有価証券報告書-第28期(2025/06/01-2026/05/31)
②戦略
当社グループは、将来的な気候変動の不確実性を把握するため、国際機関が公表する複数のシナリオを活用し、2030年および2050年を見据えた事業活動への影響を分析しています。シナリオ分析結果を踏まえ、必要な設備投資や対応方針などを策定する予定です。
・シナリオ前提
本シナリオ分析では、当社グループ全体の事業活動を対象に、気候変動がもたらし得るリスクや機会がどの程度の財務的影響を及ぼす可能性があるかを整理・把握することを目的としています。シナリオ分析を通じて特定された気候変動に関する主要なリスクや機会については、以下の表に取りまとめています。
シナリオ分析:気候変動リスク
シナリオ分析:気候変動機会
※ 影響度の定義:「大」営業利益の10%以上,「中」営業利益の1%以上~10%未満,「小」営業利益の1%未満
気候変動リスク・機会に対する対応策
当社グループは「より良いものをより安く提供することにより 社会に奉仕する」という経営方針のもと、事業活動そのものがサステナビリティへの取組みに繋がるものと認識したうえで、環境・社会・経済の各側面から、持続可能な社会形成に貢献しております。この経営方針の実現に向け、CSR基本方針「5つのHappy」を掲げており、そのうちの1つである「Happy Earth」では、地球環境に対して、私たちができることは何なのか考え、すべての人々が安心して暮らすことができるよう、環境保全活動に継続的に取り組むことを目指しています。
また、気候変動による事業への影響を見据え、リスクと機会の両面から対応するため、今後は以下の取り組みに重点的に注力してまいります。
■国産材を有効活用する独自の流通システム「タマストラクチャー」
当社グループでは、創業以来「木の家づくり」にこだわり、国内の森林環境の維持や木材の品質管理等の視点から、構造躯体に多くの国産材を使用しており、現時点においては一棟あたり約74.1%※の国産材を使用しています。また、材料品質の管理や、気候変動による低炭素原材料への置換えなどによる原材料価格のコスト対策として、独自の流通システム「タマストラクチャー」を構築しています。この仕組みにより、森林組合や林業者、製造・プレカット向上と直接つながることで中間マージンを削減しております。さらに、事前に建築棟数および木材使用量等を共有することで、市場価格や時期に左右されない、安定した価格での木材調達を実現しています。
今後も国産材を使用した住宅供給を通じ、地球温暖化防止・循環型社会の形成に貢献すると共に、顧客ニーズの一つである安心安全な住まいづくりへの取り組みをより一層進めてまいります。
※大安心の家・大安心の家[愛]・[暖]の構造躯体による国産材使用率。その他商品の国産材使用率は異なります。
■省エネルギー性能の高い住宅づくり
当社グループでは2025年4月からの新築住宅の省エネ基準適合の義務化に向け、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準や省エネ基準遵守への対応を進めてきました。特に省エネ基準の最高レベルとなる「HEAT20・G3」水準※のUA値0.23W/(㎡・k)を確保した「笑顔の家」では、「外壁ダブル断熱」「基礎ダブル断熱」に加えて「樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス」を採用し、断熱性能と気密性能を向上させることで熱損失を防ぎ、また高効率な設備仕様でエネルギーコストを削減することで、住宅のエネルギー消費を抑えています。こうした取り組みが評価され「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2024」において、「特別優秀賞」及び「省エネ住宅特別優良企業賞」を受賞しており、日本国内での省エネ住宅の普及と質の向上に貢献しています。
※1. 断熱地域区分1・2・3地域はG2レベルに該当します。
※2. UA値は、プラン、その他諸条件により異なります。
※3. 出典:(一社)20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究所
■耐災害性住宅とBCP対策の強化
当社グループでは、異常気象の激甚化や頻発化といった将来の気候リスクを重要課題と捉え、災害に強い住宅の開発を進めています。数百年に一度起こるとされる大地震、震度7を想定した揺れを与えての耐震実験を実施し、倒壊・崩壊しないことを確認しており、高いレベルの安全性と耐震性を確保していることが証明されています。さらに制震性能に加えて、耐震等級3の住宅に最も適した壁倍率5倍の強度を兼ね備えた「タマホームオリジナルダンパー」を積極的に採用し、地震や暴風での建物の変形を抑えることで、高い耐震性能を実現しています。ご家族様の安全を守るとともに住宅のレジリエンス性を高めています。
また、自然災害が発生した場合、ガイドラインに沿って即時災害対策本部を設置し、稼動現場及びお引き渡し住宅の状況、店舗稼動状況、社員の安否状況等を把握し、事業の継続または早期に復旧させるためのマニュアルを災害レベルに応じ設定しています。
当社グループは、将来的な気候変動の不確実性を把握するため、国際機関が公表する複数のシナリオを活用し、2030年および2050年を見据えた事業活動への影響を分析しています。シナリオ分析結果を踏まえ、必要な設備投資や対応方針などを策定する予定です。
・シナリオ前提
| 選択シナリオ | 4℃シナリオ:温室効果ガスの削減に向けた対策が不十分なまま、産業革命前と比べて気温が約4℃上昇し、自然災害の激甚化や海面上昇など、気候変動に伴う物理的リスクが高まる世界を指します。 1.5℃シナリオ:脱炭素化に向けた国際的な気候変動対策が積極的に進み、再生可能エネルギーの普及や炭素税など、温室効果ガス排出に対する規制が強化されることで、産業革命前と比べて気温上昇が1.5℃程度に抑えられた世界を指します。 主に参照したシナリオは下記の通りです。 | |
| 4℃シナリオ | 4℃:STEPS (Stated Policies Scenario) IEA World Energy Outlook 2024 | |
| 4℃:RCP8.5 IPCC Fifth Assessment Report | ||
| 1.5℃(2℃)シナリオ | 1.5℃:NZE (Net Zero Emissions by 2050 Scenario) IEA World Energy Outlook 2024 | |
| 2℃:APS (Announced Pledges Scenario) IEA World Energy Outlook 2024 | ||
| 2℃:RCP2.6 IPCC Fifth Assessment Report | ||
| 対象時間軸 | 短期:1年(財務諸表報告期間)中期:1~5年長期:5年以上 | |
本シナリオ分析では、当社グループ全体の事業活動を対象に、気候変動がもたらし得るリスクや機会がどの程度の財務的影響を及ぼす可能性があるかを整理・把握することを目的としています。シナリオ分析を通じて特定された気候変動に関する主要なリスクや機会については、以下の表に取りまとめています。
シナリオ分析:気候変動リスク
| 分類 | 時間軸 | 影響度 | 想定される影響 | |||
| リスク | 移行 | 政策・ 規制 | 炭素価格 | 中期 | 中 | ・住宅建設やリフォームなどの事業活動に伴うCO2排出量に対して、炭素税の導入による費用が増加 ・外部への建築作業を委託する場合、炭素税の導入により、委託費用が増加 |
| リサイクル 規制 | 短期 | 小 | ・建築リサイクル法の規制強化に伴う建築廃棄物の廃棄対応費用が増加・焼却処理における排ガス処理設備の導入など、産業廃棄物処理業者の処理費用が増加 | |||
| 省エネ規制 | 短期 | 小 | ・省エネ規制への対応による住宅価格の上昇及びそれに伴う一次取得者層の住宅購入意欲が低下し、受注が減少・建築物の省エネ基準引き上げや省エネ性能適合義務化による素材・施工の選択肢制限及び建築費用が増加 | |||
| 技術 | 重要製品/商品価格の増減 | 中期~長期 | 小 | ・低炭素原材料への切り替えによる住宅建築に係る原価が増加・建築費用増加による受注機会の損失 | ||
| 市場 | エネルギー 費用の変化 | 中期 | 小 | ・エネルギーコスト上昇の影響でランニングコスト低減のニーズが高まり、省エネ設備や高機能素材の導入により、建築コストが増加 ・燃料費高騰による取引先への業務委託料の上昇 | ||
| 重要商品の 需要変化 | 短期~長期 | 中 | ・持続可能で快適な生活を訴求する商品特性ニーズの増加に伴う費用増加及び施工期間の長期化・省エネ基準適合義務化や耐震性・耐火性向上による住宅性能向上に伴う新築物件価格の高騰及び新築需要の縮小 | |||
| 顧客行動変化 | 短期~長期 | 大 | ・商品の脱炭素化対応不十分による他社比較での競争力低下及び販売機会の損失・省エネ設備や高機能素材導入により建築費用が増加し、住宅価格が高騰し買い控えによる受注が減少 | |||
| 評判 | 投資家の評判変化 | 短期 | 中 | ・住宅価格高騰に伴う買い控えによる受注減少 | ||
| 物理 | 急性 | 異常気象の 激甚化 | 中期~長期 | 中 | ・気象災害激甚化による建築現場や事業拠点の罹災リスクが増加・サプライチェーン寸断による損害及び営業停止による売上減少・資材不足による現場停止及び工期長期化の発生 | |
| 慢性 | 平均気温の 上昇 | 中期~長期 | 小 | ・工事の作業時間変更や作業効率低下による工期延長及び引渡し棟数減少による収益減少・各拠点の冷房稼働量・稼働時間増加による電力費用が増加 | ||
シナリオ分析:気候変動機会
| 分類 | 時間軸 | 影響度 | 機会 | |||
| 事業機会 | 移行 | 技術 | 低炭素技術の進展 | 中期~長期 | 中 | ・低炭素化技術を活用した商品やビジネスの創出・低炭素設備需要の増加による利益額が増加・木造による低炭素アピール機会が増加 |
| 重要製品/商品価格の増減 | 中期~長期 | 中 | ・省エネ性能の高い商品による販売価格引き上げに伴い利益額が増加 | |||
| 顧客行動変化 | 短期~長期 | 大 | ・省エネ志向の浸透による将来のエネルギー価格高騰を見据えた脱炭素住宅需要が増加 | |||
| 評判 | 投資家の評判変化 | 短期 | 中 | ・木材利用の商品・流通仕組みのアピールによる評価の向上・環境配慮・環境情報開示の進展による評価向上及び安定的な資金調達の実現 | ||
| 物理 | 急性 | 異常気象の 激甚化 | 中期~長期 | 中 | ・耐災害性に優れた住宅や建替え・リフォーム需要が高まり、受注が拡大・商品改定に伴う火災保険料率の上昇による手数料売上が増加 | |
| 慢性 | 平均気温の 上昇 | 中期~長期 | 大 | ・省エネ設備需要が増加、リフォーム需要が増加及び収益が増加 | ||
※ 影響度の定義:「大」営業利益の10%以上,「中」営業利益の1%以上~10%未満,「小」営業利益の1%未満
気候変動リスク・機会に対する対応策
当社グループは「より良いものをより安く提供することにより 社会に奉仕する」という経営方針のもと、事業活動そのものがサステナビリティへの取組みに繋がるものと認識したうえで、環境・社会・経済の各側面から、持続可能な社会形成に貢献しております。この経営方針の実現に向け、CSR基本方針「5つのHappy」を掲げており、そのうちの1つである「Happy Earth」では、地球環境に対して、私たちができることは何なのか考え、すべての人々が安心して暮らすことができるよう、環境保全活動に継続的に取り組むことを目指しています。
また、気候変動による事業への影響を見据え、リスクと機会の両面から対応するため、今後は以下の取り組みに重点的に注力してまいります。
■国産材を有効活用する独自の流通システム「タマストラクチャー」
当社グループでは、創業以来「木の家づくり」にこだわり、国内の森林環境の維持や木材の品質管理等の視点から、構造躯体に多くの国産材を使用しており、現時点においては一棟あたり約74.1%※の国産材を使用しています。また、材料品質の管理や、気候変動による低炭素原材料への置換えなどによる原材料価格のコスト対策として、独自の流通システム「タマストラクチャー」を構築しています。この仕組みにより、森林組合や林業者、製造・プレカット向上と直接つながることで中間マージンを削減しております。さらに、事前に建築棟数および木材使用量等を共有することで、市場価格や時期に左右されない、安定した価格での木材調達を実現しています。
今後も国産材を使用した住宅供給を通じ、地球温暖化防止・循環型社会の形成に貢献すると共に、顧客ニーズの一つである安心安全な住まいづくりへの取り組みをより一層進めてまいります。
※大安心の家・大安心の家[愛]・[暖]の構造躯体による国産材使用率。その他商品の国産材使用率は異なります。
■省エネルギー性能の高い住宅づくり
当社グループでは2025年4月からの新築住宅の省エネ基準適合の義務化に向け、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準や省エネ基準遵守への対応を進めてきました。特に省エネ基準の最高レベルとなる「HEAT20・G3」水準※のUA値0.23W/(㎡・k)を確保した「笑顔の家」では、「外壁ダブル断熱」「基礎ダブル断熱」に加えて「樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス」を採用し、断熱性能と気密性能を向上させることで熱損失を防ぎ、また高効率な設備仕様でエネルギーコストを削減することで、住宅のエネルギー消費を抑えています。こうした取り組みが評価され「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2024」において、「特別優秀賞」及び「省エネ住宅特別優良企業賞」を受賞しており、日本国内での省エネ住宅の普及と質の向上に貢献しています。
※1. 断熱地域区分1・2・3地域はG2レベルに該当します。
※2. UA値は、プラン、その他諸条件により異なります。
※3. 出典:(一社)20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究所
■耐災害性住宅とBCP対策の強化
当社グループでは、異常気象の激甚化や頻発化といった将来の気候リスクを重要課題と捉え、災害に強い住宅の開発を進めています。数百年に一度起こるとされる大地震、震度7を想定した揺れを与えての耐震実験を実施し、倒壊・崩壊しないことを確認しており、高いレベルの安全性と耐震性を確保していることが証明されています。さらに制震性能に加えて、耐震等級3の住宅に最も適した壁倍率5倍の強度を兼ね備えた「タマホームオリジナルダンパー」を積極的に採用し、地震や暴風での建物の変形を抑えることで、高い耐震性能を実現しています。ご家族様の安全を守るとともに住宅のレジリエンス性を高めています。
また、自然災害が発生した場合、ガイドラインに沿って即時災害対策本部を設置し、稼動現場及びお引き渡し住宅の状況、店舗稼動状況、社員の安否状況等を把握し、事業の継続または早期に復旧させるためのマニュアルを災害レベルに応じ設定しています。