有価証券報告書-第76期(2022/07/01-2023/06/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し、事業成長を図りつつ競合他社との差別化に注力するとともに、収益性の向上に取り組み、企業価値を継続的に拡大させる方針であります。また中長期的には2028年の創業100年までの方針として「Moonshot Vision 2028」と定め、既存クラウドサービスの拡充を図りつつ、リアルなまちをデジタルとコミュニティのチカラで未来の社会システム(スマートシティ)の創造を目指して推進してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2023年8月に発表した第3次中期経営計画(ローリング版)において、目標とするKPI(経営指標)として以下の数値を掲げております。当該KPIを採用した理由は、持続的な企業価値の向上につながる収益性の観点に加え、クラウドサービスをさらに充実させていく上でMRR(月次経常収益)を重要な指標として考えているためです。これらをKPIと認識し、企業価値の向上に努めてまいります。
(注)1.上記KPIについては、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
2.スマートべニューセグメントは、2023年6月期より新たにデジタルガバメントセグメントから分離したセグメントです。
3.MRR(月次経常収益)は、月次で固定的に得るクラウドサービス利用料収入を指します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
クラウド市場では、IoT関連サービスのプラットフォームとしてもクラウドが不可欠な基盤となっており、引き続きクラウドファースト(注1)の流れや行政デジタル化に関する取組みにより、クラウド市場はさらに拡大していく見通しです。
デジタルガバメントでは、自治体など公の存在と地域社会・住民とのコミュニケーションを創発する社会システムとしてのクラウドサービスを提供しており、今後は、データ連携基盤(都市OS)をベースとしたスマートシティへと展開を図ることで21世紀の社会システム創造を推進いたします。
また、モビリティ・サービスでは、コネクティッドカーをはじめとする次世代のモビリティ社会の到来を見据え、自動車向けIoTサービスを自社で開発、展開してまいりました。今後、データの利活用を軸に、損害保険やカーシェアリング、「C.A.S.E」(注2)におけるイノベーティブなサービスの創造等、モビリティ分野における新たな社会システムやサービスなど付加価値の創造を行ってまいります。
また、当社グループの成長に必要不可欠なエンジニア等の育成と人材の高度化など人的資本への投資を推進し、管理機能の強化及び企業価値向上に向けたガバナンス体制の構築にも取り組んでまいります。
以上を踏まえた、当社グループ業績の拡大及び収益の向上を図り、経営基盤をさらに強固なものにすると共に更なる成長に向けて邁進してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
情報通信サービス業界の事業環境は、大きな環境変化が短期間で次々とやってきております。所有から利用へのクラウドシフトはもちろんのこと、IoTやSNSメディアなどの進化は目覚ましく、生成AI(注3)においては、すべての社会通念を揺るがすようなインパクトと驚きを持って受け入れられており、社会に大きな変革をもたらす可能性を秘めていると考えられています。
一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な資源問題、物価高などは、経済活動や国民生活に大きな影響が及んでおり、今後も多方面にわたって先行きが不透明な状況となることが懸念されています。
当社グループはこのような環境下において、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。
① 高品質なクラウドサービスの提供
社会課題の解決に資するクラウドサービスの提供を推進している当社グループにとっては、安全・安心で高品質なサービスを提供することが重要な課題であると認識しております。そのためには、技術力の向上をベースとして、システム障害やサイバー攻撃への対応、急激なトラフィック増への対処や、特に自然災害発生時において大量のアクセス集中に関しても安定的なサービスをご提供するなど、あらゆる面で安心・安全なサービス運営が必要不可欠であります。当社グループといたしましては、引き続き信頼性・可用性・保守性を踏まえた高品質なクラウドサービスの実現に向けて取り組んでまいります。
② 積極的な営業展開とアライアンス戦略
当社グループでは、すでに全国に向けた営業展開を行っておりますが、クラウドファーストが浸透する中、自治体や法人企業向けに引き続き積極的な営業展開を推進する意向であります。また、新規事業であるスマートべニュー(注4)においても、新たな市場を切り開き価値を創造できる営業が求められており、そういう体制強化を図ってまいります。さらにすべての事業において、市場やサービス提供領域の拡大への対応に向け、固有の強みやアセットを有する他社とのアライアンス戦略にも取り組んでまいります。
③ イノベーションの創出
当社グループ事業は、大きな時代の転換点において20世紀までの社会システムをデジタルのチカラで改革していくことを根幹に据えております。常に社会実装を意識して実質的な課題を念頭に置き、行政デジタル化の実現に向けたデジタルガバメント事業やC.A.S.E時代の新たなモビリティ・サービスの創造、そしてアリーナを軸としたデータの利活用を踏まえたまちづくりを推進するスマートべニューなど、フィジカルとデジタルが融合する21世紀以降の社会インフラになりえる事業を推進してまいります。
このように、当社グループにおいて引き続き創造的にイノベーションを育むことが重要であると認識しております。
④ 内部管理体制の強化
内部統制システムの適正な維持は、当社グループにおいて重要な課題と認識しております。財務報告をはじめ、業務全般における適正なプロセスの整備と運用を徹底してまいります。
⑤ 人的資本への投資及び働く環境の整備
人的投資の重要性が叫ばれ、賃金増なども踏まえつつ働く環境の整備は急務であると認識しております。競合が多数存在する当社事業領域において、イノベーションを創出し、競争優位で高品質なクラウドサービスを提供するためには技術力・営業力及び組織で働く上での魅力などの裏付けが不可欠となります。引き続き人材採用・育成・人事評価体系の整備運用及びその他の人材育成計画を策定し、知識の習得などの技術的研修と働く上での納得感を踏まえた社員幸福度の追求を実施するとともに、多様な働き方への対応に向けた環境整備にも注力し、長く創造的な業務ができる環境を整えてまいります。
⑥ 安定的な収益基盤の確立
2019年より事業ポートフォリオの入れ替えを進めており、その中では一定の投資が必要な状況や4期連続で連結営業赤字という状況になっており、今後3ヵ年の中期経営計画を達成させることを含め、着実にポートフォリオの入れ替えを終えて、安定的な収益基盤を早期に確立することが必要であると考えております。
[用語解説]
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し、事業成長を図りつつ競合他社との差別化に注力するとともに、収益性の向上に取り組み、企業価値を継続的に拡大させる方針であります。また中長期的には2028年の創業100年までの方針として「Moonshot Vision 2028」と定め、既存クラウドサービスの拡充を図りつつ、リアルなまちをデジタルとコミュニティのチカラで未来の社会システム(スマートシティ)の創造を目指して推進してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2023年8月に発表した第3次中期経営計画(ローリング版)において、目標とするKPI(経営指標)として以下の数値を掲げております。当該KPIを採用した理由は、持続的な企業価値の向上につながる収益性の観点に加え、クラウドサービスをさらに充実させていく上でMRR(月次経常収益)を重要な指標として考えているためです。これらをKPIと認識し、企業価値の向上に努めてまいります。
| (単位:百万円) | |
| KPI(連結):営業利益 | 2026年6月期(予想) |
| デジタルガバメントセグメント | 396 |
| モビリティ・サービスセグメント | 314 |
| スマートベニューセグメント | 366 |
| 全社費用 | △574 |
| 連結全社 | 503 |
| (単位:百万円) | |
| KPI(連結):MRR | 2026年6月期(予想) |
| デジタルガバメントセグメント | 92 |
| モビリティ・サービスセグメント | 88 |
| 合計 | 181 |
(注)1.上記KPIについては、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
2.スマートべニューセグメントは、2023年6月期より新たにデジタルガバメントセグメントから分離したセグメントです。
3.MRR(月次経常収益)は、月次で固定的に得るクラウドサービス利用料収入を指します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
クラウド市場では、IoT関連サービスのプラットフォームとしてもクラウドが不可欠な基盤となっており、引き続きクラウドファースト(注1)の流れや行政デジタル化に関する取組みにより、クラウド市場はさらに拡大していく見通しです。
デジタルガバメントでは、自治体など公の存在と地域社会・住民とのコミュニケーションを創発する社会システムとしてのクラウドサービスを提供しており、今後は、データ連携基盤(都市OS)をベースとしたスマートシティへと展開を図ることで21世紀の社会システム創造を推進いたします。
また、モビリティ・サービスでは、コネクティッドカーをはじめとする次世代のモビリティ社会の到来を見据え、自動車向けIoTサービスを自社で開発、展開してまいりました。今後、データの利活用を軸に、損害保険やカーシェアリング、「C.A.S.E」(注2)におけるイノベーティブなサービスの創造等、モビリティ分野における新たな社会システムやサービスなど付加価値の創造を行ってまいります。
また、当社グループの成長に必要不可欠なエンジニア等の育成と人材の高度化など人的資本への投資を推進し、管理機能の強化及び企業価値向上に向けたガバナンス体制の構築にも取り組んでまいります。
以上を踏まえた、当社グループ業績の拡大及び収益の向上を図り、経営基盤をさらに強固なものにすると共に更なる成長に向けて邁進してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
情報通信サービス業界の事業環境は、大きな環境変化が短期間で次々とやってきております。所有から利用へのクラウドシフトはもちろんのこと、IoTやSNSメディアなどの進化は目覚ましく、生成AI(注3)においては、すべての社会通念を揺るがすようなインパクトと驚きを持って受け入れられており、社会に大きな変革をもたらす可能性を秘めていると考えられています。
一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な資源問題、物価高などは、経済活動や国民生活に大きな影響が及んでおり、今後も多方面にわたって先行きが不透明な状況となることが懸念されています。
当社グループはこのような環境下において、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。
① 高品質なクラウドサービスの提供
社会課題の解決に資するクラウドサービスの提供を推進している当社グループにとっては、安全・安心で高品質なサービスを提供することが重要な課題であると認識しております。そのためには、技術力の向上をベースとして、システム障害やサイバー攻撃への対応、急激なトラフィック増への対処や、特に自然災害発生時において大量のアクセス集中に関しても安定的なサービスをご提供するなど、あらゆる面で安心・安全なサービス運営が必要不可欠であります。当社グループといたしましては、引き続き信頼性・可用性・保守性を踏まえた高品質なクラウドサービスの実現に向けて取り組んでまいります。
② 積極的な営業展開とアライアンス戦略
当社グループでは、すでに全国に向けた営業展開を行っておりますが、クラウドファーストが浸透する中、自治体や法人企業向けに引き続き積極的な営業展開を推進する意向であります。また、新規事業であるスマートべニュー(注4)においても、新たな市場を切り開き価値を創造できる営業が求められており、そういう体制強化を図ってまいります。さらにすべての事業において、市場やサービス提供領域の拡大への対応に向け、固有の強みやアセットを有する他社とのアライアンス戦略にも取り組んでまいります。
③ イノベーションの創出
当社グループ事業は、大きな時代の転換点において20世紀までの社会システムをデジタルのチカラで改革していくことを根幹に据えております。常に社会実装を意識して実質的な課題を念頭に置き、行政デジタル化の実現に向けたデジタルガバメント事業やC.A.S.E時代の新たなモビリティ・サービスの創造、そしてアリーナを軸としたデータの利活用を踏まえたまちづくりを推進するスマートべニューなど、フィジカルとデジタルが融合する21世紀以降の社会インフラになりえる事業を推進してまいります。
このように、当社グループにおいて引き続き創造的にイノベーションを育むことが重要であると認識しております。
④ 内部管理体制の強化
内部統制システムの適正な維持は、当社グループにおいて重要な課題と認識しております。財務報告をはじめ、業務全般における適正なプロセスの整備と運用を徹底してまいります。
⑤ 人的資本への投資及び働く環境の整備
人的投資の重要性が叫ばれ、賃金増なども踏まえつつ働く環境の整備は急務であると認識しております。競合が多数存在する当社事業領域において、イノベーションを創出し、競争優位で高品質なクラウドサービスを提供するためには技術力・営業力及び組織で働く上での魅力などの裏付けが不可欠となります。引き続き人材採用・育成・人事評価体系の整備運用及びその他の人材育成計画を策定し、知識の習得などの技術的研修と働く上での納得感を踏まえた社員幸福度の追求を実施するとともに、多様な働き方への対応に向けた環境整備にも注力し、長く創造的な業務ができる環境を整えてまいります。
⑥ 安定的な収益基盤の確立
2019年より事業ポートフォリオの入れ替えを進めており、その中では一定の投資が必要な状況や4期連続で連結営業赤字という状況になっており、今後3ヵ年の中期経営計画を達成させることを含め、着実にポートフォリオの入れ替えを終えて、安定的な収益基盤を早期に確立することが必要であると考えております。
[用語解説]
| 注1. | クラウドファースト | : | 企業や公的機関等がシステム投資をする際、クラウドを選択するようになること。 |
| 注2. | C.A.S.E | : | Connected(つながる車)・Automatic(自動運転)・Sharing(カーシェアリング)・Electric(電気自動車)の頭文字を取った造語で、100年以上続いた内燃機関における既存自動車の概念を覆す新たな時代を表現する言葉。 |
| 注3. | 生成AI | : | データのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的とするAI。 |
| 注4. | スマートベニュー | : | 周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機能を組み合わせたサステナブル な交流施設であり、スタジアム・アリーナを核としたまちづくりを定義する言葉。 |