有価証券報告書-第18期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/25 12:02
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129項目
当社グループは単一セグメントのため、セグメント別の業績については記載しておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き景気の緩やかな回復が謳われているものの、景気の回復が賃金に反映せず、結果として個人消費については、未だ踊り場局面から脱せない状況にあります。また、新興国経済の減速、欧州における英国のEUからの離脱、米中間の貿易戦争の懸念等、不安定な国際情勢の影響等による世界経済の悪化懸念により、その先行きも依然、不透明な状況にあります。このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、2019年9月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約4,073万(前年同期比2.1%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約1億4,449万(前年同期比13.1%増)となるなど、インターネットを利用する環境は引き続き継続的な拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表資料)。一方、2019年1月~12月の雑誌の販売状況は前年同期比で約4.9%減少の5,637億円となり、落ち込みのペースは鈍化したものの減少状況が継続している状況となっております。書店からの返品率は42.9%となり(前年同期比0.8ポイント減)、返品率については、高止まりはしているものの、書店への送品数の絞り込みによる改善の兆しもみえつつある状況となっております(出所:出版月報2020年1月号)。
このような環境の中、当社グループは、雑誌の定期購読者の囲い込み、新規読者の獲得のため、第16期事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、WEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために、出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社グループが購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開及び法人顧客開拓についても、引き続き注力して参りました。
この結果、雑誌出版市場が大きく前年比で縮小する中、当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,232,038名(前連結会計年度末から240,899名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は608,020名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びております。しかし、スマートフォンによる余暇時間の独占に伴い、特に当社グループが新規ユーザーを獲得するための最大チャネルであるWEBマーケティングに親和性が高い20代、30代の雑誌購読者の減少の影響を受け、新規ユーザー獲得コストは増加傾向となっております。
また、デジタル雑誌関連の事業(「第2の矢」事業)については、前第2四半期連結会計期間より、新たに株式会社電通と合弁で設立した株式会社magaportの事業開始に伴い、従来の「Fujisan.co.jp」上でのデジタル雑誌販売のみならず、他電子書店向けのデジタル雑誌取次分野及び派生するサービス領域事業に注力しております。当連結会計年度においては、主に雑誌読み放題サービスにおいて着実に成長を続けており、当社グループの第2の柱に育ちつつあります。
また、当第4四半期連結会計期間より、専門性の高い雑誌記事をWEBテキスト化して配信する記事配信サービスについても商用サービスを開始しております。
コスト面においては、主に配送請負について、さまざまな施策に取り組んだ結果、期初に想定していたコストと比較して、発生するコストを抑えることができました。なお、当第4四半期連結会計期間において、保有するPR代行を行う子会社株式について、取得時に想定していた事業計画に比べ、事業の立ち上がりが遅れていることから減損損失26,424千円を計上いたしましたが、当社グループとしては当該子会社のPR代行業務は雑誌出版社に対する有用な記事及び広告収益提供プラットフォームとして価値を有すると考えておりますので、引き続き当該事業については推進して参る所存であります。
上記の施策の結果、当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は当社グループ設立来初となる100億円を超える10,555,965千円となりました。売上高は4,432,250千円(前年同期比27.8%増)となりました。利益面につきましては、営業利益327,653千円(同29.6%増)、経常利益333,069千円(同31.3%増)、当期純利益174,484千円(同5.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益172,529千円(同5.0%減)となりました。
b 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は4,366,479千円(前連結会計年度末比645,741千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が3,862,023千円(同652,412千円増)、固定資産が504,455千円(同6,670千円減)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が541,944千円増加したこと、未収入金が50,492千円増加したこと、売掛金が50,232千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,037,935千円(前連結会計年度末比448,011千円増)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ未払金が183,089千円増加したこと、短期借入金が150,000千円増加したこと、未払法人税等が68,238千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,328,543千円(前連結会計年度末比197,730千円増)となりました。主な変動要因は、当期純利益等の計上に伴い利益剰余金が118,972千円増加したこと、自己株式の処分に伴い自己株式が65,807千円減少したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、541,944千円増加し、2,276,992千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は、633,755千円(前年同期230,588千円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益288,998千円、減価償却費201,304千円、未払金の増加額188,808千円等による資金の増加と、法人税等の支払額54,165千円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、260,736千円(前年同期は267,750千円の支出)となりました。
これは、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出207,768千円、新規連結子会社の取得による支出49,900千円等による資金の減少によるものであります。資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得た資金は、168,926千円(前年同期は18,400千円の収入)となりました。
これは、短期借入金の増加による収入150,000千円、ストックオプションの行使に伴う自己株式の処分による収入
12,250千円等によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループが事業を展開している雑誌定期購読市場は成長率が鈍化傾向にあるものの、WEB雑誌市場、WEB
コンテンツ市場は急速な成長を続けております。
このような環境の中、既存事業の成長を継続させるとともに、アライアンス、M&Aや戦略投資を効果的に活用す
ることで非連続的な成長の実現を目指しております。売上の成長や事業規模の拡大により市場シェアを高めていくこ
とが中長期的な企業価値向上に資すると考えております。
当社グループではこれらの資金需要については、原則的には当社グループの既存主力事業である雑誌定期購読支援
事業において生み出されている営業キャッシュ・フローで賄っております。2019年12月期における当社グループの営
業キャッシュフローは633,755千円となり、2019年12月期における投資活動によるキャッシュ・フロー260,736千円を
賄えております。
なお、当社グループでは今後の電子雑誌市場、電子雑誌取次事業の業容拡大、それに伴う運転資金の需要の拡大を
見据え、子会社である株式会社magaportにおいて、市中銀行から150百万円の借入をおこないました(うち、100百万
円は親会社からの借入の借換)。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
雑誌販売支援事業1,474,14655.2
合計1,474,14655.2

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当社グループは受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
雑誌販売支援事業4,432,25027.8
合計4,432,25027.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
業務報酬(千円)割合(%)業務報酬(千円)割合(%)
楽天ブックスネットワーク株式会社1,122,68532.41,122,87025.3

(注)株式会社大阪屋栗田は、2019年11月1日をもって楽天ブックスネットワーク株式会社に会社名称を変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表における報告数値のうち一部の数値については、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる見積りを基にその算出を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
(取扱高)
当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は当社グループ設立来初となる100億円を超える10,555,965千円(前年同期比15.4%増)となりました。
取扱高の主な伸びは子会社である株式会社magaportが手掛ける雑誌読み放題向けの取次及び配送請負業務に関連する受注によるものです。
(総登録会員数)
当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,232,038名(前連結会計年度末から240,899名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は608,020名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びを続けております。
(営業利益率)
当社グループでは、安定成長型のサブスクリプションビジネスである雑誌の定期購読を主軸に事業を展開しております。当社では売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。当連結会計年度における営業利益率は7.4%(前年同期は7.3%)となりました。
(売上高)
当連結会計年度においては、子会社である株式会社magaportの雑誌読み放題関連の売上の増加及び雑誌配送請負サービスにおける請負単価の値上げ、受注増の影響により、売上高は4,432,250千円(前年同期比27.9%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度においては、売上総利益は1,638,528千円(前年同期比9.4%増)となりました。一方、売上総利益率は37.0%(前年同期は43.1%)と悪化しております。この原因は雑誌定期購読サービスに比べて利益率が低い配送請負サービス、デジタル雑誌読み放題サービスが中心となり、売上高が拡大したためであります。
(営業利益)
当連結会計年度においては、営業利益は327,653千円(前年同期比29.6%増)となりました。
主にマーケティング費用のコストセーブに取り組んだ結果、売上総利益率の悪化に対し、営業利益率は昨年度並みとなり、結果、営業利益は成長しております。
(経常利益)
当連結会計年度において、補助金収入の発生等により、営業外収益は6,295千円(前年同期848千円)となりました。また、支払利息が発生したこと等により、営業外費用が879千円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は333,069千円(前年同期比31.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税119,651千円、減損損失26,424千円を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は172,529千円(前年同期比5.0%減)となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の対応について
当社グループは、既存事業の雑誌の定期購読サービスについては、「雑誌のFujisan」のブランド構築を実現し、定期購読市場の拡大、定期購読市場内でのシェアの拡大を実現するため、出版社に対する定期購読サービス推進のためのサポートの促進、購読者獲得ノウハウの確立、定期購読ユーザーの継続率向上を図って参ります。
新規事業である雑誌のWEB化、当社グループの会員データを用いたEC等のサービスにおいては、記事抽出の技術開発、出版社に対してWEB記事を活用する基盤であるCMSの提供等を進めて参ります。
上記施策の実行のためには、市場環境に即応できる組織体制の構築、技術力の強化、システム安定性の確保、情報管理体制の強化等により、組織としての体力を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために当社の経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。

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