有価証券報告書-第48期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震や台風・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっております。このような状況において、PFI法の施行や水道法の改正等による民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携、国土強靭化計画に基づく取り組み等が着実に進展しております。また、AI、IoT等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルの創出が予想されます。
一方、海外の上下水道市場では、欧米等の先進国では施設・設備の老朽化に加え、米国では水資源の確保に向けた再生水の活用、欧州では環境規制の厳格化等への対策が重点課題となっております。また、アジアの新興国等では人口増による水需要の増加に伴い、上下水道インフラ整備の需要が高まっております。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会の創出が予想されます。
このような市場環境を踏まえ、当社グループは長期ビジョンの実現に向けた次のステージとして、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定いたしました。
① 基盤分野の強化と成長分野の拡大
当社グループは、EPC事業とO&M事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を推進します。
(基盤分野の強化)
EPC事業では、今後の更新需要及び大型案件への対応を見据え、IT、AI等を活用したエンジニアリング手法を確立し、設計品質の向上、コスト競争力の強化により、更なる受注拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。また、O&M事業では、既設機場の継続的な受注による安定成長に加え、ITツールの活用、WBCの拡販強化等により新たな機場及び新規事業の獲得を図ります。
(成長分野の拡大)
設計・建設・運転・維持管理を含む大型案件の増加が想定されるPPP事業では、今後の公民連携の進展に向けて、これまでの実績やノウハウを活かした地域戦略を強化するとともに、新たなビジネスモデルの創出を図ります。また、海外事業では、引き続き欧米を戦略エリアと位置付け、欧米のグループ企業間の連携を深め、更なる事業拡大を推進します。
② 研究開発投資の拡大
当社グループは、今後の更新需要及び公民連携の更なる進展に対応するため、研究開発投資を拡大してまいります。
(強い分野の更なる強化)
当社グループの強みである焼却分野・水処理分野・監視制御システム分野について、今後も積極的に研究開発投資を行い、今後の更新需要の取り込みを図ります。
(機電融合技術の創出)
当社グループは、水環境事業における機械と電気の双方の技術を有しており、これらの優位性を活かした製品・システムを継続的に創出することで、競争力を強化します。
(情報連鎖を活かした価値創出)
現場の運転維持管理情報、プラント監視制御システム及びWBC等の連鎖により、新たな価値を創出し、維持管理の効率化、経営の最適化、災害に強いシステム・サービス等を提供してまいります。
③ 持続的なESGの取り組み
当社グループは、公共インフラを担う企業として事業活動を通じた社会貢献に加え、企業市民として環境負荷の低減や地域貢献活動にも積極的に取り組み、国連が提唱する持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」に貢献してまいります。また、政府が推進する働き方改革に対しても、女性活躍機会の創出、年齢・場所にとらわれない働き方の推進等により、社員の多様なワークスタイルの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。一方、コーポレート・ガバナンスにおいては、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、信頼の獲得と透明性の高い経営を目指してまいります。