有価証券報告書-第18期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)
有報資料
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の好調や雇用・所得環境の改善により、国内景気は緩やかな回復基調で推移しておりますが、新興国経済の成長鈍化懸念や欧米の政策転換に対する警戒感の高まりによる世界経済への懸念から、先行きは不透明な状況が継続しております。
当社グループのコンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)が属するインターネット広告市場につきましては、「2016年 日本の広告費」(株式会社電通)によると、平成28年のインターネット広告費(媒体費のみ)は初めて1兆円を超え1兆378億円(前年比112.9%)となりました。データ/テクノロジーを重要視する広告主の増加や、データ連携可能な運用型への注目度の高まり等を主な要因として、運用型広告費は7,383億円(同118.6%)となり、デバイス別ではモバイルシフトが進み、PCポータル系やアドネットワーク型が減少傾向となっております。
こうした環境の下、売上高についてはコンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)におけるWebメディアのPV数は依然として低調傾向にあり、全体として前連結会計年度の売上高を下回りました。
営業利益は、CMP事業内のセールスミックスの変更に伴い費用が増加したこと、および固定資産の整理に伴い当連結会計年度には除却損39百万円を減価償却費として計上したことが影響し、前連結会計年度の営業利益より減少しました。
なお、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、各事業の当初の事業計画に対する進捗状況や今後の業績見通し等を踏まえて検討した結果、当連結会計年度において株式会社絵本ナビののれん296百万円、および当社の固定資産77百万円を減損損失として特別損失に計上しました。株式会社絵本ナビについては、2015年5月末に当社の連結子会社となって以降、絵本ナビ単体では営業利益、経常利益および当期純利益において黒字を継続的に計上しておりますが、当初の回収計画を下回っていることから「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、今後の業績見通し等を踏まえて検討した結果であります。
また、当連結会計年度の単体業績などを踏まえ、税効果会計における会社分類の変更を行い、今後の繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩すこととしたことが影響し、全体として当期純利益が前期より減少したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より減少しました。
ただし、固定資産の除却損(減価償却費)の計上および減損損失(特別損失)の計上につきましては、翌連結会計年度以降の固定資産の償却負担が軽減される見込です。
以上の結果、当社グループの業績は、売上高は4,399,908千円(前年同期比2.9%減)、営業利益は87,233千円(前年同期比71.5%減)、経常利益は90,271千円(前年同期比69.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は437,623千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益143,802千円)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
① コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
CMP事業におきましては、当連結会計年度の月間平均(平成28年7月から平成29年6月までの12ヶ月平均)PV数は、142,617千PV/月となり、前連結会計年度の月間平均(12ヶ月平均)PV数150,019千PV/月から4.9%減少しました。また同UU数は30,670千UU/月となり、前連結会計年度の同UU数34,368千UU/月から10.8%減少しております。この影響により、当社の主要な収益であるネット広告売上高※1は1,349,286千円(前年同期比15.5%減)となりました。一方で、直近3年以内にM&Aで取得した事業の貢献などにより、データ・コンテンツ提供売上高※2は1,622,230千円(前年同期比9.4%増)となりました。
CMP事業の中での売上高構成比は、当連結会計年度ではネット広告売上高が37.0%(前期は42.9%)、データ・コンテンツ提供売上高は44.5%(前期は39.9%)となり、前連結会計年度からセールスミックスに変化が生じております。
このセールスミックスの変化により、外注費や物流費等が増加し、セグメント利益(営業利益)の減少要因となっております。また、固定資産の整理に伴い、当連結会計年度には除却損36百万円を減価償却費として計上したためセグメント利益(営業利益)を圧迫しました。ただし、固定資産の除却損については、来期以降の減価償却負担を軽減する見込です。
以上の結果、当セグメント売上高は3,580,909千円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は18,016千円(前年同期比92.6%減)となりました。
② コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
CMS事業におきましては、リサーチソリューション(米国子会社を除く)では受注件数は前期比2.1%減少したものの、得意とする自動車関連業界からの受注増により単価が前年同期比3.6%増加したこと等により、売上高は前期比1.4%増加しました。また、メディアコマースは受注件数が前期比3.8%減少しましたが、単価が前期比7.8%増加したことで、売上高が前期比3.7%増加しました。
以上の結果、当セグメント売上高は818,999千円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益(営業利益)は69,217千円(前年同期比10.2%増)となりました。
※1 ネット広告売上高とは主に以下による広告売上高
・運用型広告:アドネットワーク(異なる複数の広告媒体を束ねてネットワーク配信する仕組み)による売上
・アフィリエイト広告:成果報酬型のインターネット広告。商品購入や資料請求などの、最終成果またはクリックが発生した件数に応じて広告費用を支払う。
・提案型広告:Webメディア側による企画・提案または顧客の要望に基づいて制作する広告
・純広告:バナー広告、メール広告など
※2 データ・コンテンツ提供売上高とは主に記事提供、データ販売、コンテンツ提供、EC物販による売上高
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物は1,793,561千円と前連結会計年度と比べ50,742千円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは250,579千円の増加となりました。これは主に、資金の支出を伴わない減価償却費136,802千円、減損損失374,168千円、のれん償却額66,975千円等が、税金等調整前当期純損失△324,206千円等、資金の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは210,087千円の減少となりました。これは主に、事業譲受による支出61,500千円、投資有価証券の取得による支出60,066千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出48,874千円、無形固定資産の取得による支出45,908千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは94,263千円の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出78,917千円、連結子会社株式の追加取得による支出60,303千円等があった一方で、長期借入れによる収入34,125千円等があったことによるものであります。