有価証券報告書-第17期(2023/04/01-2024/03/31)
② 戦略
当社は、気候変動が金融業界にも影響を及ぼす重要な課題の1つであると認識しており、環境・気候変動への対応を経営戦略における重要課題として位置付け、取組みを進めています。
気候変動に対応する取組みを進めるにあたって、当社では、TCFDが提唱するフレームワークを参考にしたシナリオ分析の手法を用い、2030年時点における外部環境の変化を予測することで、当社の主要事業となる住宅ローンポートフォリオを対象とした分析を実施しました。
◇分析の時点
2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を実施
◇分析の対象
当社の主要ビジネスである住宅ローンポートフォリオ
■気候変動に関するシナリオ分析の手法
気候変動に関するリスクと機会の整理および2030年の社会変化と変化への対応策の検討を踏まえ、当社財務への影響を分析しました。
シナリオは1.5℃シナリオ、4℃シナリオを想定し、それぞれ各種機関によって整理されたシナリオも参照しつつ、パラメータや社会変化の水準についての想定シナリオの内容を整理しました。
◇分析のステップ

◇シナリオの想定

■気候変動のリスクと機会の認識
私たちは環境方針に則って、前述の前提と手法に基づいた気候変動に関するリスクと機会の分析を行い、以下のとおり認識しております。
◇リスク認識
当社主要事業である住宅ローンポートフォリオに着目した場合、気候変動に起因するお客さまの直接的な被災による与信コストの増加(急性リスク)、建材価格高騰による新築価格の上昇を受けたモーゲージ市場の縮小(慢性リスク)、さらに、温暖化対応コストの上乗せや建材価格高騰による住宅の取得コスト上昇等、住宅取得難度の高まりによるモーゲージ市場の縮小や気候変動未対応物件の担保価値毀損による与信コストの増加(移行リスク)等、気候変動によって将来的に様々な影響が想定されます。
また、上記各リスクは同時に、預金のお取引や資金決済等ご利用いただいているお客さまにとっても、短期的/長期的に生活コストの上昇をもたらし、余資運用縮小や支出抑制の観点から、これらのお取引が減少する等の可能性も想定されます。
◇機会認識
気候変動をリスクと捉える一方で、それは同時にお客さまの新たなニーズにお応えできる機会でもあると認識しております。
環境変化による災害対策・新技術導入工事、あるいはそれらに対応済の住宅への転居や建替え、またより被災可能性の低い地域の住宅の取得に際しての資金ニーズが生じることで当社ビジネスの拡大機会が生じる可能性があると認識しております。また、気候変動にあらかじめ配慮・適合した優良住宅販売業者と提携したローン等、お客さまの潜在的なニーズをくみ取った資金提供ができる機会もあると考えられます。
その他、環境に配慮した商品・サービスの提供等、新しい機会を提供できる可能性もあると考えております。
■リスクと機会の評価と対応策
想定される各リスクのうち、財務影響が最も大きいと考えられる住宅ローンビジネスに与える影響を中心に、その他の業務等へ影響するリスクに関して評価を実施しました。2030年の営業利益計画値をベースラインに設定し、財務的影響が大きく、定量評価が可能なリスク・機会項目を1.5℃シナリオと4℃シナリオでそれぞれ試算しました。気候変動に起因するお客さまの直接的な被災による与信コストの増加においては、国土地理院のデータを基に、水害が発生した際に、当社の各担保物件が受ける被害率を計算し、当社事業に与える与信コストの増加額を試算しています。
試算結果としては、財務に特に大きな影響を及ぼすものではない水準に留まることを確認しております。合わせて、個別案件ごとにリスクを計量化したことで地域差などを把握し、今後のリスク管理高度化への活用を検討していきます。
なお、シナリオ分析において抽出・評価されたリスクについては、リスクを低減するための対応策を推進しておりますので、いずれのシナリオにおいてもレジリエンスを有していると想定します。
さらに、リスク低減のための対応策と並行して、気候変動に関する機会を活用した新製品・サービスや新規事業の開発も推進していくことにより、より一層の当社の成長へと繋げてまいります。

当社は、気候変動が金融業界にも影響を及ぼす重要な課題の1つであると認識しており、環境・気候変動への対応を経営戦略における重要課題として位置付け、取組みを進めています。
気候変動に対応する取組みを進めるにあたって、当社では、TCFDが提唱するフレームワークを参考にしたシナリオ分析の手法を用い、2030年時点における外部環境の変化を予測することで、当社の主要事業となる住宅ローンポートフォリオを対象とした分析を実施しました。
◇分析の時点
2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を実施
◇分析の対象
当社の主要ビジネスである住宅ローンポートフォリオ
■気候変動に関するシナリオ分析の手法
気候変動に関するリスクと機会の整理および2030年の社会変化と変化への対応策の検討を踏まえ、当社財務への影響を分析しました。
シナリオは1.5℃シナリオ、4℃シナリオを想定し、それぞれ各種機関によって整理されたシナリオも参照しつつ、パラメータや社会変化の水準についての想定シナリオの内容を整理しました。
◇分析のステップ

◇シナリオの想定

■気候変動のリスクと機会の認識
私たちは環境方針に則って、前述の前提と手法に基づいた気候変動に関するリスクと機会の分析を行い、以下のとおり認識しております。
◇リスク認識
当社主要事業である住宅ローンポートフォリオに着目した場合、気候変動に起因するお客さまの直接的な被災による与信コストの増加(急性リスク)、建材価格高騰による新築価格の上昇を受けたモーゲージ市場の縮小(慢性リスク)、さらに、温暖化対応コストの上乗せや建材価格高騰による住宅の取得コスト上昇等、住宅取得難度の高まりによるモーゲージ市場の縮小や気候変動未対応物件の担保価値毀損による与信コストの増加(移行リスク)等、気候変動によって将来的に様々な影響が想定されます。
また、上記各リスクは同時に、預金のお取引や資金決済等ご利用いただいているお客さまにとっても、短期的/長期的に生活コストの上昇をもたらし、余資運用縮小や支出抑制の観点から、これらのお取引が減少する等の可能性も想定されます。
◇機会認識
気候変動をリスクと捉える一方で、それは同時にお客さまの新たなニーズにお応えできる機会でもあると認識しております。
環境変化による災害対策・新技術導入工事、あるいはそれらに対応済の住宅への転居や建替え、またより被災可能性の低い地域の住宅の取得に際しての資金ニーズが生じることで当社ビジネスの拡大機会が生じる可能性があると認識しております。また、気候変動にあらかじめ配慮・適合した優良住宅販売業者と提携したローン等、お客さまの潜在的なニーズをくみ取った資金提供ができる機会もあると考えられます。
その他、環境に配慮した商品・サービスの提供等、新しい機会を提供できる可能性もあると考えております。
■リスクと機会の評価と対応策
想定される各リスクのうち、財務影響が最も大きいと考えられる住宅ローンビジネスに与える影響を中心に、その他の業務等へ影響するリスクに関して評価を実施しました。2030年の営業利益計画値をベースラインに設定し、財務的影響が大きく、定量評価が可能なリスク・機会項目を1.5℃シナリオと4℃シナリオでそれぞれ試算しました。気候変動に起因するお客さまの直接的な被災による与信コストの増加においては、国土地理院のデータを基に、水害が発生した際に、当社の各担保物件が受ける被害率を計算し、当社事業に与える与信コストの増加額を試算しています。
試算結果としては、財務に特に大きな影響を及ぼすものではない水準に留まることを確認しております。合わせて、個別案件ごとにリスクを計量化したことで地域差などを把握し、今後のリスク管理高度化への活用を検討していきます。
なお、シナリオ分析において抽出・評価されたリスクについては、リスクを低減するための対応策を推進しておりますので、いずれのシナリオにおいてもレジリエンスを有していると想定します。
さらに、リスク低減のための対応策と並行して、気候変動に関する機会を活用した新製品・サービスや新規事業の開発も推進していくことにより、より一層の当社の成長へと繋げてまいります。
