有価証券報告書-第17期(令和1年12月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/25 15:52
【資料】
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【項目】
157項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「暮らしを豊かに」をテーマに、お客様に「安心・安全・快適・便利」な生活や事業を支援する商品やサービスの提供を行っております。
これまでのサービスに満足することなく、社会環境の変化を受け止め、人と社会に役立つサービスの提供及び向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、住居等物件提供者の業務負荷軽減に寄与し、且つ住居等物件利用者の「安心・安全・快適・便利」な生活を支援するサービス提供を行っております。
2019年11月期より、当社グループは今までの多角経営方針を見直し、主力事業である住生活関連総合アウトソーシング事業と決済ソリューション事業に経営資本を集中しております。これら主力事業で提供する会員制緊急駆けつけサービス、コールセンターサービス及び決済ソリューション事業における家賃収納代行サービス等は、主な流通チャネルを不動産賃貸業界(不動産賃貸仲介会社・不動産管理会社・不動産オーナー)としております。住宅設備に特化したコールセンターや家賃の決済システム等これまでの不動産賃貸業界へのサービス展開で培ったノウハウを活かし、新しいマーケットへのサービス展開を進めております。
また、社会環境の変化に合わせた事業展開や、お客様のサービスに対するニーズの多様化にあわせた主力事業とのシナジーを踏まえた新規事業・サービスの開発を進めてまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは経営指標として「売上高」と「経常利益」を重視し、更にこの売上高と経常利益をベースとする経営分析指標として「売上高成長率」及び「経常利益成長率」を注視し、企業価値の向上を目指しております。
なお、前連結会計年度において、目標とする経営指標に「自己資本比率の向上」を設けていましたが、当連結会計年度において第三者割当増資を実行したことにより、自己資本の充実化を達成いたしましたので、当面の間は目標とする経営指標としないことといたしました。
2021年9月期については、2020年11月11日付「2020年9月期決算短信」にて公表したとおり、売上高4,892百万円、経常利益709百万円を見込んでいます。売上高成長率及び経常利益成長率については、当連結会計年度については、2019年12月1日から2020年9月30日までの10か月の変則決算であるため、目標数値は設けておりません。
なお、具体的な取組みにつきましては、「(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(4)経営環境
当社グループの主力事業の市場である不動産業界は、依然として良好な市場環境が続いております。しかし、分譲住宅の販売が価格高騰で伸び悩んでいるほか、貸家の建設需要がピークアウトするなど、先行きに不透明感が出始めております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2019年5月30日付にて公表いたしました「改善状況報告書」に記載のとおり、2018年11月16日付にて公表いたしました「改善報告書」に記載の改善措置を継続的に講じるとともに、当社グループの継続的な発展と経営基盤の強化を図るため、また当社グループを取り巻く不動産・住宅業界の変化、お客様のニーズの多様化への対応に向け、以下の項目を課題と認識し、持続的かつ健全な成長を達成するため重点的に取り組んでまいります。
① コーポレート・ガバナンス体制及びコンプライアンス・リスク管理体制の強化
当社は、過去に過年度の不適切な会計処理に係る第三者委員会の調査報告書の内容を踏まえ過年度決算訂正を行ったことを真摯に受け止め、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上をめざし、経営の透明性・客観性の確保のためコーポレート・ガバナンス体制の強化が重要な課題であると認識しております。
そのため、取締役会を含めた社内機関の体制を見直し、経営の意思決定の迅速化及び機動的な業務執行の実現を図るとともに、経営の監督機能と業務執行機能を分離することで、経営の透明性・客観性の向上を図ってまいります。
また、コンプライアンス委員会の実効性を確保し、リスク管理を実施する管理部門の人員を強化することでグループ全体のコンプライアンス体制の強化及びリスクマネジメント体制の強化を図ってまいります。
② 多角経営方針の見直し
当社グループは、上場以来、比較的短期間に新規事業を多く展開してまいりましたが、当該事業展開の速度に、適切な会計処理を遂行できる人材確保が追いついておりませんでした。このような状況に鑑み、近年の新規事業や不採算事業を整理し、経営資源を継続的・安定的に成長を遂げてきた中核事業に集中し、経営基盤の強化を図ってまいりました。
今後におきましても、当社グループの得意分野や重要・重点顧客ビジネスをさらに強固なものとするため、過去のような多角的な事業推進は行わず、収益性向上のための既存事業の生産性改革や、主力事業とのシナジーを踏まえた新規事業・サービスの開発を進めてまいります。
③ 人材確保、人材育成による組織の強化
内部管理体制の強化、事業環境の変化及び多様化する顧客ニーズへの対応には「人」の確保、成長が不可欠であると考えております。高い専門性を有する人材、有能な人材であることに加え、企業倫理・モラルへの意識が高い人材の採用に向け積極的な活動を行ってまいります。
また、社員育成・定着率向上を目的に、研修制度の拡充、評価制度の整備をはじめ従業員のモチベーションを維持向上させる仕組みづくりに継続的に取り組み、推進してまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループが持続的に企業価値を向上していくためには、内部管理体制の充実と強化が必要です。グループ社内の各部署の業務手順やシステムの適合性、部署間の連携を再点検し、様々なリスクに対して内部牽制機能が十分に備わった体制を構築します。また、必要に応じて新しいシステムの構築も行ってまいります。
⑤ 個人情報保護と情報セキュリティの強化
当社グループの事業は多くの個人情報を取り扱っており、これらは事業上重要な資産の一つとして認識しております。その保護管理体制構築に向け、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの強化・維持向上を努めることで、引き続き情報管理体制の強化を図ってまいります。
また、適切な設備投資を行うことでこれら情報を取り扱うシステムのセキュリティの安定性の確保に取り組み、適切な管理ができる体制整備を継続的に行ってまいります。