有価証券報告書-第32期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:11
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【項目】
74項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、日銀による金融政策や政府による経済政策の効果もあり、雇用情勢は大きく改善されたものの、個人消費が低調に推移した結果、全体的に力強さを欠く状況となりました。また米国の政権交代に伴う政策の混迷、利上げ観測に伴う新興国経済の減速、英国のEU離脱問題による欧州経済の失速懸念、更には東アジア地域における紛争懸念等、依然として先行き不透明感が払拭できない状況にありました。
外食業界におきましては、人材需給の逼迫に伴う人件費の上昇や人材不足、更には消費者の節約志向の高まりによる消費動向の鈍化傾向や業界内の顧客獲得競争が激化の一途を辿っている等、経営環境は引続き厳しい状況が続いております。
このような環境のもと、当社の主力業態は「や台や」業態、「や台ずし」業態、「ニパチ」業態及び「これや」業態であり、その中でも特に「や台ずし」業態を中心に新規出店に努めるとともに不採算店の業態転換として「これや」業態の出店を実施してまいりました。
「や台ずし」業態は新鮮な魚介類を用いた本格職人にぎりのすしを低価格で食すことができ、且つ居酒屋メニューも合わせて食すことができるという“寿司屋が居酒屋メニューを提供する”業態であります。良い商材を使い、春夏秋冬の季節に合わせてメニュー改定することで、お客様の来店動機に繋げたことから客数も堅調に推移致しました。
当業態は当社の増収増益に大きく寄与する業態であるため、年度計画に基づいて新規出店も戦略的に「や台ずし」中心に展開したことから、当社の主力業態の中でも最も店舗数の多い業態となりました。
「ニパチ」業態は均一低価格でコストパフォーマンスの高い料理を提供する居酒屋業態であります。当業態へのニーズは常に一定程度存在するものであり、特に景気回復の遅れが散見される地方都市においては、より低価格の業態のニーズが高く売上高も堅調に推移しました。これは団体客獲得を目指した食べ・飲み放題という施策を実行したことで、売上高の向上に努めたことによるものと考えております。
当業態の新規出店については、地方都市における顧客ニーズはあるものと判断し、適宜出店してまいりました。
「や台や」業態はお好み焼き・鉄板焼き居酒屋であります。当業態は店舗数こそ多くはありませんが、お値打ち感の高い商品の提供を徹底することで既存店強化に努めたことから客数・客単価ともに安定して推移致しました。
当社は業態を問わず、接客が非常に重要であるとの認識から、全ての業態において、や台やグループの基本理念である「元気を持って帰ってもらう店なんやで」を実現することに努めてまいりました。「“あたりまえや”を当り前に」という社是のもと「元気な声出し、清潔感、笑顔の接客」を着実に実行できるように、徹底して従業員(パート・アルバイト含む)の教育に努め、上質な接客サービスの向上を目指して取り組んでまいりました。
また、新業態の開発に積極的に取り組んでまいりました。顧客ニーズの多様化が進む中、次なる収益の柱を生み出すべく、継続的な成長に繋げるための取り組みを実践してまいりました。当期は、以前に出店しておりました串カツ居酒屋「これや」をリニューアルし新業態として研究してまいりました。なお既存業態の不採算店を積極的に「これや」業態へ業態転換し、出店地域・価格等試行錯誤を重ねることでデータを蓄積し開発に取り組みました。当社は常に新たな収益の柱を確立するために、今後も顧客ニーズにしっかりアンテナを張り巡らせ、情報の収集に努めていきたいと考えております。
既存業態の新規出店や新業態開発等を進める一方で、利益率の低い小型店や不採算店については戦略的に撤退や売却を進め、全社的な利益率の改善や人材の効率的な配置転換等を実施することで高利益率の維持に努めてまいりました。
建築店舗・設計デザイン事業部(以下、「建築事業部」という。)は、当社飲食事業の旺盛な新規出店工事に優先的に注力したことから、結果として当期は減収となりました。しかし当事業部の存在を強みとして最大限活用することで、店舗展開する際のイニシャルコストの徹底的な抑制、投資回収の早期実現等の達成に大いに寄与しました。
以上の結果、店舗数につきましては、新規出店38店舗、退店5店舗、業態転換13店舗を実施し、平成29年3月末日現在の店舗数は234店舗(フランチャイズ含む)となりました。
また、当事業年度の売上高は12,714百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益は1,146百万円(同5.8%増)、経常利益は1,389百万円(同9.4%増)となり、当期純利益は870百万円(同22.3%増)となりました。
事業部別の業績の概況は、次のとおりであります。
事業部課売 上 高構 成 比前年同期比
東関東
事業本部
東関東第一事業部456,556千円3.6%147.2%
西関東
事業本部
西関東第一事業部2,773,561千円21.8%118.3%
西関東第二事業課712,215千円5.6%131.5%
中部事業部2,360,434千円18.6%108.2%
関西
事業本部
関西第一事業部2,464,359千円19.4%107.3%
関西第二事業課580,364千円4.6%124.7%
山陽事業部927,818千円7.3%129.6%
九州事業部2,386,848千円18.8%116.1%
飲食事業 小計12,662,159千円99.6%116.0%
建築事業部52,356千円0.4%82.2%
建装事業 小計52,356千円0.4%82.2%
合計12,714,516千円100.0%115.8%

(注)1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2 平成28年11月1日より組織変更として東関東事業本部、西関東事業本部並びに関西事業本部を設置しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて433百万円(16.7%)増加し、3,026百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は前年同期に比べ172百万円(14.0%)増加し、1,410百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益117百万円、及び減価償却費67百万円の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は前年同期に比べ261百万円(40.6%)増加し、904百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出170百万円、及び固定資産の取得による支出116百万円の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は前年同期に比べ75百万円(50.7%)減少し、73百万円となりました。これは主に、長期借入金による収入100百万円の増加によるものであります。