有価証券報告書-第15期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

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2018/09/27 15:54
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出、生産活動の緩やかな回復に加えて、堅調な雇用・所得情勢を背景とした個人消費の回復が起点となり、緩やかに持ち直しております。また、企業収益が安定的に推移する中で企業の設備投資意欲は底堅く、国内のITサービス市場は堅調な成長を続けております。
このような中、当社グループにとっての当連結会計年度は、現在推進中の中期経営計画(平成28年6月期~平成31年6月期。平成29年8月時点では、最終年度に連結売上高50億円、連結経常利益7億円の見通し)の後半2年間への折り返しとなる1年でした。当社グループは、当連結会計年度を成長フェーズが始まる1年目と位置付け、人材採用・育成への投資は継続する一方で、市場の拡大に引けをとらない売上成長と確実な利益確保に取り組み、その方針通りに事業規模の拡大が進んだ1年となりました。
当連結会計年度において、売上高は、3事業ともに前期までに採用した人員の戦力化が進み、前期比22.8%増の成長となりました。利益面も、売上高に追随して伸長しているほか、案件の大型化・長期化および効率的なプロジェクト管理により案件利益率が高まる傾向が続いており、前期に比べ大きく増加しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,331,758千円(前期比22.8%増)、営業利益は584,828千円(前期比295.1%増)、経常利益は596,443千円(前期比315.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は406,823千円(前期比169.9%増)となりました。
当連結会計年度における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。
a.アナリティクス事業
アナリティクス事業は、顧客企業の有する大量データに関するコンサルティングおよびデータマイニング(注1)の実行、ならびにデータに基づく企業行動の最適化支援を行っております。
当連結会計年度においては、国内企業におけるデータ活用に対する需要は高まり続け、当社グループに寄せられる営業案件についても、顧客企業の経営全体や事業全体に関わるテーマが増加いたしました。これにより当事業が実施するプロジェクトの大型化・長期化が一段と進み、売上高が大きく成長しました。加えて、利益面は、効率的なプロジェクト管理により案件利益率が向上し、前期に比べ大幅な増益となりました。
また、昨今のAIブームを受け、AIを活用して経営改善したいと考える企業の需要に一層応えることを目的に、本年3月、AI活用の検討ステージごとに当社による支援内容を体系化した新サービスプラン「+AI(プラスエーアイ)」を発表したほか、AIのビジネス活用事例を複数発表し反響を得ております。
この結果、売上高は1,599,845千円(前期比42.0%増)、セグメント利益は559,585千円(前期比56.1%増)となりました。
(注1)データマイニングとは、企業や社会に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む重要なパターンや法則性を抽出すること。
b.ソリューション事業
ソリューション事業は、顧客企業に対して、データ蓄積、分析および分析結果に基づく施策実行に必要なソフトウェアの選定および提供ならびにシステム開発および運用を行っております。
当連結会計年度において、売上高は、ストック型(注2)である「Probance※」「Crimson Hexagon※」などのライセンス販売に加え、データ分析環境構築に伴う開発案件、主力製品である「SAP® Predictive Analytics※」を活用した分析支援案件の受注が積み重なり、好調に推移いたしました。さらに、利益面は、売上伸長による増益に加え、当社が販売したソフトウェアライセンスに関する運用支援案件が増加したことにより案件利益率が改善し、前期に比べ大幅な増益となりました。
この結果、売上高は1,407,165千円(前期比16.4%増)、セグメント利益は301,165千円(前期比94.1%増)となりました。
※Probance(プロバンス):
市場が拡大しているマーケティングオートメーション(マーケティング活動の運用プロセスの自動化を支援するシステム)領域の製品。
※Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン)
:Twitter、InstagramなどのSNSデータを多角的に分析できるソーシャルリスニング・プラットフォーム。
※SAP® Predictive Analytics(エスエーピー・プレディクティブ・アナリティクス)
:データマイニングを自動化し、圧倒的な効率化を可能にした機械学習・予測分析システム。
(注2)ストック型とは、顧客数に応じて比例的に安定収益を得られるビジネスのこと。
c.マーケティングプラットフォーム事業
マーケティングプラットフォーム事業は、主にデジタルマーケティング領域において、当社が着目したデータ分析系のアルゴリズムから独自性の強いソフトウェアを自社開発し、SaaS(注3)型サービスを中心とした顧客企業への提供と、その保守業務等を行っております。
当連結会計年度において、売上高は、DMP(注4)市場シェアNo.1製品(注5)である「Rtoaster※」のストック型売上高が好調に推移し、4四半期連続で3億円超の売上高を達成いたしました。さらに、利益面は、売上伸長による増益に加え、ストック売上高の増加に伴う利益率の改善により、前期に比べ増益となりました。
また、本年3月には、「Rtoaster」の4年ぶりとなるメジャーバージョンアップを実施し、企業のマーケティング担当者がより簡単に、マーケティング施策の立案から成果創出までのPDCAを容易に一元管理・実行できる新機能を拡充しております。加えて、企業の運用型広告(注6)の担当者向けの新サービス・ツールを開発・発表し、DMP領域に続く収益基盤づくりにも取り組み始めております。
この結果、売上高は1,324,747千円(前期比11.0%増)、セグメント利益は322,471千円(前期比21.9%増)となりました。
※Rtoaster(アールトースター):レコメンドエンジン搭載プライベートDMP
(注3)SaaSとは、「Software as a Service」の略。アプリケーションソフトの機能を、インターネットを通じて顧客に提供すること。
(注4)DMPとは「Data Management Platform」の略で、企業が様々なデータを集約し活用するために構築する基盤のこと。
(注5)株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート「ITRMarket View:メール/Webマーケティング市場2018」「ITRMarket View:マーケティング管理市場2017」において、3年連続で、DMP市場におけるベンダー別売上高およびシェアで1位(2014年度、2015年度、2016年度)を獲得。加えて、同社にて2015年度から調査が開始されたプライベートDMP市場のベンダー別売上金額シェアにおいても、2年連続で1位(2015年度、2016年度)を獲得いたしました。
(注6)運用型広告とは、特定の広告枠を固定的に購入するのではなく、アドテクノロジーを活用して、広告枠、入札額、ターゲット、クリエイティブ(制作物)などを変動させながら出稿方法を最適化するインターネット広告のこと。
(参考)セグメント別の売上高の前連結会計年度との単純比較
前連結会計年度
(平成29年6月期)
当連結会計年度
(平成30年6月期)
対前年増減率
アナリティクス事業1,126,895千円1,599,845千円42.0%
ソリューション事業1,208,977千円1,407,165千円16.4%
マーケティングプラットフォーム事業1,193,124千円1,324,747千円11.0%
調整額△950千円-千円-
3,528,047千円4,331,758千円22.8%

(注)売上高にはセグメント間の取引を含みます。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,266,963千円(前年同期比80.3%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、760,857千円(前年同期比168.1%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益597,097千円、減価償却費180,967千円、賞与引当金の増加51,609千円、未払金の増加49,303千円、法人税等の還付額43,254千円が計上された一方で、売上債権の増加258,562千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、151,475千円(前年同期比6.9%増)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出109,249千円、有形固定資産の取得による支出42,385千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、45,046千円(前年同期比59.7%増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出45,000千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ。)は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年 7月 1日
至 平成30年 6月30日)
金額(千円)前年同期比(%)
アナリティクス事業1,599,84542.0
ソリューション事業1,407,16516.4
マーケティングプラットフォーム事業1,324,74711.0
調整額--
合計4,331,75822.8

(注)1 売上高にはセグメント間の取引を含みます。
2 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合がいずれも10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、連結会計年度末日における資産および負債の数値、連結会計期間に係る収益および費用に影響を及ぼすような仮定や見積もりを必要とします。これらの仮定や見積もりについては不確実性が存在するため、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、[第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)]に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、2,691,589千円となり、前連結会計年度末に比べ792,780千円増加しました。
流動資産の残高は、2,160,671千円となり、前連結会計年度末に比べ829,369千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加564,335千円、受取手形及び売掛金の増加258,562千円、繰延税金資産の増加35,378千円があった一方で、未収還付法人税等の減少42,687千円によるものであります。また、固定資産の残高は530,917千円となり、前連結会計年度末に比べ36,589千円減少しました。これは主に有形固定資産の増加1,668千円があった一方で、無形固定資産の減少39,534千円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、883,301千円となり、前連結会計年度末に比べ386,497千円増加しました。
流動負債の残高は、827,042千円となり、前連結会計年度末に比べ406,194千円増加しました。これは主に未払法人税等の増加265,909千円、未払金の増加55,424千円、賞与引当金の増加51,609千円、流動負債その他の増加44,626千円があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少30,000千円によるものであります。また、固定負債の残高は56,259千円となり、前連結会計年度末に比べ19,696千円減少しました。これは主に長期借入金の減少15,000千円、固定負債その他の減少5,011千円によるものであります。
純資産合計は、1,808,287千円となり、前連結会計年度末に比べ406,282千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加406,823千円によるものであります。この結果、自己資本比率は67.0%となりました。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、効率的な案件獲得と実行がなされるとともに、成長する市場での激しい採用競争における増員目標未達により人材関連費用が当初想定額を下回ることなどがあり、期初予想を大きく上回る利益達成となりました。目標未達とはいえ40名超の増員を実現し、かつ売上高の成長だけでなく、利益率を前年度に比べて大きく改善したことは、当社グループの事業運営への安心感および市場における存在感の維持・拡大をもたらすものであると考えております。もっとも、採用を含む人事関連施策については、より一層の拡充の必要性を認識いたしました。
今後の当社グループの経営成績に重大な影響を与え得る要因としては、当社取扱製品の競争力低下や、人材の流出などがあると考えております。
ソリューション事業およびマーケティングプラットフォーム事業において、取扱製品の競争力が低下した場合には、新規案件の獲得上の問題だけでなく、既存案件の契約更新拒絶や解約等に及ぶ可能性もあり、経営成績に重大な影響を与えることとなります。
また、人材を大きな資産として事業運営を行っている当社グループにおいては、当社グループからの集団的な引抜き等、多数の人材流出が起きた場合には、案件の獲得および実行が困難になるだけでなく、人材市場における当社グループの評判の低下により、新たな人材獲得への障害となる可能性があります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、キャッシュ・フロー創出力の高い事業の安定的な成長により資金需要をまかなっておりますが、急成長する市場における機動的な他社との提携や買収案件に対応するための資金を確保するためにも、流動性の高い資金を比較的厚めに保持することとしております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの3事業ともに市場の伸びが大きい領域と想定しているため、事業規模の拡大を示す売上高と、事業規模の拡大に必須となる組織規模の拡大を示す従業員数を重要な指標としたうえで、事業の収益力を示すものとして経常利益を重視しております。また、資本効率の観点からROEも考慮しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(アナリティクス事業)
アナリティクス事業は、他セグメントおよび本社部門からの人員異動と新卒や中途人材の戦力化等により売上高および利益の拡大を目指し、また顧客企業の経営全体や事業全体に関わる案件も増加したため、前期比42.0%増の売上成長を実現しております。AI領域を中心としたデータ活用市場の急拡大により、AI領域での先進的な取組みも実現するとともに、案件の大型化および長期化を背景に効率的な案件獲得と案件実行を実現したため、利益面でも売上高の拡大以上となる前期比56.1%増の成長となりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、特殊な大型案件に依存することない持続的な成長および利益確保を目指し、これを実現することができました。まず売上面では、ストック型商材のライセンス販売やデータ分析環境構築に伴う開発案件の受注、分析ソフトウェアを活用した分析・利活用の支援案件もあり、前期比16.4%増の成長となりました。利益面でも、売上伸張の影響に加え、これまでに採用した人材の戦力化とその戦略化人材を活用した分析・利活用の支援案件の増加もあり、前期比で利益倍増に迫る94.1%増の大きな成長を実現することができました。
(マーケティングプラットフォーム事業)
マーケティングプラットフォーム事業は、月額サービス利用料等のストック型売上高の継続的な拡大を狙い、第1四半期から第3四半期までは連続増収となりましたが、第4四半期においては中規模解約の影響があり、減収となりました。そのため、売上高が前期比11.0%増の伸びに留まりましたが、ストック型売上高の増加は利益額への貢献が大きいため、運用サポート人員の増加や新製品の開発投資があるなかでも、利益面では売上高以上の前期比21.9%増となりました。主力の「Rtoaster」が属するDMP市場の競争激化および同領域の製品を採用済または採用検討を行う企業層のすそ野の広がりからも、本事業における競争力維持のためには、新商品の投入や契約獲得・継続のためのサポートコストの増加が必要な状況であると認識しております。

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