四半期報告書-第11期第3四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

【提出】
2014/11/14 13:02
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21項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、政府の金融政策や経済政策の効果を背景に、企業業績や雇用情勢の改善など、景気は緩やかな回復傾向が見られました。一方、4月に施行された消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要に対する反動、世界経済の景気減速懸念等、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
我が国医薬品業界においては、医療費抑制策により医療用医薬品市場の伸びが鈍化しており、グローバル医薬品開発による世界市場での展開が一層重要になっております。
このような経営環境の中にあって、当社グループは、「UMN-0502」(組換えインフルエンザHAワクチン(多価)、以下「UMN-0502」といいます。)、「UMN-0501」(組換えインフルエンザHAワクチン(H5N1)、以下「UMN-0501」といいます。)、世界保健機関(World Health Organization:WHO)がH5N1とともにパンデミック発生の可能性を指摘しているH9N2亜型に対する「UMN-0901」(組換えインフルエンザHAワクチン(H9N2)、以下「UMN-0901」といいます。)、食中毒の主な原因ウイルスであるノロウイルス及びロタウイルスに対する「UMN-2003」(組換えノロウイルスVLP+組換えロタウイルスVP6混合ワクチン)及びノロウイルスに対する「UMN-2002」(組換えノロウイルスVLP単独ワクチン、以下「UMN-2002」といいます。)の開発に資源を重点的に配分し研究開発を進めてまいりました。なお、上記開発パイプラインのうち、国内においては、UMN-0502及びUMN-0501に関しアステラス製薬株式会社と提携し開発を進めており、韓国においては、UMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901に関し日東製薬株式会社と提携し開発を進めております。
UMN-0502については、国内においてアステラス製薬株式会社と共同で実施した第Ⅲ相臨床試験において主要評価項目を達成、また、当社連結子会社である株式会社UNIGEN(以下「株式会社UNIGEN」といいます。)の岐阜工場において、UMN-0502原薬の性能適格性評価(Performance Qualification)を完了したことを受け、平成26年5月にアステラス製薬株式会社が、インフルエンザワクチンの予防の効能・効果で、厚生労働省に製造販売承認申請を行い、当局による審査が進められております。
岐阜工場では、UMN-0502の製造販売承認申請を受けて、プロセスバリデーション(Process Validation)工程を実施、GMP適合性調査に向けたバリデーションデータを取得するための試験製造が完了いたしました。なお、岐阜工場は、平成24年2月に経済産業省「平成23年度国内立地推進事業費補助金」一次公募対象事業に採択されておりましたが、平成26年2月に同省より2,213,799千円の補助金を収受しております。
UMN-2002については、平成26年2月に第一三共株式会社と共同研究契約を締結、本共同研究契約に基づき、第一三共株式会社の新規投与デバイスを用いて、UMN-2002の開発可能性を確認することを目的とした基礎研究を継続しております。
バイオ医薬品受託製造(Biopharmaceutical Contract Manufacturing Organization)事業においては、国立感染症研究所より受託し製造しておりました複数の新規ワクチン候補抗原を納入いたしました。また、平成26年7月に国内製薬企業より新規バイオ医薬品候補物質の原薬の受託製造を受注するなど、着実に受注件数が増加しております。
一方、財務面においては、株式会社UNIGENが平成26年3月にシンジケートローン4,845,000千円を返済、有利子負債の圧縮を行うとともに、平成26年6月にシンジケートローン6,490,000千円についてリファイナンスの実行を完了いたしました。また、平成26年9月にコミットメントライン枠より借入れていた1,500,000千円について全額を返済、更なる有利子負債の圧縮を行いました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,094,456千円(前年同期比4,398.1%増)となりました。一方、提携先と各開発パイプラインの研究開発、岐阜工場での試験製造を積極的に進めたことにより、営業損失は、2,978,412千円(前年同期は3,035,764千円の営業損失)、経常損失は、3,226,859千円(前年同期は3,256,136千円の経常損失)、四半期純損失は、2,937,310千円(前年同期は2,773,039千円の四半期純損失)となりました。
なお、当社グループは、医療用医薬品の研究開発及びこれに関連する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,361,393千円減少し、1,906,264千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失2,979,458千円であったものの、補助金の受取額2,216,799千円等により、1,085,337千円の収入(前年同期は2,926,219千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4,160千円、無形固定資産の取得による支出3,306千円等により、7,275千円の支出(前年同期は2,819,953千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入1,870,000千円、短期借入金の返済による支出3,384,300千円、長期借入金の返済による支出4,907,500千円のほか、株式の発行による収入3,058,883千円等により、3,439,455千円の支出(前年同期は5,363,691千円の収入)となりました。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は、総額3,476,594千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。