有価証券報告書-第32期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/31 15:00
【資料】
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【項目】
166項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、めまぐるしく変化する経営環境において、企業が安定した成長・発展を遂げていくためには、経営の効率性と健全性を高めるとともに、公正で透明度の高い経営体制を構築していくことが不可欠であるとの観点から、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題と位置づけております。
また、今後も社会環境の変化や法令等の施行に応じて、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めるため必要な見直しを行ってまいる方針であります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は取締役会設置会社及び監査役会設置会社であります。取締役会は、当社の重要な業務執行の意思決定や取締役の業務執行の監督を行います。代表取締役会長兼社長である西江肇司が議長を務め、社内取締役4名、社外取締役5名の9名体制で構成されております。取締役会の構成員については、後述の(2)役員の状況の①役員一覧をご参照ください。監査役会は、取締役会から独立した機関として取締役の業務執行の監視を行うものです。常勤監査役である森和虎が議長を務め、社内監査役1名、社外監査役2名の3名体制で構成されております。監査役会の構成員については、後述の(2)役員の状況の①役員一覧をご参照ください。
監査役は取締役会に常時出席し、活発な意見交換を行うことにより、取締役の職務執行に対する監督機能を発揮しております。また、当社の常勤監査役についてはグループ全体の業務監査も行っており、重要な社内稟議のモニタリング等に取り組んでおります。
さらに、代表取締役直轄の内部監査室を設置し、経営に対する監督の強化を図っております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は以下のとおりであります。
0104010_001.pngロ.当該体制を採用する理由
当社は取締役会と監査役・監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会では毎回活発な議論が行われています。取締役会及び監査役会はいずれも過半数を社外役員で構成されており、より独立した立場から経営に対する監督牽制機能の強化を図っています。また、監査役会は適宜会計監査人、内部監査室と連携することで機動的な監査を可能としております。以上により、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保できると判断し、現在の体制を選択しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社では、会社法及び会社法施行規則に基づき、業務の適正性を確保するための体制整備の基本方針として、以下のように内部統制システム整備の基本方針を定めております。
ⅰ.ベクトルグループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)当社は、ベクトルグループの役職員の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するため「ベクトルグループコンプライアンスポリシー」を制定し、ベクトルグループ各社の取締役は自らこれを遵守するとともに、ベクトルグループ各社の代表取締役は、その精神を使用人に反復伝達します。
(2)当社は、監査役監査規程及び内部監査規程により、監査役監査及び内部監査の対象をベクトルグループ全社と定め、ベクトルグループ全体の法令及び定款の適合性評価を行っております。
(3)当社は、コンプライアンス・リスク管理委員会、稟議制度、契約書類の法務審査制度、内部監査及び法律顧問による助言等の諸制度を柱とするコンプライアンス体制を構築し、ベクトルグループの取締役及び使用人の職務の執行が、法令及び定款に適合することを確保しております。
ⅱ.取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)情報セキュリティについては「情報セキュリティ基本規程」に基づき、情報セキュリティに関する責任体制を明確化し、情報セキュリティの維持・向上のための施策を継続的に実施する情報セキュリティマネジメントシステムを確立します。情報セキュリティに関する具体的施策については、「情報セキュリティ委員会」で審議し、ベクトルグループで横断的に推進します。
(2)取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理については、文書管理規程、個人情報管理基本規程、インサイダー取引防止に関する規程等の社内規程に基づき、文書又は電磁的媒体に記録し、適切に保存及び管理します。
ⅲ.ベクトルグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)当社は「ベクトルグループコンプライアンスポリシー」を上位規範として、「コンプライアンス・リスク管理委員会」及び「事故・不祥事等対応規程」をベクトルグループ各社に準用し、ベクトルグループ全体における潜在的リスクの早期発見及び事故・不祥事等に対する迅速かつ適切な措置を講ずる体制を構築しております。
(2)当社は、ベクトルグループにおける防災計画の立案及び防災体制の整備等、防災全般に関する諸事情の構築を推進すべく、事業継続計画を制定し、災害発生時の対応体制等を確立することにより、災害による人的・物的被害を予防、軽減しております。
(3)当社は、監査役監査規程及び内部監査規程により監査役監査及び内部監査の対象をベクトルグループ全社とし、ベクトルグループ全体のリスク管理状況の監査、有効性評価を行っております。
ⅳ.ベクトルグループの取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当社は、原則として毎月1回取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、機動的な意思決定を行っております。
(2)当社は、ベクトルグループ各社毎に組織規程及び職務権限規程を制定させ、ベクトルグループの取締役の担当職務、取締役・使用人等の役割分担、業務分掌、指揮命令関係等を明確化しております。また、稟議システムを整備し、機動的な意思決定を図っております。
(3)当社は、ベクトルグループ各社の取締役等に対し、週1回、各種経営に関する重要な会議に出席させて情報共有を行い、グループ間で相互に緊密に連携しております。
ⅴ.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制、及び子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
(1)当社は「ベクトルグループコンプライアンスポリシー」を通じて、子会社の遵法体制その他業務の適正を確保するための体制の整備に関する指導及び支援を行っております。
(2)ベクトルグループの経営課題に対する共通認識を持ち、グループ企業価値最大化に向けた経営を行うため、関係会社管理規程により、原則として子会社各社に当社取締役を派遣する体制を採っております。
(3)ベクトルグループの総合的かつ健全な発展を図り、業務の適正を確保するために、関係会社管理規程及び職務権限規程を制定し、子会社の事業運営に関する重要な事項については当社の承認を必要とすることとしております。
(4)当社は、当社が定める関係会社管理規程に基づき、子会社の経営内容及び事業活動を適時に的確に把握するため、必要に応じて関係資料等の提出あるいは報告を求めることとしております。
ⅵ.監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制(使用人の取締役からの独立性及び監査役からの指示の実効性の確保に関する事項を含みます)
監査役会からその職務を補助すべき使用人を置くことの求めがあった場合は、可及的速やかに適切な使用人を監査役付として配置致します。取締役からの独立性を強化するため、監査役を補助すべき使用人の業績考課、人事異動、賞罰の決定については事前に監査役の同意を得なければならないものとします。また、当社は、監査役を補助すべき使用人に関し、監査役の指揮命令に従う旨を役員及び使用人に周知徹底します。
ⅶ.取締役及び使用人等が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制(監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制を含みます)
(1)当社は、ベクトルグループにおいて、取締役会のほか、その他重要会議体への監査役の出席を確保するとともに、業績等会社の業務の状況を担当部門により監査役へ定期的に報告します。
(2)当社は、監査役監査規程により、監査役が何時でもベクトルグループ各社の取締役及び従業員に対して営業の報告を求め、会社の業務及び財産の状況を調査することができる体制を確保するとともに、ベクトルグループ各社の取締役及び従業員が会社に著しく損害を及ぼす恐れのある事実を発見したときは、直ちに当社の監査役に報告をしなければならないものとしております。
(3)当社の監査役会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査実施状況等について情報交換及び協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行っております。
(4)当社は、関係会社管理規程、コンプライアンス・リスク管理規程、事故不祥事対応規程により、ベクトルグループ全体として適正な報告がなされるよう体制を整備しています。また、通常の報告体制とは別に所属部署の所属長や管理役職者を通さないコンプライアンス内部通報窓口を設け、報告による不利益的扱いを禁止する規程を整備するなど、報告者に不利な取り扱いがなされないことを確保する体制の整備に努めております。
ⅷ.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制(当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項を含みます)
(1)当社の代表取締役は、監査役会と定期的に情報交換を行うものとし、ベクトルグループの経営の状況に関する情報の共有化を図っております。
(2)当社の監査役より稟議書その他の重要文書の閲覧の要請がある場合は、当該要請に基づき、担当部門が直接対応し、その詳細につき報告を行います。
(3)当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理にあたっては、他部門の干渉を受けないものとし、当社は、監査役との協議により、速やかに当該費用又は債務を処理するものとします。
ⅸ.財務報告の信頼性を確保するための体制
(1)ベクトルグループの財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法その他適用のある国内外の法令に基づき、評価、維持、改善等を行います。
(2)当社の各部門及び当社子会社は、自らの業務の遂行にあたり、職務分離による牽制、日常的モニタリングを実施し、財務報告の適正性の確保に努めます。
ⅹ.反社会的勢力を排除する管理体制
当社は「ベクトルグループコンプライアンスポリシー」において、反社会的勢力との関係を持たないこと、および会社の利益あるいは自己保身のために、反社会的勢力を利用しないことを基本方針としております。
また、反社会的勢力から不当要求を受けた場合には、組織全体で毅然とした態度で臨み、反社会的勢力による被害の防止に努めております。
具体的な対応方法としては、「反社会的勢力対応マニュアル」を制定し、上記基本方針を明示するとともに、排除体制並びに対応方法を定め、また、社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会にも加入し、万一に備えて関係強化および情報収集に努めております。
今後も所管警察署並びに関係団体と連絡を密にして情報収集に努め、反社会的勢力の事前排除ができる体制作りを進めていくとともに、社内研修等においてマニュアルで定めた内容等の周知徹底を図り、実効性をもって運用できるよう、社員教育に努めてまいります。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制については、法的リスクへの効率的対応を図るため、コンプライアンス等に関するリスク情報を当社経営管理本部に集約するとともに、管理部あるいは内部監査室と協議・検討を交える体制を整備しております。このほか、法律顧問である潮見坂綜合法律事務所から重要な契約内容等法律問題に関する助言を適時受けております。
当社グループ会社のリスク管理についても、当社取締役がグループ子会社の取締役を兼任することでグループ内の情報共有を図り、リスク情報の一元的管理を進めております。
ハ.社外取締役及び社外監査役との責任限定契約
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
ニ.役員との役員等損害賠償責任保険契約
当社は、保険会社との間で役員等賠償責任保険契約を締結しており、被保険者である役員がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求をうけることによって生ずることのある損害を当該保険契約によって填補することとしております。
ホ.取締役の定数・任期
当社の取締役は10名以内とする旨、取締役の任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする旨を定款で定めております。
ヘ.取締役の選任の要件
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席しその議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議は累積投票によらない旨を定款で定めております。
ト.自己株式取得に関する条件
当社は、経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
チ.中間配当に関する事項
当社は、株主の便宜を図るため、取締役会の決議によって、毎年8月31日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款で定めております。
リ.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。
ヌ. 取締役会の活動状況
ⅰ.当社は、当事業年度において取締役会を21回開催しており、個々の取締役の出席の状況は以下のとおりです。
役職名氏名出席状況
代表取締役会長兼社長西江 肇司21回/21回(100%)
取締役副社長グループCOO長谷川 創21回/21回(100%)
取締役副社長吉柳 さおり21回/21回(100%)
取締役CFO後藤 洋介21回/21回(100%)
取締役西木 隆21回/21回(100%)
取締役松田 公太21回/21回(100%)
取締役富村 隆一21回/21回(100%)
取締役那珂 通雅21回/21回(100%)
常勤監査役森 和虎21回/21回(100%)
監査役玄 君先21回/21回(100%)
監査役柳沼 賢司21回/21回(100%)

ⅱ.取締役会における具体的な検討内容は以下のとおりです。
(1)当社及び当社グループ会社の経営全般に関する事項
(2)当社及び当社グループ会社の取締役、監査役、グループ執行役員等の人事に関する事項
(3)投資・M&Aの実行に関する事項
(4)内部統制・リスクコンプライアンスに関する事項
(5)決算・財務に関する事項
(6)社内規程等の改廃に関する事項
(7)その他法令・定款・社内規程に定める事項