有価証券報告書-第19期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
当社グループは単一セグメントのため、セグメント別の業績については記載しておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、いまだ沈静化しない新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響を被り、個人の消費は急速に冷え込みつつあります。ワクチン開発が進むものの未だ収束の目途が見えない新型コロナウイルス感染症の蔓延、米中間の関係悪化に伴う不安定な国際情勢の影響等により世界経済の悪化がほぼ確実視される中、わが国の景気についても大幅な悪化が避けられない情勢となっております。
このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、2020年9月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約4,196万(前年同期比3.0%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴うテレワークの普及、在宅時間の増加に伴い、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約1億5,915万(前年同期比10.1%増)となるなど、インターネットを利用する環境は引き続き継続的な拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表資料)。一方、2020年1月~12月の雑誌の販売状況は前年同期比で約1.1%減少の5,576億円となり、コミック誌が売れゆき好調であったため落ち込みのペースは鈍化したものの、定期誌、ムック誌においては減少状況が継続している状況となっております。一方、書店からの返品率は40.0%となり(前年同期比2.9ポイント減)、返品率については、高止まりはしているものの、書店への送品数の絞り込みによる改善の兆しもみえつつある状況となっております(出所:出版月報2021年1月号)。
このような環境の中、当社グループは、雑誌の定期購読者の囲い込み、新規読者の獲得のため、第18期事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、出版社の配送業務支援及びWEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社グループが購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開についても、引き続き注力して参りました。
この結果、雑誌出版市場が大きく前年比で縮小する中、当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,518,945名(前連結会計年度末比286,907名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は646,661名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びております。しかし、スマートフォンによる余暇時間の独占に伴い、特に当社グループが新規ユーザーを獲得するための最大チャネルであるWEBマーケティングに親和性が高い20代、30代の雑誌購読者の減少の影響を受け、新規ユーザー獲得コストは増加傾向となっております。
また、デジタル雑誌関連の事業(「第2の矢」事業)については、2018年第2四半期連結会計期間より、新たに株式会社電通と合弁で設立した株式会社magaportの事業開始に伴い、従来の「Fujisan.co.jp」上でのデジタル雑誌販売のみならず、他電子書店向けのデジタル雑誌取次分野及び派生するサービス領域事業に注力しております。当連結会計年度においては、主に雑誌読み放題サービスにおいて着実に成長を続けており、当社グループの第2の柱に育ちつつあります。
また、2019年第4四半期連結会計期間より、専門性の高い雑誌記事をWEBテキスト化して配信する記事配信サービスについても商用サービスを開始し、雑誌記事のWEB化、雑誌メディアのWEB化支援も本格的に開始しておりますが、こちらについては新型コロナウイルス感染症の影響に伴う営業活動の遅延、雑誌メディアに対する広告出稿の急減等により展開が遅れております。
コスト面においては、前期に引き続き、主に配送請負について、さまざまな施策に取り組み、期初に想定していたコストと比較して、発生するコストを抑えております。また、当社グループでは2020年4月以降、全社を原則としてテレワーク勤務としており、管理部門等の業務上出社が必要な部門以外は原則出社しない体制を継続している結果、交通費、出張費及び郵送費等を中心に削減が進んでおります。なお、当第4四半期連結会計期間において、保有する加除式出版事業を行う子会社について、新型コロナウイルス感染症の影響により加除訪問できないこと、オフィス縮小に伴うスペース確保の問題等を理由とする法人顧客からの解約の増加により、取得時に想定していた事業計画の達成が困難となったため、当該子会社に係るのれんを一括償却しております。
上記の施策の結果、当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は11,161,417千円となりました。売上高は5,144,038千円(前年同期比16.1%増)となりました。利益面につきましては、営業利益323,333千円(同1.3%減)、経常利益324,373千円(同2.6%減)、当期純利益221,453千円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214,639千円(同24.4%増)となりました。
b 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は4,978,987千円(前連結会計年度末比612,508千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が4,526,109千円(同664,086千円増)、固定資産が452,878千円(同51,577千円減)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が669,036千円増加したこと、有価証券が100,000千円減少したこと、のれんが39,148千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,434,094千円(前連結会計年度末比396,159千円増)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ買掛金が35,978千円増加したこと、短期借入金が400,000千円増加したこと、預り金が38,310千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,544,893千円(前連結会計年度末比216,349千円増)となりました。主な変動要因は、当期純利益等の計上に伴い利益剰余金が122,399千円増加したこと、自己株式の処分に伴い自己株式が87,697千円減少したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、569,036千円増加し、2,846,029千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は、385,747千円(前年同期633,755千円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益326,405千円、減価償却費204,195千円、のれんの償却額43,987千円等による資金の増加と、売上債権の増加額77,594千円、法人税等の支払額134,710千円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、204,721千円(前年同期は260,736千円の支出)となりました。
これは、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出196,535千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出16,952千円等による資金の減少によるものであります。資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得た資金は、388,010千円(前年同期は168,926千円の収入)となりました。
これは、短期借入金の増加による収入400,000千円、ストック・オプションの行使に伴う自己株式の処分による収入25,665千円等によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループが事業を展開している雑誌定期購読市場は成長率が鈍化傾向にあるものの、WEB雑誌市場、WEBコンテンツ市場は急速な成長を続けております。
このような環境の中、既存事業の成長を継続させるとともに、アライアンス、M&Aや戦略投資を効果的に活用す ることで非連続的な成長の実現を目指しております。売上の成長や事業規模の拡大により市場シェアを高めていくこ とが中長期的な企業価値向上に資すると考えております。
当社グループではこれらの資金需要については、原則的には当社グループの既存主力事業である雑誌定期購読支援 事業において生み出されている営業キャッシュ・フローで賄っております。2020年12月期における当社グループの営 業キャッシュ・フローは385,747千円となり、2020年12月期における投資活動によるキャッシュ・フロー204,721千円を賄えております。
なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による外注倉庫の一時的な使用制限等、新型コロナウイルス感染症に関連する事業リスクに対応するための備え、今後の電子雑誌市場、電子雑誌取次事業関連の新サービス開発及びビッグデータを活用した事業開発、それに伴う運転資金等の資金需要の拡大といった既存事業以外の資金需要を見据え、金融機関から400,000千円の借入を行いました。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当社グループは受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表における報告数値のうち一部の数値については、過去の実績や状況に応じ合理的である考えられる見積りを基にその算出を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
(取扱高)
当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は11,161,417千円(前年同期比5.7%増)となりました。
取扱高の主な伸びは子会社である株式会社magaportが手掛ける雑誌読み放題向けの取次及び配送請負業務に関連する受注によるものであります。
(総登録会員数)
当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,518,945名(前連結会計年度末から286,907名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は646,661名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びを続けております。
(営業利益率)
当社グループでは、安定成長型のサブスクリプションビジネスである雑誌の定期購読を主軸に事業を展開しております。当社では売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。当連結会計年度における営業利益率は6.3%(前年同期は7.4%)となりました。
(売上高)
当連結会計年度においては、子会社である株式会社magaportの雑誌読み放題関連の売上の増加及び雑誌配送請負サービスにおける請負単価の値上げ、受注増の影響により、売上高は5,144,038千円(前年同期比16.1%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度においては、売上総利益は1,780,690千円(前年同期比8.7%増)となりました。一方、売上総利益率は34.6%(前年同期比2.4%減)と悪化しております。この原因は雑誌定期購読サービスに比べて利益率が低い配送請負サービス、デジタル雑誌読み放題サービスを中心に、売上高が拡大したためであります。
(営業利益)
当連結会計年度においては、営業利益は323,333千円(前年同期比1.3%減)となりました。
顧客獲得のための広告宣伝費の増加やのれんの一括償却により営業利益率が悪化しております。
(経常利益)
当連結会計年度において、補助金収入の発生等により、営業外収益は3,805千円(前年同期は6,295千円)となりました。また、支払利息が発生したこと等により、営業外費用が2,765千円(前年同期は879千円)となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は324,373千円(前年同期比2.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税108,765千円、法人税等調整額3,812千円を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は214,639千円(前年同期比24.4%増)となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の対応について
当社グループは、既存事業の雑誌の定期購読サービスについては、「雑誌のFujisan」のブランド構築を実現し、定期購読市場の拡大、定期購読市場内でのシェアの拡大を実現するため、出版社に対する定期購読サービス推進のためのサポートの促進、購読者獲得ノウハウの確立、定期購読ユーザーの継続率向上を図って参ります。
新規事業である雑誌のWEB化、当社グループの会員データを用いたEC等のサービスにおいては、記事抽出の技術開発、出版社に対してWEB記事を活用する基盤であるCMSの提供等を進めて参ります。
上記施策の実行のためには、市場環境に即応できる組織体制の構築、技術力の強化、システム安定性の確保、情報管理体制の強化等により、組織としての体力を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために当社の経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、いまだ沈静化しない新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響を被り、個人の消費は急速に冷え込みつつあります。ワクチン開発が進むものの未だ収束の目途が見えない新型コロナウイルス感染症の蔓延、米中間の関係悪化に伴う不安定な国際情勢の影響等により世界経済の悪化がほぼ確実視される中、わが国の景気についても大幅な悪化が避けられない情勢となっております。
このような経済情勢の中、当社サービスの基盤となる、インターネット及びブロードバンド関連の環境につきましては、着実に増加しており、2020年9月末時点で固定系ブロードバンド契約数が約4,196万(前年同期比3.0%増)とインターネットを利用する機会が広く普及しております。また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴うテレワークの普及、在宅時間の増加に伴い、スマートフォンやタブレット端末の利用者の増加により移動系超高速ブロードバンド契約数は約1億5,915万(前年同期比10.1%増)となるなど、インターネットを利用する環境は引き続き継続的な拡大基調にあります(出所:総務省電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表資料)。一方、2020年1月~12月の雑誌の販売状況は前年同期比で約1.1%減少の5,576億円となり、コミック誌が売れゆき好調であったため落ち込みのペースは鈍化したものの、定期誌、ムック誌においては減少状況が継続している状況となっております。一方、書店からの返品率は40.0%となり(前年同期比2.9ポイント減)、返品率については、高止まりはしているものの、書店への送品数の絞り込みによる改善の兆しもみえつつある状況となっております(出所:出版月報2021年1月号)。
このような環境の中、当社グループは、雑誌の定期購読者の囲い込み、新規読者の獲得のため、第18期事業年度に引き続き、各マーケティングチャネルの充実、SEO対策やリテンション対策による雑誌購読者の定期購読者化、新規受注高の増加及び継続率の上昇による継続受注高増加のための各種施策を実施して参りました。さらに、出版社の配送業務支援及びWEB経由以外で新規の雑誌定期購読者数を増やすために出版社が管理する既存の定期購読顧客の管理を当社に移管し、当社グループが購読顧客の獲得、管理、配送までを一括で受ける「Fujisan VCS(Fujisan Value Chain Support)」の展開についても、引き続き注力して参りました。
この結果、雑誌出版市場が大きく前年比で縮小する中、当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,518,945名(前連結会計年度末比286,907名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は646,661名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びております。しかし、スマートフォンによる余暇時間の独占に伴い、特に当社グループが新規ユーザーを獲得するための最大チャネルであるWEBマーケティングに親和性が高い20代、30代の雑誌購読者の減少の影響を受け、新規ユーザー獲得コストは増加傾向となっております。
また、デジタル雑誌関連の事業(「第2の矢」事業)については、2018年第2四半期連結会計期間より、新たに株式会社電通と合弁で設立した株式会社magaportの事業開始に伴い、従来の「Fujisan.co.jp」上でのデジタル雑誌販売のみならず、他電子書店向けのデジタル雑誌取次分野及び派生するサービス領域事業に注力しております。当連結会計年度においては、主に雑誌読み放題サービスにおいて着実に成長を続けており、当社グループの第2の柱に育ちつつあります。
また、2019年第4四半期連結会計期間より、専門性の高い雑誌記事をWEBテキスト化して配信する記事配信サービスについても商用サービスを開始し、雑誌記事のWEB化、雑誌メディアのWEB化支援も本格的に開始しておりますが、こちらについては新型コロナウイルス感染症の影響に伴う営業活動の遅延、雑誌メディアに対する広告出稿の急減等により展開が遅れております。
コスト面においては、前期に引き続き、主に配送請負について、さまざまな施策に取り組み、期初に想定していたコストと比較して、発生するコストを抑えております。また、当社グループでは2020年4月以降、全社を原則としてテレワーク勤務としており、管理部門等の業務上出社が必要な部門以外は原則出社しない体制を継続している結果、交通費、出張費及び郵送費等を中心に削減が進んでおります。なお、当第4四半期連結会計期間において、保有する加除式出版事業を行う子会社について、新型コロナウイルス感染症の影響により加除訪問できないこと、オフィス縮小に伴うスペース確保の問題等を理由とする法人顧客からの解約の増加により、取得時に想定していた事業計画の達成が困難となったため、当該子会社に係るのれんを一括償却しております。
上記の施策の結果、当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は11,161,417千円となりました。売上高は5,144,038千円(前年同期比16.1%増)となりました。利益面につきましては、営業利益323,333千円(同1.3%減)、経常利益324,373千円(同2.6%減)、当期純利益221,453千円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214,639千円(同24.4%増)となりました。
b 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は4,978,987千円(前連結会計年度末比612,508千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が4,526,109千円(同664,086千円増)、固定資産が452,878千円(同51,577千円減)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が669,036千円増加したこと、有価証券が100,000千円減少したこと、のれんが39,148千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,434,094千円(前連結会計年度末比396,159千円増)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ買掛金が35,978千円増加したこと、短期借入金が400,000千円増加したこと、預り金が38,310千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,544,893千円(前連結会計年度末比216,349千円増)となりました。主な変動要因は、当期純利益等の計上に伴い利益剰余金が122,399千円増加したこと、自己株式の処分に伴い自己株式が87,697千円減少したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、569,036千円増加し、2,846,029千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は、385,747千円(前年同期633,755千円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益326,405千円、減価償却費204,195千円、のれんの償却額43,987千円等による資金の増加と、売上債権の増加額77,594千円、法人税等の支払額134,710千円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、204,721千円(前年同期は260,736千円の支出)となりました。
これは、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の取得による支出196,535千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出16,952千円等による資金の減少によるものであります。資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得た資金は、388,010千円(前年同期は168,926千円の収入)となりました。
これは、短期借入金の増加による収入400,000千円、ストック・オプションの行使に伴う自己株式の処分による収入25,665千円等によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループが事業を展開している雑誌定期購読市場は成長率が鈍化傾向にあるものの、WEB雑誌市場、WEBコンテンツ市場は急速な成長を続けております。
このような環境の中、既存事業の成長を継続させるとともに、アライアンス、M&Aや戦略投資を効果的に活用す ることで非連続的な成長の実現を目指しております。売上の成長や事業規模の拡大により市場シェアを高めていくこ とが中長期的な企業価値向上に資すると考えております。
当社グループではこれらの資金需要については、原則的には当社グループの既存主力事業である雑誌定期購読支援 事業において生み出されている営業キャッシュ・フローで賄っております。2020年12月期における当社グループの営 業キャッシュ・フローは385,747千円となり、2020年12月期における投資活動によるキャッシュ・フロー204,721千円を賄えております。
なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による外注倉庫の一時的な使用制限等、新型コロナウイルス感染症に関連する事業リスクに対応するための備え、今後の電子雑誌市場、電子雑誌取次事業関連の新サービス開発及びビッグデータを活用した事業開発、それに伴う運転資金等の資金需要の拡大といった既存事業以外の資金需要を見据え、金融機関から400,000千円の借入を行いました。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| 雑誌販売支援事業 | 1,924,632 | 30.6 |
| 合計 | 1,924,632 | 30.6 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当社グループは受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 雑誌販売支援事業 | 5,144,038 | 16.1 |
| 合計 | 5,144,038 | 16.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 業務報酬(千円) | 割合(%) | 業務報酬(千円) | 割合(%) | |
| 楽天ブックスネットワーク株式会社 | 1,122,870 | 25.3 | 1,025,991 | 19.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表における報告数値のうち一部の数値については、過去の実績や状況に応じ合理的である考えられる見積りを基にその算出を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
(取扱高)
当連結会計年度における取扱高(連結取引消去前における当社グループから出版社への定期購読の注文取次高、当社の仕入販売高、当社グループが出版社から配送業務及び広告PR業務等を受けた請負業務の取扱高の合計)は11,161,417千円(前年同期比5.7%増)となりました。
取扱高の主な伸びは子会社である株式会社magaportが手掛ける雑誌読み放題向けの取次及び配送請負業務に関連する受注によるものであります。
(総登録会員数)
当社グループは当連結会計年度末において総登録ユーザー数(一般購読者及び法人購読者の合計数)は3,518,945名(前連結会計年度末から286,907名増加)、そのうち課金期間が継続している継続課金ユーザー数(「Fujisan.co.jp」に登録しているユーザーのうち、12月末時点で年間定期購読及び月額払い定期購読の申込みを継続しているユーザー並びに当月内に雑誌を購読したユーザーの合計数)は646,661名となり、当社グループ会員数は雑誌市場の減少にかかわらず着実に伸びを続けております。
(営業利益率)
当社グループでは、安定成長型のサブスクリプションビジネスである雑誌の定期購読を主軸に事業を展開しております。当社では売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。当連結会計年度における営業利益率は6.3%(前年同期は7.4%)となりました。
(売上高)
当連結会計年度においては、子会社である株式会社magaportの雑誌読み放題関連の売上の増加及び雑誌配送請負サービスにおける請負単価の値上げ、受注増の影響により、売上高は5,144,038千円(前年同期比16.1%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度においては、売上総利益は1,780,690千円(前年同期比8.7%増)となりました。一方、売上総利益率は34.6%(前年同期比2.4%減)と悪化しております。この原因は雑誌定期購読サービスに比べて利益率が低い配送請負サービス、デジタル雑誌読み放題サービスを中心に、売上高が拡大したためであります。
(営業利益)
当連結会計年度においては、営業利益は323,333千円(前年同期比1.3%減)となりました。
顧客獲得のための広告宣伝費の増加やのれんの一括償却により営業利益率が悪化しております。
(経常利益)
当連結会計年度において、補助金収入の発生等により、営業外収益は3,805千円(前年同期は6,295千円)となりました。また、支払利息が発生したこと等により、営業外費用が2,765千円(前年同期は879千円)となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は324,373千円(前年同期比2.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税108,765千円、法人税等調整額3,812千円を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は214,639千円(前年同期比24.4%増)となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の対応について
当社グループは、既存事業の雑誌の定期購読サービスについては、「雑誌のFujisan」のブランド構築を実現し、定期購読市場の拡大、定期購読市場内でのシェアの拡大を実現するため、出版社に対する定期購読サービス推進のためのサポートの促進、購読者獲得ノウハウの確立、定期購読ユーザーの継続率向上を図って参ります。
新規事業である雑誌のWEB化、当社グループの会員データを用いたEC等のサービスにおいては、記事抽出の技術開発、出版社に対してWEB記事を活用する基盤であるCMSの提供等を進めて参ります。
上記施策の実行のためには、市場環境に即応できる組織体制の構築、技術力の強化、システム安定性の確保、情報管理体制の強化等により、組織としての体力を高めていくことが経営上の課題であると認識しております。これらの課題に対応するために当社の経営陣は、最大限入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めて参ります。