有価証券報告書-第71期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/09/28 15:07
【資料】
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【項目】
92項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年6月30日)現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社では「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し、事業成長を図りつつ競合他社との差別化に注力するとともに、収益性の向上に取り組み、企業価値を継続的に拡大させる方針であります。
(2)目標とする経営指標
当社は、上記の基本方針のもと、クラウドファースト(注1)の流れが一層鮮明となるなか、自治体、公的機関及び法人向けにクラウドサービス(注2)への傾注と資源投下を推進いたします。
クラウドサービスの性格上、ストック型のビジネスモデルを目指すことから、重視する指標は営業利益とその前年度比、及び営業利益率であります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
クラウド市場では、引き続きクラウドファーストの流れやオープンガバメント(注3)の推進により、市場全体の拡大が加速すると予想されています。一方、携帯電話市場におきましては、市場競争の激化が継続するものと想定されており、市場の大きな伸長は厳しいものと予想されます。
このような状況のもと、当社クラウドソリューション事業においては、引き続き特定分野に集中特化したサービスの創出やソフトウェアの開発ならびに事業展開を図るための体制強化に注力し、事業基盤の強化とポートフォリオの組替えを積極的に行ってまいります。今後は自社サービスレベルの維持・向上を継続しながら、サービス・ソフトウェア領域のイノベーションを生み出すべく積極的な投資を行い、収益の柱となるような事業の確立および事業展開に注力してまいります。
クラウドソリューション事業における地域情報クラウド分野では、自治体など公の存在と地域社会・住民とのコミュニケーションを創発する社会システムとしてのクラウドサービスを提供しており、前期までの事業基盤の整備・強化を受け、今後はブロックチェーン(注4)などの技術を活用した新たな電子行政サービスの創出を目指してまいります。
また、モビリティ・サービス(注5)の分野では、コネクティッドカーをはじめとする次世代のモビリティ社会の到来を見据え、自動車向けIoTサービスを自社で開発、展開してまいりました。今後、データの利活用を軸に、損害保険やカーシェアリング(注6)等、モビリティ分野における新たな社会システムやサービスなど付加価値の創造を行ってまいります。
モバイル事業におきましては、第4の通信事業者の参入や、2020年頃展開される次世代通信規格「5Gサービス」に伴う市場の変革が予想されるなか、サービスラインナップの拡充や消費者への訴求力強化のほか、既存サービスを越えた、新たなスマートライフに関わる事業の創出をパートナーと協創し、お客様へ価値・感動を提供してまいります。
また、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら生産性を向上させるため、今後の事業拡大に伴う働く環境の整備、当社の成長に必要不可欠なエンジニア等の育成、管理機能の強化及び業務効率化を目的とした基幹システムの導入、機能追加・改修に取り組んでまいります。
以上により、当社業績の拡大及び収益性の向上を図り、経営基盤をさらに強固なものにするとともに更なる成長に向けて邁進してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
情報通信サービス業界の事業環境は、インターネットの更なる普及拡大に伴い転換期を迎えており、所有から利用へのクラウドシフトや、コミュニティを育むスマートデバイスの普及、IoT、AIやブロックチェーンなど新たなテクノロジーによる既存の事業形態を根幹から変えるような可能性を踏まえながら急速に発展しております。
当社はこのような環境下において、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。
① 高品質なクラウドサービスの提供
社会課題の解決に資するクラウドサービスの提供を推進している当社にとっては、安全・安心で高品質なサービスを提供することが重要な課題であると認識しております。そのためには、技術力の向上をベースとして、システム障害やサイバー攻撃への対応、急激なトラフィック増への対処や、特に自然災害発生時の大量のアクセス集中においても安定的なサービスをご提供するなど、あらゆる面で安心安全なサービス運営が必要不可欠であります。
当社といたしましては、更なる耐障害性を持ったシステム構成へと計画的に整備を進めており、信頼性・可用性・保守性を踏まえた高品質なクラウドサービスの実現に向けて取り組んでまいります。
② 積極的な営業展開と新事業創造
当社では、すでに全国に向けた営業展開を行っておりますが、クラウドファーストが浸透する中、全国各地に存在する多様な社会課題の解決に向けて、引き続き積極的な営業展開を推進する意向であります。更に常に技術革新が起こっているクラウドサービス市場において機能優位性及び販売価格の競争力を維持するため、お客様の声を広く収集しその要望と仕様を反映することで、既存サービスの機能改善・追加及び新規サービスの創出を継続的に実施してまいります。具体的には、地域情報クラウド分野におけるオープンガバメント時代に対応するCMSの開発や電子行政への進化への対応やモビリティ・サービス分野における新たなモビリティデータを活用したサービスの開発などに注力しております。さらにこれらの展開を日本国内のみならず、海外への展開についても検討を進めてまいります。また、各分野のリーダー企業との提携を積極的に行うことにより、サービス開始にかかる期間を短縮し、コスト効率を向上させながら、他社とは差別化されたサービスの提供を行ってまいります。
③ イノベーションの創出
当社の事業領域では、クラウドファーストに伴い「スマートデバイスの普及」「社会基盤の創造や地域のイノベーションを促進するデータのオープン化」「地方創生」「データアナリティクス(注7)からAIに至るテクノロジーの活用」「ハード・モノ・デバイスがインターネットに繋がるIoT技術の開発」「非金融分野におけるブロックチェーン技術の活用」など多様な技術・トレンドが市場に強く影響を与えております。このような環境下、当社においても、創造的にイノベーションを育むことが重要であると認識しております。
具体的には地域情報クラウド分野では、当社の持つ住民情報分野に特化したテクノロジーを活用し、開かれた電子行政の推進「オープンガバメント」を見据えて、かねてからの潮流である「行政の透明性の向上」や「政策立案への参加」のみならず「市民に寄り添える政策やサービスの実施」、更には将来の「人口減少社会に起因する税収減」と闘いつつも「多様化する市民生活にどう政策で応えることができるのか」といった課題に真剣に取り組み、生活に必要な住民情報発信のみにとどまらず公共サービスの民営化や地域資源のシェアード化など、社会の多様性に適応する新たな社会システムの創造を推進いたします。
モビリティ・サービス分野では、モビリティに特化したテクノロジーをベースに、IoTプラットフォームビジネスを展開しております。今後はデータアナリティクス・ブロックチェーン・AIなど、新たなノウハウやテクノロジーを活用し、カーシェアやライドシェア・損害保険・観光支援・安全運転支援など、今まで解決できなかった社会問題の解決を図る社会システムを創発いたします。
ヘルスケアサポート分野では、テクノロジーを活用した地域ヘルスケア・地域コミュニティの形成など、健康増進と健康寿命の延伸を実現するサービスの創出ならびに他のクラウドサービスと健診データの利活用を相乗させた収益機会の拡大を図ってまいります。
また、これらの既存領域に留まらず、新たな事業領域へのチャレンジにおいても、検討を進めるものとし、これまで培ってきた経験・知識・ノウハウと、新しいテクノロジー・多様化するニーズを「融合」させることにより、新しい価値を生み出し、イノベーションを創出してまいります。
④ 内部管理体制の強化
内部統制システムの適正な維持は、当社において重要な課題と認識しております。財務報告をはじめ、業務全般における適正なプロセスの整備と運用を徹底してまいります。
⑤ 人材育成及び働く環境の整備
クラウドサービス市場において、イノベーションを創出し、競争優位で高品質なクラウドサービスを提供するためには技術力・営業力および組織で働く上での魅力などの裏付けが不可欠となります。
当社においては、人材採用・育成・人事評価体系の整備運用及びその他の人材育成計画を策定し、知識の習得などの技術的研修と働く上での納得感を踏まえた社員幸福度の追求を実施してまいります。さらに働く環境の整備を実施し、長く創造的な業務ができる環境を整えてまいります。
[用語解説]
注1.クラウドファースト:企業や公的機関等がシステム投資をする際、クラウドを選択するようになること。
注2.クラウドサービス:従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するもの。
注3.オープンガバメント:透明でオープンな政府及び地方自治体を実現するための政策とその背景となる概念のことで、(1)透明性、(2)市民参加、(3)官民の連携の3つを基本原則としている。
注4.ブロックチェーン:ネットワークに参加する端末全てで同じ情報を持ち合うことで、「システムダウンに強い」「改ざんに強い」「情報を半永久的に保存する事が可能」といった特性を持つ分散型台帳技術。今後は金融、決済、IoTなど様々な分野への応用が期待されており、各分野で積極的な実証実験が行われている。
注5.モビリティ・サービス:自動車やスマートフォン等のモバイルデバイスにおける、ハードウェアを含むソリューションや情報システムサービスの総称。
注6.カーシェアリング:一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共同で使用する仕組みのこと。もともとは欧米で開始され、日本にも2000年代より本格的な普及が始まっている。
注7.データアナリティクス:大量で多様な形態のデータを分析し、価値を引き出す技術。

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