有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 15:32
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148項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けています。「2025年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2025年のインターネット広告費は、SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV等の動画広告需要の高まり等が市場全体の拡大に寄与し、前年から10.8%増加して4兆459億円となりました。初の4兆円を超え、日本の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、2026年3月期は「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」となることを目指す姿として掲げ、目指す姿の実現に向けて3つの取り組みを進めてまいりました。1つ目は事業毎の収益性・成長性の向上×総合シナジーの追求、2つ目はソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長、3つ目は成長を支える強靭な経営基盤の確立です。売上高においては、アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度では増収となりました。営業利益、経常利益は、既存事業の業績回復により増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益、経常利益の黒字幅の増加による影響で増益となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ586,014千円増加し、6,549,053千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ157,538千円増加し、2,140,467千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ428,476千円増加し、4,408,586千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は12,348,427千円(前期比6.1%増)、営業利益は561,005千円(前期比134.6%増)、経常利益は540,905千円(前期比227.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は434,953千円(前期比49.1%増)となりました。
当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。
1.アドテクノロジー
クライアントの広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP「Logicad」の提供を行っております。また、前期よりクライアントのデジタル広告・デジタルマーケティングを総合的に支援するデジタルハウスエージェンシーの提供を開始しています。当連結会計年度は、デジタルハウスエージェンシーの支援拡充等の影響により、アドテクノロジーの売上は前期比13.6%増の11,093,278千円となりました。
2.マーケティングソリューション
クライアントと媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っています。当連結会計年度は、クライアント及び媒体運営業者の開拓に努めましたが、ASP領域の競争環境激化による一部カテゴリでの販売不調の影響等により、マーケティングソリューションの売上は前期比57.1%減の211,692千円となりました。
3.デジタルソリューション
連結子会社の株式会社ASAではWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。なお、前連結会計年度においてルビー・グループ株式会社の全株式を譲渡したため、連結の範囲から除外しております。以上の結果、当連結会計年度では、ASAでは増収したものの、ルビー・グループ株式会社の株式譲渡に伴う減収により、デジタルソリューションの売上高は前期比28.0%減の928,571千円となりました。
4.その他
テレビ番組表ポータル「テレビ王国」の広告枠の企画及び販売事業、キャラクター「PostPet」のライセンス事業、アーティストやキャラクター等、IP(知的財産)の価値を最大化するIPプロデュース事業等を行っています。当連結会計年度では、IPプロデュース事業の売上増加等の影響により、その他の売上高は前期比26.2%増の114,885千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ711,863千円増加し3,187,997千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益540,905千円、減価償却費521,479千円を計上し、また、売上債権が92,366千円減少、仕入債務が97,322千円増加、法人税等の支払額37,365千円がありました。その結果、営業活動により得られた資金は1,199,347千円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が415,264千円、造作・サーバー等の有形固定資産の取得による支出が47,041千円となりました。その結果、投資活動により使用した資金は475,115千円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入金の返済による支出が12,420千円となりました。その結果、財務活動により減少した資金は12,483千円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、マーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
サービスの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
アドテクノロジー11,093,278113.6%
マーケティングソリューション211,69242.9%
デジタルソリューション928,57172.0%
その他114,885126.2%
合計12,348,427106.1%

(注)1.サービス間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社3,307,10728.44,370,21235.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は、4,999,758千円となり、前連結会計年度末に比べ621,856千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が711,863千円増加した一方で、売掛金が92,366千円減少したことによるものであります。固定資産は1,549,294千円となり、前連結会計年度末に比べ35,841千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが60,255千円減少した一方で、敷金が13,189千円増加したことによるものであります。
その結果、総資産は6,549,053千円となり、前連結会計年度末に比べ586,014千円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は2,007,040千円となり、前連結会計年度末に比べ147,031千円増加いたしました。これは主に、買掛金が97,322千円、未払法人税等が93,226千円増加した一方で、未払消費税等が20,023千円減少したことによるものであります。固定負債は133,426千円となり、前連結会計年度末に比べ10,506千円増加いたしました。これは主に、資産除去債務が20,353千円増加したことによるものであります。
その結果、負債合計は2,140,467千円となり、前連結会計年度末に比べ157,538千円増加いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は4,408,586千円となり、前連結会計年度末に比べ428,476千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が434,953千円増加したことによるものであります。
その結果、自己資本比率は67.3%(前連結会計年度末は66.7%)となりました。
2) 経営成績
(売上高)
アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度は増収となりました。この結果、売上高は12,348,427千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は9,870,951千円となりました。これは主に売上の増加にともなう仕入費用の増加によるものです。この結果、売上総利益は2,477,476千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は1,916,471千円となりました。これは主に事業再編の実施にともなう給与等の減少によるものです。この結果、営業利益は561,005千円となりました。
営業外収益は9,923千円、営業外費用は30,023千円発生しており、経常利益は540,905千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
営業利益、経常利益の黒字幅の増加による影響で、親会社株主に帰属する当期純利益は434,953千円となりました。
当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の区分による分析は省略しております。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、広告枠の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、主にソフトウエア開発にかかる無形固定資産投資、サーバー等の有形固定資産の取得によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金については主に、内部資金により調達しております。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することで、手許流動性を確保しております。
c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
当連結会計年度は、売上高はアドテクノロジーの増収により、期初計画を上回って着地いたしました。営業利益は、マーケティングテクノロジー事業の回復により、期初計画を上回って着地いたしました。期初計画に比べ、売上は348百万円(+2.9%)増加し12,348百万円、営業利益は161百万円(+40.2%)増加し561百万円となりました。
指標2026年3月期
(実績)
2026年3月期
(期初計画)
2026年3月期
(期初計画比)
売上高12,348百万円12,000百万円348百万円
(102.9%)
営業利益561百万円400百万円161百万円
(140.2%)

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、その他、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向を留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
2026年4月、新たに「2030に向けたビジョンと中期経営計画2026-2028」を策定いたしました。2031年3月期の売上高200億円の達成を見据え、2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を目標としております。当社グループは、AI・データ・プラットフォーム・コンサルティングのコア・コンピタンスの活用・拡大し、ソニーグループ連携をより深化することにより、クライアントのマーケティング活動の一部にとどまる広告配信プラットフォームからクライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへ転換し、非連続的な成長を実現することを目指します。
具体的には、「アドプラットフォーム」と「デジタルマーケティング支援」を軸にサービス区分を再定義し、独自データとAIで差異化された独立アドプラットフォームの提供、AIエージェントによる広告運用PDCAの高度化、クライアントの成長に深くコミットする伴走型支援、新規事業創出並びにM&A及び業務・資本提携の検討を推進してまいります。また、全社横断でのAI活用による経営効率化、人的資本への投資、実効性のあるコーポレート・ガバナンス及び資本コストを意識したキャピタルアロケーションにより、成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。
事業環境の見通しにつきましては、生成AIの急速な進展、広告効果に対する説明責任の高まり、生活者の検索・購買行動の変容、プライバシー規制の強化、広告チャネル及びメディア接触の分散等により、クライアントが直面するマーケティング領域の課題は一層複雑化・多様化するものと認識しております。このような環境のもと、当社グループの強みを成長領域へ重点的に投入し、成長性と収益性の向上に努めてまいります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報にもとづき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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