA(注9)ツール領域においては、業界内の認知度が高まってきた「Probance※」の拡販に引き続き取り組んでまいります。
一方、データ活用プラットフォームの構築支援ビジネスにおいては、注目度の高いRPA領域への事業拡大に加え、他の2事業から派生するSI案件を取り込むことで、事業間のシナジー創出に取り組んでまいります。
※SAP® Predictive Analytics(エスエーピー・プレディクティブ・アナリティクス)
:ビッグデータ対応 機械学習・予測分析システム
※SAP HANA®(エスエーピー・ハナ):インメモリコンピューティング
※SAP® IQ(エスエーピー・アイキュー):ビッグデータ・ウェアハウス
※Probance(プロバンス):マーケティングオートメーションプラットフォーム
(注6)PaaSとは、「Platform as a Service」の略。アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどの基盤を、インターネットを通じて顧客に提供すること。
(注7)RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略。AIやロボットを活用した業務自動化の取り組みのこと。
(注8)SIとは「システムインテグレーション」の略。顧客の要望する情報システムを構築する請負サービスのこと。
(注9)MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステムの総称。
(マーケティングプラットフォーム事業)
国内のデジタルマーケティング(注10)市場は、国内EC市場の拡大やスマートデバイスの普及とともに急拡大しており、海外ベンダーや国内ITベンチャー企業の参入により、多種多様な製品が誕生し、市場が複雑化・混沌化する状況が続いております。また、小売・通販業界をはじめとするデジタルマーケティングの先進企業に加えて、中堅企業や保守的な企業向けの市場の活性化が想定されます。
このような中、当事業が開発・提供するDMP市場No.1製品「Rtoaster」については、ここ数年発生していた大型案件の規模縮小による減収の影響がなくなり、契約数の増加がそのままストック型売上高の増加につながるようになります。当連結会計年度に拡充・構築した組織体制を活かして新規契約の獲得と既存契約の維持に努めるとともに、製品そのものの競争力を維持・向上させるための改善にも注力してまいります。
また、新たな自社開発製品の開発を進め、「Rtoaster」に続く収益基盤の創出にチャレンジすることも、重要課題の一つとして取り組んでまいります。
(注10)デジタルマーケティングとは、デジタルメディア・デジタルデバイスを駆使したマーケティング活動全般のこと。Webサイトを中心に置くWebマーケティングよりも広範な概念であり、Webサイト、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、電子メールなど、多種多様なチャネルを組み合わせ、最適なマーケティング成果を獲得するための活動のこと。
最後に、企業におけるデータ活用ニーズの高まりにより、当社グループに寄せられる営業案件の中には、顧客企業の経営全体や事業全体に関わるデータ活用がテーマとなったものも数多く含まれるようになってきています。このような需要を取り込んでいくうえでは、今後は大手コンサルティング会社や大手SIerの提案領域と重なることも想定し、当社グループの各種サービスを組み合わせた総合提案を行う専門部署を設立いたしました。次期以降はこの部署を中心として、企業の経営層向けに、コンサルテーションから分析設計、ツール導入、運用までを一貫して提案するような大型案件を創出することで、収益の成長スピードを一段と増していく方針です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

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