有価証券報告書-第23期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/26 14:13
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの基本方針は次のとおりです。
① 使命
○ 情報・サービスを通じて自動車産業の発展と豊かな社会づくりに貢献する。
快適、安全で環境性能の高いクルマがより低コストで消費者に供給できれば、世界でより多くの人がクルマの楽しさや便利さを感じてもらえます。マークラインズは『自動車産業ポータル』の運営を通じて自動車産業に関わる企業のお客様に、情報や各種サービスをグローバルに提供していくことにより、その実現に貢献します。
② 共有する価値観
○ オープン
当社の出発点はグローバル化の進展とともに自動車業界の系列構造が、よりオープンな関係に変化していくなかで、地域・グループを超えて情報サービスを提供することでした。マークラインズは開かれたB2B取引支援の運営体として数多くの多彩なお客様が集まっていただける場を提供します。社内においても、年令、性別、学歴、国籍を問わず人材を登用するオープンポリシーを貫いています。
○ 相互繁栄
当社はお客様、株主、従業員、パートナーなど多くのステークホルダーとの関係があります。当社が将来に亘って質の高いサービスを生み出し成長するには、それぞれとのバランスの取れた関係が大切と考えます。長期的な視点からWin Winの関係を構築して参ります。
○ 諸行無常(=すべて変化する)
この世のすべての行いは常無きもの、自動車業界を取り巻く環境も刻々と変化し、事業機会を生み出します。当社が存在するのも世界が変化するからに他なりません。私たちは世界の動きを、分かり易く迅速にお伝えするとともに、お客様のご要望に沿った個別のプロジェクト調査も行い、変化を綿密に調べます。また、今日できなかったことも明日できる、との信念のもと、わたしたち自身も変化し続けます。当社グループが、持続的かつ収益力のある成長企業であり続けるために、世界で存在感のある企業を目指し、ビジネスモデルの変革を実行して参ります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、次のとおりです。
① 利益成長率
連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率を重視する理由は、真に強い企業となるためには、継続して安定した利益成長を遂げていくことが重要と考えているためであり、前期比20%以上の利益成長率の達成を目標としております。2023年12月期の連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率は、それぞれ22.6%となりました。
② 株主資本利益率(ROE)
株主資本利益率(ROE)を重視する理由は、株主資本を使用してどのくらい利益を上げたのか、株主・投資家へのリターンの尺度とされているためであります。
2023年12月期連結会計年度の株主資本利益率(ROE)は27.8%となりました。当社は、収益力の向上と業績に応じた株主還元策等を踏まえて、中期的にROE30%の維持と資本効率の向上に努めてまいります。
③ 配当性向
株主の利益配分を重要な経営方針と位置付け、中長期に株式を保有していただくため、安定的な配当を実施することを目標としております。経営基盤の強化と今後の事業領域の充実のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施することが重要と考え、配当性向は連結業績をベースに35%を目安と考えております。
第23期連結会計年度の配当性向は、34.4%となります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループが、持続的に収益力のある成長企業であり続けるために、世界で存在感のある企業を目指し、ビジネスモデルの変革を実行して参ります。
① グローバル展開の再加速に向けた投資
潜在顧客のおよそ9割が所在する海外への投資を強化しビジネス展開を再び加速・推進してまいります。
・グローバルの地域を軸とした営業部門の組織変更により、アジア、北米、欧州などの各地域おいて、より効果的な営業活動を展開します。
・在外子会社への出向者や海外出張を増やし、本社で蓄積されたノウハウの移植を推進します。
・在外子会社の人員体制強化を進め、営業力・コンテンツ力の強化を図ります。
・海外7拠点目となる子会社の設立を検討してまいります。
② リバースエンジニアリング分野への新たな投資
現在、建設中のベンチマークセンター(収容能力約100名)稼働後は、車両・部品調達代行サービス及びコスト比較分析サービスに加えて、車両の分解、計測、CADデータの取得など新たな機能が実装されます。これを契機として、リバースエンジニアリング分野における本格的な取り組みを推進してまいります。
また、当社が実車両を調達し、独自に分解することで3現主義(現地、現物、現実)を実現することができます。これまでより深く、さらに幅広い分析活動を通じて既存事業が提供するサービスの付加価値向上を推進してまいります。
③ 情報プラットフォームサイトへの先進システム投資
ChatGPTなどの生成AI技術を導入し、サイト内検索の機能強化を図るとともに、BI(Business Intelligence)ツールを活用してサイト内に蓄積してきた様々な計数を直感的にグラフ化できる機能を実装するなどデータの見える化を推進してまいります。
④ SDV(Software Defined Vehicle)コンテンツへの投資
自動車のライフサイクルコストに占めるソフトウェアの比重の高まりを受け、SDV関連のコンテンツ強化を開始しました。当該領域におけるコンテンツのさらなる強化を図るため、グローバルのソフトウェアベンダーに関するレポートメニューを新たに追加し、コンテンツの増強を図ります。
⑤ バックオフィス部門の強化
事業規模拡大を背景として、当社グループ全体のバックオフィス部門強化の必要性が高まったことを受け、管理部を人事総務部、財務経理部に分離し、各々の機能を明確化しました。今後は、それぞれの部門の機能を強化し事業活動の推進を図ってまいります。
⑥ 情報プラットフォーム事業以外の事業の営業力強化
情報プラットフォーム会員は、情報プラットフォーム事業以外の事業の有望な潜在顧客であるため、会員数の増加とともに各事業の受注も拡大を続けております。今後は、各事業における独自の営業活動を強化すると同時に、事業間の連携を推進することで、より一層の受注拡大を図ってまいります。