有価証券報告書-第27期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

【提出】
2018/11/30 10:12
【資料】
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【項目】
97項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、以下を経営理念として定めております。
ANAPは、常にお客様目線を大切にし、おしゃれを楽しみたい女性のニーズに応えるため、欲しいものが手頃な価格でいつでも手に入る、ファッションを「オンタイム」で楽しめる「現在(いま)」を提案します。
これらの経営理念の下、カジュアルファッションを扱うアパレル企業として継続的な成長、企業価値の拡大、経営の安定化を重要な経営責務であると認識しております。また、株主の皆様をはじめ顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーの利益を遵守しつつ、公正で透明性の高い経営、経営監視機能の強化、経営効率の向上、法令遵守の徹底に努めております。
(2)目標とする経営指標
当社は、本業における営業活動の成果を示す営業利益を特に重視しております。
当社のビジネスモデルを支える「①ブランド力・ブランド認知度、②オンラインショッピングサイトの販売力、③魅力ある店舗づくり」の更なる強化により、売上高営業利益率の向上を目指して、経営に取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、平成28年4月から始めました再生プロジェクト(販売オペレーション再構築)を強化し、販売に注力してまいります。
これまでは、「多品種少ロット」にこだわったコンセプトをベースとして、販売戦略を進めてまいりました。今後は不採算な仕入を抑制し、売れる商品のブランドにランクを付けて、消費者のニーズに合う商品を、適切な数量・価格・タイミング等で提供するため、機会ロスを無くすMD(マーチャンダイジング)の経営戦略へと方向を転換し、経営の合理化を図ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社が属するカジュアルファッション業界におきましては、物価上昇懸念や実質賃金の低下などにより個人消費者の節約意識は依然として根強く、厳しい経営環境が続いております。
当社が対処すべき課題は、このような経営環境の変化に対応し、企業価値を高めることであり、以下の施策に基づいて、全力で取り組んでまいります。
(1) 消費者ニーズを満たす商品供給力の向上
当社は、基幹ブランドの商品を中心に、MD(マーチャンダイジング)を適正化し、適切な数量・価格・タイミング等で提供いたします。
(2) 店舗販売戦略
当社は、既存店舗について厳密な採算管理に基づき、収益改善が見込めない赤字店舗を退店いたしました。今後も収益改善が見込めない赤字店舗が発生した場合には、速やかに退店を推進いたします。
また、高収益な店舗展開を図るため、各店舗における適正人員配置の見直しを図るとともに、店舗改装・ブランド融合による活性化・既存店舗の賃料圧縮等を検討し、収益回復を達成いたします。
(3) 在庫管理
当社は、平成26年2月に物流業務を一括外注し、すべての事業セグメントにおける在庫の共有化を開始いたし
ました。
しかし、一括外注したことに伴いコストが膨らんだため、平成27年4月に店舗向け及び卸売先に関する物流業務を内製化し、コストダウンを図りました。
今後におきましては、常に各ブランドにおける発注状況をモニタリングし、販売動向・在庫量等を勘案して、適正在庫水準の維持及び物流業務コストを削減してまいります。
(4) 粗利率の改善
当社は、在庫圧縮効果により、利益確保を重視した販売方法へと転換し、当期粗利率は59%超となりました。
今後も引き続き、利益確保を重視した販売方法を維持するとともに、不採算な仕入を抑制し、より売れ筋の商品を集中して仕入れることにより、粗利率の改善を進めてまいります。
(5) 社員教育による全社統制の強化及びお客様満足度の向上
当社は、これまで現場主義を最優先事項として位置付けていたため、店舗管理者及び店舗スタッフの教育・指導について、現場判断を重視してまいりました。当該状況は、各現場における販売業務に関して、一定の効果を発揮してきました。しかし、現状は収益改善が見込めない赤字店舗が発生する状況が継続しているため、よりきめ細やかな全社統制を強化する必要があると考えております。
そのため、店舗管理者及び店舗スタッフに対する社内研修制度をより一層充実させ、全社統制の強化を図るとともに、店舗運営業務を支える人材の早期育成及びレベルアップを達成し、お客様の満足度向上に努めてまいります。
(6) 新規販売チャネルの展開
当社は、継続的な成長及び企業価値の拡大を図り、より多くの消費者ニーズに応えるため、新規販売チャネルの開拓を推進してまいります。そのため、一過性ではあるもののシステム投資、広告宣伝費等の追加費用が発生する可能性があります。
しかし、消費者の購買行動の変化に対して適時・適切に対応するとともに、事業拡大に伴う新たな顧客層の獲得を通じて、経営の安定化に取り組んでまいります。