有価証券報告書-第109期(2022/04/01-2023/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、積極的な素材R&Dの推進と設計技術力の高度化を図り、業界トップクラスの高い技術力を維持・強化してまいります。また、品質を維持しつつも絶えず改善活動を行い、かつ、顧客ニーズに即時対応する体制を構築することで顧客満足度の向上を追求していきます。
製造リードタイムの短縮や在庫効率化を図る観点から、また、各国固有のローカルリスクを低減する観点から合理的な生産移管を計画的に実行することでグローバル供給体制の最適化を推進します。
これら事業を行うにあたり、以下の経営理念等に基づき、経営諸活動を遂行しております。
(経営理念)
「みんなの努力で企業の繁栄と生活の向上を結びつけよう」
当社グループは、社会にとって真に有用な存在でありたいと考えています。
(企業理念)
「革新的なサーミスタで地球環境、快適な暮らしに貢献」
当社グループは、革新的で高品質なサーミスタを通じて地球環境と人々の快適な暮らしに貢献し、世界中で信頼される企業を目指します。
(社是)
「挑戦」
当社グループは、お客様の課題と真摯に向き合い、市場のニーズに応えるために最先端の技術開発に"挑戦"し
続けてきました。今後もサーミスタ温度センサにおけるベストソリューションを提供することで、お客様からの
信頼を高めるとともに、社会の発展と地球環境保護に貢献し続けていきます。
(企業行動憲章)
1.法及びその精神の遵守
すべての企業活動において、法令、社会規範、社内規則の遵守を徹底し、違法行為や規則違反行為には厳
正な姿勢で臨みます。
2.公正で明るい職場作り
当社で働くすべての人々がチームワークに立脚しつつ、個人として社会的良識をもった行動を実践するこ
とを奨励し、公正で明るい職場を作ります。
3.社会と調和のとれた持続的な成長
お客様や社会に有用で高品質な製品を開発し提供することで、社会と調和のとれた持続的な成長を目指し
ます。
(2)経営戦略等
中期的には、「事業3本柱」の強化を推し進めます。
自動車部品事業においては、カーボンニュートラルやRoHS規制等を踏まえ、地球環境に対応した製品開発を重視します。特に電動車領域(二次電池、モーター、熱マネジメント等)の分野を強化し、同時に低コスト化にも取り組むことで市場シェアを拡大していきます。2019年度に二次電池用量産ラインが完成して稼働を始めており、今後は一層の拡販に注力してまいります。既存品(クーラント、カーエアコン等)については、高品質を強みとしつつ、価格競争力を一層向上させることで、更なるシェア拡大に努めてまいります。
空調・カスタム部品事業では、原価低減を実現したVE品(ValueEngineering、製品の機能価値を低下させずにコストダウンを実現するための手法)の拡販を進めております。この競争力のある製品を武器に国内顧客のシェア拡大、及び、東南アジアを中心に新規案件を獲得してグローバルでのシェアの拡大を目指します。更に、近年は環境意識の高まりからヒートポンプの需要増加が顕著となっており、市場拡大の機会を逃さず受注獲得に努めてまいります。
また、カスタム部品市場においては、需要が回復基調に転じており、顧客ニーズを的確に捉えてシェア拡大を目指すと共に、新規顧客の開拓に注力します。
エレメント部品事業においては、光通信用の新規取引先の開拓及び既存取引先における当社のシェアアップに注力した結果、売上が伸長しております。当連結会計年度においては従来の基地局用に加え、FTTx(個人宅用、ビル・集合住宅用等)の受注が増加しました。今後も市場拡大が見込まれることから、当該分野におけるシェア拡大に向けて取り組んでまいります。その他の既存品領域では受注が不安定な側面がありますが、生産効率や物流コスト低減を総合的に加味した「グローバル生産体制」の再構築を進めることで価格競争力の強化および顧客ニーズの早期把握に努めております。
(3)目標とする経営指標等
カーボンニュートラル等の環境対策及び5G普及などの社会インフラの変化に速やかに対応することで成長を実現し、同時に自動化・合理化の一層の強化により利益体質に変革することを目指しております。これらの成果を図る指標として「売上高営業利益率」が8%を上回ることを主要な経営指標として取り組んでおります。
その他の経営指標としては、自己資本比率を重視しております。また、将来の事業計画の実現や環境変化への備えのための資金を確保しつつ、安定配当の継続に努めてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
①経営環境
当連結会計年度の世界経済及び我が国経済は、COVID-19による経済活動への影響から徐々に回復し、地域によっては市場需要の顕著な回復も見られました。一方、半導体不足に伴う車両メーカーの生産調整や中国経済の年度後半での停滞、原材料やエネルギー価格の高騰が影響しました。
自動車部品事業はEV化推進の時流を受け電動化領域は増収となったものの、半導体不足による車両減産が大きく影響し、全体では前期比で減収となりました。空調・カスタム部品事業は中国やASEAN地区での需要回復により堅調に推移し、当連結会計年度後半で中国市場の停滞の影響はあったものの前期比で増収となりました。
その結果、前連結会計年度比では増収となったものの、材料価格やエネルギー価格の高騰などの影響もあり減益となりました。
②対処すべき課題
当社グループは2022年3月期を始期、2024年3月期を終期とする中期事業計画(“挑戦2023”)を推進しております。COVID-19による世界経済の混乱は消費者行動に多大な影響を与えたことに止まらず、流通の混乱や原材料価格の高騰、半導体不足など様々な問題を引き起こしております。このような経営環境の厳しさが増す中、“挑戦2023”の下、経営体質および競争力の強化を実現すべく、事業活動に取り組んでまいります。
具体的な取り組み内容は以下のとおりです。
a. 事業の成長・拡大
・親会社である株式会社フェローテックホールディングスとの協業により、新たな製品、技術及び事業分野の創出や同社が保有する中国市場での販売・マーケティングに係る経営資源を活用することで販売チャネルの拡大に努めてまいります。
・自動車部品事業:カーボンニュートラル社会の到来を見据えて電動化領域において、二次電池、ヒートポンプ、モーター用センサ分野を強化いたします。高品質かつ価格競争力のある製品の開発を推し進めるとともに、営業活動を強化いたします。
・空調・カスタム部品事業:主要取引先との良好な関係をさらに発展させるとともに、価格競争力を高めた空調用VE製品の拡販によりASEAN地区を中心にグローバルでのシェアアップを図ります。
・エレメント部品事業:有望な成長市場である光通信用サーミスタの開発及び拡販に注力し、当社シェアを確保しつつ、その向上に努めてまいります。
b. 競争力の向上
・製造現場における工程改善を積み重ねるとともに、品質向上とコスト低減を図るべく全工程を対象として合理化・自動化のための設備導入を進めてまいります。
・グループ全体の最適化の観点から、生産効率の向上、原材料・資材の安定調達、物流コストの低減を図ってまいります。
・原材料やエネルギーコストが高騰する中、仕入先や購入ロットの見直しおよび効率的な稼働体制の構築に努めることで原価低減を実現してまいります。
・生産性向上に向けたコスト管理を強化するため、受注・生産・販売等の活動を一元管理できるデジタル化投資を進めてまいります。また、同時に情報セキュリティの強化にも取り組んでまいります。
c. 組織・人材力の強化
・持続可能な組織体制の構築のため、人材確保と育成に努めてまいります。
COVID-19や地政学リスク(ウクライナ情勢)などの不確定要素が内在した経営環境下ではありますが、中期事業計画(“挑戦2023”)に掲げる方針に従って、ステークホルダーと良好な関係を構築しつつ、事業を推進し、安定した株主配当の継続を目指してまいります。