有価証券報告書-第11期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 11:12
【資料】
PDFをみる
【項目】
85項目

対処すべき課題

「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しています。
(1)経営方針
当社グループは、「水と生きる」を掲げる会社として、自然を大切にし、社会を潤し、そして新たな挑戦を続けることを約束します。
また、社会情勢の変化や健康に対する消費者ニーズの高まりといった昨今の事業環境の変化を踏まえ、ビジョンを「次世代の飲用体験を誰よりも先に創造し、人々のドリンキングライフをより自然で、健康で、便利で、豊かなものにする」と定めています。
(2)中期経営戦略
グローバル飲料業界において、消費者トレンドの一歩先をいく、ユニークなポジションの確立を目指します。
既存事業で市場以上の成長と、更に新規成長投資による更なる増分獲得により、2030年売上2.5兆円を目指します。また、売上成長を上回る利益成長の実現を目指します。
この目標を達成するために、以下の重点項目を中心に積極的に事業展開していきます。
<戦略の柱>First Mover
•イノベーションを通じたコアブランドの活性化
•トレンドの一歩先をいく新カテゴリーの創造
Game Changer
•RTD (Ready To Drink)飲料にとどまらない次世代ビジネスモデルの確立
•成長市場にフォーカスしたエリア拡大戦略
<戦略を支える基本思想>•真の現場主義の徹底
•組織の壁をとりはらい、真のOne Teamの実現
上記に加え、サステナビリティ経営を推進することで、地域社会へ貢献していきます。
(3)経営環境及び対処すべき課題
現在、飲料業界や当社グループを取り巻く事業環境は、非常に厳しいものであると考えています。世界各国で発生する異常気象や先進国における少子高齢化、原材料費や生産コスト・物流費の高騰等、従来の企業努力だけでは乗り切ることができないほど厳しい状況です。
このような状況の中で、中期経営戦略に基づき、2020年度は、各報告セグメントにおいて基盤強化や構造改革に取り組み、売上成長と利益成長を目指します。
[日本事業]
各種コストが上昇する等厳しい事業環境が続く中で、収益力向上に向けた構造改革を更に推進します。「高付加価値・高収益モデルの確立」については、「特茶」をはじめとする特定保健用食品及び「伊右衛門プラス コレステロール対策」をはじめとする機能性表示食品等、高収益商品の販売トレンドの回復・拡大に向けた取組みを強化します。「SCMの構造革新」については、生産能力の増強を進めるほか、AIをはじめとするテクノロジーの更なる活用も図ります。「自動販売機ビジネスの事業構造変革」については、成果が出るまでに時間を要すると想定していますが、当期も「売上増」と「コスト削減」を軸に取組みを進めます。
マーケティング活動においては、今年も「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」及び「GREEN DA・KA・RA」を柱に活動していきます。「サントリー天然水」は、 独自のブランド価値である“清冽なおいしさ”を引き続き訴求していきます。「BOSS」は、既存の缶コーヒーのコアユーザーに向けたマーケティング活動に注力するとともに、「クラフトボス」の活動も更に強化します。「伊右衛門」は発売以来の大刷新を予定しているほか、「GREEN DA・KA・RA」は熱中症対策の啓発活動を引き続き強化し、また「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」はその好調を維持すべく、一層マーケティング活動を強化します。
また、環境・社会貢献活動に関しては、これまでサントリーグループ全体で取り組んできた活動に加え、使用済みペットボトル有効利用の取組みを強化する等、持続可能な地球環境を次世代に引き継ぐための活動にも注力していきます。
[欧州事業]
主要国において、主力ブランドの活性化を進めるとともに、営業やサプライチェーンマネジメントの強化等、構造改革に取り組みます。フランスでは、「Orangina」「Oasis」等の主力ブランドや低糖商品「MayTea」の更なる強化に取り組むとともにサプライチェーンコスト・原価の改善を進めます。英国では、主力ブランドの「Lucozade」と「Ribena」を中心に、より一層の販売強化を図ります。スペインでは、業務用チャネルにおける「Schweppes」の販売減少に歯止めを掛けるべく、マーケティング活動を強化します。
[アジア事業]
清涼飲料事業において、ベトナムで、エナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」等の主力ブランドの成長を図り、都市部に加え地方における営業活動にも継続して取り組みます。タイでは、ペプシブランドの強化や生産効率の更なる向上に加えて、高まる健康志向への需要の取り込みに向け低糖商品の強化にも取り組みます。インドネシアでは、引き続きカップ飲料「Okky」の拡売を図ります。健康食品事業において、主力の「BRAND'S Essence of Chicken」の積極的なマーケティング活動によりトレンド回復に注力するとともに、ミャンマー等の成長市場への取組みや直販事業も強化します。
[オセアニア事業]
清涼飲料事業において、引き続きエナジードリンク「V」やスポーツ飲料「Maximus」等の主力ブランドに注力します。フレッシュコーヒー事業において、主力ブランド「TOBY'S ESTATE」「L'AFFARE」「Mocopan」の強化を継続します。
[米州事業]
主力である炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。また、コスト削減の取組みも継続します。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。