有価証券報告書-第17期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/31 15:20
【資料】
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【項目】
138項目
⑳ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当社の長期借入金及び連結子会社の転換社債型新株予約権付社債の期限の利益に係る財務制限条項等に抵触していたこと等により、前連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していましたが、2021年9月に子会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)株式の一部売却をした資金で財務制限条項に抵触していた長期借入金を全額返済した結果、当社の長期借入金に係る財務制限条項に抵触している状態は解消されています。当社グループは、当連結会計年度に営業損益が黒字転換し、営業活動によるキャッシュ・フローのプラスを計上しましたが、当社は継続して営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、債務の支払いに懸念が生じているため、連結子会社を含めた資金繰りを考慮する必要があります。WCPは、韓国証券市場であるKOSDAQ(コスダック)市場への株式上場準備中であるため、子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、WSK)を含めた第三者から資金調達を実施する必要がありますが、WSKは前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても営業損失を計上しています。これらの状況から、当連結会計年度末においても継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。
当社グループはこのような事象又は状況を解消すべく、顧客との長期供給量の合意に基づくハイエンド車載用電池向け等の出荷拡大により売上を拡大しており、また、WCPの新設大型成膜ラインの稼働によりWSKで生産していた製品をWCPの新設ラインでの製造にシフトして生産品目の切替を行い、生産の最適化を実現してコスト低減を促進した結果、WSKは第4四半期連結会計期間において営業損益が黒字転換しております。当社グループは、翌連結会計年度以降も引き続き、長期供給合意を締結している顧客を中心に売上の拡大を図るとともに生産の最適化を実現して、継続的な利益の創出に取り組んでまいります。その結果、2022年2月14日付の決算短信で公表した翌連結会計年度の連結業績予想である売上38,000百万円、営業利益5,000百万円及び経常利益4,000百万円の達成可能性は高いと判断しております。また資金面では、WCPが2022年2月に韓国証券市場であるKOSDAQ(コスダック)市場への株式上場を申請しており、WCPから当社に対する直接の貸付が困難であるため、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)に記載のとおり、2022年2月に金融機関から200百万円の資金調達を行うこと、また第4四半期連結会計期間より営業損益が黒字転換したWSKの資金を利用しながら、当社の運転資金を賄う計画です。
以上の当社グループによる対応策の結果、当社の資金繰りは改善し、当面の間の運転資金が充分に賄える状況となったことから、当社グループには継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在するものの、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。