有価証券報告書-第18期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/27 13:32
【資料】
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【項目】
173項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの基本方針は次のとおりです。
1.使命
○ 情報・サービスを通じて自動車産業の発展と豊かな社会づくりに貢献する。
快適、安全で環境性能の高いクルマがより低コストで消費者に供給できれば、世界でより多くの人がクルマの楽しさや便利さを感じてもらえます。マークラインズは『自動車産業ポータル』の運営を通じて自動車産業に関わる企業のお客様に、情報や各種サービスをグローバルに提供していくことにより、その実現に貢献します。
2. 共有する価値観
○ オープン
当社の出発点はグローバル化の進展とともに自動車業界の系列構造が、よりオープンな関係に変化していくなかで、地域・グループを超えて情報サービスを提供することでした。マークラインズは開かれたB2B取引支援の運営体として数多くの多彩なお客様が集まっていただける場を提供します。社内においても、年令、性別、学歴、国籍を問わず人材を登用するオープンポリシーを貫いています。
○ 相互繁栄
当社はお客様、株主、従業員、パートナーなど多くのステークホルダーとの関係があります。当社が将来に亘って質の高いサービスを生み出し成長するには、それぞれとのバランスの取れた関係が大切と考えます。長期的な視点からWin Winの関係を構築して参ります。
○ 諸行無常(=すべて変化する)
この世のすべての行いは常無きもの、自動車業界を取り巻く環境も刻々と変化し、事業機会を生み出します。当社が存在するのも世界が変化するからに他なりません。私たちは世界の動きを、分かり易く迅速にお伝えするとともに、お客様のご要望に沿った個別のプロジェクト調査も行い、変化を綿密に調べます。また、今日できなかったことも明日できる、との信念のもと、わたしたち自身も変化し続けます。当社グループが、持続的かつ収益力のある成長企業であり続けるために、世界で存在感のある企業を目指し、ビジネスモデルの変革を実行して参ります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、次のとおりです。
1. 利益成長率
連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率を重視する理由は、真に強い企業となるためには、継続して安定した利益成長を遂げていくことが重要と考えているためであり、前期比20%以上の利益成長率の達成を目標としております。2018年12月期の連結営業利益及び連結経常利益の利益成長率はそれぞれ20.9%、16.5%となりました。
2.株主資本利益率(ROE)
株主資本利益率(ROE)を重視する理由は、株主資本を使用してどのくらい利益を上げたのか、株主・投資家へのリターンの尺度とされているためであります。
2018年12月期連結会計年度の株主資本利益率(ROE)は26.2%となりました。当社は、収益力の向上と業績に応じた株主還元策等を踏まえて、中期的にROE30%の維持と資本効率の向上に努めてまいります。
3.配当性向
株主の利益配分を重要な経営方針と位置付け、中長期に株式を保有していただくため、安定的な配当を実施することを目標としております。経営基盤の強化と今後の事業領域の充実のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施することが重要と考え、配当性向は個別業績をベースに40%を目安と考えております。
第18期事業年度の配当性向は、39.5%となります。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループが、持続的に収益力のある成長企業であり続けるために、世界で存在感のある企業を目指し、ビジネスモデルの変革を実行して参ります。
Ⅰ「情報プラットフォーム」事業
① 顧客基盤及び領域の拡大
自動車産業は、環境対応車、自動運転技術、AI等の新技術の潮流の中にあり、異業種の参入等が、業界の裾野を広げております。当社グループの企業価値を向上させていくために、中長期の事業展望において、顧客領域を拡大させ、「情報プラットフォーム」契約企業数をさらに増加させることが、コンサルティング、人材紹介並びにLMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売等の事業に相乗効果を生み、全事業のさらなる業容拡大に繋がると考えております。新しい情報技術を活用した営業システムの採用や、国内営業活動面においては、自動車関連企業が集積している関東、中部圏に、また、海外営業面においては、潜在顧客の多い中国、米州、欧州及びアジアに、営業資源を重点的に配備し、顧客基盤及び領域の拡大を図って参ります。
② 新しいコンテンツ領域の開発
当社グループは、電動化、自動運転技術、ConnectedやAI実用化等変化の潮流に対応したコンテンツ、2次・3次メーカーからも利用価値を認めていただけるコンテンツ等、変化の先頭に立った新しいコンテンツ領域を開発・提供することで、自動車産業に関わる全ての事業の発展に寄与する、より利用価値のある「自動車産業ポータル」構築に取り組んで参ります。
Ⅱ「情報プラットフォーム」以外の事業
① コンサルティング事業の成長拡大
2018年度第2四半期より開始した「コスト比較分析サービス」は、ご契約企業から注目を集めており、今後も需要拡大が期待されます。当該サービスを展示会等でのマーケティング活動を通じ、受注促進に注力して参ります。また、海外におけるCASEの技術動向等、関心が集まる領域に対応できる提携パートナー等の発掘といった施策等も併せて実施し、当該事業の成長拡大を図って参ります。
② LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業における新しい顧客層の開拓
2013年3月から開始した当該事業は、順調に拡大しつつあり、これまでスタッフ追加による体制整備や「自動車市場・技術予測カンファレンス」の開催等の施策を通じて、サービス利用顧客の拡大を図って参りました。今後は、競合他社が提供していない価格帯の製品を取り揃え、新たな顧客層の開拓に取り組んで参ります。
③ 人材紹介事業の持続的な求人依頼獲得の強化
現在、国内乗用車メーカー8社中4社から求人依頼に関する契約を獲得しております。全社との契約締結を目指し、持続的な求人依頼獲得を図ると同時に、これを足場に求職者獲得も推進して参ります。また、北関東や中部圏の1次、2次メーカーから当社だけの独自案件獲得に取り組み、当該事業の収益拡大を図って参ります。
④ ベンチマーキング関連事業の推進
2017年より開始した車両・部品調達代行サービス及び分解調査データ販売事業は、顧客企業の電動車への関心の高さを背景に、大きく事業が成長しつつあります。車両・部品調達代行サービスについては、引合いが増加傾向にあることから、今後も当該サービスを積極的にPRし、モーター、バッテリー、パワーコントロールユニット等の電動車関連部品の受注拡大を図って参ります。また、当該サービスは競合製品をベンチマーキングする「コスト比較分析サービス」との親和性が高いため、収益への相乗効果を高めるよう併せて同時受注も促進して参ります。
⑤ LINES 事業の販売体制整備
自社製品PRに意欲・関心が高い企業に直接アプローチを図るため、専任スタッフを配置する等、販売体制整備策を実施して参ります。また、マーケティング活動の強化、メール受信登録者数の増加や1チケット当たりのメール送信通数の改善等の施策を通じて、サービス利用拡大に努めて参ります。
Ⅲ サービスのフルパッケージ化の推進
「情報プラットフォーム」会員企業のうち、複数のサービス(コンサルティング、市場予測情報販売、人材紹介、ベンチマーキング関連及びLINES)をご利用いただいている企業は2018年度は、全体の4.8%と前期の3.9%から増加傾向にあります。各事業の施策を確実に実行するとともに、各事業部間における情報共有を促進することにより、フルパッケージでのサービス利用拡大推進に努めて参ります。