有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/02/24 15:00
【資料】
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【項目】
107項目

対処すべき課題

当社グループが従事している情報家電、携帯端末市場は技術進歩とその陳腐化が早く、かつ搭載するハードウェア製品の低価格化も進行するため、ロイヤリティ収入に係る単価が年々出荷台数の拡大に伴い低下します。このため当社では、成長率の高い市場および潜在市場規模の大きい市場にタイムリーに技術障壁の高いソフトウエア製品を提供する事を心がけております。また、世界市場で販売ができる製品作りを目指して販売台数の頭打ちを回避できるよう今後より一層海外での販売には注力いたします。このような事業環境の中で当社が対処すべき課題は以下のようにまとめられます。
(1) 製品構成の充実
ブルーレイディスク、インターネットを中核として蓄積してきた要素技術を生かし、今後、急速な拡大が見込めるAndroidとWindowsの携帯端末市場に戦略的な製品提供を継続的に行う必要があります。顧客ニーズを的確にとらえた製品のタイムリーな市場投入を計画的に行い、ブルーレイ再生とインターネットTVに次ぐ第三の大型次世代製品を企画、開発する必要があり、会社の永続的な成長基盤を強固にしていく必要があります。
(2) 独自IP(知的財産)の効率的な管理
製品開発で生まれる独自の差別化できるIPを特許や登録商標のかたちで効率的に登録管理し市場競争における優位性を一層確保する必要があります。平成26年12月現在、日本における特許申請1件、特許認可0件、登録商標申請中が5件、登録商標認可が4件でした。
当社グループでは、社内にプロジェクトチームを創設し、これらのIP資産を効率的に管理蓄積していく所存です。
(3) 海外販売拠点の設立
当社グループは、今後グローバルで販売できる体制を強化するため北米および日本以外のアジア地区での販売拠点の充実と売上の海外比率向上をめざします。
(4) 新規事業の取組
現在、当社グループの売上は、受託開発、保守サービス・サポートおよびライセンス・ロイヤリティを中心に構成されております。当社グループでの独自開発と固有IP(知的財産)への一層の投資をすすめ、継続的な収益確保が可能となるライセンス・ロイヤリティ収入の比率拡大を一層すすめていきます。市場の変遷にあわせて技術対価から、魅力的なコンテンツやエンドユーザーサービスへと経済価値がシフトしている現状をふまえ、中期的な課題としてエンドユーザーへのサービス課金モデルの検討を進め、今後の事業規模拡大期における対応が必要となっていくと考えます。
(5) 優秀な人材の確保
より競争力のあるソフトウエアを開発していくために、国内外で技術者および製品企画者の確保が重要になってきております。現在、上海子会社のソフトウエア開発拠点に加え、台北支店にソフトウエア開発の第二拠点を設置しております。今後も当該ソフトウエア開発拠点において優秀な人材の採用を継続的に行います。
(6) 内部管理体制の強化
今後の事業拡張にともない、より一層コーポレートガバナンスの充実を図るとともに効率的でスピード感のあるディスクロージャーが可能となる管理体制をめざし継続的な強化を本社および海外拠点で行います。