有価証券報告書-第21期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、当期の売上高は3,695百万円(前年同期比14.0%増)と過去最高を計上することができました。
一方、利益面においては、人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。これらの要因により、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)、当期損失1,679百万円(前年同期は82百万円の利益)となりました。なお、EBITDAは△278百万円(前年同期は704百万円)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
財政状態については、次のとおりであります。
当期末の資産合計は、前期末に比べ430百万円減少し、5,385百万円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。
当期末の資本合計は、前期末に比べ1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期に比べて275百万円減少し1,700百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、379百万円(前期は222百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少した一方、減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、無形資産の除却損178百万円などの非資金項目の調整により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、538百万円(前期は104百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、648百万円(前期は790百万円の増加)となりました。この主な要因は、子会社の新株発行による収入479百万円、長期借入による収入319百万円、長期借入金の返済による支出67百万円、リース負債の返済による支出87百万円によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等連結財務諸表注記3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業の単一セグメントであり、当該事業は、SaaS事業、ソリューション事業及びクロスバウンド事業の各サービスにより構成されております。当期のグループ全体、事業別の振り返りは、次のとおりであります。
1) グループ全体
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」に記載の経営戦略の元、当期においては、事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。その結果、売上高については、3,695百万円と過去最高を計上することができました。しかし、中国経済の減速の影響により、クロスバウンド事業における越境ECサービスの中国国内での購買意欲の低下が続いたこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化した等の影響から、全体的には好調に推移したものの、売上成長率は当初見込みより下回る前年同期比14.0%増に留まることとなりました。利益面においても、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境の変化への対応の影響が大きかったことから、機動的かつグループ一体で効果的な施策を打つため、当サービスを担う米国子会社Effyis,Inc. のCEOに2019年12月より当社代表取締役内山幸樹が就任しております。当期の状況については、各四半期の決算補足資料において説明し、また年2回の決算説明会、投資家とのワンオンワンミーティング等を通じて、市場への十分な事業説明に努めて参りました。
2) SaaS事業
当事業は、SNSの分析/マーケティングツールである「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズから成り立っております。「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズは前年同期と比較し堅調に推移したものの、当事業の売上高は478百万円(前年同期比36.7%減)となりました。これは2018年12月にe-mining事業を行う連結子会社である株式会社リリーフサインの発行済株式の過半を、有限会社エスフロントに譲渡したことにより、「e-mining」シリーズの売上高が当期以降では計上されないためとなります。分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価が前期より値上りしましたが、社内効率化努力などにより一定の利益率は保持しております。当市場においては、グローバル企業による日本市場への参入と価格帯ごとの競争環境の激化が起こっておりますが、設立以来蓄積してきた分析技術とソーシャル・ビッグデータを強みとし、顧客の求める十分で使いやすい機能を提供することで一定の評価をいただいております。また、売上に寄与する新規商品の開発については引き続き努めて参ります。
3) ソリューション事業
当事業は、主に日本国内のSNSマーケティング支援と、SNSデータアクセス権の販売から成り立っております。
日本国内のSNSマーケティング支援および当社の米国子会社であるEffyis,Inc.のSNSデータアクセス権の販売が継続して好調だったことにより、当事業の売上高は2,126百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
SNSマーケティング支援のサービスについては、2018年度よりを本格的に開始しており、当期においても順調に実績を積み上げております。当サービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に渡り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものであります。人材の採用及び育成が重要な要素であるため、人材投資を重点的に行い、順調に体制の整備が進んでおります。また、SNS広告・コンサルの社内業務の効率化に資するAI搭載のシステムを開発しております。
SNSデータアクセス権の販売のサービスは、指標となる顧客からの月額利用料が順調に増加しております。これは、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持しており、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約が順調に獲得できていることが背景にあります。2018年度において発生した新規SNSデータアクセス権の獲得に伴うミニマムギャランティーについては、当第3四半期連結会計期間から投資の回収フェーズに入っております。一方、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)によりデータアクセス権の販売構成が変わるなど、世界のソーシャルメディアビッグデータアクセス権市場環境は大きく変化しており、効果的な新規市場の選別と開拓に取り組んでおります。
4)クロスバウンド事業
当事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費行動を分析するレポーティングとプロモーション支援、越境ECサービスから成り立っております。レポーティング等は堅調な売上を維持、プロモーションサービスの売上は好調に推移しました。以上のことから、当事業の売上高は1,090百万円(前年同期比79.8%増)となりました。
当事業を構成するサービスは、子会社である株式会社トレンドExpressが提供しており、中国国内での事前の市場調査の実施、訴求戦略の策定、露出メディアの選定、プロモーション実施後の効果測定までの一連のサービスを提供する、「トレンドPR」を販売し、順調に販売を伸ばしております。また、中国最大級のCtoCソーシャルコマースアプリ「微店」と日中間の越境EC事業について業務提携を行いました。本提携により、日中間で45万店舗に及ぶソーシャルバイヤーネットワークを活かし、販路拡大を実現する越境ECサービス「越境EC X(クロス)」の販売を開始、さらに、2019年5月よりソーシャルバイヤーの活動支援および中国での日本商品の認知度拡大を図るアプリ「World X」を本格展開しております。急速に伸びている当事業の株式会社トレンドExpressの成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。
(連結財政状態計算書)
・資産の部
流動資産は、現金及び現金同等物が減少したこと等により、前期末に比べて112百万円減少し、2,328百万円となりました。これは主に、事業拡大に向け新規顧客の開拓及び事業活動に必要となる人材への投資によるものです。
非流動資産は、前期末に比べて317百万円減少し、3,056百万円となりました。これは主に、米国子会社Effyis.Incに係るのれんの減損759百万円および当社におけるソフトウェアの除却損178百万円を計上した一方、IFRS第16号リースの適用により使用権資産が770百万円増加したことによるものです。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて430百万円減少し、5,385百万円となりました。
・負債の部
流動負債は、営業債務及びその他の債務が143百万円増加したことにより、前期末に比べて172百万円増加し、792百万円となりました。
非流動負債は、前期末に比べて982百万円増加し、1,539百万円となりました。これは主に、IFRS第16号の適用によるリース負債の増加698百万円と、借入金の増加232百万円によるものであります。
以上により、当期末における負債の合計は前期末に比べて1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。
・資本の部
資本合計は、前期末に比べて1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。これは主に、のれんの減損759百万円を計上したこと及び、事業拡大に向け先行投資を行いましたが、現時点で利益に寄与する段階ではなく、利益剰余金が1,819百万円減少したことによるものであります。
(連結損益計算書)
・売上高
当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、前期に比べて454百万円(+14.0%)増加し、3,695百万円となりました。
事業別の売上高は、次のとおりであります。
・営業費用及び営業利益
利益面においては、事業規模拡大のための人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べて669百万円(+35.0%)増加し、2,582百万円となりました。これは、売上高増に伴う増加の他、SaaS事業の分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価の値上り、またソリューション事業のSNSデータアクセス権市場において、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響により、ロイヤリティ(権利使用料)の付加された原価の高いデータアクセス権の売上比率が上がったこと、これに対応するための新規市場向け開発コストがかかったこと等が主な要因であります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ512百万円(+37.1%)増加し、1,895百万円となりました。主な要因は、事業規模の拡大に伴う人件費および業務委託費が増加したこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化したことにより一部の顧客の経営環境が悪化し、貸倒引当金繰入額が増加したこと等によるものであります。
米国子会社Effyis.Incは当連結会計年度において上記の要因から利益率が悪化し、想定されていた利益が見込まれないこととなったため、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、その公正価値が帳簿価額を下回ることとなったため、のれんの減損損失759百万円を計上しました。
当期は、その他の費用942百万円を計上しておりますが、内759百万円がこののれんの減損です。この他の主な要因は、ソフトウェアの除却損178百万円であります。
以上の結果、営業損失は1,699百万円(前連結会計年度は営業利益328百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少しましたが、のれんの減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、ソフトウェアの除却損178百万円などの非資金項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは379百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、538百万円の支出となりました。これは主としてソフトウェアの開発に係る無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
子会社の成長資金のための新株発行479百万円、当社グループの経営の機動性を確保するための長期借入金319百万円などの資金調達を行った一方で、長期借入金の返済67百万円やリース負債の返済87百万円などを行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは648百万円の収入となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主にソフトウェア等)につきましては、資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、短期の運転資金の調達のために、必要に応じて変動金利の有利子負債による資金調達を実施しております。
当連結会計年度においては、子会社の成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1,388百万円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,700百万円となっています。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。当連結会計年度における売上高は3,695百万円、売上成長率は14.0%(前連結会計年度は25.5%)であります。営業利益率については、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)となりました。詳細につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、当期の売上高は3,695百万円(前年同期比14.0%増)と過去最高を計上することができました。
一方、利益面においては、人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。これらの要因により、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)、当期損失1,679百万円(前年同期は82百万円の利益)となりました。なお、EBITDAは△278百万円(前年同期は704百万円)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
財政状態については、次のとおりであります。
当期末の資産合計は、前期末に比べ430百万円減少し、5,385百万円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。
当期末の資本合計は、前期末に比べ1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期に比べて275百万円減少し1,700百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、379百万円(前期は222百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少した一方、減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、無形資産の除却損178百万円などの非資金項目の調整により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、538百万円(前期は104百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、648百万円(前期は790百万円の増加)となりました。この主な要因は、子会社の新株発行による収入479百万円、長期借入による収入319百万円、長期借入金の返済による支出67百万円、リース負債の返済による支出87百万円によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等連結財務諸表注記3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業の単一セグメントであり、当該事業は、SaaS事業、ソリューション事業及びクロスバウンド事業の各サービスにより構成されております。当期のグループ全体、事業別の振り返りは、次のとおりであります。
1) グループ全体
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」に記載の経営戦略の元、当期においては、事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。その結果、売上高については、3,695百万円と過去最高を計上することができました。しかし、中国経済の減速の影響により、クロスバウンド事業における越境ECサービスの中国国内での購買意欲の低下が続いたこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化した等の影響から、全体的には好調に推移したものの、売上成長率は当初見込みより下回る前年同期比14.0%増に留まることとなりました。利益面においても、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境の変化への対応の影響が大きかったことから、機動的かつグループ一体で効果的な施策を打つため、当サービスを担う米国子会社Effyis,Inc. のCEOに2019年12月より当社代表取締役内山幸樹が就任しております。当期の状況については、各四半期の決算補足資料において説明し、また年2回の決算説明会、投資家とのワンオンワンミーティング等を通じて、市場への十分な事業説明に努めて参りました。
2) SaaS事業
当事業は、SNSの分析/マーケティングツールである「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズから成り立っております。「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズは前年同期と比較し堅調に推移したものの、当事業の売上高は478百万円(前年同期比36.7%減)となりました。これは2018年12月にe-mining事業を行う連結子会社である株式会社リリーフサインの発行済株式の過半を、有限会社エスフロントに譲渡したことにより、「e-mining」シリーズの売上高が当期以降では計上されないためとなります。分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価が前期より値上りしましたが、社内効率化努力などにより一定の利益率は保持しております。当市場においては、グローバル企業による日本市場への参入と価格帯ごとの競争環境の激化が起こっておりますが、設立以来蓄積してきた分析技術とソーシャル・ビッグデータを強みとし、顧客の求める十分で使いやすい機能を提供することで一定の評価をいただいております。また、売上に寄与する新規商品の開発については引き続き努めて参ります。
3) ソリューション事業
当事業は、主に日本国内のSNSマーケティング支援と、SNSデータアクセス権の販売から成り立っております。
日本国内のSNSマーケティング支援および当社の米国子会社であるEffyis,Inc.のSNSデータアクセス権の販売が継続して好調だったことにより、当事業の売上高は2,126百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
SNSマーケティング支援のサービスについては、2018年度よりを本格的に開始しており、当期においても順調に実績を積み上げております。当サービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に渡り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものであります。人材の採用及び育成が重要な要素であるため、人材投資を重点的に行い、順調に体制の整備が進んでおります。また、SNS広告・コンサルの社内業務の効率化に資するAI搭載のシステムを開発しております。
SNSデータアクセス権の販売のサービスは、指標となる顧客からの月額利用料が順調に増加しております。これは、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持しており、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約が順調に獲得できていることが背景にあります。2018年度において発生した新規SNSデータアクセス権の獲得に伴うミニマムギャランティーについては、当第3四半期連結会計期間から投資の回収フェーズに入っております。一方、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)によりデータアクセス権の販売構成が変わるなど、世界のソーシャルメディアビッグデータアクセス権市場環境は大きく変化しており、効果的な新規市場の選別と開拓に取り組んでおります。
4)クロスバウンド事業
当事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費行動を分析するレポーティングとプロモーション支援、越境ECサービスから成り立っております。レポーティング等は堅調な売上を維持、プロモーションサービスの売上は好調に推移しました。以上のことから、当事業の売上高は1,090百万円(前年同期比79.8%増)となりました。
当事業を構成するサービスは、子会社である株式会社トレンドExpressが提供しており、中国国内での事前の市場調査の実施、訴求戦略の策定、露出メディアの選定、プロモーション実施後の効果測定までの一連のサービスを提供する、「トレンドPR」を販売し、順調に販売を伸ばしております。また、中国最大級のCtoCソーシャルコマースアプリ「微店」と日中間の越境EC事業について業務提携を行いました。本提携により、日中間で45万店舗に及ぶソーシャルバイヤーネットワークを活かし、販路拡大を実現する越境ECサービス「越境EC X(クロス)」の販売を開始、さらに、2019年5月よりソーシャルバイヤーの活動支援および中国での日本商品の認知度拡大を図るアプリ「World X」を本格展開しております。急速に伸びている当事業の株式会社トレンドExpressの成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。
(連結財政状態計算書)
・資産の部
流動資産は、現金及び現金同等物が減少したこと等により、前期末に比べて112百万円減少し、2,328百万円となりました。これは主に、事業拡大に向け新規顧客の開拓及び事業活動に必要となる人材への投資によるものです。
非流動資産は、前期末に比べて317百万円減少し、3,056百万円となりました。これは主に、米国子会社Effyis.Incに係るのれんの減損759百万円および当社におけるソフトウェアの除却損178百万円を計上した一方、IFRS第16号リースの適用により使用権資産が770百万円増加したことによるものです。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて430百万円減少し、5,385百万円となりました。
・負債の部
流動負債は、営業債務及びその他の債務が143百万円増加したことにより、前期末に比べて172百万円増加し、792百万円となりました。
非流動負債は、前期末に比べて982百万円増加し、1,539百万円となりました。これは主に、IFRS第16号の適用によるリース負債の増加698百万円と、借入金の増加232百万円によるものであります。
以上により、当期末における負債の合計は前期末に比べて1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。
・資本の部
資本合計は、前期末に比べて1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。これは主に、のれんの減損759百万円を計上したこと及び、事業拡大に向け先行投資を行いましたが、現時点で利益に寄与する段階ではなく、利益剰余金が1,819百万円減少したことによるものであります。
(連結損益計算書)
・売上高
当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、前期に比べて454百万円(+14.0%)増加し、3,695百万円となりました。
事業別の売上高は、次のとおりであります。
| サービスの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| ソーシャルメディアマーケティング支援事業 | ||
| SaaS | 478,469 | 63.3 |
| ソリューション | 2,126,465 | 113.2 |
| 日本市場向けSNSマーケティング支援 | 477,689 | 188.6 |
| SNSデータアクセス権販売 | 1,648,775 | 101.4 |
| クロスバウンド | 1,090,872 | 179.8 |
| 合計 | 3,695,806 | 114.0 |
・営業費用及び営業利益
利益面においては、事業規模拡大のための人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べて669百万円(+35.0%)増加し、2,582百万円となりました。これは、売上高増に伴う増加の他、SaaS事業の分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価の値上り、またソリューション事業のSNSデータアクセス権市場において、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響により、ロイヤリティ(権利使用料)の付加された原価の高いデータアクセス権の売上比率が上がったこと、これに対応するための新規市場向け開発コストがかかったこと等が主な要因であります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ512百万円(+37.1%)増加し、1,895百万円となりました。主な要因は、事業規模の拡大に伴う人件費および業務委託費が増加したこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化したことにより一部の顧客の経営環境が悪化し、貸倒引当金繰入額が増加したこと等によるものであります。
米国子会社Effyis.Incは当連結会計年度において上記の要因から利益率が悪化し、想定されていた利益が見込まれないこととなったため、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、その公正価値が帳簿価額を下回ることとなったため、のれんの減損損失759百万円を計上しました。
当期は、その他の費用942百万円を計上しておりますが、内759百万円がこののれんの減損です。この他の主な要因は、ソフトウェアの除却損178百万円であります。
以上の結果、営業損失は1,699百万円(前連結会計年度は営業利益328百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少しましたが、のれんの減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、ソフトウェアの除却損178百万円などの非資金項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは379百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、538百万円の支出となりました。これは主としてソフトウェアの開発に係る無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
子会社の成長資金のための新株発行479百万円、当社グループの経営の機動性を確保するための長期借入金319百万円などの資金調達を行った一方で、長期借入金の返済67百万円やリース負債の返済87百万円などを行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは648百万円の収入となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主にソフトウェア等)につきましては、資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、短期の運転資金の調達のために、必要に応じて変動金利の有利子負債による資金調達を実施しております。
当連結会計年度においては、子会社の成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1,388百万円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,700百万円となっています。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。当連結会計年度における売上高は3,695百万円、売上成長率は14.0%(前連結会計年度は25.5%)であります。営業利益率については、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)となりました。詳細につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。