訂正有価証券報告書-第13期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/05/09 11:17
【資料】
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【項目】
78項目

事業等のリスク

当社は、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。
なお、文中に記載している将来に関する事項は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
①インターネット事業に関する一般的リスク
当社は、インターネット関連事業を主たる事業対象としており、インターネット活用方法の多様化、利用可能な端末の増加等により、インターネットの更なる普及が当社の成長のための重要な要素と考えています。インターネットの普及は引き続き進んでいるものの、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあります。インターネットの普及に関する何らかの弊害、その他予期せぬ要因により今後の普及に大きな変化が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②業界及び競合他社について
当社の業績は、インターネット関連市場のうち、ビッグデータ・アナリティクス市場および、データソリューション市場など、これら関係性の深い市場の環境変化によって様々な影響を受ける可能性があります。当社の主力サービスの一つでもあるプライベート・データマネジメントプラットフォーム「smarticA!DMP」に類似のものも存在し、多数の企業の参入による競争激化の様相を呈しております。顧客のニーズを的確に捉えたサービス提供をタイムリーに行うことにより、価格競争に巻き込まれない事業展開を図っておりますが、特に資金力・ブランド力を有する大手企業の参入や、全く新しいコンセプトおよび技術を活用した画期的なシステムを開発した競合他社が出現した場合には、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新や顧客ニーズへの迅速な対応について
インターネット関連市場および当社が属する市場においては、急速な技術変化と水準向上が進んでおり、これに伴ってクライアントのニーズも著しく変化しております。現在においても、当社ではこれらに対応すべく、機能拡充およびサービスの充実に努めております。しかしながら、今後、一定のスキルを有する人材の確保が想定どおりに進まない、もしくはニーズの把握が困難となり十分な機能拡充やコンサルティングサービスが提供できない、などの事由により製品訴求力が弱まり、サービス価値が低下するような状況になった場合には、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。
④法規制について
当社の事業に関連して、ビジネス継続に重要な影響を及ぼす法規制は現在のところありません。しかし、今後のインターネット利用を制約するような規制等、インターネット広告の分野で新たに法律や規制が制定された場合や、業界内で自主規制が求められた場合には、当社の事業に影響を受ける可能性があります。
⑤プロジェクトの検収時期、あるいは赤字化による業績変動の可能性について
当社は、受注案件についてはクライアントの検収をもって売上の計上を行っております。各案件についてはプロジェクトごとに進捗の管理を行っておりますが、プロジェクトの進捗如何では納期の変更を余儀なくされることもあり、その場合、売上計上のタイミングが変更となることから当社の業績に影響が生じる可能性があります。
また、各案件についてはクライアントとの十分な要件定義に基づいた想定工数を基に見積の作成をしており、乖離の生じないように工数管理を行っておりますが、見積時に想定しなかった事実の発覚、不測の事態の発生などにより工数の増加があった場合、プロジェクト収支の悪化を招く場合があり、当社の業績に影響が生じる可能性があります。
⑥通信ネットワーク障害について
当社の事業は、パソコンやコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークに何らかの障害が発生した場合や、予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合は、当社の事業及び業績は深刻な影響を受けます。当社のコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう取り組んでおりますが、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦情報の取扱いについて
情報セキュリティおよび情報保護に関する対応は、事業活動を継続する上で不可欠となってきております。当社は、情報セキュリティおよび情報保護を経営の最重要課題の1つとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くすとともに、プライバシーマークの認定を取得し、個人情報の取扱いへの対応も行っております。しかし、万一これらの情報漏えい等の事故が発生した場合には、信用失墜による収益の減少、損害賠償等による予期せぬ費用が発生し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑧特定製品(サービス)への依存について
当社は、データソリューション事業の単一事業セグメントであり、サービス別の売上構成比では、システムソリューションが約98.0%となっております。システムソリューションにおける現在の主力製品(サービス)は「smarticA!DMP」であり、その販売を拡大させることによって当社の業績が向上する見通しであります。しかし、それは特定製品(サービス)への依存度を高めることにもなるため、過度な依存にならないような事業バランスにて展開して参りますが、今後、他社との競争激化等により、システムソリューションの売上が減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨知的財産権等について
当社は、自社開発によりソフトウェア制作を行っており、技術上のノウハウを保有しております。これまで、当社は第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウェアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウェアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。また、当社の業務分野において認識していない特許などが成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止めなどの訴えを起こされる可能性、並びに当該訴えに対する法的手続諸費用が発生する可能性があります。
⑩人材の確保・育成について
当社は、経営に不可欠な資源は「ヒト」であり、優秀な人材を確保し従業員満足度を上げることで、社員が最大限の力を発揮できることができると考えております。当社の企業理念においても、会社にとって一番重要なものは社員であることを掲げ、適材適所の配置、市場環境に対応できる能力を獲得させるための教育、社内コミュニケーションの円滑化などに努めております。しかし、当社が人材の確保、活用、育成強化に十分対応できない事象が発生した場合、経営判断、成長力や競争力が影響を受ける可能性があります。
⑪小規模組織であることについて
当社の組織は小規模であり、内部管理体制も企業規模に応じたものとなっております。特定の人員に過度の依存を
しないよう、優秀な人材の確保・育成により経営リスクの軽減に努め、今後の業容拡大局面においても、内部管理体
制のさらなる充実を図る方針ではありますが、適切かつ十分な組織対応ができない場合には、組織効率が低下したり
十分な事業活動が行えない可能性があります。また、人員の増加が適切な形で実行できない場合には、経営効率が低
下する可能性があります。
⑫事業投資等について
当社は、事業拡大を図るために、各種の事業投資(子会社設立やM&Aなど)を検討していく方針です。これらを実施する際には、既存ビジネスとのシナジーを発揮することを最優先に、リスクや収益力の見通し等を十分に分析したうえで、然るべき社内決裁を経たのちに実行いたしますが、何らかの事情により事業の展開が計画どおりに進まない場合には、当社の業績に寄与するものとは限らないため、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
⑬大株主について
本書提出時点で、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・アジア・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合は現時点で13.47%を所有(転換社債型新株予約権付社債部分の潜在株式を含め、46.42%保有)しております。
同社とは「投資要綱」を締結し、同社の有する幅広いネットワークを活用して事業の進展を図ることで協力関係を維持しておりますが、将来において同社の保有方針が変更され、協力関係が解消された場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭税務上の繰越欠損金について
当社は、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期
間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することとなりますが、当社の
業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合には、所定の税率に基づく法人税等の納税
負担が発生するため、当社の当期純利益およびキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
⑮継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、継続して営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・アジア・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合を割当先として、償還期日を平成31年12月27日とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により、2,409,890千円の資金調達を実施しております。
これにより当事業年度末において現金及び預金2,678,581千円を保有し、必要な運転資金も確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、財務諸表への注記は記載しておりません。
当社は「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の諸施策の実施により業績回復を図り、当該重要事象等が早期に解消されるべく取り組んで参ります。