訂正有価証券報告書-第55期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において平山グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
平山グループは、「全社員の一心同体経営」、「仕事から得られる心の利益を大切にする」という2つの経営理念を基に、人に付いた技術で日本のもの造りを支援し、設備と敷地を持たない製造業、また人材輩出企業に進化していく上で、以下の3つの経営方針を掲げております。
1.社会的存在価値のある尊敬される企業になるための社内環境、事業を構築する。
2.人材育成と製造技術・ノウハウの結集により新たな高付加価値のサービスを提供する。
3.人材会社から製造支援会社・人材教育会社へ、国内サービスからグローバルサービスへ転換する。
以上の方針のもと、平山グループは、取組むべく目標(SDGs宣言(注))として、国籍、障がいなど関係なく、すべての人に安心して就労できる雇用環境を確保していくことを目指しております。このため、管理職の多様性を重視し、女性・外国人・中途採用者の区別なく管理職への登用しております。
また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備を今後も積極的に進めて参ります。
注:SDGsとは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)です。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標の総称です。世界中から貧困をなくし、地球を保護し、全ての人類が平和と豊かさを享受するための目標となります。この度、株式会社平山ホールディングスでは、一般社団法人日本SDGs協会から「SDGs事業認定」を受けました。
(2)経営環境と中長期的な経営戦略
平山グループは、新たな高付加価値サービスを提供するものづくり支援オンリーワン企業に向けて、邁進する所存であります。
外部環境は、以下の見込みを前提としております。
・製造請負・製造派遣市場規模拡大2023年度2.37兆円市場へ年率1.0%アップ
・技術者派遣市場規模拡大2023年度1.29兆円市場へ年率6.1%アップ
・海外からの引き合い増加ASEAN GDP4兆ドルへ年率7.3%成長
ただし、リスクとして、米中貿易戦争による不透明感とそれに伴う円高により変動すると考えております。
具体的な施策は、以下のとおりであります。
① 新規事業と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造
IoTやAI、RPAなどを活用した事業連携強化により収益性の向上を目指します。
具体的には、オペレーションのシステム化による生産効率の更なる改善、現場測定データのお客様への常時提供によるモノづくりの高度化、IT化による生産現場の稼働管理といった新たな業務も含めたアウトソーシングを進めます。これらにより、平山グループ独自の高付加価値サービスの提供を実現してまいります。
② サービス事業(物流・小売・外食・宿泊など)顧客の拡大
FUNtoFUN株式会社の強みを活かしながら、人材不足が深刻な物流・小売・外食・宿泊などの顧客を拡大します。
③ エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用
教育体制の強化により、未習熟者から初級エンジニアへのキャリアチェンジを推進するとともに、これまでの領域(機械、電気、組込ソフト、IT)を超えたIoTやAI、RPAを活用できるスペシャリストの育成も行ってまいります。
また、ベトナム、ミャンマーからのグローバル人材も積極的に採用してまいります。
④ 外国人労働者の受入・管理受託サービスを全職種で展開
国内の労働力不足を背景に、2019年4月に「改正出入国管理法」が施行され、新たな在留資格として「特定技能」が創設されました。今後、特定技能人材が34.5万人増加すると見込まれ、これをビジネスチャンスとして、平山グループの株式会社平山グローバルサポーターを中心に、外国人労働者の受け入れ体制の強化を加速します。外国人労働者の送り出しから受け入れ支援、教育、労務管理業務支援、帰国後の支援を含めた全過程でしっかりと外国人労働者のサポートを実施します。
⑤ 国内の人材ビジネスパッケージ(人材派遣・製造請負・改善コンサルティング・人材教育)を海外展開
約30年にわたる日本市場での実績を生かし、タイ、海外でも、人材派遣、インソーシング製造請負、現場改善コンサルティング、人材育成の4つのサービスを柱に事業を積極的に展開してまいります。
(3)目標とする経営指標
平山グループの目標とする経営指標につきましては売上高営業利益率を重視し、中期的に4%を経営目標と掲げて進めて参ります。
具体的手法として、平山グループが主力事業としている国内製造業向けインソーシング・派遣事業において、既存インソーシング取引先との契約範囲の拡大や、既存製造派遣取引先のインソーシング化を推進するとともに、自社管理業務及び既存インソーシング取引先業務の両面にて強力に改善を進めることによって、売上原価・販売管理費を抑制し、売上高営業利益率の向上に努めて参ります。
また、持続的な発展のためには、限られた経営資源を有効に活用することが重要であります。平山グループは、資本効率の向上を図るため、ROICを活用し、資本コストを意識した経営を行っております。取り組みにあたっては、全事業を、インソーシング(請負)・派遣事業、技術者派遣事業、海外事業、その他事業とセグメント別に区分し、それぞれの位置づけに応じた戦略の立案・実行・見直しを進めるとともに全社最適の観点から事業ポートフォリオの見直し進めて参ります。
(平山グループの事業ポートフォリオマネジメント)
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
平山グループを取り巻く環境として、主要顧客である製造業は、医療機器、食品関連、輸送機器の3分野を中心に下期において順調に受注を拡大いたしました。
下期及び来期においても自動車関連が製造業界を牽引すると予測されますが、半導体の供給不足が懸念材料として挙げられます。足元では自動車業界で人材不足と採用難により派遣単価上昇が見られます。優秀な若手人材を集めることができる採用力のある会社が顧客企業からの需要を受け、業績を拡大することが予想されます。特にコロナ禍収束後に予想される急激な需要拡大に対応できる採用力があるかどうかが、来期以降、中長期の人材事業の勝敗を分けることになります。
2020年4月に施行された働き方改革における労働者派遣法等の改正に伴う同一労働同一賃金への対応により社員の待遇は一部改善される結果となりました。派遣社員の待遇改善のための評価を一律ではなく、毎年個別の単価交渉が必須となり、派遣元・派遣先企業に新たな業務負荷が発生いたしました。業界全体としても合理化を図るために業界標準となる共通プラットフォームの必要に迫られ、当社を含む人材企業8社が株式会社クロスリンクに共同出資いたしました。同社が提供するシステムを運用することで、派遣先企業がネット上で各派遣会社とコミュニケーションが図れるとともに、全プロセスの一元管理を実現いたしました。同システムの運用によりDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を促進でき、業績の向上が予想されます。
顧客企業のニーズは、高いコンプライアンス基準をベースとし多様化・高度化が進み、請負事業者・派遣事業者が選別され、業界の再編が引き続き進んでいくものと予想されます。
① 採用力の強化
コロナ禍が収束せず長引くことで、介護事業・サービス業・製造業で働くべきだった外国人の技能実習生が入国できないという状態が昨年から変わらず続いています。しかし、製造業においてはコロナ禍で一旦減退した需要が今年に入りコロナ禍前と同等の水準まで回復しています。外国人が入国できない分、人材不足が生じているため、国内人材だけでの対応が求められ、当社を含む人材会社に対する需要は増加しています。
当社は従来中途採用に注力していましたが、平均年齢が40代から50代へと推移するなかで若手の中途採用が困難な状況に直面しています。このような現状を鑑み、新卒採用へと軸を移し、より一層の拡充・強化を図ります。そのために若手人材を採用できる基盤、全国ネットワークの構築に注力いたします。
② 教育の強化と定着率の向上
「未経験者育成プログラム」や「グループ内企業の非技術系人材の技術者転換プログラム」により未習熟者から初級エンジニアへのキャリアチェンジを進め、高付加価値人材を育成します。同時に既存エンジニアに対しては今後市場拡大が予測されるAI(人工知能)など、新分野での技術習得を推進いたします。高度化する各領域でのスペシャリスト(専門人材)の育成を強化いたします。
③ 請負事業の強化
平山グループは従来通り、製造派遣契約から製造請負契約への転換を強みとしています。長引くコロナ禍による景気変動に伴う派遣事業の変動に対処するため、安定的な事業基盤である請負事業の強化が今まで以上に重要さを増しています。リーマンショック時と同様に景気悪化により、顧客との契約が解除されたとしても請負事業が受け皿となるため、無期雇用の継続が可能です。請負事業を強化することで、派遣需要がどのような情勢に変化しようとも迅速に柔軟に対応できます。請負事業を中心とした事業構造が当社の大きな強みといえます。
平山グループは、医療機器を中心として安定的な事業基盤を築きつつも、同領域に偏りがちの傾向もありました。急激な景気変動にも影響を受けにくい強靭なポートフォリオを構築するために、安定的な国内需要が見込める食品領域での請負事業をより一層拡大いたします。製造業においては特定の業種・領域に偏らない顧客構造を構築いたします。それ以外はサービス業の小売や物流など国内需要の底堅い業種での増強に努めます。
④ 技術者派遣事業の拡大
平山グループは、継続的な既存領域の技術者需要に対応しつつ、生産技術・IT・AI領域の新分野への顧客拡大に努めます。具体的には、スマートファクトリー、スマートシティ、自動運転、5Gなどの市場拡大に対応するため新領域の高スキル技術者の派遣事業に、より一層注力いたします。事業拡大のため、既存技術者を対象に新領域へのスキルアップ及びスキルシフトを行い、高スキル技術者の育成に努めます。新領域の高スキル技術者を育成するために、研修センターを拡大、研修設備を拡充いたします。併せて教育カリキュラムの充実と研修講師の増員・拡大を図ります。
今年に入り発生した海外データセンターでの情報漏えいや情報流出を背景に、データセンターの国内回帰が急速に進んでいます。これら需要に対応するためにデータセンターのシステム運用エンジニアの増員・拡大も図ります。
コロナ禍においても海外での教育は継続して実施いたします。日本の大学にはないAI・データ分析などの学部を持つ、海外理系大学からの優秀な新卒技術者を日本国内へ配置することを目指します。入国規制により遅れていますが、来期には解除が進み、配属が進むものと見込んでいます。
⑤ 外国人材採用・活用の拡充及び教育
今後の予測として、日本国内においては少子高齢化による生産年齢人口の減少は継続するものと見込まれます。そのため、平山グループも中長期的に影響を受けることは回避できず、人材採用は困難になることが容易に推測できます。
一方、2019年4月に施行された「改正出入国管理法」により外国人を受け入れるための法整備は進んでいます。このような社会情勢のなかで、平山グループが持続的な成長を実現するためには、外国人材の採用や活用を拡充することが必要不可欠であります。
⑥ 海外事業の強化
海外事業ではタイの製造業が輸出品の在庫減少に伴い回復の兆しを見せ、派遣事業はコロナ禍前の状態に戻っています。タイでは人件費が高騰しているため、派遣から請負事業への移行を推進し、ミャンマー人を対象とした外国人労務管理サービスの提案も行います。
コロナ禍を経ることにより、間接部門の人員削減など効率的なマネジメントを行うことで筋肉質な事業運営が可能となりました。今後も効率的なオペレーションを推進することにより、適正利益を創出できる事業をベースに事業拡大に努めます。
⑦ その他事業の強化
特定技能と技能実習の在留資格を持つ外国人を雇用する企業や、民間の人材派遣会社、登録支援機関などの就労支援機関に向け、2020年2月より提供を開始した、外国人雇用管理サポート事業の拡大を図ります。
顧客企業の国内外工場における改善コンサルティングのワンストップサービスは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けていましたが、Webセミナーを中心に切り替えることで拡大いたしました。オンラインの研修道場を開設することで世界中から多数参加できるなど、DX化を推進しています。
⑧ グループ会社の連携とコーポレートガバナンスの強化
企業倫理・コンプライアンスに関し、役員、社員が共通の認識を持ち、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成する仕組みの構築に加えて、透明性のある管理体制を整備・維持することで、内部管理体制の強化及びコーポレートガバナンスの充実に努めます。
今後、グループ会社間のサービス連携、顧客連携によるシナジー効果を増大させるとともに、各社のコンプライアンス経営を担保すべくホールディングスによるガバナンスを強化します。グループ共通のⅠT基盤を構築することでDX化を迅速に推進し、業務プロセスの効率化と透明性の担保を図ります。
(1)会社の経営の基本方針
平山グループは、「全社員の一心同体経営」、「仕事から得られる心の利益を大切にする」という2つの経営理念を基に、人に付いた技術で日本のもの造りを支援し、設備と敷地を持たない製造業、また人材輩出企業に進化していく上で、以下の3つの経営方針を掲げております。
1.社会的存在価値のある尊敬される企業になるための社内環境、事業を構築する。
2.人材育成と製造技術・ノウハウの結集により新たな高付加価値のサービスを提供する。
3.人材会社から製造支援会社・人材教育会社へ、国内サービスからグローバルサービスへ転換する。
以上の方針のもと、平山グループは、取組むべく目標(SDGs宣言(注))として、国籍、障がいなど関係なく、すべての人に安心して就労できる雇用環境を確保していくことを目指しております。このため、管理職の多様性を重視し、女性・外国人・中途採用者の区別なく管理職への登用しております。
また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備を今後も積極的に進めて参ります。
注:SDGsとは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)です。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標の総称です。世界中から貧困をなくし、地球を保護し、全ての人類が平和と豊かさを享受するための目標となります。この度、株式会社平山ホールディングスでは、一般社団法人日本SDGs協会から「SDGs事業認定」を受けました。
(2)経営環境と中長期的な経営戦略
平山グループは、新たな高付加価値サービスを提供するものづくり支援オンリーワン企業に向けて、邁進する所存であります。
外部環境は、以下の見込みを前提としております。
・製造請負・製造派遣市場規模拡大2023年度2.37兆円市場へ年率1.0%アップ
・技術者派遣市場規模拡大2023年度1.29兆円市場へ年率6.1%アップ
・海外からの引き合い増加ASEAN GDP4兆ドルへ年率7.3%成長
ただし、リスクとして、米中貿易戦争による不透明感とそれに伴う円高により変動すると考えております。
具体的な施策は、以下のとおりであります。
① 新規事業と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造
IoTやAI、RPAなどを活用した事業連携強化により収益性の向上を目指します。
具体的には、オペレーションのシステム化による生産効率の更なる改善、現場測定データのお客様への常時提供によるモノづくりの高度化、IT化による生産現場の稼働管理といった新たな業務も含めたアウトソーシングを進めます。これらにより、平山グループ独自の高付加価値サービスの提供を実現してまいります。
② サービス事業(物流・小売・外食・宿泊など)顧客の拡大
FUNtoFUN株式会社の強みを活かしながら、人材不足が深刻な物流・小売・外食・宿泊などの顧客を拡大します。
③ エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用
教育体制の強化により、未習熟者から初級エンジニアへのキャリアチェンジを推進するとともに、これまでの領域(機械、電気、組込ソフト、IT)を超えたIoTやAI、RPAを活用できるスペシャリストの育成も行ってまいります。
また、ベトナム、ミャンマーからのグローバル人材も積極的に採用してまいります。
④ 外国人労働者の受入・管理受託サービスを全職種で展開
国内の労働力不足を背景に、2019年4月に「改正出入国管理法」が施行され、新たな在留資格として「特定技能」が創設されました。今後、特定技能人材が34.5万人増加すると見込まれ、これをビジネスチャンスとして、平山グループの株式会社平山グローバルサポーターを中心に、外国人労働者の受け入れ体制の強化を加速します。外国人労働者の送り出しから受け入れ支援、教育、労務管理業務支援、帰国後の支援を含めた全過程でしっかりと外国人労働者のサポートを実施します。
⑤ 国内の人材ビジネスパッケージ(人材派遣・製造請負・改善コンサルティング・人材教育)を海外展開
約30年にわたる日本市場での実績を生かし、タイ、海外でも、人材派遣、インソーシング製造請負、現場改善コンサルティング、人材育成の4つのサービスを柱に事業を積極的に展開してまいります。
(3)目標とする経営指標
平山グループの目標とする経営指標につきましては売上高営業利益率を重視し、中期的に4%を経営目標と掲げて進めて参ります。
具体的手法として、平山グループが主力事業としている国内製造業向けインソーシング・派遣事業において、既存インソーシング取引先との契約範囲の拡大や、既存製造派遣取引先のインソーシング化を推進するとともに、自社管理業務及び既存インソーシング取引先業務の両面にて強力に改善を進めることによって、売上原価・販売管理費を抑制し、売上高営業利益率の向上に努めて参ります。
また、持続的な発展のためには、限られた経営資源を有効に活用することが重要であります。平山グループは、資本効率の向上を図るため、ROICを活用し、資本コストを意識した経営を行っております。取り組みにあたっては、全事業を、インソーシング(請負)・派遣事業、技術者派遣事業、海外事業、その他事業とセグメント別に区分し、それぞれの位置づけに応じた戦略の立案・実行・見直しを進めるとともに全社最適の観点から事業ポートフォリオの見直し進めて参ります。
(平山グループの事業ポートフォリオマネジメント)
| 分 野 | 課 題 | |
| 基盤事業 | インソーシング(請負)・派遣事業 | ・請負化の推進、生産性の改善 ・採用強化、定着 ・営業力強化 |
| 収益改善事業 | 海外事業、その他事業(コンサルティング事業) | ・海外事業の効率化推進 ・コンサルティング事業はコロナ禍に対応したWEB化推進 |
| 成長事業 | 技術者派遣事業、その他事業(外国人雇用管理サポート事業) | ・技術者の採用、定着 ・営業力強化 ・外国人雇用管理サポート事業は、海外実習生のみならず国内特定技能配置への対応 |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
平山グループを取り巻く環境として、主要顧客である製造業は、医療機器、食品関連、輸送機器の3分野を中心に下期において順調に受注を拡大いたしました。
下期及び来期においても自動車関連が製造業界を牽引すると予測されますが、半導体の供給不足が懸念材料として挙げられます。足元では自動車業界で人材不足と採用難により派遣単価上昇が見られます。優秀な若手人材を集めることができる採用力のある会社が顧客企業からの需要を受け、業績を拡大することが予想されます。特にコロナ禍収束後に予想される急激な需要拡大に対応できる採用力があるかどうかが、来期以降、中長期の人材事業の勝敗を分けることになります。
2020年4月に施行された働き方改革における労働者派遣法等の改正に伴う同一労働同一賃金への対応により社員の待遇は一部改善される結果となりました。派遣社員の待遇改善のための評価を一律ではなく、毎年個別の単価交渉が必須となり、派遣元・派遣先企業に新たな業務負荷が発生いたしました。業界全体としても合理化を図るために業界標準となる共通プラットフォームの必要に迫られ、当社を含む人材企業8社が株式会社クロスリンクに共同出資いたしました。同社が提供するシステムを運用することで、派遣先企業がネット上で各派遣会社とコミュニケーションが図れるとともに、全プロセスの一元管理を実現いたしました。同システムの運用によりDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を促進でき、業績の向上が予想されます。
顧客企業のニーズは、高いコンプライアンス基準をベースとし多様化・高度化が進み、請負事業者・派遣事業者が選別され、業界の再編が引き続き進んでいくものと予想されます。
① 採用力の強化
コロナ禍が収束せず長引くことで、介護事業・サービス業・製造業で働くべきだった外国人の技能実習生が入国できないという状態が昨年から変わらず続いています。しかし、製造業においてはコロナ禍で一旦減退した需要が今年に入りコロナ禍前と同等の水準まで回復しています。外国人が入国できない分、人材不足が生じているため、国内人材だけでの対応が求められ、当社を含む人材会社に対する需要は増加しています。
当社は従来中途採用に注力していましたが、平均年齢が40代から50代へと推移するなかで若手の中途採用が困難な状況に直面しています。このような現状を鑑み、新卒採用へと軸を移し、より一層の拡充・強化を図ります。そのために若手人材を採用できる基盤、全国ネットワークの構築に注力いたします。
② 教育の強化と定着率の向上
「未経験者育成プログラム」や「グループ内企業の非技術系人材の技術者転換プログラム」により未習熟者から初級エンジニアへのキャリアチェンジを進め、高付加価値人材を育成します。同時に既存エンジニアに対しては今後市場拡大が予測されるAI(人工知能)など、新分野での技術習得を推進いたします。高度化する各領域でのスペシャリスト(専門人材)の育成を強化いたします。
③ 請負事業の強化
平山グループは従来通り、製造派遣契約から製造請負契約への転換を強みとしています。長引くコロナ禍による景気変動に伴う派遣事業の変動に対処するため、安定的な事業基盤である請負事業の強化が今まで以上に重要さを増しています。リーマンショック時と同様に景気悪化により、顧客との契約が解除されたとしても請負事業が受け皿となるため、無期雇用の継続が可能です。請負事業を強化することで、派遣需要がどのような情勢に変化しようとも迅速に柔軟に対応できます。請負事業を中心とした事業構造が当社の大きな強みといえます。
平山グループは、医療機器を中心として安定的な事業基盤を築きつつも、同領域に偏りがちの傾向もありました。急激な景気変動にも影響を受けにくい強靭なポートフォリオを構築するために、安定的な国内需要が見込める食品領域での請負事業をより一層拡大いたします。製造業においては特定の業種・領域に偏らない顧客構造を構築いたします。それ以外はサービス業の小売や物流など国内需要の底堅い業種での増強に努めます。
④ 技術者派遣事業の拡大
平山グループは、継続的な既存領域の技術者需要に対応しつつ、生産技術・IT・AI領域の新分野への顧客拡大に努めます。具体的には、スマートファクトリー、スマートシティ、自動運転、5Gなどの市場拡大に対応するため新領域の高スキル技術者の派遣事業に、より一層注力いたします。事業拡大のため、既存技術者を対象に新領域へのスキルアップ及びスキルシフトを行い、高スキル技術者の育成に努めます。新領域の高スキル技術者を育成するために、研修センターを拡大、研修設備を拡充いたします。併せて教育カリキュラムの充実と研修講師の増員・拡大を図ります。
今年に入り発生した海外データセンターでの情報漏えいや情報流出を背景に、データセンターの国内回帰が急速に進んでいます。これら需要に対応するためにデータセンターのシステム運用エンジニアの増員・拡大も図ります。
コロナ禍においても海外での教育は継続して実施いたします。日本の大学にはないAI・データ分析などの学部を持つ、海外理系大学からの優秀な新卒技術者を日本国内へ配置することを目指します。入国規制により遅れていますが、来期には解除が進み、配属が進むものと見込んでいます。
⑤ 外国人材採用・活用の拡充及び教育
今後の予測として、日本国内においては少子高齢化による生産年齢人口の減少は継続するものと見込まれます。そのため、平山グループも中長期的に影響を受けることは回避できず、人材採用は困難になることが容易に推測できます。
一方、2019年4月に施行された「改正出入国管理法」により外国人を受け入れるための法整備は進んでいます。このような社会情勢のなかで、平山グループが持続的な成長を実現するためには、外国人材の採用や活用を拡充することが必要不可欠であります。
⑥ 海外事業の強化
海外事業ではタイの製造業が輸出品の在庫減少に伴い回復の兆しを見せ、派遣事業はコロナ禍前の状態に戻っています。タイでは人件費が高騰しているため、派遣から請負事業への移行を推進し、ミャンマー人を対象とした外国人労務管理サービスの提案も行います。
コロナ禍を経ることにより、間接部門の人員削減など効率的なマネジメントを行うことで筋肉質な事業運営が可能となりました。今後も効率的なオペレーションを推進することにより、適正利益を創出できる事業をベースに事業拡大に努めます。
⑦ その他事業の強化
特定技能と技能実習の在留資格を持つ外国人を雇用する企業や、民間の人材派遣会社、登録支援機関などの就労支援機関に向け、2020年2月より提供を開始した、外国人雇用管理サポート事業の拡大を図ります。
顧客企業の国内外工場における改善コンサルティングのワンストップサービスは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けていましたが、Webセミナーを中心に切り替えることで拡大いたしました。オンラインの研修道場を開設することで世界中から多数参加できるなど、DX化を推進しています。
⑧ グループ会社の連携とコーポレートガバナンスの強化
企業倫理・コンプライアンスに関し、役員、社員が共通の認識を持ち、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成する仕組みの構築に加えて、透明性のある管理体制を整備・維持することで、内部管理体制の強化及びコーポレートガバナンスの充実に努めます。
今後、グループ会社間のサービス連携、顧客連携によるシナジー効果を増大させるとともに、各社のコンプライアンス経営を担保すべくホールディングスによるガバナンスを強化します。グループ共通のⅠT基盤を構築することでDX化を迅速に推進し、業務プロセスの効率化と透明性の担保を図ります。