有価証券報告書-第2期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 11:01
【資料】
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【項目】
102項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「医薬品スタンディングの美と健康と快適な生活にウィングを持つ需要創造型の新しい中間流通業」を目指しております。また、同時に「流通コストのナショナルミニマムを実現する中間流通業」として、小売店と一体となって消費者満足の向上を通じて社会に貢献してゆく事を社会的使命と考えております。
そのため、考え方を共有する小売店とパートナーシップを組み、医薬品、健康食品、化粧品、医療器、日用品に至るまで、消費者が満足して購入し使って頂けるようなカテゴリー提案を積極的に行いますと共に、店頭での販売力を強化する為の「インストアマーチャンダイジング」を展開してまいります。その結果として、「非価格競争力」を持った、お客様から信頼される商流力を確立し、お客様にとって欠くことのできないオンリーワンの卸売業者となることを目指してまいります。
(2)経営戦略等
社会全体の大きな流れとして、日本の人口減少および少子高齢化の進行、消費者のライフスタイルの多様化や健康に対する考え方が変化してきております。また、健康志向が一段と進み、未病、予防の為の健康食品への関心がますます強くなってきております。
ヘルスケア業界をとりまく環境は、ドラッグストアや医薬品卸業者の生き残りをかけた再編淘汰も更に加速すると予想されます。
当社グループはこうした激動の潮流と国内業界の将来を見据えて強固な営業基盤の確立を図るため、インフラとしてのコンプライアンス体制を堅持しつつ、広域化・業態化を進め、カテゴリーを拡大し、健康維持摂取品や基礎化粧品であるメディカルスキンケアを含む広範な商品調達力を備えてまいります。また、マーチャンダイジング商品の開発にも注力し、ユニークなビジネスモデルを持つオンリーワン卸の確立を目指してまいります。
(3)対処すべき課題等
今後のわが国経済は、政府の経済対策などを背景に緩やかな回復基調で推移するものと見込まれておりますが、海外の政治・経済の不確実性の高まりや不安定な金融市場の変動が景気を下押しするリスクもはらんでおり、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。国内では少子化による人口減少と超高齢社会の進展を背景とした購買意欲の減退、インバウンド消費の急速な変化や消費者のライフスタイルの多様化、さらに社会保障に対する不安による生活防衛意識の高まりから、今後も厳しい経営環境が続くものと予測しております。
ヘルスケア業界におきましては、本年1月から一定額以上のスイッチOTC薬を購入した場合に一定の要件のもとで所得控除が受けられる、いわゆる「SM税制」(セルフメディケーション税制)がスタートし、一般用医薬品業界にとってセルフメディケーション推進に向けて追い風となることが期待されます。しかしながら、OTC薬に初めて導入された「SM税制」に対する生活者の認知度は高いとは言えず、今後は関係団体と連携して対象商品拡大への取り組みとともに「SM税制」を積極的に推進していくことが使命と考えております。
ヘルスケア業界をとりまく環境は、大手ドラッグストアのM&Aや資本・業務提携での再編は加速度を増し、広域化・大型化し、センターフィー等のコスト増加や納入価交渉も厳しい局面を向かえており、売上総利益率の更なる低下が予想されます。また、物流コストの上昇、人手不足による採用難で人員確保が深刻な課題となってきています。
このような状況下にあって、当社は業界における競争力を更に向上させることや経費削減等の業務効率の改善が課題事項と認識しております。
次期につきましては、消費環境は依然として不透明な状況にある中で、当社グループとしては、環境の変化に伴って多様に変化する消費者ニーズを的確にとらえ、消費者満足の向上を通じて社会に貢献していくことを掲げ、これまでの経営努力や事業戦略を着実に進め安定的な成長を目指す一方、更なる飛躍に向けて新たな戦略を講じ、一層の企業体質・サービス機能の強化および経営の効率化に向けて、次の項目を徹底的に推進して利益の確保に取り組んでまいります。
第一に、需要創造型の商流力でMD(マーチャンダイジング商品)の構成比アップを図ります。
第二に、競争力のある品揃えの提供に努めるとともに、売場の付加価値を高める取組を強化し、市場の特性に応じて投入商品や価格設定を見直し、PB商品など競争力ある品揃えの充実に努めてまいります。
第三に、新しいニーズの発掘と幅広い業態開拓の取組み強化を図ります。
第四に、コスト構造改革と徹底的なロスの排除のための更なる経費削減を目指します。
第五に、主体性ある企業行動と、主張出来る人材育成・失敗を恐れない挑戦意識で向上心を養います。
今後も販売実績の向上と一層のローコスト経営を目指し、ヘルスケア流通業として名実共に確固たる基盤を構築し、業績の向上に取り組んでゆく所存でございます。