有価証券報告書-第79期(2023/06/01-2024/05/31)
②戦略
気候変動によるリスクと機会の特定にあたり、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の4事業のバリューチェーン全体を対象として、TCFDフレームワークに沿って整理し、重要性の評価を行いました。次に国際機関などが公表している外部シナリオをもとに、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの将来世界観を描き、2030年時点における考慮すべき外部環境変化のシナリオを策定し、リスクと機会を特定いたしました。また、発生時期、事業収益にもたらす影響の大きさにより、大中小の3段階で分類いたしました。
■1.5℃シナリオ
発生時期:短期2022年~2024年(中期経営計画)、中期2025年~2030年(VISION2030)、長期2031年~2050年(サステナビリティビジョン2050)
(注)1.影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
2.定量化に必要なパラメータ不足により、財務影響は非算出のため影響度は記載しておりません。
■4℃シナリオ
発生時期:短期2022年~2024年(中期経営計画)、中期2025年~2030年(VISION2030)、長期2031年~2050年(サステナビリティビジョン2050)
(注)影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
<影響度の大きいリスクと機会への対応状況>a.温室効果ガス排出量削減の取り組み
当連結会計年度は、当社グループ全体のScope1・2・3を算定することで、製品の主原料であるアルミニウムに関する温室効果ガスの排出量が多いことを把握いたしました。当社グループの温室効果ガス全排出量に占めるScope3の割合は90%超(2022年度実績)で、その多くが製品の主原料であるアルミニウムに関するものとなっております。アルミニウムは、調達や製造時に多くのエネルギーを使用し温室効果ガスを多く排出するため、リサイクルを進めることで、このエネルギーを抑制することができます。このことから建材向けアルミリサイクル率を高める目標を当連結会計年度に決定しており、温室効果ガスの排出削減と関連性が高いアルミリサイクルを進めることで、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減につなげてまいります。
また、日本やドイツの拠点でのCO2フリー電力の導入やタイの工場への太陽光発電の導入、照明のLED化などの設備更新、バッテリー式フォークリフトの導入などの具体的な削減計画を策定し、実行しております。日本国内においては、2022年6月に4工場、2023年6月に2工場をCO2フリー電力に切り替えており、6工場で年間約14,000トンの温室効果ガス排出量を削減しております。2024年6月には、高岡工場と奈呉工場の2工場をCO2フリー電力へ切り替えるなど、今後も温室効果ガス削減施策を実施してまいります。
b.リサイクルアルミの使用促進の取り組み
循環経済への移行を促進するため、リサイクルアルミの使用促進に取り組んでおり、当連結会計年度には、2030年度に建材向けアルミリサイクル率80%とする目標を設定いたしました。主要原材料であるアルミニウムのスクラップを再利用し、リサイクルを促進することで、資源の循環だけでなく、当社グループの温室効果ガス排出量(Scope3カテゴリー1)の削減と、低炭素商品の需要に対応してまいります。
また、リサイクル率向上の施策として、「スクラップの安定確保」「溶解能力の強化」「技術開発」に取り組んでおります。
・スクラップの安定確保
取引先やサプライチェーンとの連携した取り組みを進め、アルミスクラップの安定した調達を目指してまいります。
・溶解設備の増強
低炭素材商品のニーズの高まりを受け、リサイクル率の高い商品の提供を実現するため、当連結会計年度にスクラップ溶解炉の増強に20億円の設備投資を決定し、リサイクル材の使用促進を進めてまいります。
・技術開発
2022年8月に、国立大学法人富山大学等と共同で先進軽金属材料国際研究機構(注)に共同研究講座を設置いたしました。アルミスクラップの不純物制御に関する研究や超高強度アルミ合金の押出加工・熱プロセスに関する研究等を行い、資源循環に欠かせないリサイクル技術の構築を進めてまいります。
(注)2021年に日本初の軽金属国際研究教育拠点の構築を目的に国立大学法人熊本大学と国立大学法人富
山大学が連携し設置した研究機構。文部科学大臣から共同利用・共同研究拠点として認定。
気候変動によるリスクと機会の特定にあたり、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の4事業のバリューチェーン全体を対象として、TCFDフレームワークに沿って整理し、重要性の評価を行いました。次に国際機関などが公表している外部シナリオをもとに、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの将来世界観を描き、2030年時点における考慮すべき外部環境変化のシナリオを策定し、リスクと機会を特定いたしました。また、発生時期、事業収益にもたらす影響の大きさにより、大中小の3段階で分類いたしました。
■1.5℃シナリオ
| 環境政策及び規制が強化され、カーボンプライシングが導入される。再生可能エネルギー導入や低炭素技術、環境配慮商品供給への投資が要求されるため、エネルギー調達コストや原材料調達コストが増大する。一方、市場では脱炭素関連商材の需要が増加し、環境配慮商品へのシフトが大きく進む。再エネ、省エネに関する技術革新も進展する。 参考シナリオ:IEA(国際エネルギー機関)ネットゼロ排出シナリオ |
| リスク / 機会 | インパクト | 事業に及ぼす影響 | 発生 時期 | 影響度 | |||
| 建材 事業 | マテリアル 事業 | 商業 施設 事業 | 国際 事業 | ||||
| 移行 リスク | 炭素税の導入 | 炭素税の導入による 操業コスト増加 | 中~ 長期 | 大(注)1 | |||
| 原材料への価格転嫁 | アルミ地金の 調達コスト増加 | 中~ 長期 | 大(注)1 | ||||
| ゼロカーボン対応の 建築基準法の施行 | カーボンフットプリント の削減要求を充足できず 販売機会を損失 | 中~ 長期 | 小 | 小 | - | - | |
| リサイクルアルミの 需要の増加 | 溶解炉ライン構想の 見直し費用の発生 | 中~ 長期 | 中 | ||||
| 機会 | 断熱性向上のための リフォーム需要の増加 | 高断熱商品の需要の増加 | 短~ 長期 | 中 | - | - | - |
| リサイクルアルミの 需要の増加 | リサイクルアルミを 使用した商品の需要の増加 | 中~ 長期 | (注)2 | - | (注)2 | ||
発生時期:短期2022年~2024年(中期経営計画)、中期2025年~2030年(VISION2030)、長期2031年~2050年(サステナビリティビジョン2050)
(注)1.影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
2.定量化に必要なパラメータ不足により、財務影響は非算出のため影響度は記載しておりません。
■4℃シナリオ
| 環境政策及び規制の強化は先延ばしされ、温室効果ガス排出量の削減は進まず、カーボンプライシングも導入されない。そのため、地球温暖化がさらに進行することで、異常気象による台風や洪水などの深刻化・激甚化が進み、工場やサプライチェーンの維持コストが増加する。また、ナショナリズムが台頭し、地政学リスクが増加する。一方、激甚災害への備えが必要なことから、防災商品の需要が増加する。 参考シナリオ:現行政策シナリオ(CPS)、SSP3 |
| リスク / 機会 | インパクト | 事業に及ぼす影響 | 発生 時期 | 影響度 | |||
| 建材 事業 | マテリアル 事業 | 商業 施設 事業 | 国際 事業 | ||||
| 物理 リスク | 異常気象の深刻化・激甚化(水害の発生) | 自社工場被災による 売上機会の喪失 | 短~ 長期 | 大(注) | |||
| 気候変動に起因する感染症の発生・増加 | 感染症対策による国内と 海外のサプライチェーン 寸断 | 短~ 長期 | - | - | 小 | - | |
| 機会 | 異常気象の深刻化・激甚化 | 防災関連商材の需要の増加 | 短~ 長期 | 中 | - | - | - |
発生時期:短期2022年~2024年(中期経営計画)、中期2025年~2030年(VISION2030)、長期2031年~2050年(サステナビリティビジョン2050)
(注)影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
<影響度の大きいリスクと機会への対応状況>a.温室効果ガス排出量削減の取り組み
当連結会計年度は、当社グループ全体のScope1・2・3を算定することで、製品の主原料であるアルミニウムに関する温室効果ガスの排出量が多いことを把握いたしました。当社グループの温室効果ガス全排出量に占めるScope3の割合は90%超(2022年度実績)で、その多くが製品の主原料であるアルミニウムに関するものとなっております。アルミニウムは、調達や製造時に多くのエネルギーを使用し温室効果ガスを多く排出するため、リサイクルを進めることで、このエネルギーを抑制することができます。このことから建材向けアルミリサイクル率を高める目標を当連結会計年度に決定しており、温室効果ガスの排出削減と関連性が高いアルミリサイクルを進めることで、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減につなげてまいります。
また、日本やドイツの拠点でのCO2フリー電力の導入やタイの工場への太陽光発電の導入、照明のLED化などの設備更新、バッテリー式フォークリフトの導入などの具体的な削減計画を策定し、実行しております。日本国内においては、2022年6月に4工場、2023年6月に2工場をCO2フリー電力に切り替えており、6工場で年間約14,000トンの温室効果ガス排出量を削減しております。2024年6月には、高岡工場と奈呉工場の2工場をCO2フリー電力へ切り替えるなど、今後も温室効果ガス削減施策を実施してまいります。
b.リサイクルアルミの使用促進の取り組み
循環経済への移行を促進するため、リサイクルアルミの使用促進に取り組んでおり、当連結会計年度には、2030年度に建材向けアルミリサイクル率80%とする目標を設定いたしました。主要原材料であるアルミニウムのスクラップを再利用し、リサイクルを促進することで、資源の循環だけでなく、当社グループの温室効果ガス排出量(Scope3カテゴリー1)の削減と、低炭素商品の需要に対応してまいります。
また、リサイクル率向上の施策として、「スクラップの安定確保」「溶解能力の強化」「技術開発」に取り組んでおります。
・スクラップの安定確保
取引先やサプライチェーンとの連携した取り組みを進め、アルミスクラップの安定した調達を目指してまいります。
・溶解設備の増強
低炭素材商品のニーズの高まりを受け、リサイクル率の高い商品の提供を実現するため、当連結会計年度にスクラップ溶解炉の増強に20億円の設備投資を決定し、リサイクル材の使用促進を進めてまいります。
・技術開発
2022年8月に、国立大学法人富山大学等と共同で先進軽金属材料国際研究機構(注)に共同研究講座を設置いたしました。アルミスクラップの不純物制御に関する研究や超高強度アルミ合金の押出加工・熱プロセスに関する研究等を行い、資源循環に欠かせないリサイクル技術の構築を進めてまいります。
(注)2021年に日本初の軽金属国際研究教育拠点の構築を目的に国立大学法人熊本大学と国立大学法人富
山大学が連携し設置した研究機構。文部科学大臣から共同利用・共同研究拠点として認定。