有価証券報告書-第20期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「ひとつでも多くのコンテンツをひとりでも多くの人へ」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献し続ける会社となることを目指しています。
(2)中長期の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、2018年7月に公表した中期経営計画において「電子書籍取次事業から“Publishing Platformer”への転換」を基本方針として掲げております。
当社グループが持つ最大の「強み」は、電子書籍流通における圧倒的なポジションだと考えております。2019年2月期の当社グループの流通総額は950億円となり、電子書籍流通において実に37%のシェアを有しております(※1)。当社グループが取引する電子書店数は150店以上存在し、なかでもユーザー利用上位20書店(※2)の全てと取引があることから、大手電子書店によるプロモーション強化の流れに伴って、このシェアは急速に高まりを見せています。
(※1 当社グループの流通総額950億円は当社計算に基づく2019年2月期の数値。電子書籍市場規模はインプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2018」に基づき、2018年度予想2,550億円として試算。)
(※2 インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2018」における「半年以内に購入したことのある電子書籍ストア Top20」)
さらに4大出版社(KADOKAWA、講談社、集英社、小学館 ※50音順)に当社株主として参画いただいているほか、出版社との取引口座は1,700を数え、すべての主要出版社と取引可能な独自のポジションを有しています。非マンガ出版社だけでも1,260社となり、これは他の業界プレーヤーには到底真似のできない水準です。
このポジションと当社グループが持つテクノロジーを組み合わせることによって、当社は今後、“Publishing Platformer”、すなわち、電子書籍流通全体を支える存在への転換を図るべく、新時代のプラットフォームを創造し、電子書籍をより世に広め、出版市場の拡大に貢献し、更なる成長と可能性に挑戦してまいります。
[経営戦略]
① 事業基盤の強化
本業である電子書籍流通事業において当社グループが担うべき役割を「LEGACYを作る」「LEGACYを創りに行く」の2つに分け、出版市場の更なる拡大に貢献してまいります。
「LEGACYを作る」 ⇒ 電子書籍市場の拡大ならびに流通カロリーの低減に貢献するべく、以下を実施。
・コンテンツ流通プラットフォーム構築
・メディア・プロモーション事業活性化
・電子書籍流通を支えるプロフェショナル集団の更なる強化・育成
「LEGACYを創りに行く」 ⇒ 最先端技術の活用により更なる市場拡大及び新市場の創造に貢献するべく、以下を実施。
・メタデータマーケティング提供
・最先端技術を活用したサービス創出
・出版社横断的な新サービス展開
② 経営基盤の強化
イ.連結経営の強化
ロ.優秀な人材の確保
ハ.ESG経営による持続可能な成長を推進
「環境」
・電子書籍利用促進による紙使用削減や物流コスト削減が環境負荷抑制に直結
「社会」
・本との接点を増やし読書時間増加を促進
・海外への日本文化発信に貢献
・徳島県での人材活用による地域社会活性化
「ガバナンス」
・社員株主増加と共に、社員のオーナーシップマインド醸成によるコーポレート・ガバナンス強化
・女性管理職比率の増加
[経営目標]
[対処すべき課題]
当社グループが属する著作物のデジタルコンテンツ流通市場は、市場が急速に拡大しサービス内容が多様化しております。
当社グループといたしましては、継続的な業績の拡大、業界における信頼度向上のために下記事項を対処すべき課題として認識し、積極的に取り組んでおります。
① システム技術の強化
当社グループの主力事業である電子書籍流通事業において、出版社や電子書店の業務負担を軽減し、出版社や電子書店がよりコンテンツの創作や販売に注力できる環境を整えるとともに、これまで二分していた当社グループの電子書籍取次システムを一つに集約することで業務効率向上につながる、新たな電子書籍取次システムが2019年4月に完成いたしました。業務効率化実現のためには各電子書店と新基幹システムとの連携を遅滞なく行うことが必要となることから、2020年2月期中にほぼ全ての取引先との連携を完了するべく、調整を進めてまいります。
また、当社グループは今後電子書籍市場をさらに拡大するべく、紙に比べて現在の電子書籍が劣っている点を解消するためにブロックチェーン技術等を活用した新たな流通プラットフォームを構築してまいります。そのためにも先端技術の積極的な導入やエンジニアの採用などに注力いたします。
② 事業の基盤強化
当社グループが、市場での優位性を確保し企業として成長を継続するためには、経営資源を確保し、既存事業の強化を図り、さらに、新規事業に対する積極的な取り組みが必須であります。そのための課題点は、以下のとおりであります。
a)電子書籍流通事業における付加価値提供ならびに効率的な運用
当社グループの主力事業である電子書籍流通事業においては、2019年3月に子会社である株式会社メディアドゥと株式会社出版デジタル機構が合併し、国内最大の電子書籍取次事業者となりました。今後、電子書籍市場の拡大や社内運用コストの削減を実現するためには、出版営業、書店営業、運用管理総勢300名以上となった組織において、技術革新やノウハウ共有、社内外における密なコミュニケーションをもって組織の効率化と強化を進め、オペレーショナル・エクセレンスを確立する必要があります。
具体的には、新たに開発した電子書籍取次システムと各電子書店の連携を進めるほか、複雑なキャンペーン施策管理などのサービスによる付加価値提供、株式会社メディアドゥテック徳島を活用した効率的なオペレーション運用を実施することで、市場拡大、料率の維持・向上、社内管理コスト抑制を推進し、利益率の改善を図ります。
b)将来に向けた研究開発・新規事業への取り組み
当社グループが事業を展開する電子書籍業界においては、ボーダレス化の加速や競合企業の台頭など、市場環境や顧客ニーズ、競合他社の状況が常に変化しており、今後も変化の激しい事業環境になることが想定されます。このような事業環境においては、将来を見据えた新規事業の創出や研究開発、成長領域における企業のM&Aは重要な課題であると考えております。
2019年2月期においては、過去のM&Aに関して、一部の案件について投資有価証券評価損等の特別損失を計上しました。当社グループとしましては、このような結果をもたらした原因を精緻に分析し、今後のM&Aにこれらの経験を活かすべく、投資方針や投資基準を見直したほか、子会社や投資先の事業成長を実現するための適切な人材を増強し管理体制を強化し、現在では有効なPMIのノウハウも社内に蓄積しつつあります。
一方で、当社グループにとって最大規模のM&A案件であった株式会社出版デジタル機構をはじめ、買収した子会社や投資先のなかには当初の計画以上に業績が好調に推移している企業も存在いたします。
今後は厳格な投資基準のもとで、当社グループの強みである業界におけるポジションを有効活用でき、事業拡大に資する買収先や投資先を選定するとともに、より有効なPMIを実施することで、成功確率の高い、中長期の競争力確保につながるM&Aに取り組んでまいります。
(注)Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)。経営統合に伴って、計画したシナジー効果を獲得するためのプロセス統合とマネジメント
c)海外事業展開の推進
当社グループの電子書籍流通事業は主に国内で事業を展開しておりますが、日本のマンガ作品は海外でも高い評価を受けていることから、グローバル市場での事業展開は高いポテンシャルを有しているものと想定されます。当社グループとしましては、2016年に米国カリフォルニア州サンディエゴ市に「Media Do International, Inc.」を設立し、海外市場への進出に取り組んでまいりました。
一方で、当初の想定に比べて海外事業は拡大しておらず、依然として当社グループ売上高のほとんどが国内市場からもたらされております。海外進出にあたり、国内と同じく、電子書店に向けてコンテンツの流通を行うことを計画しておりましたが、海外向けの翻訳コンテンツの少なさや、取次業態は海外にはほぼ存在しないビジネスモデルであり、その浸透に時間を有したことが原因として挙げられます。
今後は助成金活用等により海外向けの翻訳コンテンツを増やしていくほか、現地の出版社や電子書店とのネットワークを構築することで、一気呵成にコンテンツ輸出を行っていきたいと考えております。また、2019年3月にMedia Do International, Inc.を通じて買収したMyAnimeList, LLCを活用し、ユーザーとのダイレクトアクセスを獲得することで、コンテンツの知名度向上や購入意欲増加を図ってまいります。
加えて、当社グループは2019年よりインターネット技術の世界的標準化推進団体である「W3C (World Wide Web Consortium)」に加盟、さらにW3C内のPublishing Business Groupの共同議長に、世界的な大手出版社である米Penguin Random House、仏Hachette Livreと並び、Media Do International, Inc.にてPresident & CEOを務める塩浜大平が選出されました。これにより、当社グループは電子書籍の国際標準規格策定への提言活動をより強化するとともに、アジアの代表として出版業界全体のデジタル化を推進することで存在感を発揮し、海外事業の成長につなげていきたいと考えております。
③ 優秀な人材の確保
当社グループは、イノベーターとして電子書籍市場の成長促進、既存事業にとらわれない新規事業創出、グループ会社管理体制強化に貢献する人材を確保し育成することが、更なる業容拡大や業界におけるポジションの差別化および強化にとって重要であると考えております。
当社グループとしましては、「本」文化を育て、出版市場の拡大に寄与することができる点や、テクノロジーの進化の最前線に立ち、社会課題の解決や業界変革に挑戦できる点について説くことで、会社の魅力訴求に取り組んでまいります。また、社内教育制度の整備、福利厚生の充実を図っていくことで採用強化につなげたいと考えております。
④ 知的財産権の侵害への対応について
当社グループは、著作者等の権利を著しく阻害する海賊版サイト(注)によって生じる機会損失が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、海賊版サイトの根絶に向けて、出版社、電子書店、関係者と協調して対策を協議実行するとともに、法制度整備ならびに著作権教育の推進に努めてまいります。
(注)著作権を侵害し、無断でインターネット上でコンテンツを公開しているサイト
⑤ コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、これまでに、執行役員制度および取締役の任期1年制の導入による責任体制の明確化、社外取締役2名を含む、独立役員の要件を充足する社外役員の招聘による監督・監査機能の強化、取締役会付議基準の見直しによる意思決定の迅速化および取締役会全体の機能向上などコーポレートガバナンスの実践に努めてまいりましたが、持続的な成長を遂げ、ひいては中長期的な企業価値の向上を図るためには、更なるコーポレートガバナンスの実践・強化は重要な課題のひとつであると認識しています。
このような認識のもと、今後も引き続き、経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上およびガバナンスの中核を担う取締役会全体の更なる機能向上に努めるとともに、財務情報をより正確に、かつ分かりやすく提供することはもとより、経営戦略、ガバナンスや社会・環境問題に関する事項などいわゆる非財務情報を具体的かつ積極的に提供するなどの情報開示の充実、株主との建設的な対話を促進することを含むIR活動の更なる強化に努めてまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「ひとつでも多くのコンテンツをひとりでも多くの人へ」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献し続ける会社となることを目指しています。
(2)中長期の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、2018年7月に公表した中期経営計画において「電子書籍取次事業から“Publishing Platformer”への転換」を基本方針として掲げております。
当社グループが持つ最大の「強み」は、電子書籍流通における圧倒的なポジションだと考えております。2019年2月期の当社グループの流通総額は950億円となり、電子書籍流通において実に37%のシェアを有しております(※1)。当社グループが取引する電子書店数は150店以上存在し、なかでもユーザー利用上位20書店(※2)の全てと取引があることから、大手電子書店によるプロモーション強化の流れに伴って、このシェアは急速に高まりを見せています。
(※1 当社グループの流通総額950億円は当社計算に基づく2019年2月期の数値。電子書籍市場規模はインプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2018」に基づき、2018年度予想2,550億円として試算。)
(※2 インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2018」における「半年以内に購入したことのある電子書籍ストア Top20」)
さらに4大出版社(KADOKAWA、講談社、集英社、小学館 ※50音順)に当社株主として参画いただいているほか、出版社との取引口座は1,700を数え、すべての主要出版社と取引可能な独自のポジションを有しています。非マンガ出版社だけでも1,260社となり、これは他の業界プレーヤーには到底真似のできない水準です。
このポジションと当社グループが持つテクノロジーを組み合わせることによって、当社は今後、“Publishing Platformer”、すなわち、電子書籍流通全体を支える存在への転換を図るべく、新時代のプラットフォームを創造し、電子書籍をより世に広め、出版市場の拡大に貢献し、更なる成長と可能性に挑戦してまいります。
[経営戦略]
① 事業基盤の強化
本業である電子書籍流通事業において当社グループが担うべき役割を「LEGACYを作る」「LEGACYを創りに行く」の2つに分け、出版市場の更なる拡大に貢献してまいります。
「LEGACYを作る」 ⇒ 電子書籍市場の拡大ならびに流通カロリーの低減に貢献するべく、以下を実施。
・コンテンツ流通プラットフォーム構築
・メディア・プロモーション事業活性化
・電子書籍流通を支えるプロフェショナル集団の更なる強化・育成
「LEGACYを創りに行く」 ⇒ 最先端技術の活用により更なる市場拡大及び新市場の創造に貢献するべく、以下を実施。
・メタデータマーケティング提供
・最先端技術を活用したサービス創出
・出版社横断的な新サービス展開
② 経営基盤の強化
イ.連結経営の強化
ロ.優秀な人材の確保
ハ.ESG経営による持続可能な成長を推進
「環境」
・電子書籍利用促進による紙使用削減や物流コスト削減が環境負荷抑制に直結
「社会」
・本との接点を増やし読書時間増加を促進
・海外への日本文化発信に貢献
・徳島県での人材活用による地域社会活性化
「ガバナンス」
・社員株主増加と共に、社員のオーナーシップマインド醸成によるコーポレート・ガバナンス強化
・女性管理職比率の増加
[経営目標]
| 2019年2月期 実績 | 2021年2月期 計画 | 2023年2月期 計画 | |
| 流通総額 | 950億円 | 1,050億円 | 1,300億円 |
| 連結売上高 | 505億円 | 630億円 | 800億円 |
| 連結EBITDA | 23億円 | 35億円 | 60億円 |
| EPS | △106円 | 95円 | 135円 |
[対処すべき課題]
当社グループが属する著作物のデジタルコンテンツ流通市場は、市場が急速に拡大しサービス内容が多様化しております。
当社グループといたしましては、継続的な業績の拡大、業界における信頼度向上のために下記事項を対処すべき課題として認識し、積極的に取り組んでおります。
① システム技術の強化
当社グループの主力事業である電子書籍流通事業において、出版社や電子書店の業務負担を軽減し、出版社や電子書店がよりコンテンツの創作や販売に注力できる環境を整えるとともに、これまで二分していた当社グループの電子書籍取次システムを一つに集約することで業務効率向上につながる、新たな電子書籍取次システムが2019年4月に完成いたしました。業務効率化実現のためには各電子書店と新基幹システムとの連携を遅滞なく行うことが必要となることから、2020年2月期中にほぼ全ての取引先との連携を完了するべく、調整を進めてまいります。
また、当社グループは今後電子書籍市場をさらに拡大するべく、紙に比べて現在の電子書籍が劣っている点を解消するためにブロックチェーン技術等を活用した新たな流通プラットフォームを構築してまいります。そのためにも先端技術の積極的な導入やエンジニアの採用などに注力いたします。
② 事業の基盤強化
当社グループが、市場での優位性を確保し企業として成長を継続するためには、経営資源を確保し、既存事業の強化を図り、さらに、新規事業に対する積極的な取り組みが必須であります。そのための課題点は、以下のとおりであります。
a)電子書籍流通事業における付加価値提供ならびに効率的な運用
当社グループの主力事業である電子書籍流通事業においては、2019年3月に子会社である株式会社メディアドゥと株式会社出版デジタル機構が合併し、国内最大の電子書籍取次事業者となりました。今後、電子書籍市場の拡大や社内運用コストの削減を実現するためには、出版営業、書店営業、運用管理総勢300名以上となった組織において、技術革新やノウハウ共有、社内外における密なコミュニケーションをもって組織の効率化と強化を進め、オペレーショナル・エクセレンスを確立する必要があります。
具体的には、新たに開発した電子書籍取次システムと各電子書店の連携を進めるほか、複雑なキャンペーン施策管理などのサービスによる付加価値提供、株式会社メディアドゥテック徳島を活用した効率的なオペレーション運用を実施することで、市場拡大、料率の維持・向上、社内管理コスト抑制を推進し、利益率の改善を図ります。
b)将来に向けた研究開発・新規事業への取り組み
当社グループが事業を展開する電子書籍業界においては、ボーダレス化の加速や競合企業の台頭など、市場環境や顧客ニーズ、競合他社の状況が常に変化しており、今後も変化の激しい事業環境になることが想定されます。このような事業環境においては、将来を見据えた新規事業の創出や研究開発、成長領域における企業のM&Aは重要な課題であると考えております。
2019年2月期においては、過去のM&Aに関して、一部の案件について投資有価証券評価損等の特別損失を計上しました。当社グループとしましては、このような結果をもたらした原因を精緻に分析し、今後のM&Aにこれらの経験を活かすべく、投資方針や投資基準を見直したほか、子会社や投資先の事業成長を実現するための適切な人材を増強し管理体制を強化し、現在では有効なPMIのノウハウも社内に蓄積しつつあります。
一方で、当社グループにとって最大規模のM&A案件であった株式会社出版デジタル機構をはじめ、買収した子会社や投資先のなかには当初の計画以上に業績が好調に推移している企業も存在いたします。
今後は厳格な投資基準のもとで、当社グループの強みである業界におけるポジションを有効活用でき、事業拡大に資する買収先や投資先を選定するとともに、より有効なPMIを実施することで、成功確率の高い、中長期の競争力確保につながるM&Aに取り組んでまいります。
(注)Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)。経営統合に伴って、計画したシナジー効果を獲得するためのプロセス統合とマネジメント
c)海外事業展開の推進
当社グループの電子書籍流通事業は主に国内で事業を展開しておりますが、日本のマンガ作品は海外でも高い評価を受けていることから、グローバル市場での事業展開は高いポテンシャルを有しているものと想定されます。当社グループとしましては、2016年に米国カリフォルニア州サンディエゴ市に「Media Do International, Inc.」を設立し、海外市場への進出に取り組んでまいりました。
一方で、当初の想定に比べて海外事業は拡大しておらず、依然として当社グループ売上高のほとんどが国内市場からもたらされております。海外進出にあたり、国内と同じく、電子書店に向けてコンテンツの流通を行うことを計画しておりましたが、海外向けの翻訳コンテンツの少なさや、取次業態は海外にはほぼ存在しないビジネスモデルであり、その浸透に時間を有したことが原因として挙げられます。
今後は助成金活用等により海外向けの翻訳コンテンツを増やしていくほか、現地の出版社や電子書店とのネットワークを構築することで、一気呵成にコンテンツ輸出を行っていきたいと考えております。また、2019年3月にMedia Do International, Inc.を通じて買収したMyAnimeList, LLCを活用し、ユーザーとのダイレクトアクセスを獲得することで、コンテンツの知名度向上や購入意欲増加を図ってまいります。
加えて、当社グループは2019年よりインターネット技術の世界的標準化推進団体である「W3C (World Wide Web Consortium)」に加盟、さらにW3C内のPublishing Business Groupの共同議長に、世界的な大手出版社である米Penguin Random House、仏Hachette Livreと並び、Media Do International, Inc.にてPresident & CEOを務める塩浜大平が選出されました。これにより、当社グループは電子書籍の国際標準規格策定への提言活動をより強化するとともに、アジアの代表として出版業界全体のデジタル化を推進することで存在感を発揮し、海外事業の成長につなげていきたいと考えております。
③ 優秀な人材の確保
当社グループは、イノベーターとして電子書籍市場の成長促進、既存事業にとらわれない新規事業創出、グループ会社管理体制強化に貢献する人材を確保し育成することが、更なる業容拡大や業界におけるポジションの差別化および強化にとって重要であると考えております。
当社グループとしましては、「本」文化を育て、出版市場の拡大に寄与することができる点や、テクノロジーの進化の最前線に立ち、社会課題の解決や業界変革に挑戦できる点について説くことで、会社の魅力訴求に取り組んでまいります。また、社内教育制度の整備、福利厚生の充実を図っていくことで採用強化につなげたいと考えております。
④ 知的財産権の侵害への対応について
当社グループは、著作者等の権利を著しく阻害する海賊版サイト(注)によって生じる機会損失が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、海賊版サイトの根絶に向けて、出版社、電子書店、関係者と協調して対策を協議実行するとともに、法制度整備ならびに著作権教育の推進に努めてまいります。
(注)著作権を侵害し、無断でインターネット上でコンテンツを公開しているサイト
⑤ コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、これまでに、執行役員制度および取締役の任期1年制の導入による責任体制の明確化、社外取締役2名を含む、独立役員の要件を充足する社外役員の招聘による監督・監査機能の強化、取締役会付議基準の見直しによる意思決定の迅速化および取締役会全体の機能向上などコーポレートガバナンスの実践に努めてまいりましたが、持続的な成長を遂げ、ひいては中長期的な企業価値の向上を図るためには、更なるコーポレートガバナンスの実践・強化は重要な課題のひとつであると認識しています。
このような認識のもと、今後も引き続き、経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上およびガバナンスの中核を担う取締役会全体の更なる機能向上に努めるとともに、財務情報をより正確に、かつ分かりやすく提供することはもとより、経営戦略、ガバナンスや社会・環境問題に関する事項などいわゆる非財務情報を具体的かつ積極的に提供するなどの情報開示の充実、株主との建設的な対話を促進することを含むIR活動の更なる強化に努めてまいります。