有価証券報告書-第11期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 11:12
【資料】
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【項目】
85項目

研究開発活動

当社グループでは、安全、安心に裏付けられた「おいしさ」を価値の中心に据え、国内・海外に研究開発を担当する部門・部署を設置し、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
当社グループ横断での研究開発活動は、R&D部が行っています。
R&D部では、当社グループにおけるR&D戦略の立案・実施、R&Dに関する資源投入・配分計画の立案・実施、競争力の源泉となるグローバル中長期技術戦略の立案、関係部署との連携による技術戦略の推進と完遂、商品開発活動の支援を行っています。
また、グループ各社においても、研究開発部門を有するグループ各社が研究開発活動を行っています。
セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。
[日本事業]
研究開発活動の担当部署は、ジャパン事業本部内の商品開発部及びSCM部です。
商品開発部では、飲料の中味開発に関して、基本戦略に基づく中味開発戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、新規原料の探索・開発、香味評価及び安全性リスク評価による新価値創出、新製品中味の香味・品質・収益性の設計、新製品中味開発における研究開発投資効率の追求、既存製品中味の原価・品質チェック及び再設計、中味製造に関する標準規格類の起案を行っています。
SCM部では、主に飲料の開発・設計・サプライチェーンマネジメントに関する基本戦略に基づく生産戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、基本戦略に基づく商品化戦略(容器開発含む)の立案・実施、新製品開発・在庫・生産・物流計画の調整・実施及び収益性・投資効率の追求を行っています。
当社の研究開発活動は、神奈川県の商品開発センターにおいて行っています。
当連結会計年度は、「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」等のブランド強化を行うとともに、様々なカテゴリーにおいて新商品を投入しました。
ブランド別に見ると、「サントリー天然水」ブランドにおいて、緑茶に含まれる香気成分である「リナロール」により、爽快な香りを実現したうえ、低温抽出製法等を活用し、カテキン溶出量を抑制して苦渋味の少ない軽やかな味わいに仕上げ、また、「酵母エキス」により鮮やかな緑色の液色を維持する当社の新技術を採用した「サントリー天然水 GREEN TEA」を発売しました。
「BOSS」ブランドでは、「クラフトボス」シリーズの新たなラインナップとして、独自の技術を用い、紅茶の華やかな香りを贅沢に抽出しながら渋みを最小限に抑えることで、無糖なのに満足感があり、すっきり飲み続けられる味わいを実現した「クラフトボスTEA ノンシュガー」と、すっきりと飲み続けられる軽やかな味わいでありながら、豊かな紅茶の香りと心地よい甘さで満足できる新感覚のミルクティー「クラフトボス ミルクTEA」を発売しました。また、“コーヒーハンター”José(ホセ)川島良彰氏と共同開発し、定温輸送、定温保管した高級豆を、独自の方法で焙煎し、深煎りにすることで香りを引き出し、コーヒーのコクを引き立てた「プレミアムボス コーヒーハンターズセレクション」を発売しました。
「伊右衛門」ブランドでは、「悪玉(LDL)コレステロールを下げる」ことが報告されている松樹皮由来プロシアニジン(プロシアニジンB1として)を機能性関与成分として含有した、サントリー「伊右衛門プラス コレステロール対策」(機能性表示食品)を発売しました。
「GREEN DA・KA・RA」ブランドでは、ご好評いただいているペットボトル商品「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」の“すっきり香ばしい味わい”を維持し、水とまぜるだけで2Lの麦茶がすぐできる、時短・省スペース・持ち運びも手軽な「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ」180g缶を発売しました。
「PEPSI」ブランドでは、コーラ飲料本来の飲みごたえとキレのある後味を更に高めるべく、塩と和柑橘フレーバーを隠し味に使用した「ペプシ ジャパンコーラ」を発売しました。
[欧州事業]
欧州では、「Lucozade」「Schweppes」をはじめとする既存ブランドにおいて、おいしさに加え、砂糖含有量の低減等により、お客様の健康に配慮した中味設計に関する研究開発活動を実施しました。フランスでは、「Oasis」ブランドから、果汁由来の甘味のみを用い、100%天然由来原料を訴求したフレーバーウォーター「Oasis O'Verger」を新たなラインナップとして発売しました。また、ティーとフルーツフレーバーの爽やかな味わいの組み合わせを楽しめるお茶ブランド「MayTea」から、新たに「White tea-based raspberry and lychee」を発売しました。英国では、「Ribena」ブランドから、本物の果実をインフューズ(浸漬)させ、カシス果汁とブレンドした「Ribena Frusion」を新たなラインナップとして、「Kiwi」「Blueberry」「Lemon Peel」「Elderflower」の4フレーバーで発売しました。また、フランスで販売を行ってきた「MayTea」ブランドから新たに「White tea infusion with raspberry and lychee」「Green tea infusion with peach and mango」の2フレーバーを発売しました。
[アジア事業]
ベトナムでは、健康価値を主軸においたお茶ブランド「TEA+」から新たに「No Sugar」を発売しました。また、日本で販売を行ってきた「BOSS」ブランドからブラックとミルク入りの2フレーバーを発売しました。タイ、ベトナム、マレーシア及びシンガポールでは、日本のフレーバーウォーターの知見を活用し、インドネシアで販売を行ってきた「goodmood」を新たに展開しました。
[オセアニア事業]
オセアニアでは、高まるお客様の健康、ナチュラル志向に対応し、既存ブランドの小容量展開や低カロリー商品のラインナップ強化等、中味設計・パッケージに関する研究開発活動を実施しました。オーストラリア及びニュージーランドでは、日本で販売を行ってきた「BOSS」ブランドから新たに「ICED LATTE」「ICED LONG BLACK」の2フレーバーを発売しました。また、果汁飲料「Simply Squeeze」から新たに「Focus Super Vege」「Rescue Super Smoothie」「Fibre Fit Super Smoothie」の3フレーバーをニュージーランドにて発売しました。
[米州事業]
米州では、伸長しているコーヒー市場に対応するため、「BOSS」ブランドの販売エリアの拡大を実施し、2018年に発売した「BLACK COFFEE」「CAFE AU LAIT」に引き続き、新たに「CAFÉ VANILLA」を発売しました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は、日本事業63億円、欧州事業18億円、アジア事業5億円、オセアニア事業2億円、米州事業0億円となり、研究開発費の総額は87億円となりました。