有価証券報告書-第14期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)等の微細藻類の大量培養技術を出発点として、食品、化粧品、飼料、燃料など様々な分野における事業展開と研究開発を行っているバイオテクノロジー企業です。
ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を備えたユニークな生物であり、その豊富な栄養素や独自成分であるパラミロンの機能性等を活かして、機能性食品、化粧品、飼料として活用することが可能です。また、ユーグレナは光合成により二酸化炭素を吸収して成長する特徴を有していることから、ユーグレナを低コストで大量に培養する技術を確立することで、ユーグレナに含まれる脂質成分をバイオ燃料原料として利用することも可能となります。当社は、これらのユーグレナの特徴を活かして、ヘルスケア分野やエネルギー・環境分野における事業を推進しております。
また当社は、ユーグレナの事業展開を通じて培った事業基盤と、バイオテクノロジー分野における知見を活かして、「人と地球を健康にする」という経営理念に向けて、ユーグレナ以外の素材や藻類培養以外のテクノロジーを用いた事業展開、ならびに既存事業の周辺領域や新規領域への事業進出も進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、平成28年11月に、平成32年9月期までに「グループ連結売上高300億円の達成」と「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」の達成を目指す中期経営目標を公表し、この実現に向けて各種施策に取り組んでおります。「グループ連結売上高300億円の達成」に向けては、ユーグレナを利用した機能性食品や化粧品販売を中心とするヘルスケア事業の成長を目指しており、当社グループにおけるシナジーや事業基盤の強化が見込まれるM&A、効率的な広告宣伝投資による顧客基盤の強化及びユーグレナの機能性研究や新規素材開発などの研究開発を推進することで、事業の中長期的成長を図っております。一方、「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」に向けては、関連分野でのパートナーシップを通じて、平成30年10月にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが竣工に至るなどバイオ燃料製造・供給体制の構築を進めております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、世界で初めて成功したユーグレナの屋外大量培養技術を出発点として、「バイオマスの5F」の考えに則り、5つの「用途」へ展開していく基本戦略を推進してまいりました。「バイオマスの5F」とは、重量単価(例:1kgあたりの値段)が高い順からFood(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)の各分野へ展開することを指しております。ユーグレナに関しては、現在はバイオマスの5Fのうち、一番価格が高いFood(食料)を主として食品及び化粧品の「用途」で事業化しておりますが、今後は培養技術の更なる向上・開発により原料の低コスト化を図り、Feed(飼料)及びFuel(燃料)等の「用途」での事業化を目指してまいります。また、ユーグレナ特有の成分であるパラミロンは、水・油に対する吸水性・吸油性を有する特殊な素材で、洗顔剤やフィルム等への応用も考えられるため、将来的には化粧品以外にも様々な化学工業製品等への利用可能性を模索してまいります。
図 バイオマスの5F
当社は、ユーグレナを「バイオマスの5F」の「用途」分野に沿って事業化することを基本戦略としつつ、その事業化に伴い「ビジネスモデル」の多様化を進めております。具体的には、Food(食料)分野でのユーグレナの「ビジネスモデル」は、原料販売から、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販、そして海外展開へと順次拡大しております。また今後は、飼料・肥料・バイオ燃料へと「用途」を拡大することで、市場規模が巨大なコモディティ領域への参入も進めてまいります。
一方、当社はユーグレナ以外の「素材・技術」についても研究開発や新規開拓を進めており、新たな「素材・技術」に関してもユーグレナと同様に「用途」と「ビジネスモデル」の多様化を進めております。具体的には、ユーグレナのみにとどまらず、クロレラなどの微細藻類のほか、カラハリスイカや緑豆などの植物、そしてクルマエビなどの農水産物といった「素材・技術」を当社事業ポートフォリオに組み込み、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販などの当社がユーグレナの事業化で経験を蓄積してきた「ビジネスモデル」や、養殖や農業といった新しい「ビジネスモデル」を順次導入しております。
以上の通り、当社は、ユーグレナを「バイオマスの5F」に沿って事業化するという基本戦略を軸に、「用途」「素材・技術」「ビジネスモデル」の点で事業領域の多様化を進めることで、中長期的な企業成長と事業拡大を目指してまいります。
(4)対処すべき課題
当社グループは「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、多様なニーズに対する新たな価値の提供を通じて、グローバルな成長を図ってまいります。現状の市場環境において、当社グループとして認識している対処すべき課題については以下のように考えております。
(ヘルスケア事業)
① ヘルスケア事業の中長期的成長の実現について
当社グループは、平成32年9月期までの中期経営目標の一つとして「グループ連結売上高300億円」を掲げており、その達成に向けて直販を中心とするヘルスケア事業の拡大を着実に進めていくことが、今後の当社グループの中長期的成長の実現の課題であると認識しております。
直販に関しては、健康食品や化粧品の新製品を投入するとともに、新規定期購入顧客の獲得のための積極的な広告宣伝活動を展開することで、定期購入顧客数の拡大に取り組んでまいりました。平成30年9月期上期においては、積極的な広告宣伝投資が新規定期購入顧客数の拡大に寄与した一方で、定期購入顧客のリピート期間、購入回数が期初想定を下回ったことから、赤字基調となりました。そのため、平成30年9月期下期においては、広告宣伝投資を縮小することで販売収支の改善に努め、収益力を回復しました。平成31年9月期においては、戦略商品の評価を実施した上で、投資効率とのバランスを取りつつ新規定期顧客数の拡大を目指してまいります。
OEM製品販売に関しては、武田コンシューマーヘルスケア株式会社等の大手取引先に経営資源を集中しながら、安定的な収益基盤の拡大を進めてきました。平成31年9月期においては、既存OEM取引先への販売を維持・拡大していくとともに、新規のOEM取引先の開拓にも注力してまいります。
流通に関しては、食品・化粧品の両チャネルにおいて商品ラインアップと販売体制を拡充するとともに、ドラッグストア向けの販売を強化することで、さらなる売上成長を目指してまいります。
これらの取り組みに加えて、既存原料のもつ機能性の解明を継続して行うこと、中国本土を中心とした海外市場を開拓すること、付加価値のより高い新製品、新素材を継続的に開発すること、ならびに当社グループにおけるシナジーや事業基盤の強化が見込まれる分野でM&Aを積極的に活用すること等により、ヘルスケア事業の中長期的成長の実現を図ってまいります。
② 製品の品質と安全性の確保について
当社グループは、食品及び化粧品の供給者として、製品の品質と安全性を確保するため、品質保証規程に基づき、品質保証体制の強化に努めております。具体的には、外部委託先への新規取引開始時の審査、定期的な視察を行うことにより製品の品質と安全性の確保に努めております。また、当社ユーグレナ粉末およびクロレラ粉末については、すべての製造ロットの品質検査を行うことにより品質と安全性の確保に努めております。
(エネルギー・環境事業)
① バイオ燃料の製造・供給体制の構築について
当社グループは、平成32年9月期までの中期経営目標の一つとして「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化」を掲げており、バイオジェット燃料による有償フライトとバイオディーゼル燃料の公道走行の実現を目指しております。そのため、バイオ燃料の安定した製造・供給体制及びパートナーシップの構築が、今後の当社グループの中長期的成長の実現に向けた課題と認識しております。
この課題に対する取り組みとして、平成29年2月には千代田化工建設株式会社との間でバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、「本実証プラント」)の設計・調達・建設に関する工事等請負契約を締結しました。同年6月には神奈川県横浜市鶴見区において本実証プラントの建設に着工し、平成30年10月31日に竣工に至りました。本実証プラントの本稼働は平成31年春を予定しており、本稼働後は次世代バイオディーゼル燃料の供給を開始し、平成32年までにバイオジェット燃料による有償フライトの実現を目指すとともに、本実証プラントの稼働に係る知見・データを蓄積してまいります。また、本実証プラントの竣工を機に、平成30年11月2日に、「日本をバイオ燃料先進国にする」を合言葉とする『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』宣言を発表し、バイオ燃料の利用やバイオマス原料の供給などを通じてバイオ燃料の実用化普及に取り組む協力企業・団体とのパートナーシップの構築を目指してまいります。
② ユーグレナのバイオ燃料原料としての利用可能性
当社は、ユーグレナのバイオ燃料原料としての利用に関する研究開発を進めており、より燃料の生産に適したユーグレナの品種改良、高密度培養、培養コスト削減、脂質抽出に関する技術開発等の課題に対して、各方面の有力な研究機関との共同研究や事業会社とのパートナーシップも活かしながら取り組んでまいります。
平成28年には内閣府が主導する「革新的研究開発推進プログラム」において、油脂含有量の多いユーグレナを作出・選抜する品種改良法の開発に成功し、以降もさらなる研究に取り組んでおります。また、平成29年には、経済産業省資源エネルギー庁の「微細藻類燃料生産実証事業費補助金」を活用し、多気クリスタルタウン(三重県多気郡多気町)において、バイオ燃料向け微細藻類の研究、培養を行う藻類エネルギー研究所を開設し、先進的な大規模あぜ型微細藻類培養プールを稼働するなど、燃料用微細藻類の大規模・低コスト生産技術の確立を目指す研究開発活動を推進しております。
③ ユーグレナの飼料としての利用可能性(残渣の利用を含む。)
微細藻類から油脂を抽出した後に残る残渣は産業利用しなければ廃棄物となるため、残渣が産業利用できるかどうかは重要な課題です。当社では、当社ユーグレナが食品用途にも利用されていることから、JA全農とのパートナーシップを締結し、さらに発展させる形で当社ユーグレナの飼料としての利用可能性及び油脂を抽出後の残渣の飼料としての利用可能性を研究しております。
ユーグレナの飼料利用に関しての論文はすでに多く発表されており、当社の大量培養技術を活用することで飼料利用としての実現性が高まると考え、その実現に取り組んでまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)等の微細藻類の大量培養技術を出発点として、食品、化粧品、飼料、燃料など様々な分野における事業展開と研究開発を行っているバイオテクノロジー企業です。
ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を備えたユニークな生物であり、その豊富な栄養素や独自成分であるパラミロンの機能性等を活かして、機能性食品、化粧品、飼料として活用することが可能です。また、ユーグレナは光合成により二酸化炭素を吸収して成長する特徴を有していることから、ユーグレナを低コストで大量に培養する技術を確立することで、ユーグレナに含まれる脂質成分をバイオ燃料原料として利用することも可能となります。当社は、これらのユーグレナの特徴を活かして、ヘルスケア分野やエネルギー・環境分野における事業を推進しております。
また当社は、ユーグレナの事業展開を通じて培った事業基盤と、バイオテクノロジー分野における知見を活かして、「人と地球を健康にする」という経営理念に向けて、ユーグレナ以外の素材や藻類培養以外のテクノロジーを用いた事業展開、ならびに既存事業の周辺領域や新規領域への事業進出も進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、平成28年11月に、平成32年9月期までに「グループ連結売上高300億円の達成」と「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」の達成を目指す中期経営目標を公表し、この実現に向けて各種施策に取り組んでおります。「グループ連結売上高300億円の達成」に向けては、ユーグレナを利用した機能性食品や化粧品販売を中心とするヘルスケア事業の成長を目指しており、当社グループにおけるシナジーや事業基盤の強化が見込まれるM&A、効率的な広告宣伝投資による顧客基盤の強化及びユーグレナの機能性研究や新規素材開発などの研究開発を推進することで、事業の中長期的成長を図っております。一方、「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」に向けては、関連分野でのパートナーシップを通じて、平成30年10月にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが竣工に至るなどバイオ燃料製造・供給体制の構築を進めております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、世界で初めて成功したユーグレナの屋外大量培養技術を出発点として、「バイオマスの5F」の考えに則り、5つの「用途」へ展開していく基本戦略を推進してまいりました。「バイオマスの5F」とは、重量単価(例:1kgあたりの値段)が高い順からFood(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)の各分野へ展開することを指しております。ユーグレナに関しては、現在はバイオマスの5Fのうち、一番価格が高いFood(食料)を主として食品及び化粧品の「用途」で事業化しておりますが、今後は培養技術の更なる向上・開発により原料の低コスト化を図り、Feed(飼料)及びFuel(燃料)等の「用途」での事業化を目指してまいります。また、ユーグレナ特有の成分であるパラミロンは、水・油に対する吸水性・吸油性を有する特殊な素材で、洗顔剤やフィルム等への応用も考えられるため、将来的には化粧品以外にも様々な化学工業製品等への利用可能性を模索してまいります。
図 バイオマスの5F
当社は、ユーグレナを「バイオマスの5F」の「用途」分野に沿って事業化することを基本戦略としつつ、その事業化に伴い「ビジネスモデル」の多様化を進めております。具体的には、Food(食料)分野でのユーグレナの「ビジネスモデル」は、原料販売から、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販、そして海外展開へと順次拡大しております。また今後は、飼料・肥料・バイオ燃料へと「用途」を拡大することで、市場規模が巨大なコモディティ領域への参入も進めてまいります。
一方、当社はユーグレナ以外の「素材・技術」についても研究開発や新規開拓を進めており、新たな「素材・技術」に関してもユーグレナと同様に「用途」と「ビジネスモデル」の多様化を進めております。具体的には、ユーグレナのみにとどまらず、クロレラなどの微細藻類のほか、カラハリスイカや緑豆などの植物、そしてクルマエビなどの農水産物といった「素材・技術」を当社事業ポートフォリオに組み込み、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販などの当社がユーグレナの事業化で経験を蓄積してきた「ビジネスモデル」や、養殖や農業といった新しい「ビジネスモデル」を順次導入しております。
以上の通り、当社は、ユーグレナを「バイオマスの5F」に沿って事業化するという基本戦略を軸に、「用途」「素材・技術」「ビジネスモデル」の点で事業領域の多様化を進めることで、中長期的な企業成長と事業拡大を目指してまいります。
(4)対処すべき課題
当社グループは「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、多様なニーズに対する新たな価値の提供を通じて、グローバルな成長を図ってまいります。現状の市場環境において、当社グループとして認識している対処すべき課題については以下のように考えております。
(ヘルスケア事業)
① ヘルスケア事業の中長期的成長の実現について
当社グループは、平成32年9月期までの中期経営目標の一つとして「グループ連結売上高300億円」を掲げており、その達成に向けて直販を中心とするヘルスケア事業の拡大を着実に進めていくことが、今後の当社グループの中長期的成長の実現の課題であると認識しております。
直販に関しては、健康食品や化粧品の新製品を投入するとともに、新規定期購入顧客の獲得のための積極的な広告宣伝活動を展開することで、定期購入顧客数の拡大に取り組んでまいりました。平成30年9月期上期においては、積極的な広告宣伝投資が新規定期購入顧客数の拡大に寄与した一方で、定期購入顧客のリピート期間、購入回数が期初想定を下回ったことから、赤字基調となりました。そのため、平成30年9月期下期においては、広告宣伝投資を縮小することで販売収支の改善に努め、収益力を回復しました。平成31年9月期においては、戦略商品の評価を実施した上で、投資効率とのバランスを取りつつ新規定期顧客数の拡大を目指してまいります。
OEM製品販売に関しては、武田コンシューマーヘルスケア株式会社等の大手取引先に経営資源を集中しながら、安定的な収益基盤の拡大を進めてきました。平成31年9月期においては、既存OEM取引先への販売を維持・拡大していくとともに、新規のOEM取引先の開拓にも注力してまいります。
流通に関しては、食品・化粧品の両チャネルにおいて商品ラインアップと販売体制を拡充するとともに、ドラッグストア向けの販売を強化することで、さらなる売上成長を目指してまいります。
これらの取り組みに加えて、既存原料のもつ機能性の解明を継続して行うこと、中国本土を中心とした海外市場を開拓すること、付加価値のより高い新製品、新素材を継続的に開発すること、ならびに当社グループにおけるシナジーや事業基盤の強化が見込まれる分野でM&Aを積極的に活用すること等により、ヘルスケア事業の中長期的成長の実現を図ってまいります。
② 製品の品質と安全性の確保について
当社グループは、食品及び化粧品の供給者として、製品の品質と安全性を確保するため、品質保証規程に基づき、品質保証体制の強化に努めております。具体的には、外部委託先への新規取引開始時の審査、定期的な視察を行うことにより製品の品質と安全性の確保に努めております。また、当社ユーグレナ粉末およびクロレラ粉末については、すべての製造ロットの品質検査を行うことにより品質と安全性の確保に努めております。
(エネルギー・環境事業)
① バイオ燃料の製造・供給体制の構築について
当社グループは、平成32年9月期までの中期経営目標の一つとして「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化」を掲げており、バイオジェット燃料による有償フライトとバイオディーゼル燃料の公道走行の実現を目指しております。そのため、バイオ燃料の安定した製造・供給体制及びパートナーシップの構築が、今後の当社グループの中長期的成長の実現に向けた課題と認識しております。
この課題に対する取り組みとして、平成29年2月には千代田化工建設株式会社との間でバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、「本実証プラント」)の設計・調達・建設に関する工事等請負契約を締結しました。同年6月には神奈川県横浜市鶴見区において本実証プラントの建設に着工し、平成30年10月31日に竣工に至りました。本実証プラントの本稼働は平成31年春を予定しており、本稼働後は次世代バイオディーゼル燃料の供給を開始し、平成32年までにバイオジェット燃料による有償フライトの実現を目指すとともに、本実証プラントの稼働に係る知見・データを蓄積してまいります。また、本実証プラントの竣工を機に、平成30年11月2日に、「日本をバイオ燃料先進国にする」を合言葉とする『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』宣言を発表し、バイオ燃料の利用やバイオマス原料の供給などを通じてバイオ燃料の実用化普及に取り組む協力企業・団体とのパートナーシップの構築を目指してまいります。
② ユーグレナのバイオ燃料原料としての利用可能性
当社は、ユーグレナのバイオ燃料原料としての利用に関する研究開発を進めており、より燃料の生産に適したユーグレナの品種改良、高密度培養、培養コスト削減、脂質抽出に関する技術開発等の課題に対して、各方面の有力な研究機関との共同研究や事業会社とのパートナーシップも活かしながら取り組んでまいります。
平成28年には内閣府が主導する「革新的研究開発推進プログラム」において、油脂含有量の多いユーグレナを作出・選抜する品種改良法の開発に成功し、以降もさらなる研究に取り組んでおります。また、平成29年には、経済産業省資源エネルギー庁の「微細藻類燃料生産実証事業費補助金」を活用し、多気クリスタルタウン(三重県多気郡多気町)において、バイオ燃料向け微細藻類の研究、培養を行う藻類エネルギー研究所を開設し、先進的な大規模あぜ型微細藻類培養プールを稼働するなど、燃料用微細藻類の大規模・低コスト生産技術の確立を目指す研究開発活動を推進しております。
③ ユーグレナの飼料としての利用可能性(残渣の利用を含む。)
微細藻類から油脂を抽出した後に残る残渣は産業利用しなければ廃棄物となるため、残渣が産業利用できるかどうかは重要な課題です。当社では、当社ユーグレナが食品用途にも利用されていることから、JA全農とのパートナーシップを締結し、さらに発展させる形で当社ユーグレナの飼料としての利用可能性及び油脂を抽出後の残渣の飼料としての利用可能性を研究しております。
ユーグレナの飼料利用に関しての論文はすでに多く発表されており、当社の大量培養技術を活用することで飼料利用としての実現性が高まると考え、その実現に取り組んでまいります。