有価証券報告書-第23期(2025/07/01-2026/06/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、その達成のために、「独創的な質量分析技術を駆使して、研究開発から生産効率化、品質保証・検査までを支える“バイオ解析プラットフォーマー”として、顧客・ユーザに付加価値を提供する」ことをビジョンとしております。
当社グループの経営基本方針は、当社グループが競争優位性を有するメタボローム解析技術・ノウハウを基軸にした新規事業・新サービスの開発(イノベーション)を強力に推進していくと同時に、業務活動全般におけるオペレーショナル・エクセレンスを高めていくことでさらなる収益性の向上を図り、ステークホルダー全体の満足度を向上し、企業価値を高めていくことです。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2026年7月から2031年6月までの5か年中期経営計画[TIAD6]を策定しました。TIAD6は、企業価値の倍増と加速的な持続的成長の基盤整備を目的に「成長加速基盤構築の期間」と位置付けています。以下の経営指標に対して目標を設定しております。
1)連結営業利益 6億円
2)連結売上高営業利益率 25%以上
3)連結ROE 15%以上
(3) 経営環境
当社グループが属するライフサイエンス業界は、少子高齢化といった国内環境にあっても、成長が見込まれる数少ない分野の1つであります。また将来の感染症予防・対策への関心も高く、研究開発投資が高水準で継続しており、今後も同様に推移することが想定されます。また政府の戦略17分野の1つであるバイオものづくりに係るビジネスも継続した拡大が見込まれています。
また近年のAIの進化は目覚ましく、バイオ解析分野においてもAIを活用したデジタルバイオの時代に向かうことが見込まれています。デジタルバイオ時代は、当社にとっても多くの効率化の機会をもたらすと考えておりますが、一方でAIを活用したシミュレーションが拡大することにより、研究開発領域での競争激化や受託解析需要の減少の恐れもあります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
2020年6月期以降、2023年6月期までは「経営基盤整備の期間」と位置付け、不採算事業の整理や生産性向上を推進し、持続的な事業活動を可能とする財務体質の強化に努めてまいりました。
2024年6月期から2026年6月期までの中期経営計画では、これまでの先端研究開発支援事業(現ライフサイエンス研究支援サービス)において着実な増収増益を図るとともに、ヘルスケア・ソリューション事業(現機能性素材開発支援サービス)の拡大と収益化のための「成長基盤構築の期間」と位置付けておりました。2025年6月期には当時のヘルスケア・ソリューション事業のセグメント利益が黒字化し、安定軌道に乗せることができました。また2025年7月より新規事業としてバイオものづくり支援サービスの提供を開始し、2026年6月期に本サービスは計画を上回る成果をあげることができました。一方で、ライフサイエンス研究支援サービスは、3年連続で減収となり、当社グループ全体の中期経営計画未達の主要因となりました。ライフサイエンス研究支援サービスの低迷は、主に国内アカデミア大型案件の年次変動と海外事業の減少によるものです。また設備投資などによる製造原価の増加も全社の利益に影響を及ぼしています。このような結果から、アカデミア案件に左右されない収益構造を構築すること、需要減少の際にも選ばれるだけの技術競争力の強化をしていくこと、さらなる生産性向上の取組が必要であることを確認しました。
これらを踏まえて、5か年中期経営計画[TIAD6]を策定いたしました。TIAD6では下記の5つの課題に対し、重点戦略を定めて実行してまいります。
①既存事業の維持・拡大
過去3か年において減収となったライフサイエンス研究支援サービスは、当社の中核であるため、本サービスの維持・拡大が課題となります。また機能性素材開発支援サービスもこれまでは順調に売り上げを拡大してまいりましたが、今後は維持・拡大のステージに入ると考えています。一方、2025年7月よりサービスを開始したバイオものづくり支援サービスは、政府の戦略17分野の1つに選定されるなど今後も大きな成長が見込まれる分野です。このような中、当社グループは以下の戦略により、「既存事業の維持・拡大」を遂行してまいります。
1)営業改革
ライフサイエンス研究支援における営業改革を推進してまいります。これまでは受注対応型の営業スタイルが多く、属人的営業にとどまる面がございました。今後企業案件の拡大を進めていくためには、企業顧客の潜在ニーズ創出型の営業スタイルに変えていく必要があり、それを組織として再現性のある「型」に落としていく必要があります。またデータやAIを駆使して営業効率を改善していくことにも取り組んでまいります。
2)バイオものづくり支援の拡大
当社では、代謝データに微生物に関する様々なデータを統合して、AI解析を行い、代謝シミュレーションに基づいた生産性改善のための仮説提案をさせていただいております。本サービスのさらなる拡大のために、AIを活用して収率向上メカニズムにまで踏み込んだ提案やコンサルティング、ハイスループット解析の磨き込みなどを推進してまいります。
②事業領域の拡張
既存事業の維持・拡大だけでは成長を加速することは難しいため、当社グループは、これまで以上に果敢に事業領域の拡張に取り組んでまいります。
質量分析技術を活用したヘルスデータの測定・解析は、近年AIの発展に伴い、北米を中心に拡大しています。日本では自由診療はまだ黎明期に近い状態ですが、パーソナルヘルスデータを活用した先端医療は、今後の成長領域と考えられています。当社グループは、2027年6月期に「ヘルスケア検査受託サービス」という研究開発領域以外の事業に進出してまいります。
③技術競争力の強化
当社は高感度網羅解析を競争優位性としてこれまで事業を拡大させてまいりました。またバイオものづくり支援のためにハイスループット化にも取り組んでまいりました。今後のAIの発展に伴うデジタルバイオ時代を見据えて、さらに技術的な競争力を強化していくために、高感度分析は「超高感度分析」に大幅にアップグレードし、ハイスループットに関してもさらなる短縮を図ってまいります。またDIAと呼ばれるデータ駆動型解析手法に対応したマルチオミクス解析技術や、標品となる試薬を使わなくても物質の同定ができるライブラリーフリーアノテーション技術の開発にも取り組んでまいります。
④生産性の向上
人手不足の環境が継続することが見込まれる中、増加する受注に対応するためには鶴岡本社ラボのキャパシティ拡大を、生産性向上により推進していく必要があります。そのために多角的なAI導入、ロボット活用による省人化、ヘルスケア検査受託サービスによる業務平準化によるリソースの有効活用により生産性向上を図ってまいります。
⑤人的資本強化
当社グループの付加価値を創造しているのは従業員です。TIAD6は従業員のスキルアップとエンゲージメントアップなどなくしては達成できません。当社グループの人的資本を強化するために、専門力強化プログラムの推進と従業員向け譲渡制限付き株式付与制度を新たに実施してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、その達成のために、「独創的な質量分析技術を駆使して、研究開発から生産効率化、品質保証・検査までを支える“バイオ解析プラットフォーマー”として、顧客・ユーザに付加価値を提供する」ことをビジョンとしております。
当社グループの経営基本方針は、当社グループが競争優位性を有するメタボローム解析技術・ノウハウを基軸にした新規事業・新サービスの開発(イノベーション)を強力に推進していくと同時に、業務活動全般におけるオペレーショナル・エクセレンスを高めていくことでさらなる収益性の向上を図り、ステークホルダー全体の満足度を向上し、企業価値を高めていくことです。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2026年7月から2031年6月までの5か年中期経営計画[TIAD6]を策定しました。TIAD6は、企業価値の倍増と加速的な持続的成長の基盤整備を目的に「成長加速基盤構築の期間」と位置付けています。以下の経営指標に対して目標を設定しております。
1)連結営業利益 6億円
2)連結売上高営業利益率 25%以上
3)連結ROE 15%以上
(3) 経営環境
当社グループが属するライフサイエンス業界は、少子高齢化といった国内環境にあっても、成長が見込まれる数少ない分野の1つであります。また将来の感染症予防・対策への関心も高く、研究開発投資が高水準で継続しており、今後も同様に推移することが想定されます。また政府の戦略17分野の1つであるバイオものづくりに係るビジネスも継続した拡大が見込まれています。
また近年のAIの進化は目覚ましく、バイオ解析分野においてもAIを活用したデジタルバイオの時代に向かうことが見込まれています。デジタルバイオ時代は、当社にとっても多くの効率化の機会をもたらすと考えておりますが、一方でAIを活用したシミュレーションが拡大することにより、研究開発領域での競争激化や受託解析需要の減少の恐れもあります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
2020年6月期以降、2023年6月期までは「経営基盤整備の期間」と位置付け、不採算事業の整理や生産性向上を推進し、持続的な事業活動を可能とする財務体質の強化に努めてまいりました。
2024年6月期から2026年6月期までの中期経営計画では、これまでの先端研究開発支援事業(現ライフサイエンス研究支援サービス)において着実な増収増益を図るとともに、ヘルスケア・ソリューション事業(現機能性素材開発支援サービス)の拡大と収益化のための「成長基盤構築の期間」と位置付けておりました。2025年6月期には当時のヘルスケア・ソリューション事業のセグメント利益が黒字化し、安定軌道に乗せることができました。また2025年7月より新規事業としてバイオものづくり支援サービスの提供を開始し、2026年6月期に本サービスは計画を上回る成果をあげることができました。一方で、ライフサイエンス研究支援サービスは、3年連続で減収となり、当社グループ全体の中期経営計画未達の主要因となりました。ライフサイエンス研究支援サービスの低迷は、主に国内アカデミア大型案件の年次変動と海外事業の減少によるものです。また設備投資などによる製造原価の増加も全社の利益に影響を及ぼしています。このような結果から、アカデミア案件に左右されない収益構造を構築すること、需要減少の際にも選ばれるだけの技術競争力の強化をしていくこと、さらなる生産性向上の取組が必要であることを確認しました。
これらを踏まえて、5か年中期経営計画[TIAD6]を策定いたしました。TIAD6では下記の5つの課題に対し、重点戦略を定めて実行してまいります。
①既存事業の維持・拡大
過去3か年において減収となったライフサイエンス研究支援サービスは、当社の中核であるため、本サービスの維持・拡大が課題となります。また機能性素材開発支援サービスもこれまでは順調に売り上げを拡大してまいりましたが、今後は維持・拡大のステージに入ると考えています。一方、2025年7月よりサービスを開始したバイオものづくり支援サービスは、政府の戦略17分野の1つに選定されるなど今後も大きな成長が見込まれる分野です。このような中、当社グループは以下の戦略により、「既存事業の維持・拡大」を遂行してまいります。
1)営業改革
ライフサイエンス研究支援における営業改革を推進してまいります。これまでは受注対応型の営業スタイルが多く、属人的営業にとどまる面がございました。今後企業案件の拡大を進めていくためには、企業顧客の潜在ニーズ創出型の営業スタイルに変えていく必要があり、それを組織として再現性のある「型」に落としていく必要があります。またデータやAIを駆使して営業効率を改善していくことにも取り組んでまいります。
2)バイオものづくり支援の拡大
当社では、代謝データに微生物に関する様々なデータを統合して、AI解析を行い、代謝シミュレーションに基づいた生産性改善のための仮説提案をさせていただいております。本サービスのさらなる拡大のために、AIを活用して収率向上メカニズムにまで踏み込んだ提案やコンサルティング、ハイスループット解析の磨き込みなどを推進してまいります。
②事業領域の拡張
既存事業の維持・拡大だけでは成長を加速することは難しいため、当社グループは、これまで以上に果敢に事業領域の拡張に取り組んでまいります。
質量分析技術を活用したヘルスデータの測定・解析は、近年AIの発展に伴い、北米を中心に拡大しています。日本では自由診療はまだ黎明期に近い状態ですが、パーソナルヘルスデータを活用した先端医療は、今後の成長領域と考えられています。当社グループは、2027年6月期に「ヘルスケア検査受託サービス」という研究開発領域以外の事業に進出してまいります。
③技術競争力の強化
当社は高感度網羅解析を競争優位性としてこれまで事業を拡大させてまいりました。またバイオものづくり支援のためにハイスループット化にも取り組んでまいりました。今後のAIの発展に伴うデジタルバイオ時代を見据えて、さらに技術的な競争力を強化していくために、高感度分析は「超高感度分析」に大幅にアップグレードし、ハイスループットに関してもさらなる短縮を図ってまいります。またDIAと呼ばれるデータ駆動型解析手法に対応したマルチオミクス解析技術や、標品となる試薬を使わなくても物質の同定ができるライブラリーフリーアノテーション技術の開発にも取り組んでまいります。
④生産性の向上
人手不足の環境が継続することが見込まれる中、増加する受注に対応するためには鶴岡本社ラボのキャパシティ拡大を、生産性向上により推進していく必要があります。そのために多角的なAI導入、ロボット活用による省人化、ヘルスケア検査受託サービスによる業務平準化によるリソースの有効活用により生産性向上を図ってまいります。
⑤人的資本強化
当社グループの付加価値を創造しているのは従業員です。TIAD6は従業員のスキルアップとエンゲージメントアップなどなくしては達成できません。当社グループの人的資本を強化するために、専門力強化プログラムの推進と従業員向け譲渡制限付き株式付与制度を新たに実施してまいります。