有価証券報告書-第80期(2024/06/01-2025/05/31)
②戦略
気候変動によるリスクと機会の特定にあたり、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の4事業のバリューチェーン全体を対象として、TCFDフレームワークに沿って整理し、重要性の評価を行いました。次に国際機関などが公表している外部シナリオをもとに、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの将来世界観を描き、2030年時点における考慮すべき外部環境変化のシナリオを策定し、リスクと機会を特定いたしました。また、発生時期、事業収益にもたらす影響の大きさにより、大中小の3段階で分類いたしました。
■1.5℃シナリオ
発生時期:短期 現在~3年、中期 3年~10年、長期 10年~30年
(注)1.影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
2.定量化に必要なパラメータ不足により、財務影響は非算出のため影響度は記載しておりません。
■4℃シナリオ
発生時期:短期 現在~3年、中期 3年~10年、長期 10年~30年
(注)影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
<影響度の大きいリスクと機会への対応状況>a.温室効果ガス排出量削減の取り組み
当社グループは、気候変動対応における2030年目標として、Scope1・2について2017年度比で50%削減、Scope3について2022年度比で25%削減を掲げております。一方、中期経営計画(2025年5月期〜2027年5月期)において、工場・設備の増強を計画しており、これに伴いCO2排出量も増大する見込みであります。この対応として、当連結会計年度は、2030年度目標を達成するべく施策を見直し、中期経営計画期間における温室効果ガス(Scope1・2)削減目標を定めました。
この目標達成に向けて、各工場における省エネ施策(主に省エネ型設備への更新、設備の待機電力や圧縮空気の漏えい対策によるエネルギーロスの削減)を推進し、再生可能エネルギーの導入を進め、CO2排出量削減に取り組んでまいります。再生可能エネルギーにつきましては、CO2フリー電力の利用に加え、中期経営計画の投資の一つである新湊東工場(2025年10月竣工予定)の屋根にパネル出力約1MWの太陽光発電システムの導入を計画しております。
なお、当連結会計年度までに、日本やドイツの拠点でのCO2フリー電力の導入やタイの工場への太陽光発電の導入、照明のLED化などの設備更新、バッテリー式フォークリフトの導入などの計画を実施し、日本国内におけるCO2フリー電力の利用については、2022年6月に4工場、2023年6月に2工場、2024年6月に2工場で切り替えております。
b.資源循環促進の取り組み
温室効果ガス全排出量(Scope1・2・3)に占めるScope3の割合は90%超(2024年5月期)となっております。その多くが製品の主原材料であるアルミニウムに関するものであります。アルミニウムは、調達や製造時に多くのエネルギーを使用し温室効果ガスを多く排出するため、リサイクルを進めることで、このエネルギーの使用を抑制することができます。このことから、建材向けアルミリサイクル率を高める目標を設定し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減につなげる取り組みを進めております。
また、当社グループでは、リサイクルを主な取り組みとする「資源の有効活用」をマテリアリティの最重要項目と位置付けております。この背景には、環境負荷の低減と経済成長を同時に実現するサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行について、日本国内における再生資源を十分に確保し、活用し、付加価値を生み出すことで新たな成長につなげる国家戦略を、産学官が連携して推進していることがあります。当社グループでも重要な事業機会と捉え、特にリサイクルアルミの使用比率を高めた低炭素商品の開発と、サプライチェーン連携による使用済み製品の回収・循環モデルの確立に注力し、資源循環の可能性に挑戦することで、当社グループの成長につなげてまいります。
これらの取り組みを強化するため、中期経営計画の最終年度にスクラップ溶解炉の設備投資を行ってまいります。
主な取り組み
1)サーキュラーパートナーズへの参画
経済産業省が「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき設立したサーキュラーエコノミーに関する産学官のパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」のメンバーとなり、循環モデルや技術の検討に参画しております。

3)セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収する水平リサイクルの運用開始
当社は、セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収し、新しいアルミ棚を原材料の一部とする水平リサイクルの運用を開始いたしました。㈱セブン-イレブン・ジャパンと連携し、アルミ棚を選別して回収することで、品質が確保された良質なアルミスクラップを調達するリサイクルを可能にいたします。
4)解体建物からアルミ建材を回収する水平リサイクルの実証事業開始
当社は、明治安田生命保険(相)、㈱竹中工務店、㈱シンワ、㈱HARITA、㈲豊栄金属と共同で建物解体時に生じるアルミ建材の水平リサイクル実現に向けた実証事業を開始いたします。明治安田生命保険(相)が所有する建物の解体工事においてアルミ製カーテンウォールを単独解体・分別回収し、適切な保管・管理・運搬・高度選別を経て、トレーサビリティを確保した高品質な原材料として製造先へつなげる実証事業であります。建物解体時に発生するアルミ建材の水平リサイクルにおける課題抽出、手法確立の検討、実現により、新たな付加価値の提供を目指します。
気候変動によるリスクと機会の特定にあたり、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の4事業のバリューチェーン全体を対象として、TCFDフレームワークに沿って整理し、重要性の評価を行いました。次に国際機関などが公表している外部シナリオをもとに、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの将来世界観を描き、2030年時点における考慮すべき外部環境変化のシナリオを策定し、リスクと機会を特定いたしました。また、発生時期、事業収益にもたらす影響の大きさにより、大中小の3段階で分類いたしました。
■1.5℃シナリオ
| 環境政策及び規制が強化され、カーボンプライシングが導入される。再生可能エネルギー導入や低炭素技術、環境配慮商品供給への投資が要求されるため、エネルギー調達コストや原材料調達コストが増大する。一方、市場では脱炭素関連商材の需要が増加し、環境配慮商品へのシフトが大きく進む。再エネ、省エネに関する技術革新も進展する。 参考シナリオ:IEA(国際エネルギー機関)ネットゼロ排出シナリオ |
| リスク / 機会 | インパクト | 事業に及ぼす影響 | 発生 時期 | 影響度 | |||
| 建材 事業 | マテリアル 事業 | 商業 施設 事業 | 国際 事業 | ||||
| 移行 リスク | 炭素税の導入 | 炭素税の導入による 操業コスト増加 | 中~ 長期 | 大(注)1 | |||
| 原材料への価格転嫁 | アルミ地金の 調達コスト増加 | 中~ 長期 | 大(注)1 | ||||
| ゼロカーボン対応の 建築基準法の施行 | カーボンフットプリント の削減要求を充足できず 販売機会を損失 | 中~ 長期 | 中 | 中 | - | - | |
| リサイクルアルミの 需要の増加 | 溶解炉ライン構想の 見直し費用の発生 | 中~ 長期 | 中(注)1 | ||||
| 機会 | 断熱性向上のための リフォーム需要の増加 | 高断熱商品の需要の増加 | 短~ 長期 | 中 | - | - | - |
| リサイクルアルミの 需要の増加 | リサイクルアルミを 使用した商品の需要の増加 | 中~ 長期 | (注)2 | - | (注)2 | ||
発生時期:短期 現在~3年、中期 3年~10年、長期 10年~30年
(注)1.影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
2.定量化に必要なパラメータ不足により、財務影響は非算出のため影響度は記載しておりません。
■4℃シナリオ
| 環境政策及び規制の強化は先延ばしされ、温室効果ガス排出量の削減は進まず、カーボンプライシングも導入されない。そのため、地球温暖化がさらに進行することで、異常気象による台風や洪水などの深刻化・激甚化が進み、工場やサプライチェーンの維持コストが増加する。また、ナショナリズムが台頭し、地政学リスクが増加する。一方、激甚災害への備えが必要なことから、防災商品の需要が増加する。 参考シナリオ:現行政策シナリオ(CPS)、SSP3 |
| リスク / 機会 | インパクト | 事業に及ぼす影響 | 発生 時期 | 影響度 | |||
| 建材 事業 | マテリアル 事業 | 商業 施設 事業 | 国際 事業 | ||||
| 物理 リスク | 異常気象の深刻化・激甚化(水害の発生) | 自社工場被災による 売上機会の喪失 | 短~ 長期 | 大(注) | |||
| 気候変動に起因する感染症の発生・増加 | 感染症対策による国内と 海外のサプライチェーン 寸断 | 短~ 長期 | - | - | 小 | - | |
| 機会 | 異常気象の深刻化・激甚化 | 防災関連商材の需要の増加 | 短~ 長期 | 中 | - | - | - |
発生時期:短期 現在~3年、中期 3年~10年、長期 10年~30年
(注)影響度は4つの報告セグメントを合わせて記載しております。
<影響度の大きいリスクと機会への対応状況>a.温室効果ガス排出量削減の取り組み
当社グループは、気候変動対応における2030年目標として、Scope1・2について2017年度比で50%削減、Scope3について2022年度比で25%削減を掲げております。一方、中期経営計画(2025年5月期〜2027年5月期)において、工場・設備の増強を計画しており、これに伴いCO2排出量も増大する見込みであります。この対応として、当連結会計年度は、2030年度目標を達成するべく施策を見直し、中期経営計画期間における温室効果ガス(Scope1・2)削減目標を定めました。
この目標達成に向けて、各工場における省エネ施策(主に省エネ型設備への更新、設備の待機電力や圧縮空気の漏えい対策によるエネルギーロスの削減)を推進し、再生可能エネルギーの導入を進め、CO2排出量削減に取り組んでまいります。再生可能エネルギーにつきましては、CO2フリー電力の利用に加え、中期経営計画の投資の一つである新湊東工場(2025年10月竣工予定)の屋根にパネル出力約1MWの太陽光発電システムの導入を計画しております。
なお、当連結会計年度までに、日本やドイツの拠点でのCO2フリー電力の導入やタイの工場への太陽光発電の導入、照明のLED化などの設備更新、バッテリー式フォークリフトの導入などの計画を実施し、日本国内におけるCO2フリー電力の利用については、2022年6月に4工場、2023年6月に2工場、2024年6月に2工場で切り替えております。
b.資源循環促進の取り組み
温室効果ガス全排出量(Scope1・2・3)に占めるScope3の割合は90%超(2024年5月期)となっております。その多くが製品の主原材料であるアルミニウムに関するものであります。アルミニウムは、調達や製造時に多くのエネルギーを使用し温室効果ガスを多く排出するため、リサイクルを進めることで、このエネルギーの使用を抑制することができます。このことから、建材向けアルミリサイクル率を高める目標を設定し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減につなげる取り組みを進めております。
また、当社グループでは、リサイクルを主な取り組みとする「資源の有効活用」をマテリアリティの最重要項目と位置付けております。この背景には、環境負荷の低減と経済成長を同時に実現するサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行について、日本国内における再生資源を十分に確保し、活用し、付加価値を生み出すことで新たな成長につなげる国家戦略を、産学官が連携して推進していることがあります。当社グループでも重要な事業機会と捉え、特にリサイクルアルミの使用比率を高めた低炭素商品の開発と、サプライチェーン連携による使用済み製品の回収・循環モデルの確立に注力し、資源循環の可能性に挑戦することで、当社グループの成長につなげてまいります。
これらの取り組みを強化するため、中期経営計画の最終年度にスクラップ溶解炉の設備投資を行ってまいります。
主な取り組み
1)サーキュラーパートナーズへの参画
経済産業省が「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき設立したサーキュラーエコノミーに関する産学官のパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」のメンバーとなり、循環モデルや技術の検討に参画しております。

3)セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収する水平リサイクルの運用開始
当社は、セブン-イレブンの閉店・改装店舗からアルミ棚を回収し、新しいアルミ棚を原材料の一部とする水平リサイクルの運用を開始いたしました。㈱セブン-イレブン・ジャパンと連携し、アルミ棚を選別して回収することで、品質が確保された良質なアルミスクラップを調達するリサイクルを可能にいたします。
4)解体建物からアルミ建材を回収する水平リサイクルの実証事業開始
当社は、明治安田生命保険(相)、㈱竹中工務店、㈱シンワ、㈱HARITA、㈲豊栄金属と共同で建物解体時に生じるアルミ建材の水平リサイクル実現に向けた実証事業を開始いたします。明治安田生命保険(相)が所有する建物の解体工事においてアルミ製カーテンウォールを単独解体・分別回収し、適切な保管・管理・運搬・高度選別を経て、トレーサビリティを確保した高品質な原材料として製造先へつなげる実証事業であります。建物解体時に発生するアルミ建材の水平リサイクルにおける課題抽出、手法確立の検討、実現により、新たな付加価値の提供を目指します。