有価証券報告書-第14期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 14:48
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有報資料

当社グループは、中期経営計画2028「進化の実現」において、事業ポートフォリオの拡大と、変化の激しい事業環境においても持続的な成長を実現するための経営基盤の強化を進めております。
こうした経営方針のもと、当社グループは、2025年6月時点における事業環境、経営戦略および事業運営の状況を踏まえ、当社グループの中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、リスクマネジメントプロセスに従い網羅的な洗い出しおよび評価を実施しました。
当該リスク評価においては、当社独自のビジネスモデルである「デザイン・イン」「スペック・イン」による価値創出プロセスを基点として、事業ポートフォリオの拡大・転換を支える中核要素である「技術」と「人財」をマテリアリティと位置づけ、これらに密接に関連するリスクを、特に経営上の重要リスクとして認識しております。
本項では、これらの重要リスクを含む当社グループの主なリスクについて、事業戦略への影響、事業運営上の影響の観点から整理し、それぞれのリスクの特性、想定される影響および対応方針を記載しております。
なお、以下に記載する各リスクが顕在化した場合には、その内容および程度により、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
リスクの区分リスクの分類リスクの重要度※
戦略リスク① グローバルでの事業展開
② 製品の競争力
③ 事業ポートフォリオ
④ M&A、事業提携、その他戦略的投資
⑤ 技術開発
⑥ 人材リスク
オペレーショナルリスク⑦ 情報セキュリティ
⑧ サプライチェーン
⑨ 品質
⑩ 事業継続計画(BCP)
⑪ 訴訟
⑫ 知的財産
外部環境リスク⑬ 地政学
⑭ 社会課題(環境・人権・バリューチェーン)
⑮ コンプライアンス
⑯ 為替

※リスクの重要度は、発生可能性および事業・財務への影響の大きさなどを総合的に勘案し、当連結会計年度末現在で定性的に評価したものです。
<リスクマネジメント体制とプロセス>当社グループは、リスクマネジメントを持続的成長と企業価値向上の基盤と位置づけ、リスクマネジメント体制は「三線モデル」に基づき構築しております。第一線として、事業部門および本社機能部門がリスクオーナーとなり、日常業務におけるリスクを管理しております。第二線として、リスク専門部門やリスクマネジメント委員会が横断的に進捗(しんちょく)管理・支援を担うほか、特定領域のリスクは専門部門が全社的対応を推進し、定期的に執行役員会と取締役会に報告しております。第三線として、内部監査部門が独立した立場から本体制の有効性を評価し、リスクマネジメント委員会および監査等委員会へ報告しております。当社グループのリスクマネジメントプロセスでは、全社での重要リスクを特定し、発生可能性と影響度などの観点によるリスク評価の結果、「重点対応リスク」と位置づけたリスクを当連結会計年度の最重要課題として対応しております。重点対応リスクはリスク専門部門が年間のリスク低減計画を策定・モニタリングし、執行役員が定期的に確認・是正指示を行い、その状況を取締役会へ報告しております。さらに、取締役会による監督機能のもと、監査等委員が職務執行を監査することで、監督・執行・監査が相互に補完し合う仕組みを実現しております。
[リスクマネジメント体制・プロセス図]
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<戦略リスク>
①グローバルでの事業展開重要度:高
背景
当社グループは、各国・地域においてグローバルに事業を行っており、売上高の相当程度は海外顧客向け製品の販売によるものとなっております。このため、進出している国や地域の政治・経済動向などが、当社グループの事業活動や製品需要に影響を及ぼす可能性があります。
リスクと影響
当社グループの海外事業展開においては、進出先各国・地域における政治情勢や経済環境の変化、法令・規制や税制の新設・変更または解釈の相違、労務管理上の問題や人件費の上昇、高関税や貿易規制、為替レートの変動、ならびに電力・輸送・通信といった社会インフラの不安定化などのリスクが内在しております。これらの要因により、事業運営に影響が及ぶ可能性があります。
また、テロ、戦争、経済制裁、貿易摩擦、感染症の世界的な拡大などの予測困難な事象が発生した場合には、事業活動に支障をきたす可能性があります。
これらのリスクが顕在化した場合、売上高の減少、費用の増加、業務の混乱が生じる可能性があります。
対応
当社グループは各国・地域の政治・経済・規制動向を継続的に把握し、事業への影響を評価するとともに、グローバル拠点間で情報を共有し、必要に応じて供給体制・販売体制の見直しを行っております。
また、顧客との対話を通じて顧客側の需要変化やリスク認識を早期に把握し、製品提案・量産支援を含む対応をすることで、需要変動や供給制約の影響を低減する取り組みを進めております。

②製品の競争力重要度:高
背景
当社グループが事業展開する分野においては、技術革新の進展やコスト競争の激化により、製品の性能、品質および価格競争力に対する要求が高まっております。このような事業環境のもと、競合他社との競争状況によっては、当社グループの製品競争力が相対的に低下する可能性があります。
リスクと影響
競合他社による低価格製品や高性能製品の市場投入、顧客との価格交渉の結果などにより、当社グループのコスト低減の取り組みを上回る製品価格の下落が生じた場合、または利益率の低い製品の販売比率が拡大した場合には、当社グループが十分な利益を確保することが困難となる可能性があります。
対応
当社グループは、中期的な技術動向および価格動向を踏まえ、差別化技術を活かした製品開発や事業競争力の強化に取り組んでおります。
また、生産工程の改善や歩留まり向上などによるコスト低減を進めることで、技術的優位性の維持および販売価格下落リスクへの対応に努めております。

③事業ポートフォリオ重要度:高
背景
当社グループは、高機能材料メーカーとして光学材料および電子材料の事業領域で製品を展開しており、売上高に含まれるコンシューマーIT関連製品は高い競争力を有する半面、ディスプレイメーカーやセットメーカーによる事業戦略や販売戦略の変更、完成品のモデルチェンジの時期および販売量は、当社グループの製品に対する需要に影響を与える事業環境にあります。
リスクと影響
当社グループは、フォトニクス事業および自動車事業(ディスプレイおよび自動運転用センサー向け材料を含む)を成長分野として位置づけております。これらの分野はコンシューマーIT関連製品に比べモデルサイクルは長いものの、同様に市場環境や技術動向などの変化により、需要の動向が変動する可能性があります。このため、当該事業の成長が想定どおりに進まない場合には、当社グループの事業ポートフォリオ転換が遅延するリスクがあります。事業ポートフォリオ転換が遅れ、コンシューマーIT製品への依存度の低下が進まない状態において、コンシューマーIT製品業界全体の需要低下が起こった場合には当社グループの製品需要の減少が生じる可能性があります。
対応
当社グループは成長分野における需要変動リスクを踏まえ、市場環境や技術動向を注視しつつ、事業運営の柔軟性を確保することでリスクの低減に努めております。
また、当社グループは事業ごとの状況を客観的に把握し、事業性や成長性などを総合的に勘案したポートフォリオ管理により、事業ポートフォリオの健全性の維持に努めております。

④M&A、事業提携、その他戦略的投資重要度:高
背景
当社グループは、M&A、事業提携、パートナー企業との協業およびその他の戦略的投資を、成長のための経営戦略の一つとして位置づけております。また、成長領域や新規事業領域の展開および既存事業領域の強化などを目的として、これらを実施しております。
リスクと影響
M&A、事業提携、パートナー企業との協業およびその他の戦略的投資においては、事前の調査や検討にもかかわらず、投資実行後に想定していなかった問題が顕在化する可能性があります。また、投資先企業や新規事業領域の業績が想定どおりに推移しない場合や、市場環境や価格動向の変化などにより事業収益性が低下した場合には、投資価値の下落や追加的な支出が発生する可能性もあります。
さらに、対象となる資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。
対応
当社グループは、M&A、事業提携および戦略的投資の実施にあたり、対象事業や投資先に関する調査および投資経済性評価を行い、投資回収およびリスクを総合的に検討しております。また、投資実行後においても、事業の進捗(しんちょく)状況や市場環境の変化を継続的に把握し、必要に応じて対応をすることで、リスクの低減に努めております。

⑤技術開発重要度:高
背景
当社グループの売上高および営業利益の相当部分は、特定の主力製品の販売によるものであり、これらの主力製品を取り巻く技術環境や競争環境の変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
リスクと影響
当社グループが事業を展開する市場では技術革新のスピードが速く、将来の市場動向や技術トレンドを正確に予測することは容易ではありません。このため、競合他社によって当社グループの主力製品に代替する技術や、より優れた製品が開発・導入された場合には、当社グループ製品の需要が減少する可能性があります。
また、新たに開発した製品について、想定した売上や収益効果が得られない可能性もあります。
対応
当社グループは、全社的な研究開発体制のもと、中期的な開発戦略を策定し、独自技術を活かした新技術および新製品の開発、新用途・新市場の開拓、新規プロセス開発などに取り組んでおります。
また、「デザイン・イン」「スペック・イン」の活動を通じて顧客との対話を継続し、要求仕様や技術動向の変化を把握したうえで、複数の技術要素を組み合わせた研究開発テーマの検討や開発計画の見直しを推進し、顧客の要求に応じたソリューション提案力の維持・向上に努めております。
さらに、DXやAIを含むデジタル活用により研究開発の効率化に取り組むとともに、研究開発投資や設備投資についても事業戦略および市場環境を踏まえながら継続的に実施することで、技術競争力の維持・向上に努めております。

⑥人材リスク重要度:高
背景
当社グループのビジネスモデルは、顧客の技術的課題を先回りして解決する「デザイン・イン」と、顧客の量産工程への深い関与を通じて部材指定を獲得する「スペック・イン」を両輪としております。このモデルを支えるのは、顧客との対話を通じて価値を生み出す多様なプロフェッショナル人材であり、当社は「技術」と「人財」を中長期的なマテリアリティとして位置づけております。
一方、高速通信やセンシングを支えるフォトニクス領域の急拡大など業界全体の技術転換が加速するなか、当社グループに求められる人材の専門性・グローバル対応力の要件は継続的に高度化しております。
リスクと影響
国内では専門人材をめぐる採用競争が業界横断で激化しており、専門人材の採用が計画通りに進まない場合、次世代製品の開発スピードが低下し、参入機会を逸するリスクがあります。材料認定は一度競合に先行を許すと数年単位での機会損失につながるため、人材の採用遅延は売上高・収益に直接影響します。また、ベテラン技術者の退職に際して経験則・暗黙知が適切に継承されなかった場合、製品品質の安定性低下や顧客への技術提案力の低下が生じます。加えて、海外売上高比率が高い当社グループにおいて、海外拠点での現地人材の定着が不十分な場合には、成長領域であるグローバル事業の拡大への制約となります。さらに、事業ポートフォリオの転換に伴うスキルギャップの拡大や従業員エンゲージメントの低下は、離職率の上昇を通じて技術知識と顧客関係の喪失を加速させるリスクがあります。
対応
人財ポリシーに基づき、多様な人材の採用・登用をグローバルで積極的に推進し専門人材の獲得を進めるとともに、事業戦略に基づき成長領域に必要なスキル・人員の見極めを行い、人財ポートフォリオの最適化を図っております。
育成面では、若手段階から開発現場で試行錯誤を重ねる文化を組織的に維持するとともに、グレード別研修・自己啓発支援制度(通信教育・eラーニング)を整備し、技術の継承と自律的なキャリア形成を支援しております。従業員エンゲージメント向上については、2016年度導入の株式給付信託(J-ESOP)制度により従業員が社員株主として企業価値向上に当事者意識を持つことができる体制を整えております。

<オペレーショナルリスク>
⑦情報セキュリティ重要度:高
背景
当社グループは、研究開発、製造、販売および営業などの企業活動において、顧客・取引先に関する情報、技術情報、業務ノウハウなど多様な情報資産を、当社グループの情報システム内や様々な形態で保有・管理しております。
リスクと影響
生成AIをはじめとしたデジタル技術の急速な進展など、外部環境の変化によりサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、不正アクセスやマルウェア感染などによる情報の漏洩(ろうえい)、滅失、改ざん、企業活動の停止が顕在化する可能性があります。また、信用の失墜や法的責任の発生を通じて、当社グループの事業運営に重大な影響が生じる可能性があります。
対応
当社グループの情報セキュリティ推進体制は、代表取締役専務執行役員を最高情報セキュリティ責任者とし、執行役員の統括情報セキュリティ責任者が指揮命令を行っております。社内ネットワークへの不正接続の防止、多要素認証の導入に加え、Webアクセスの制御・監視による不正サイトへの接続防止や情報漏洩(ろうえい)対策を講じております。また、専門チームによるセキュリティ監視体制を構築・強化するとともに、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を組成し、インシデント発生時の迅速かつ的確な対応体制を整備しております。従業員に対しては保有・管理する情報資産全般の取り扱いについて明確な方針を示すとともに、継続的な教育・啓発・訓練に取り組んでおります。

⑧サプライチェーン重要度:高
背景
当社グループ製品の製造には、産地や供給者が限定される原材料を多数使用しております。EV、AI、半導体などの世界的拡大を背景に、電子材料用の原材料への需要が急増しており、需給のひっ迫と価格変動が常態化しております。また、サプライチェーン・デューデリジェンスの進展により、原材料の産地・製造工程の透明性確保が調達の前提条件となりつつあります。
リスクと影響
当社グループは、購入先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、主要原材料の単一サプライヤー依存または特定地域への集中が継続した場合、地政学的緊張、自然災害、規制変更を契機として調達が途絶するリスクがあります。また、調達コストの急騰は製造原価を押し上げ、当社グループの利益に影響を与えます。加えて、顧客からのサプライチェーン情報開示要求に応じられない場合、取引を失うリスクが生じます。
対応
当社グループは、重要原材料について、原産国および調達先の集中度、代替可能性、リードタイム、価格変動などの観点から調達リスクを特定し、管理しております。
具体的には、調達先の複線化・地域分散を推進するとともに、調達途絶時の代替調達候補の確保、必要に応じた在庫方針(安全在庫・調達リードタイム)の見直しを行っております。

⑨品質重要度:中
背景
当社グループ製品は半導体・ディスプレイ・車載部品の製造工程において極めて厳密な品質水準が要求される製品であり、微量の不純物・物性のばらつきが顧客の最終製品の歩留まりや性能に直接影響します。半導体プロセスの微細化・車載部品/電子機器に搭載される製品の品質基準や信頼性要求の高度化に伴い、当社グループに求められる要求特性は年々厳格化しています。高度な要求特性を満足するためのプロセス構築、品質管理に基づいた品質保証体制の構築が顧客要求として標準化しつつあります。
リスクと影響
製品の品質不具合が発生した場合、顧客への補償・代替品供給コストに加え、顧客の製造ラインの停止に起因する損害賠償請求リスクが生じます。製品の特性上、不具合が最終製品に組み込んだ後に発覚するケースでは、影響範囲が広域に及ぶ可能性があります。重大な品質問題は顧客との取引関係の長期的な毀損(きそん)にもつながる可能性があります。
対応
当社グループは、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを全製造拠点で運用しており、一部の自動車産業向け製品においては、IATF16949に基づいております。QMS推進においては、製品トレーサビリティーシステムの整備を進め、原材料受入から出荷までを一元管理しております。また、製造工程をリアルタイムで監視・分析ができるインラインモニタリングの導入を順次拡大、品質管理体制を強化、品質異常の早期検知体制を構築し、品質不具合品の流出を防止しております。

⑩事業継続計画(BCP)重要度:中
背景
事業継続を脅かすリスクの性質は近年多様化しております。従来から存在する自然災害・感染症に加え、製造設備のIoT化・DXの進展に伴うサイバー攻撃、および地政学・地経学的緊張を背景とした重要原材料の調達途絶が、事業継続に対する複合的な脅威として顕在化しつつあります。
当社グループは国内外に事業拠点および取引先を有しており、地震・津波・洪水などの大規模自然災害や感染症の世界的流行といった事象が発生した場合、当社グループの操業およびサプライチェーンが影響を受ける可能性があります。また、当社グループはグローバルにシングルソース※製品を供給するケースが多く、供給中断が顧客の生産活動などへ影響を及ぼす可能性があるため、事業継続性の確保が重要な課題となっております。
リスクと影響
自然災害・パンデミックによる主要拠点の操業停止、サイバー攻撃による生産システムの機能不全、または地政学リスクの顕在化による原材料の突然の調達途絶が発生した場合、顧客ラインへの供給が途絶し、売上の急減・損害賠償リスクがあります。当社製品の多くはシングルソース※製品として顧客の量産工程に組み込まれているため、供給途絶が顧客ラインの停止に直結する場合があり、信頼関係の長期的な毀損(きそん)につながります。サイバー攻撃については、物理的な設備被害がなくても製造ラインが機能不全に陥るリスクがあります。また、AIをはじめ技術摩擦の深刻化や特定地域での有事などにより、当社製品の製造に不可欠な希少原材料・特殊化学品の調達が突然途絶した場合、代替調達先の確保に時間を要するほか、長期化によって顧客との供給契約に基づく義務の不履行リスクも生じます。
対応
当社グループは、次の3系統のリスクに対応した事業継続計画(BCP)の整備を推進し、多様なリスクを想定した「オールハザード型の考えに基づく事業継続マネジメント(BCM)」への拡張を進めております。
自然災害系については、初動・復旧体制を整備するとともに、自家発電・蓄電設備の導入を推進しております。また、新工場(鹿沼事業所 第2工場)ではDX化によるスマートファクトリーの構築を進め、設備の安定稼働体制の強化に努めております。
サイバーインシデント系については、システム強化、従業員への教育訓練の実施、セキュリティ監視体制構築およびCSIRT構築によりインシデント発生時の初動対応手順を事業継続計画(BCP)に組み込み、復旧時間の最少化を図っております。
地政学リスク系については、主要原材料の代替調達先の事前認定と戦略在庫の維持を進め、特定地域・特定サプライヤーへの依存度低減を継続的に推進しております。
また、定期的な訓練および見直しのサイクルを通じて、事業継続計画(BCP)の継続的な改善を図っております。ESG重点課題において各拠点の事業継続計画(BCP)整備強化を明示的な方針として掲げており、取締役会レベルでその進捗(しんちょく)をモニタリングしております。

※シングルソース:技術的独自性を有しており、同等もしくは代替となる材料・製品が存在しない状態
⑪訴訟重要度:中
背景
当社グループは世界各地において事業活動を展開しており、取引先、顧客、その他の第三者との間で訴訟を提起される可能性があります。
リスクと影響
訴訟対応コストがかさむ場合や、当社グループに不利益な判決、決定または命令を受けた場合には、費用負担の増加、損害賠償金の支払いなどを通じて財政状態に影響が生じる可能性があります。
対応
当社グループは、訴訟・紛争などが発生した場合に備え、外部専門家(弁護士など)との連携体制を整備するとともに、賠償責任保険に加入しております。また、事案の重要性に応じて適切に経営層へ報告し、早期解決と損失最小化を図っております。

⑫知的財産重要度:中
背景
当社グループは国内外で多くの知的財産権を保有し、維持・管理しております。また、主要な競合他社を含む第三者から実施許諾を受けて第三者の知的財産権を実施する場合があります。
リスクと影響
当社グループの知的財産権について、無効化、特定の国・地域における保護の不十分さ、模倣などにより権利の保護が損なわれる場合、当社グループの競争優位性や事業活動に影響を及ぼすおそれがあります。
また、第三者から実施許諾を受けている知的財産権について、必要な許諾の継続取得が困難となる、または当社グループに不利な条件での実施許諾となる場合、当社グループの製品開発・製造・販売活動に制約が生じる可能性があります。
さらに、第三者の知的財産権侵害などを理由として当社グループが損害賠償請求や差し止め請求を受ける場合、第三者によって当社グループの知的財産権が侵害される場合、またはこれらに関する訴訟などにおいて当社グループに不利益な判断がなされる場合には、費用負担の増加、事業活動の制限、信用の低下などが生じる可能性があります。
対応
当社グループは、製品開発の各段階において他社の知的財産権の調査・分析・評価により、侵害などの問題が発生することのないように努めております。
また、当社グループが保有する知的財産については、適正に出願・権利取得・維持・管理をしており、事業戦略および技術戦略に沿って権利の有効活用を進めております。

<外部環境リスク>
⑬地政学重要度:高
背景
国家間の技術覇権競争の激化、および各国政府による経済安全保障政策の強化を背景として、グローバルなサプライチェーンと販売市場が構造的な再編圧力にさらされております。当社グループの事業は、東アジア地域に主要な販売先・調達先・生産拠点を持つため、これらの地政学・地経学リスクの直接的影響を受けます。
リスクと影響
当社グループの製品または原材料が輸出管理規制の対象となった場合、特定顧客・地域向けへの販売が制限される可能性があります。
また、主要輸出先における追加関税の発動は、価格競争力の低下と収益減少をもたらします。
顧客がサプライチェーン分散を進める場合、当社も供給体制の再構築が必要となり相応の投資負担が生じます。
東アジア地域における有事の極端なシナリオでは、生産・物流ネットワーク全体が機能不全に陥る可能性があります。
対応
当社グループは、地政学・経済安全保障に関するリスクを重要リスクとして位置づけ、各国の輸出規制・制裁・関税などの規制動向や顧客動向、物流・調達環境の変化について、継続的なモニタリングと影響評価を実施しております。
また、当社グループに影響度の大きいリスクについては社内横断で情報を集約し、供給継続を前提とした代替調達・物流手段の検討を実施しております。

⑭社会課題(環境・人権・バリューチェーン)重要度:高
背景
気候変動、水資源の制約、生物多様性の損失、有害化学物質による汚染などの環境課題に加え、バリューチェーン全体における人権尊重や責任ある調達への要請が高まっております。これらは、規制の強化、顧客要求の高度化、投資家評価の変化などを通じて、企業の事業活動に影響を及ぼし得る重要な社会課題であり、当社グループとしても継続的な対応が求められております。
リスクと影響
当社グループが社会課題への対応を十分に進められない場合、顧客から求められる基準への適合が困難となり、取引関係に影響が生じる可能性があります。さらに、社会的信用の低下が生じるおそれがあります。
また、環境・人権に関する規制強化や市場要請の変化に対し、追加的な投資・対応コストが発生する可能性があります。
対応
当社グループは、社会課題への対応を経営上の重要事項の一つとして位置づけ、環境負荷低減や責任ある調達などに関する取り組みを進めるとともに、関連する情報開示を継続しております。
また、規制動向や顧客要請などの外部環境の変化を踏まえ、必要に応じて施策の見直しを行うことで、リスク低減に努めております。なお、調達の安定性に関するリスクは、「⑧サプライチェーン」に記載しております。

⑮コンプライアンス重要度:中
背景
当社グループは国内外で事業活動を展開しており、各国・地域の法令・規制や商慣習などの適用を受けております。事業の拡大や外部環境の変化に伴い、企業に求められるガバナンスおよびコンプライアンスの水準は高度化しており、これらを適切に維持・強化することは、事業継続およびステークホルダーからの信頼確保の前提となります。
また、当社グループにおける不正競争や贈収賄・不正取引の防止、職場におけるハラスメントの防止、内部通報制度の適切な運用などは、重大な法令違反やレピュテーション毀損(きそん)を未然に防ぐ観点から重要であり、継続的な取り組みが求められます。
リスクと影響
当社グループが適用法令・規制に違反する場合、または許認可などに付された条件・制約を順守できない場合には、規制当局からの制裁や罰金・罰則の適用、追加費用の負担、許認可などの停止・取り消しなどが生じる可能性があります。
さらに、不正競争や贈収賄などの不正が発生した場合には、取引停止や入札参加資格の制限などにより事業機会を喪失するおそれがあるほか、社会的信用の低下を通じて中長期的に事業運営へ影響が生じるおそれもあります。
また、ハラスメントが発生した場合には、労務問題や訴訟・紛争に発展する可能性があるほか、従業員の就業環境や職場の生産性に悪影響が生じ、組織運営上の問題となるおそれがあります。
対応
当社グループは、内部統制システムのもと、より実効性・透明性の高いグループ・コンプライアンスの進化を目指し、実効性・透明性の向上のため重要課題抽出、改善を継続しております。
また、規程・手続きの整備および教育・研修などを通じて法令順守体制の維持・強化に努め、不正競争や贈収賄などの不正防止およびハラスメント防止については、関連規程の整備や周知・啓発などにより未然防止に取り組んでおります。
なお、国内外の全グループ会社の役員および従業員や取引先などが利用できる内部通報制度を適切に運用し、通報を受けた事案については速やかに調査・対応を行うことで、問題の早期把握と拡大防止に努めております。

⑯為替重要度:中
背景
当社グループはグローバルに事業を展開し、外貨建てによる取引を行っております。製品・サービスなどのコストや価格、ならびに外貨建ての資産・負債を保有しており、海外関連会社を含めた外貨建ての資産・負債などは連結財務諸表作成の際に円換算されます。
リスクと影響
主に外貨建ての製品販売取引において為替相場の変動リスクにさらされており、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。当社グループの為替リスクは、主に米ドルの為替相場の変動によるものであります。
対策
当社グループでは、外貨建ての製品販売取引にかかる為替変動リスクをヘッジするため、先物為替予約ならびに通貨オプション取引を利用しております。

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